イレギュラーは家族と共に 〜ハイスクールD×D'sバタフライエフェクト~   作:シャルルヤ·ハプティズム

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更新が遅れて大変申し訳ございませんでした。あまり読者様は失望させるようなことはしたくなかったのですが······新年度忙しくて更新出来るだけの時間が中々取れずにおります。次の更新もまた時間が開きそうです。大変申し訳ございません。

(色々の中にオルタニキのバスターチェインで殴るの楽しすぎるがあることは心の中にしまっておこう······)




第122話 夜明け前/闇を臨む

 

 

 

 

ヴァーリside

 

 

 

天界での戦闘から2日。俺達は『クリフォト』の拠点強襲のための準備に追われていた。俺は束の手伝いで各種機器のメンテナンスを束、メリオダスと担当している。

 

 

奴ら『クリフォト』は、5日後にここサングィネムに襲撃をかけると宣戦布告してきた。さんざん各地を襲撃、はたまた制圧、一国の政府を乗っ取っていたド外道のテロ組織が宣戦布告など今更何を言うのか、と誰もが思ったが、やらなければこちらがやられるのだ。

 

サングィネム都市部の人口は100万超を記録しており、冥界でもかなりの人口密集地帯なのだ。3年前のこともあり、それだけ治安・防衛は厳しいものになっているが、大部分は一般人。攻め入られたらどうなることか。

 

 

このペースで行けば準備は後一日で終わり、そのまま奴らとの決戦に持ち込める。メリオダスは奴らは本当に全面戦争を仕掛けるつもりではないか、と踏んでいるが結局そうなる前に根絶やしにでもしなければならない。奴らがやっているのは宗教戦争でも侵略戦争でもない。徒に破壊して回っているだけだ。話し合いの余地もない。

 

 

ヴァーリ「······束、こっちは終わった」

 

要にもなる通信機器。ミスは許されない。

 

束「ほ〜いお疲れさまー。ヴァーくんもうあがっていいよ〜。お見舞い行くんでしょー?」

 

ヴァーリ「あぁ······助かる」

 

と、メリオダスが紙袋を渡してきた。

 

メリオダス「ほいこれ。オーフェリアとカルナに持ってってやれ。新作のフルーツゼリーだ。添加物はほぼ使ってない。味は保証するぞ」

 

ヴァーリ「あぁ、ありがとう。では、先に失礼させていただく」

 

メリオダスは、昔は酒場の店主のクセに料理の味(だけが)壊滅的だったと聞く。とてもそうは思えないが······果たして、ティアは重度の味オンチだったのだろうか。

 

とにかく、折角もらったのだから、3人でありがたくいただくとしよう。

 

 

 

 

 

 

姉さんが今も入院している中央病院で受け付けを済ませ、姉さんの病室にノックをして入室する。今日は土曜だから、カルナも多分いるだろう。いなかったら、冷蔵庫にでも入れておこう。

 

ヴァーリ「姉さん、来たよ」

 

俺の声が聞こえると、姉さんはこちらを向いて、嬉しそうに微笑んだ。今日はとりわけ機嫌がいいようだ。

ベッドの横に椅子を置いて、カルナは姉さんと話していた。

 

ヴァーリ「カルナ、来てたんだな」

 

カルナ「うん、ヴァーリ兄もおかえり!」

 

ヴァーリ「あぁ、ただいま」

 

ただいまと言いつつ、カルナの頭を撫でる。昔からやっていたから、もう癖だな。

 

俺が持ってきたものとメリオダスにもらったもの合わせて2つの紙袋を近くのテーブルに置き、カルナが座っている隣にパイプ椅子を置いて、俺も座る。

 

ヴァーリ「随分良くなったな。これなら、もうすぐ退院出来るんじゃないか?」

 

あれから12年。俺はバリバリ戦闘まで熟せるようにまでなったし、神器の影響で体が弱かった姉さんも随分良くなった。5年前から外出許可も出るようになって、今では神器の稼働を封じるブレスレットさえあれば、月に一回は外出許可は降りるようになった。

 

カルナ「先生はね、もうほとんど大丈夫だって言ってたよ! また外出許可も出たし!」

 

ヴァーリ「······そうか。良かった」

 

 

 

 

ヴァーリ「これ、メリオダスから」

 

カルナが、俺が持ってきた紙袋が気になり出したのでそろそろ出そうかとなった。

 

メリオダスにもらった紙袋の中には、更に保冷剤入りのクーラーバッグが入っており、そこには5つほど瓶のフルーツゼリーが入っていた。5つあるのは、カルナが2つ食べることを見越してだろうか。また姉さんがつつけるようにか。

 

カルナ「美味しそう······メリーのお店の新しいのかな?」

 

ヴァーリ「みたいだ。あとで感想を言いに行こうか。姉さんも食べられるか?」

 

一緒にプラスチックの使い捨てのスプーンで入っていたので、それもカルナに渡す。姉さんも食べられるようだったので、瓶とスプーンを渡す。姉さんには果物のアレルギーは一通り調べた時に見つからなかったし、念には念を、と食器類に使われているものも調べたがそれもなかったので大丈夫だろう。

 

カルナ「いただきまーす」

 

カルナが舌鼓を打つのを見て、姉さんもゼリーを食べ出した。俺も······うん、美味い。また作ってもらおう。

 

ヴァーリ「余分に作ってくれたみたいだから、余ったのは冷蔵庫に入れておくよ」

 

残りの2つは冷蔵庫に。明日もカルナは来るだろうから、その時にまた2人で食べるだろう。

 

 

姉さんがゼリーを食べ終わったところで、俺が持ってきた紙袋を開ける。持ってきたのは、黒歌に見繕ってもらった外出の時に着るための新しい服、小説と雑誌が数冊ずつに、観るか分からないが映画とお笑いのDVDをいくつか。

 

ヴァーリ「ほら、この前気になってたっていう小説。一冊じゃ飽きるだろうし他にも何冊か見繕ってみた。こっちはDVD、暇な時観てくれ。で、これは黒歌が見繕ってくれたやつだ。今度出掛ける時に着てくれってさ」

 

やはり女性なだけあって姉さんも例にもれずファッションへの興味は強いらしい。正直なところ、黒歌に頼んで正解だったようだ。

 

ヴァーリ「気に入ってくれたなら良かった」

 

カルナ「お母さん早く着れるといいね」

 

 

姉さんが早く退院出来るように、今の戦いを次でケリをつける。今度こそ。

俺の中の覚悟が改めてそう俺を決断させた。

 

 

 

ヴァーリsideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡side

 

 

 

天界での戦闘から2日後の夜。

 

俺含む『クリフォト』の拠点強襲のメンバーは屋敷の会議室で作戦会議を行っている。

 

 

八幡「······で、これが向こうにいるアイツから送られてきたアジトの見取り図だ」

 

手元のタブレットを操作し、空中にホログラムを表示する。プロジェクションマッピングの応用のようなものだ。

 

八幡「アイツ曰く、最上階が『クリフォト』中心メンバーの居住区。その下の階がフロアぶち抜きのホール。ここが奴らの()()()らしい」

 

ポインターで各階を差していく。

 

メリオダス「実験場? あの量産型のか?」

 

真っ先に疑問に思ったらしいメリオダスが尋ねてくる。

 

八幡「あぁ。それに、聖杯自体の研究もここで行われているらしい。向こうが煉獄から天界につながる抜け道で発見したっていう『生命の実』もここの研究所で研究し始めたらしい」

 

続いて、更に下層階のめぼしい所も全て説明していく。奴らのアジトは10階に大きく分けられており、9階が今言ったようにホールとなっておりここが矢鱈デカい。10階に区切られているが、9階だけ高さが他の5倍近くだ。建築物として欠陥がありそうな構造だが、なぜ9階がそうなったのかまでは分からなかった。

 

説明が前後してしまったが、1階が各地で誘拐されて捕えられた者達の収容所。ディオドラとその眷属もここにいるという。

2階は暴れ足りない奴らの専用区画だという。

3、4階はアイツの調べた限りでは特になし。せいぜい巡回してる奴がいるくらい。

5階が『魔女の夜(ヘクセン・ナハト)』含む奴らに賛同した魔法使いの区画。

6階が魔法使い以外の人間の異能関係者。と、人外で奴らに与した一派。

7階が人外で奴らに与した一派。のそれぞれ専用区画。

8階には司令室がある。尚、司令室は10階にもあり、両方同時に制圧する必要がある。各階層ごとにセキュリティで区切られているためだ。

 

なぜ各地を転々とするテロリストどもがこんな拠点なのか気になったが、どうやら移動要塞であるらしい。このサイズなら空飛ぶ超弩級空母と形容した方がしっくりくるが。

 

そして、この拠点───どちらかと言えば敵本基地───は結界で覆われており、生半可な攻撃ではそもそも攻め込めないと来ている。

 

八幡「······というわけで、俺、クルル、クロウが3方に別れて一斉攻撃を仕掛けようと思う。その間に、メインの行動班が司令室の掌握、ディオドラ達含む捕えられている捕虜の保護にそれぞれ別れてくれ」

 

今回は行動班を4つに分けた。

勝永と束、美猴と三日月、ギャスパーと黒歌、そしてヴァーリとジンとシフラ。今名前が挙がらなかった、メリオダス、ティア、桃花はこちらでもしもがあった時のために残る。

 

そして、向こうに潜入しているアイツは美猴と三日月に合流後、2人の援護に回るという手筈だ。

 

八幡「······アイツが知り得なかった情報もいくつかあるだろうから、最大限の警戒を怠らないようにしてくれ。で、もう一つ肝心な問題であるロキだが、もし向こうにいた場合、ロキが攻撃してこない以上は完全に無視。出来るだけ戦闘は避けるように」

 

ギャスパー「·······避けるんですか?」

 

八幡「あぁ。特に、捕虜に被害を出すわけにはいかない。だがもし避けられないようであれば、俺かクルルかクロウに知らせてくれ。フォローに回る」

 

ギャスパー「······わかりました」

 

八幡「······よし。最終確認は以上だ。作戦開始は0330。それまで各自休んでくれ」

 

 

 

······さて。アイツは上手くやってるかね。いや、俺に心配されるような神経はしていないな。俺は俺の戦いに集中するべきだな────。

 

 

 

八幡sideout

 

 

 





一緒に、と打ったら予測変換でバルタン星人と出て来ました。自分のスマホはどうなっているんでしょう······まぁ面白いからいいんですけどね。ふぉっふぉっふぉっふぉっふぉっ·······(似合わねぇなぁ)



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