イレギュラーは家族と共に 〜ハイスクールD×D'sバタフライエフェクト~   作:シャルルヤ·ハプティズム

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4/30 八幡の神器の名前変更しました。


第22話 禍の団襲撃

 

 

 

 

······俺が作り出したのは、真っ白で何もない空間。上下左右の感覚もない。

 

 

想像庭園(イマジナリー・ガーデン)』。俺に宿った神器(セイクリッド・ギア)。『聖書の神(ヤハウェ)』が『絶霧(ディメンション・ロスト)』を作った時のバグだと、俺は、考えている。別次元に強引に空間を作り出しそこを支配することが出来る······のだが、燃費がクソで、非常に使い勝手が悪い。だが、秘匿性が非常に高いのは、ラッキーだ。

 

 

カテレア「何だ、これは·······!!」

 

八幡「なんだと思う?」

 

カテレア「······貴様の仕業か。なら、倒してとっとと抜ければいい!!」

 

カテレアが蛇のような魔力を飛ばしてくる。

 

八幡「やれるもんならやってみろよ」

 

魔法陣で防ぐ。オーフィスの蛇で相当魔力が増大したらしいが、こんなもんか。まあ、オーフィスには世界を破壊するとかそういうつもりはなくて、オーフィスが静寂を望んだのに乗っかったってのが旧魔王達の末裔らしい。

 

八幡「······はぁ」

 

別空間に飛ばしといてなんだが、そんなことしなくてよかったな。

 

カテレア「戦闘中に溜息とはいい度胸だな!!」

 

八幡「······」

 

こいつ弱いんだよな······いつか、オーフィスに見限られないか? しばらく泳がせておいたが、そんな価値もなかったみたいだ。

 

八幡「これでいっか」

 

魔法陣から、エクスカリバー・ラピッドリーを取り出す。

 

カテレア「······聖剣か!!」

 

八幡「そうだな」

 

手加減しながら斬り掛かる。せめて、今後に備えて情報を引き出せりゃ楽になるんだが。

 

カテレア「クッ······!!」

 

八幡「弱いなお前。こんなんで、良く奇襲が成功すると思える」

 

カテレア「何ですって!!?」

 

蛇のような魔力弾を避ける。確か、レヴィアタンを蛇だっていう話がどっかにあった気がする。まぁ、キリスト教は蛇を邪見に扱うしそんなもんなんだろ。

 

にしても、相変わらず遅いな。リアス・グレモリーや兵藤みたいだ。

 

カテレア「ぎゃぁぁぁっ!!?」

 

真っ直ぐ突っ込んですれ違いざまに両腕を斬る。

 

八幡「聖剣だ。効果的だろ?」

 

もうオーフィスの魔力は分かった。もうこいつは用済みだ。はぁ、この空間結構魔力食うんだよなぁ·······一度創ったら、解除するまでは内外から崩壊させでもしない限りは永遠に存在させられるし、複数創れるけど。

 

八幡「じゃあな」

 

一瞬ですぐ側まで移動して、両足を叩っ斬る。遅いな、切られてから気付くなんて。

 

カテレア「ぐ、あぁぁぁああ!!?」

 

叫び声を上げた後、カテレアは痛みに堪えきれずに気絶した。呆気ないな。首だけになっても喉笛噛みちぎる程度はしてくるかと思っていた。

 

八幡「魔王の血族っつってもこんなもんか。兵藤でも頑張ればなんとか······ってレベルかもしれんなコイツは」

 

懐からマッ缶を取り出し、プルタブを引いて穴を開け一気に煽る。最近あんま飲んでなかったが、前は仕事終わりとかによく飲んでたな。今は、糖分摂りすぎで体に悪いから出来るだけ飲むな、とクルルに言われてしまい、これが久し(4日)ぶりだが。

 

八幡「ふい〜······やっぱ甘いのはいいな」

 

液体を飲み干すと、缶を放り投げる。この空間はもうすぐ閉じて消すから、問題ないな。世界のゴミを俺が処理すればゴミ問題解決すんじゃね? そんな気ないけど。

 

八幡「『サングィネム』に待機してるヤツらに送り飛ばしてここは終わり、と」

 

四肢を失い、意識のないカテレアを転移魔法陣で飛ばす。

 

殺すなんて勿体無い。捕虜交換があるかもしれないし、それまでは取っておいて有効活用しないと。

 

八幡「······さて、と」

 

空間に歪みを作ると、迷いなくそこに飛び込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

イッセー「·······へっ!!『白龍皇の籠手(ディバイディング・ギア)』ってところか!!」

 

こちらに戻って来ると、ヴァーリと兵藤が禁手(バランス・ブレイカー)を発動して兵藤が白龍皇の力を取り込んでいた。あいつ、いつの間に禁手に至った? そんな兆候なかった筈だが。

 

 

クルル「······八幡、終わったの?」

 

ギャスパー「お父様!!」

 

涙目になったギャスパーが抱きついてくる。

 

八幡「おうただいま」

 

ギャスパー「突然消えるからびっくりしましたよ······」

 

服に顔を押し付けているから表情は見えないが、ギャスパーの表情くらい見なくても分かる。なんたって親だからな。

 

クルル「心配する必要もなかったっぽいわね」

 

八幡「まぁな」

 

クルルと会話しつつ抱きついているギャスパーの頭を撫でる。

 

アザゼル「よお八幡。あいつは?」

 

八幡「エクスカリバーで首チョンパ」

 

今頃気付いたが、あの空間ってこっちと若干時間の流れが違うのか。あそこは次元の狭間き近い性質があるからか?

 

カテレアは、戦死にしといた方が都合が良い。これなら、情報で少しは優位に立てる。

 

アザゼル「ハハハッ、そりゃあいい」

 

八幡「あっそ」

 

 

ヴァーリ「ハッハッハッ!! なら俺も本気を出さなくてはな」

 

にしても、『白龍皇の籠手』か······ヴァーリはどうやらアレをやるらしい。あいつも演技を楽しんでんな。戦闘はこれっぽっちも面白くないだろうが。

 

『Half・Dimension!!』

 

ヴァーリの背中の翼から機械的な音声が流れると共に、空間が揺らめき始める。

 

リアス「な、何!?」

 

ミカエル「いけない、空間が歪んでいます!! ここは危険です!!」

 

あ、校舎が軋み始めた。それ以外にも、旧校舎周りに植えられた杉なんかの木が空間の縮小に耐え切れず倒れていく。

 

リアス「そんな······まともじゃないわ!!」

 

アザゼル「まともじゃねえのさ。ドラゴンを宿すような奴はな。物は試しだ。もう一方のまともじゃねえ奴も啄いてみるか?」

 

また始まったよ。アザゼルの悪ふざけ。言うと怪しまれるから言わないけど、やめて欲しいわ。

 

アザゼル「おい赤龍帝!! お前だよ、兵藤一誠!!」

 

イッセー「······? 何だよ?」

 

アザゼル「あいつの能力をお前にも解りやすく説明してやる。あの能力は周りの物を半分にしていく」

 

イッセー「半分?」

 

あれ、戦闘に関係ない物も半分にすることも出来るんだっけ? ヴァーリの成長スピードには舌を巻くばかりだ。

 

アザゼル「つまりだ。リアス・グレモリーのバストも半分になっちまうぞ?」

 

リアス「は!?」

 

そう来たか······効果的、では、あるのか? なんともバカな話しだが。

 

イッセー「······巫山戯んなぁぁ!! 部長のおっぱいを半分にするだとぉ!?」

 

『Boost!!』

 

ヴァーリ「何?」

 

ヴァーリの、素のリアクションだ。普通はそうなる。アザゼルがいかに悪ふざけしているかよく分かるな。

 

イッセー「許さない!!」

 

『Boost!!』

 

イッセー「てめぇだけは!!」

 

『Boost!!』

 

イッセー「許さないぞ!! ヴァーリィィィィィッ!!!!」

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!!!!!』

 

アザゼル「おぉ、すげぇ力だな」

 

ここまで一気に倍加させるか。どうなってんだあいつ。

 

アザゼル「ハハハッ、主様の胸が小さくなるってだけでここまでとはな!!」

お前、兵藤は玩具(おもちゃ)じゃねぇぞ·······お前にとっちゃ新しい玩具なのかもしれんが。

 

ヴァーリ「今日は驚くことばかりだな······しかし、面白い!!」

 

ヴァーリの演技はまだ続く。俺からしたら、お前の演技のが面白いよ。

 

イッセー「リアス・グレモリーに手を出してみろ!! 2度と転生出来ないぐらい、徹底的に破壊してやる!! ヴァーリィィィ!!」

 

また速くなった。演技中のヴァーリに一瞬で追いつき鳩尾に一発入れる。俺もここまで一気に倍加させたことはないからな······必要ないし。

 

······ともかく、兵藤は危険だな。下手に手を出せないのが癪だが、触らん方がいいかもしれん。あんなアホな理由でパワーアップする奴なんて見たくもない。殺すなら、寝首でも搔けばいい。

 

イッセー「てめぇを野放しにしといたら、部長どころか皆のおっぱいまで半分になっちまう!!!」

 

ヴァーリ「何!?」

 

ヴァーリは、明らかに見えているであろうスピードで接近した兵藤に驚く演技をした。

 

イッセー「これは、部長の分!!」

 

『Devide!!』

 

兵藤が更にパンチを決める。赤トカゲの声で、半減の能力が使われたことが分かる。

 

イッセー「これは、朱乃さんの分!!」

 

今度はヒザ蹴りを食らわす。顔の部分の鎧を破壊した······ように見えて、今のは自分でパージしたのか。器用なやつめ。

 

イッセー「これは、成長中のアーシアの分!!」

 

ヴァーリ「グッ!!!」

 

イッセー「これは、ゼノヴィアの分!!」

 

ヴァーリ「ゴハッ!!」

 

イッセー「これは、半分にされたらまるっきりなくなっちまう小猫ちゃんの分だぁぁぁ!!!」

 

渾身の(と思しき)パンチが決まる。ホントに危なくなったら止めに入るか。あのバカも待機してるし。

 

にしても、堂々とセクハラ発言出来るのはどういう神経してるんだ? ゼウスのクソもそうだったが。

 

ヴァーリ「はぁ······はぁ······面白い。面白すぎる!! こいつになら『覇竜(ジャガーノート・ドライブ)』を使う価値もありそうだ」

 

『······自重しろヴァーリ。その選択は今は適切ではない』

 

と、ヴァーリの背中の白翼から機械的な音声が流れる。封じられたトカゲのものだ。白トカゲ(アルビオン)も、演技に協力的である。何故、って俺が脅したからな。

 

ゼノヴィア「まだ立ち上がれるのか!?」

 

イッセー「ヴァーリ!!」

 

『Boost!!』

 

まだ倍加出来るのか······寿命を削ってんだな。人外は万年生きれるからそんなに問題でもないだろうが。

 

ヴァーリ「クッ······!!」

 

兵藤の拳がヴァーリの顔を捉える─────という時、結界が割れた。

 

 

 

そこから、如意棒を携えた黒髪の男────孫悟空の末裔、美猴が現れる。

 

ヴァーリ「······何しに来た美猴」

 

美猴「北のアース神族とやり合うから、戻って来いってよ」

 

アース神族、北欧神話か。またあいつにちゃんと情報をまとめてもらって送って貰わないと。美猴の情報って所々雑に集めたような時あるし。

 

ヴァーリ「そうか······もう時間か」

 

イッセー「何だお前!! 急に出てきやがって!!」

 

八幡「辞めとけイッセー。そいつは美猴。最遊記の孫悟空だ」

 

初代孫悟空───闘戦勝仏から、孫を鍛える云々の理由で預けられている。困るわけでもなかったし、闘戦勝仏には大きな恩もあるし断るわけにもいかなかったというのが本音だが。

 

イッセー「そ、孫悟空?」

 

八幡(早よ帰れ)

 

美猴(酷いねぃ。ま、今のところはしょうがないか)

 

八幡(あいつらにもよろしく頼むな)

 

美猴(オッケー!!)

 

唇の動きと目で早く帰れと促す。長居させるわけにはいかない。こんなとこで口を滑らされても俺が困るだけだ。

 

美猴「俺っちは美猴。よろしくな〜赤龍帝」

 

美猴は地面に如意棒を突き刺す。地面が闇になり、2人が沈んでいく。

 

ヴァーリ「次やる時はもっと激しくやろう。もっと強く······」

 

お、随分演技に満足したようだな。これで、ヴァーリを弄る口実が一つ増えたな。

 

イッセー「待て!! ······グッ!?」

 

1歩踏み出した瞬間にイッセーの禁手が解除される。

 

八幡「短時間でも、あれだけの力を放出すればそうなる」

 

リアス「イッセー!!」

 

リアス・グレモリーがイッセーを抱く。

 

イッセー「部長······部長のおっぱい、守りました······」

 

リアス「イッセー·······!!」

 

どこまで行っても兵藤はただのエロガキだったらしい。ウチのやつには出来るだけ近付かせたくないな。

 

 

 

 

 

八幡「······三つの種族合同で共同作業か」

 

『禍の団』の襲撃部隊の撤退後、壊れた駒王学園の校舎の修復を、天使、堕天使、悪魔が共同で行っていた。というか今気付いたが、継戦派はここにはあまりいないみたいだな。穏健派だけか。

 

クルル「やっと和平が成立した、って感じね。ここまで来るのに随分時間がかかったわ」

 

八幡「ああ······そうだな」

 

 

サーゼクス「······カテレアの件はこちらに過失があった」

 

サーゼクスがアザゼルとミカエルに言う。

 

アザゼル「こっちだってヴァーリの裏切りに気付かなかった。俺の過失さ」

 

悪いなアザゼル。俺は全部把握している。今はそんなこと言う気ないが。

 

ミカエル「······全てはこれからですね」

 

イッセー「あの、ミカエルさん。一つだけお願いがあるんですが·····」

 

兵藤がミカエルに声をかけた。

 

ミカエル「何でしょうか? 私に出来ることなら───」

 

イッセー「アーシアとゼノヴィアが祈りを捧げることを、お許しいただけませんか?」

 

·······シスター・アーシアが『魔女』なんて呼ばれるようになった理由を考えれば、ミカエルを恨むくらい許されるだろうに。

 

ミカエルは、シスター・アーシアとゼノヴィアの両名と向き合う。

 

ミカエル「······アーシア、ゼノヴィア」

 

アーシア・ゼノヴィア「「はい」」

 

ミカエル「あなた方に問います。神は不在ですが、それでも、祈りを捧げますか?」

 

アーシア「はい。主がおられなくとも、私は祈りを捧げます」

 

ゼノヴィア「同じく、主への感謝とミカエル様への感謝を込めて」

 

だが、シスター・アーシアは一切の恨み節も見せず、ミカエルへ自身が教徒として信仰を続けることを選んだ。

 

これが本物の信仰というやつなのだろう。

 

イリナ「私からもお願いします」

 

紫藤イリナも頭を下げ、ミカエルに願い出る。

 

ゼノヴィア「イリナ······」

 

八幡「別にいいだろミカエル」

 

アーシア「八幡さん·····」

 

八幡「これは、今回の和平の象徴にもなる。今後は、もっと増えるだろうしな」

 

信仰は何も、天使と人間だけに限るものじゃないしな。そういうのは、もっと自由であるべきだ。信仰を心の拠り所にしている者も多い。

 

ミカエル「······そうですね。祈りを捧げても構わない悪魔いてもいいでしょう」

 

ゼノヴィア「感謝します」

 

ミカエル「では、本部に戻ってシステムを操作しなければいけませんね。2、3日待っていただければ、貴女方も、以前のように祈りを捧げることが出来るようになるでしょう」

 

アーシア「ミカエル様······本当に、ありがとうございます!!」

 

 

 

 

アザゼル「俺は暫くこっちに滞在することにしたぜ」

 

イッセー「え?」

 

アザゼル「言ったろ?俺にしか出来ないことをする。大人として、出来ることは山ほどあるからな」

 

アザゼルがそう言い残し、堕天使陣営は帰還していった。アザゼルが何をするつもりなのか、まぁ想像はついた。

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日。

 

 

 

アザゼル「······え~、というわけで、今日から俺がオカルト研究部の顧問になった。以後よろしく」

 

スーツを着たアザゼルが、調度品の机に腰掛けて宣う。

 

 

うん、想像通りだったな。そんなことだろうと思った。

 

リアス「どういうことかしら!?」

 

アザゼル「サーゼクスに頼んだら、会長に言えと言われてな」

 

イッセー「会長が!?」

 

ソーナ「······でないと、姉が代わりに学園に来ると脅さ······いえ、せがまれ·····それも違う。脅迫されまして」

 

言い直したら最後が一番酷くなるという現実が。まぁ残念な姉(セラフォルー)だから仕方ないだろうな。

 

八幡「なるほど。生徒会の安寧のためにオカ研を売ったというわけか。まあ事情は嫌ってほど分かるな。俺もセラフォルーにこっち来て欲しくないし」

 

俺が一番幼馴染みのあいつと会いたくない理由は、俺の領に無許可でライブハウスを造りやがったことだ。単純に撤去費用がかかるのもあるが、ライブハウスは娯楽の少ない子供達に大人気だったので撤去出来なくなった。

 

ソーナ「では、私達はこれで」

 

クルル「じゃあねソーナ」

 

ソーナと副会長の女子はそそくさと退出していった。

 

アザゼル「······ただし、俺がこの学園に在籍する際にサーゼクスから一つ条件がつけられた」

 

サーゼクスが出す条件とかマトモなわけがない。魔王のクセして公私混同するからなあいつは。

 

朱乃「条件······ですか?」

 

アザゼル「お前達の未成熟な神器を正しく成長させることだ」

 

な、俺の私用の端末に延々とリーアたんとだけ書かれたメールを送ったあのサーゼクスが存外まともだと!?」

 

明日は滅びの魔力でできた槍が降るのか······?

 

アザゼル「あいつそんなことしてたのか······」

 

リアス「お、お兄様······」

 

アザゼル「······ま、そういうことだ。『赤龍帝の籠手』に『聖魔剣』。俺の研究成果を叩き込んで、独自の進化を模索してやらぁ」

 

こいつの研究成果は気になるな······

ウチも研究してるが、何分他所から人を呼びにくいため、俺の部下が一人突っ走ってるだけだ。

 

アザゼル「いいか? これからは俺のことをアザゼル先生と呼べ。いいな?」

 

あぁこいつ、先生と呼ばれたいがために今日来たんだな。昨日の今日で正式採用されても、すぐに仕事ってわけがないし。

 

イッセー「アザゼル、先生って······微妙な······」

 

アザゼル「じゃそういうことで。よろしくな」

 

リアス「ちょっと、私はまだ納得してな「おっと」」

 

リアス・グレモリーが話すのを遮ったアザゼルは、またもいやらしい笑みを浮かべて言う。

 

アザゼル「サーゼクスから伝言を頼まれてたんだ」

 

八幡「嫌な予感しかしねぇよ······」

 

アザゼル「あいつ信用ないな······サーゼクス曰く、以前赤龍帝の家に泊まった時眷属のスキンシップの重要性を知ったそうだ」

 

それ自体、どこから知ったんだ······いやどうせサーゼクスが自慢したんだろうが。

 

アザゼル「特に赤龍帝、お前の能力には必要不可欠だからな」

 

イッセー「ええっ? どういう意味?」

 

アザゼル「魔王、サーゼクス・ルシファーの名において命ずる。オカルト研究部女子部員は全員、兵藤一誠と生活を共にしろ。だとさ」

 

イッセー「え、ええ!?」

 

リアス「はい!?」

 

ほぅ······どういうことだ。それは······

 

八幡「アザゼル、それはクルルも入るのか? そうだとしたら、サーゼクスを······」

 

アザゼル「おい、殺気を振り撒くな。当たり前だが、お前の嫁はいいってよ。サーゼクス曰く、お前に殺されたくないってさ」

 

八幡「分かってんじゃんかあのシスコン。本当だったらどうしようかと」

 

いくら相手がサーゼクスと言えど、寛大な俺にも限界はある。

 

アザゼル「はいはいわあったから」

 

 

八幡「そうか。なら、俺らは関係なさそうだし帰るか」

 

クルル「そうね」

 

八幡「ギャスパーも」

 

ギャスパー「あ、はい」

 

話が終わったのでとっとと帰るに限る。ギャスパーを真ん中に3人で手を繋いで帰る。因みに、ギャスパーはもう家で暮らしている。久方ぶりの家族団欒を楽しんでいる真っ最中である。

 

 

······ギャスパーももう15歳だし、いくら長い間離れていたとしても多分すぐにこんなことしてくれなくなりそうで、悲しい。いや、子どもってそんなもんなんだし、成長を喜んだ方がいいのか······? 複雑だな。あいつなんか、すぐにやってくれなくなったし······

 

 

 

 





オリジナル神器設定(完全オリジナルです)

『想像庭園(イマジナリー・ガーデン)』

神器。八幡の神器は、人間に宿らないという特殊な性質を持っている。
この神器は、新たな空間を創り出すことが出来る。一度創り出したら八幡が解除するか、八幡以外の誰かが自力で破壊しない限りは永遠に存在し続ける。この空間は八幡が自在に操ることが可能。魔力を消費するのは創り出す時と解除する時だけ。複数同時に創ることも可能だが、八幡の魔力で1度に作り出せるのは8つまで。『絶霧(ディメンション・ロスト)』の亜種神器。



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