⑤ 八重垣隊集合、千葉村の八重垣寮は強化合宿所時々ボーダーの溜まり場
梅雨が明け、本格的な夏になり週末になると女子会会場と化したアタシのログハウスには週末になると主に高校生の…特におしゃべり好きなオペレーター仲間が集まりお喋りの花を咲かせてます
もっとも、沢村さんや月見さんは出張所の本格的な立ち上げ準備もあるから仕事でもあるんだけどね
夏休みに入ると男子や中学生組も遊びに来るようになりボーダー用のテントが張りっぱになっている
主に遊びに来るのは弾バカ、槍バカに辻、奈良坂とか三輪秀次で嵐山さんが焼き肉やBBQをしにくるし師匠が来れば迅バカの緑川ももれなくついてくる… おまえ、師匠のおまけかよ?
アタシの抜け道 ( Hidden doors ) があるから実に気楽に迎えに来てくれと呼んでくれる
嬉しいゲストは沙希さんの下の弟の蒼空君と妹のけーちゃんで…うん、可愛いなっ♪ くそ生意気な陽太郎に比べたらマジ天使っ!
防衛任務があるときは玉狛に預けたらその陽太郎も居るし誰か彼かいるから安心して任せられる
でも… 一番驚いたのは、あの時八兄アタシが銀髪の美少女と思っていた人が実は男の娘でボーダー入りを希望していると、八兄から相談を受けた事だ
八幡とクラスメイトの彼? は同じくクラスメイトの沙希さんが隊長のアタシの推薦で入隊したのを知ってアタシに会わせてほしい
アタシの推薦がほしいって言ってるそうで、終業式の日に会う約束になっている
だけど待ち合わせ場所には余計な連中までいた
「 あーしもアンタの推薦で入隊したいんだけど? 」
面識無い人間に、いきなりそんな事を頼める神経疑うけど
「 その、ピンクのお団子頭の仲間だよね? ならお断りだ、アタシはソイツのお陰で島流しとゆーか防人やらされてるんだからな
しかも、誰かさん達ははちょっとしたペナルティーで終わってるのにちょこっと注意しただけのアタシが一番割り食ったし… 人一人の人生を潰しかけたんだぞ?
それでよくアタシの前に顔を出せたな? ある意味その神経スゴいわぁ~っ… マジ感心するわぁ~っ! 仲良くなれそうには全くないけどね 」
そう言って改めてその場に居る面子を見て
「 推薦するって事は… 沙希さんは隊長のアタシに命を預けてくれてるしアタシは隊のみんなの命を預かっているその責任を背負って訓練に励んでる 」
居合わせている隊員達の顔を見ると皆頷いてくれたから
「 そのつもりで… それくらいの覚悟と信頼関係がなきゃ推薦できない 」
「 この際だから話しておくけど四年前のあの日、アタシの両親と八幡と小町のお父さんはアタシ達を守って死んだ 」
瞳から光の消えたアタシは更に
「 特に比企谷のおじさんはアタシの目の前でアタシを庇って… そのショックで頭のネジの跳んだアタシの叫び声に死に掛けのお母さんが反応して黒トリガーになってアタシに力をくれた 」
抑揚のない声で語るアタシは語り続ける
「 ネイバー達と戦える力を… ネイバー達を倒して今度はアタシが八兄や小町ちゃんを守る力をね… でも…
ナンの訓練も受けてないアタシは、黒トリガーに呑み込まれてネイバー達を破壊して回る ( 破壊者 ) になっちゃてた
忍田さんって今のアタシ達の直属の上司の人がそのアタシを止めてくれてなきゃ死んでたか…もっと壊れちゃて思う
でも、戦いは終わってもアタシの心は壊れたままだから当たり前が当たり前じゃないところがある
今、年上のアンタ達にこんな横柄な態度を取れるのだってその一例で、別にアタシは自分が偉いって思ってる訳じゃないけどこんな風にしか振る舞えない
戦場以外じゃ感情をコントロールしきれないし空気も読めないからね?
そしてこれ大事、アタシは誰とでも仲良くなれる人間じゃないし八幡をバカにするヤツと小町をいじめるヤツとは仲良くなれないしなる気もない 」
そう言って金髪チャラ男を見て
「 一般公募で入れっ! お前が一番、八幡をバカにしている
戸塚さん、あの時はごめんね… アタシ、妬きもち妬いてたみたいなんだよね
何でお兄ちゃんの隣にアタシや小町以外の… しかもアンな可愛い人がっ! って思っちゃったんだよね
だからアタシはあの日の放課後、個人ランキング戦の名を借りて思いきり八つ当たりしたんだけどね、皆さんと同じ年の人、槍バカに弾バカって呼ばれてる二人に
えぇ、そりゃもうスコーピオンでメッタ突きにしてやったからオペレーターの人もマジに引いてましたよ
そんなヤツの推薦、マジに受けれますか? 又、戸塚さんに妬きもち妬くかもしれないんだよ? アホだからな… アタシってさ
小町ちゃんにも 『 何で小町ちゃんだけが八兄の妹なわけ? 』 アタシも八兄の妹だったら良かったのに… ってマジに思ってる
最近、色々あって食生活がメチャクチャだから本部の皆や沙希さんに叱られてばっかだし… 『 目を離したらお菓子しか食べないから隊室に一人で籠らせるなっ! 』 ってまで言われてまるっきりの問題児扱いをされてるんだよ?
沸点下がり気味で、さっき言った二人相手に憂さ晴らししては呆れられてるんだよね…
そんなダメダメ隊長なんだよ?アタシはね… 」
そう言って溜め息を吐いたアタシだった
そうアタシ虚ろな瞳で話すと
「 八幡が苺を守りたい… って言ってたのがわかった気がするよ
最初は守られてばかりかもしれないけど、でも… 肩を並べて戦えるよう、訓練を頑張っていつかは… 君を守りたい 」
そう言われたんだけどアタシは暫く自分がナニを言われたのか理解できなかった