イレギュラーは家族と共に 〜ハイスクールD×D'sバタフライエフェクト~   作:シャルルヤ·ハプティズム

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第23話 夏休みの予定

 

 

 

 

 

夏休みを明日に控えた一学期最終日の朝。

 

八幡「夏休みどうすっかな·········」

 

手帳を見ながら俺は途方に暮れていた。そう、夏休みだ。今年は想像してたより休みが取れたが、ぶっちゃけうちの領とグレモリー家に顔を出すくらいしか漠然としか決めていない。どのみち、山積みの仕事が待ってるのは去年と変わらないんだ。

 

休みまでに終わっかな······

 

ちなみに、手帳を使っていた時期が長いからスマホに手帳の機能があるのに紙の手帳を使っている。スマホのも去年使ってみたが、結局慣れなかった。

 

ギャスパー「リアス部長達はグレモリー領に帰省するようですよ」

 

クルル「そう。高校生も、帰省するのね」

 

八幡「そうっぽいな」

 

俺達もそれに併せて帰省しよっかな······

 

 

 

 

放課後。

 

 

オカ研の部室で、兵藤は何やら思い詰めていた。「彼女ねぇ······」なんて呟いてたから、何か思い出してたんだろうか。

 

ギャスパー「······イッセー先輩どうかしたんですか?」

 

イッセー「あ、いや何も。それより木場、お前夏休みってどうすんの?」

 

裕斗「······うん? そうか。イッセー君は初めてだったね」

 

そこでリアス・グレモリーが入って来る。

 

リアス「全員揃ってるわね」

 

 

 

 

イッセー「······冥界に帰る?」

 

リアス「夏休みだし、故郷に帰るのよ。毎年やっているわ」

 

そういや去年の夏は3日くらいしか領にいなかったな·······俺仕事押し付け過ぎだろ。

 

リアス「·······って、どうしたのイッセー?」

 

何故か兵藤が泣いてる······お前いつからそんな感傷的になったんだ。

 

イッセー「部長が突然帰るなんて言うから、俺を置いて帰っちゃんかと······」

 

涙流して、鼻水垂らしながら言う。早く拭け。

 

あ、アザゼルが入って来た。クルル以外の誰も気付いてないな。そして、普段リアス・グレモリーが座っている椅子にふんぞり返る。

 

そっちに視線をやると、アザゼルは口に人差し指を当てた。子どもかお前は。

 

リアス「そんなことしないわ。あなたと私はこれから100年、1000年単位で付き合っていくのだから。安心なさい」

 

イッセー「はい、部長······!!」

 

リアス「というわけで、明日から冥界に行くから、長期旅行の準備をしなさい」

 

アーシア「私達もですか?」

 

リアス「当然よ。主と下僕なのだから」

 

アーシア「生きているのに冥界に行くなんて不思議です!!」

 

そりゃ行ったことない奴からしたら、そうなるか。別に、人間には慣れない空気ってだけで、政治に関わるわけでもなきゃ人間界とそう変わるわけではない。

 

海が無いが。

 

ゼノヴィア「私が地獄に送った者と会うかもしれないと思うと、不思議な気分だな」

 

アザゼル「俺も冥界に行くぞ」

 

居たなアザゼル。言った後、イタズラが決まった子どものように得意気になった。

 

イッセー「アザゼル先生!?」

 

オカ研のヤツらは気付かなかったらしい。ギャスパーは気付いたが。

 

アザゼル「お前らも行くんだろ?」

 

八幡「まあな」

 

クルル「向こうにも八幡の眷属はいるしね」

 

眷属······あぁ、眷属か。そういう感じで捉えてないから、偶に分からなくなる。

 

ギャスパー「久しぶりです」

 

リアス「いつの間に!?」

 

アザゼル「そこの2人は気付いてたぞ? 俺の気配に気付けないようじゃまだまだだな」

 

八幡「いきなりそれは無茶だろ」

 

お前思いっきり気配消して入って来ただろうが。こいつらにアザゼルの気配を察知しろだなんて無理だわ。

 

 

 

 

 

 

そして、夏休みに入る。オカ研はグレモリー家所有の列車で一同冥界のグレモリー領に向かっていた。うちの領に行くのは、グレモリー家に顔を出してからということになった。実際にグレモリー卿と夫人に顔を見せるのは割と久しぶりだったっけな。

 

授業公開の時は、セラフォルーをシトリー卿に引き渡してから会おうと思ったが、その頃にはもう兵藤家に行っていたようで、会わなかった。

 

アーシア「······冥界にも列車で行くんですね!!」

 

確かに、初めて行く奴には新鮮だろう。兵藤、シスター・アーシア、ゼノヴィアは今年転生したばっかだし。

 

朱乃「新眷属の悪魔はこの正式なルートで行く決まりなのですわ」

 

因みに、このルートで通るやつは本当に新眷属だけだったりする。俺とクルルが同乗しているのは、アザゼルからの頼み事とリアス・グレモリーに折角なら一緒にどうだ、と誘われたからである。

 

ギャスパー「······小猫ちゃんどうかした?」

 

塔城の覇気がない。普段と違って憂いているような、後悔しているような表情をしている。原因は分かるが、俺が言っても好転しないからな······

 

裕斗「?」

 

小猫「······別に、何でもありません」

 

クルル「貴女、大丈夫?」

 

小猫「はい」

 

この後、シトリー領を経由した。その際、シトリー眷属が乗っているのを知らなかった兵藤が多少驚いていた。駅のホームに居たんだがな。

 

 

 

ギャスパー「······会長達が下車してから随分経ちますね」

 

八幡「冥界はそんだけ広いぞ。グレモリー領だけでも日本の本州と同じくらいあるしな。あそこがそんだけの領を何に使ってんのかは謎だが」

 

ウチの領も、全て有効活用出来るとは言い難いが。

 

イッセー「本州と同じ······マジで?」

 

八幡「嘘言ってどうする」

 

『間もなく、グレモリー領に到着します』

 

もう着くか。

 

八幡「······ギャスパー、ちょっとこっちに」

 

ギャスパー「······はい?」

 

八幡「しー·······」

 

指を口に付けて静かにというジェスチャーをする。俺、こないだのアザゼルと同じことしてんな。

 

ギャスパー「·······?」

 

ギャスパーを抱え、クルルと共に気配を消してこの車両から出る。通路にはアザゼルとリアス・グレモリーがいる。

 

アザゼル「······おい、ギャスパーまで連れて来てよかったのか?」

 

八幡「は? 我が子を率先して危険に晒すやつがどこにいる」

 

クルル「これ以上ない愚問ね。独身に言っても分からないだろうけど」

 

ギャスパー「お父様······お母様······」

 

アザゼル「こいつら人の気も知らないで······」

 

リアス「あはは·······」

 

その時、列車が止まる。

 

アザゼル「はぁ。さて······俺達も行くか」

 

ギャスパー「え? どこにですか?」

 

八幡「ギャスパー、俺から離れるなよ」

 

アザゼルが転移魔法陣に展開する。アザゼル、リアス・グレモリーに続いて俺達も転移した。

 

それとほぼ同時に、俺達以外のオカ研は強制転移で列車から飛ばされた。

 

 

 

 

ギャスパー「······ここは?」

 

八幡「しっ」

 

今いるのは、グレモリー領にある森の少し開けた所を見下ろすようにそびえ立つ崖の上。その下には、状況を把握出来ていないイッセー達がいた。

 

八幡「軽い、あいつらの腕試しだ。まあ見てな」

 

小声でギャスパーに教える。

 

ギャスパー「······はい」

 

 

 

 

イッセー「·······ここは!?」

 

裕斗「先生がいない!!」

 

アーシア「八幡さんとクルルさんもいません!!」

 

子猫「······ギャー君、どこ?」

 

アーシア「部長さんは······「静かに」え?」

 

それぞれが狼狽える中、一番冷静だったゼノヴィアは、自身達に接近するものに気が付いた。

 

ゼノヴィア「何か来る······」

 

ゼノヴィアがそう呟いた直後、『ズンッ!!』という大きな音を立てて高速で接近してきたものは着陸した。

 

 

オカ研の前に現れたのは魔龍聖(ブレイズ・ミーティア・ドラゴン)タンニーン。諸事情により悪魔に転生した元龍王。

 

 

 

 

 

ギャスパー「あれは······?」

 

アザゼル「あれは魔龍聖、タンニーン。元龍王だ」

 

ギャスパー「龍王? 龍王にタンニーンなんて······」

 

八幡「だいぶ前の話だけどな、事情があって悪魔に転生したんだよ。当時はかなりのニュースになった」

 

タンニーンのことを教える必要がなかったから以前は教えなかったが、後でちゃんと教えておくか。

 

アザゼル「そうだ。そして、今回の講師だ」

 

ギャスパー「講師?」

 

アザゼル「今回は修行を兼ねてるんだよ」

 

ギャスパー「な、なるほど········」

 

 

 

タンニーンはいきなりブレス───まあ超弱くしてあるが───を吐く。兵藤達はそれを辛うじて避ける。

 

裕斗「どうやら······敵みたいだね」

 

ゼノヴィア「ああ!!」

 

2人はデュランダルと聖魔剣をそれぞれ取り出す。

 

朱乃「小猫ちゃんいけない!!」

 

だが、2人が攻撃の起点を見出す前に、塔城が単独でタンニーンに突っ込んだ。

流石にあれは無謀だな。案の定、タンニーンの尻尾に、崖に叩きつけられた。

 

あいつが見たらなんて言うか想像に容易いが、これも試練だ。塔城小猫───白音は、この程度乗り越えねばならない。

 

 

タンニーン「グォァァァッ!!!」

 

朱乃「部長がご不在故、私が指揮を執りますわ!!」

 

姫島が一瞬で巫女装束に着替える。

 

朱乃「裕斗君とゼノヴィアちゃんは敵を引き付けて下さい。イッセー君はその間に神器を。アーシアちゃんは小猫ちゃんを」

 

「「「「はい、副部長!!」」」」

 

イッセー「『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』!!!」

 

イッセーが『赤龍帝の籠手』を顕現する。『白龍皇の籠手(ディバイディンク・ギア)』なるものは禁手化じゃないと使えないとかあるんだろうか。

 

朱乃「食らいなさい!!」

 

姫島先輩が雷撃を放つ。次いで、木場とゼノヴィアが攻撃を仕掛ける。

 

裕斗「お前の相手は······」

 

ゼノヴィア「私達だ!!」

 

2人がそれぞれ斬り掛かるが、タンニーンの角に弾かれる。デュランダルが弾かれたか······ゼノヴィアがまだまだ未熟者であることの証拠だな。

 

ゼノヴィア「デュランダルが······!!」

 

アーシア「ダメです小猫ちゃん!!」

 

またもや、シスター・アーシアの静止を振り切って塔城が飛び出す。

 

朱乃「小猫ちゃん······裕斗君!!」

 

裕斗「はい!!」

 

木場が塔城の援護で多数の魔剣を出現させるが、全て尻尾で吹き飛ばされる。塔城は、一瞬動きが止まった隙にゼノヴィアが回収した。

 

ゼノヴィア「無策で突っ込むな!!」

 

小猫「······っ!!」

 

『Explosion!!』

 

兵藤は、『赤龍帝の籠手』のパワーアップが完了したようだ。

 

朱乃「イッセー君、一緒に!!」

 

姫島が雷撃を放つ。

 

イッセー「ドラゴンショット!!」

 

2人の同時攻撃がタンニーンに命中する。だが、かすり傷ほどのダメージも与えられない。

 

イッセー「マジかよ!!?」

 

朱乃「これでも······!?」

 

タンニーンが1歩踏むだけで地面が揺れて、イッセーが尻餅をつく。

 

イッセー「クソッ······!!!」

 

タンニーンがジリジリと躙り寄る。そろそろ止めるか。

 

 

八幡「······はいそこまで」

 

アザゼル「おいそれ俺が言いたかったのに」

 

イッセー「八幡!? ·····先生!?」

 

朱乃「リアス、クルルさん·····ギャスパー君まで」

 

 

 

 

イッセー「······このドラゴンが悪魔!?」

 

タンニーン「久しいなドライグ」

 

『ふん、久しぶりだな。タンニーン』

 

赤トカゲはこの茶番劇に気付いてて言わなかったらしい。流石に察せるか。まぁこんな茶番に気付かないような奴が封印されたところで、神滅具(ロンギヌス)だとかたいそうな名前で呼ばれる筈もない。

 

イッセー「知り合いかよ······」

 

アザゼル「こいつは、魔龍聖、タンニーン。元龍王の一角で、悪魔に転生した物好きさ」

 

裕斗「ドラゴンが、悪魔······!?」

 

木場もタンニーンを知らないのか······最近の子には教える必要がないのか。レーティングゲームを好きなやつなら、こいつらよりも年下でも知ってる筈だが。ランカーだし。

 

イッセー「どんだけ最強なんだよ······」

 

アザゼル「タンニーンには、お前らの修行のために手を貸してもらった」

 

ゼノヴィア「つまり······特訓か!!」

特訓と聞いて、ゼノヴィアが興奮し始めた。

 

あぁ、こいつそういう······

 

タンニーン「ふん、サーゼクスの頼みで特別に来てやったのだ。そこは勘違いするな堕天使の総督殿」

 

アザゼル「はいはい」

 

イッセー「アザゼル先生が一枚噛んでんのかよ······」

 

アザゼルはこういうのが大好きな物好きだ。

 

リアス「騙してるような真似してごめんなさい。お兄様まで賛成しちゃって反対出来なくて」

 

アザゼル「······伸び悩んでるこいつらのために態々来てもらったんだ。こいつらが伸び悩んでるのはリアス、お前の甘さと迷いのせいでもあるんだぜ?」

 

アザゼルの言うことも尤もだ。今のリアス・グレモリーは身内に甘すぎる。ライザーの時だって、俺が行かなかったら、間違いなく婚約破棄だなんて無理だったしな。

 

リアス「私はら迷ってなんか!!」

 

アザゼル「不意を突かれてどんだけ力を出せるか、試したくってな。お陰で、お前らの修行方針が決まった」

 

朱乃「堕天使の考えそうなことですわ······」

 

姫島は呟く。確か、バラキエルの娘だったか。親子間で上手くいってないんだろうな。

 

アザゼル「俺はお前らを強くできるんならなんだってやる。先生なもんでな」

 

んで、こいつはこいつで先生を満喫してんな········

 

 

イッセー「おいドライグ。何で知ってんなら先言わねんだよ」

 

『端から分かりきった茶番に付き合う気は無いからな』

 

イッセー「茶番?」

 

『タンニーンの奴、力の千分の一も使ってないからな』

 

イッセー「あれで!?」

 

『ああ。ついでに言えば、あの野郎はコカビエルとやった時激怒こそしてたが力は全然セーブしてたぞ』

 

イッセー「マジかよ······」

 

 

リアス「とにかく、その汚れた服じゃ家に連れていけないわね」

 

 

 

 

 

それでやって来たのは、温泉である。俺とクルルは割とここをよく利用している。昔、グレモリー領は一帯が火山帯だったらしい。それを利用した観光ビジネスがこの領では恐ろしいほど利益を出している。

 

八幡「······ふぅ」

 

ギャスパー「は~温まります······」

 

 

アザゼル「おい兵藤一誠」

 

イッセー「はい?」

 

アザゼル「お前、リアス・グレモリーの胸を揉んだことはあるのか?」

 

 

また始まったよこいつら。ギャスパーの耳を塞がないと。まだだ、まだギャスパーの耳に猥談を届かせんよ!!

 

ギャスパー「お父様?」

 

八幡「気にすんな」

 

ギャスパー「は、はあ」

 

 

 

イッセー「はい!! この右手でもしゃっ、てな感じで」

 

アザゼル「ほぉ、ならお前、女の乳首を啄いたことはあるか?」

 

何生々しい話してんのこのオッサン。

 

イッセー「いえ、それはまだ······」

 

アザゼル「かぁ〜何だよお前、啄いたことないのか。ポチッとじゃなくてズムっと、だ。指が埋没していく様は圧巻だぞ?」

 

イッセー「·······」

 

兵藤は

 

アザゼル「しかもだな、あれは押すと鳴るんだよ」

 

イッセー「ち、乳首は玄関のブザーじゃないんですよ!!」

 

アザゼル「いやあれはある意味ブザーだよ。押すと鳴るんだぜ?イヤンってな」

 

イッセー「なっ!?」

 

また余計なことを·······

 

イッセー「·······先生!! アザゼル先生!! 俺は今猛烈に感動しています!!」

 

······早く出よ。折角の温泉が台無しだ。風情の欠片もないようなこと話しやがって。

 

八幡「おいイッセー。下ネタは勝手に言ってりゃいいが、クルルとギャスパーには指1本触れさせないからな。見るのもダメだ。当たり前だが」

 

アザゼル「そういうお前はどうなんだ?」

何? こっちに矛先が変わりやがった!!

 

八幡「いや、は?」

 

アザゼル「クルルを抱いてんだろ? 毎日」

 

アザゼルはニヤニヤしながら言う。日常生活でこんなにひと殴りたいと思わされたのは久しぶりだぞ。

 

八幡「いや何言ってんのお前······」

 

ボロを出さないようにせねば······って言う俺が何言ってんだか。毎日なんてヤってるわけねえだろ······しかも今ギャスパーいるんだぞ······

 

アザゼル「んなこと言ってよぉ。AからVくらいまで行ってんだろ?」

 

古いなぁ······ってか、Vってど()のことだよ。

 

八幡「聞かれて答えるやつはいねえだろ······」

 

しかも、ここ構造上女湯に丸聞こえだからな······前に騒いでたらクルルに言われたし。

 

アザゼル「なるほど。そうかそうか。お前はクルルをしっかり抱いていると」

 

アザゼルは態々デカい声で言いやがった。

 

八幡「おいてめぇ何言ってやがる」

 

アザゼル「しらばっくれんなよ。夫婦がそこまで行ってねえわけねえだろ」

 

八幡「お前なぁ······」

 

 

 

 

 

同時刻の女湯。

 

 

クルル「······ア、アザゼルの奴······!!」

 

アーシア「お、落ち着いて下さいクルルさん」

 

ゼノヴィア「クルル・ツェペシ、一つ聞きたいのだが」

 

クルル「何よ?」

 

ゼノヴィア「子作りとはどうすれば上手くいくんだ?」

 

クルル「う······うん? はぁ!!?」

 

アーシア「ゼノヴィアさん!?」

 

ゼノヴィア「イッセーと子作りがしたいのだが······いかんせん分からないんだ。経験者に教えてもらいたい」

 

クルル「それは······」

 

アーシア「そ、それは人に聞くようなことでは······」

 

ゼノヴィア「頼む!!」

 

クルル「(どうしたらいいのよ······)」

 

 

 

 

 

再び男湯。

 

 

 

イッセー「おい八幡!!」

 

八幡「うおっ!!?」

 

何だよ藪から棒に········

 

イッセー「羨ましいぞ!! 何でお前ばっかり!!」

 

八幡「何がだよ·······」

 

イッセー「恍けんなよ!! クルルさんと毎日エッチしてるとか、羨ましいにもほどが「ちょっと黙れ」あ痛っ!!!」

 

流石に騒ぎすぎなので、兵藤を殴る。これで済ませた俺に感謝して欲しいものだ。

 

ギャスパー「お父様どうしたんですか?」

 

八幡「気にすんな。イッセーが変なことを言ってるだけだ」

 

イッセー「あれのどこが変なんだ!!」

 

もう無視しよ。本当に早よ出よ。

 

裕斗「それよりギャスパー君。今日の小猫ちゃん、どこかおかしくなかった?」

 

こいつ兵藤をそれよりで流したぞ。俺には無理だ。流石だわその図太さ。グレモリー眷属は図太くねぇとなれねぇのか?

 

ギャスパー「確かに······様子は変だったと思います。でもそれが?」

 

ギャスパーも、多少は予想がついているだろう。が、出来れば、本人が自力でどうにかして欲しいところだ。乗り越えろとは言わないが、折り合いを付けてくれるようになればいい、のだが······

 

裕斗「いや、ちょっと気になっただけさ」

 

 

八幡sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「────なるほどな」

 

「それにしても、もっと早く出来なかったの? 美猴」

 

「そう言うなって。ヴァーリとの段取りの最終確認があったんだよ。じゃそろそろ行くか。あっちこそ待たせたらめんどくさいぜぃ?」

 

「ロキなんてどうでもいいんだけどねぇ······」

 

「その辺、お前が上手くやってくれ。黒歌」

 

「はいはい。ご主人様の命とあらば」

 

「······別に、嫌なら拒否っていいんだぞ」

 

「ま、『王』の言うことには皆従うでしょ······それで、白音は?」

 

「······変だな。お前関連だと思うけど」

 

「その言い方はなくない? ま、私に何か出来ることがほとんどない以上、あんたに頼むしかないんだけど」

 

「頼まれた。あと、ご主人様って呼ぶの辞めろって。お前を奴隷扱いしてるみたいで、嫌なんだよ」

 

「なによ、喜ばれるかと思って言ってやったのに。」

 

「······はぁ。俺にそんな趣味ねぇから。とにかく、そっちも頼んだぞ」

 

「了解にゃん」

 

「じゃあ今日はここまでだ。また進展があったら頼む」

 

「分かった。じゃあなっ!!」

 

「またね」

 

「ああ」

 

 

それを最後に、3人それぞれはその場から魔法陣で消えた。

 

 

 

 

 

 


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