SAOの仮想空間にやって来た黒崎一護は、そこでヒースクリフと出会いギルド「血盟騎士団」に入団した。
その後、エギルの店に立ち寄った一護は服を購入後アスナをギルドに誘おうと彼女の情報を集めていた所にクラインが止めに入った。しかし、いつまでも後ろを見てるわけにいかないと言う一護に対してクラインはデュエル申請をした。
かくして、一護はクラインとデュエルをする事になった。
「ハァァァァァァァァァッ!!!」
カウントダウンが終わりデュエルスタートとなると、クラインは勢い良く一護に近寄り剣を振って彼の大刀と剣を交えると、クラインの刀身が光り始めた。
「これが、テメェのソードスキルか?」
「その台詞……おめぇ初心者か?」
「かもな!!」
クラインは、力で押し切ろうとするが一護も大刀の刀身も光らせてクラインの剣を振り払うと、大刀を大きく振りかぶると真っ直ぐクラインに向けて振り下ろした。それを受け止めようとしたクラインは、剣を横にして受け止める。剣と剣の間では、激しい火花が散った。
しばらく剣を交えていた二人だが、先に一護が動いた。力で押し切り、クラインをフラつかせると勢い良くジャンプした。
「ウオォォォォォォォォォォォォッ!!!!!」
一護は、気合を入れると刀身を青白く光らせながらクラインの前に着地すると同時にクラインの肩に剣道の面をするかのように刀身をぶつけた。
すると、クラインのHPが半分を切りその時点でデュエル終了。一護の勝ちだ。
「クッソー、おめぇ強ぇな!」
「それはどうも。クラインも中々だったぜ。」
勝負後、二人は握手を交わした。スポーツマンシップに乗っ取ったという感じだろうか。
「クライン!どうだった?」
「強過ぎたよ。俺達じゃ到底追いつけないレベルだった。まさか、肩に刀身が当たる程度でHPが半分も削られるなんてな。」
隣で見ていたエギルがクラインに感想を聞いて来た。それに対してクラインは感じた通りの感想をエギルに伝えた。
「……。」
2階から見ていた謎の人物は、近くに置いてあったレイピアを持ち部屋を後にした。
「見たか?あの黒服の人、一撃で相手のHPを半分にしたぞ!」
「あぁ、アイツもビーターじゃないのか?」
周りで見ていた観客達は、ガヤガヤ騒ぎ始めた。一撃で相当な量のHPを削った一護をビーターと勘違いする人だっていた。だが、一護本人には何言ってるのか全く理解出来なかった。
「そこの君!」
一護は、後方で呼ばれた感覚がしたので後ろを振り向いた。そこには、レイピアを持ったアスナがエギルの店から出てきた。
「俺か?」
「えぇ、私を探してるみたいだけど……どうして?」
「あぁ、ギルドの『血盟騎士団』に入ってほしいんだ。」
一護は、真っ直ぐな視線でアスナに要件を伝えた。アスナは、少し戸惑いを覚えたそんな時彼女の脳裏にある言葉が浮かんできた。第一層のボスを攻略した後にキリトに言われた言葉だった。
《君はもっと強くなれる。もし、仮に誰かにギルドに誘われたらその時は断るなよ。ソロプレイには限界があるから。》
すると、アスナは鞘からレイピアを抜き出して剣先を一護に向けて指した。
「私がギルドに入るには条件があるわ。私とデュエルしなさい!」
「デュエル?……あぁ、良いぜ!」
一護は、そう答えるとアスナは一護にデュエルの申し込みをした。それに対して一護は、丸ボタンを押してデュエル開始までのカウントダウンが始まった。
「貴方、名前は?」
「黒崎一護。聞いて分かる通り、リアルネームだ。」
「そう、私はアスナ。よろしくね!」
一護は、再び背中にある鞘から大刀を抜き出して構えた。アスナもゆっくり戦闘態勢に入るとその可愛さとは無縁の睨みを効かせていた。
無言の時間が過ぎて、カウントダウンがゼロになり遂に一護とアスナのデュエルが始まった。
先に動いたのはアスナだった。彼女は、レイピアを素早く動かして何度も一護の胸部ら周辺を突くが、それを大刀で受け止める一護……。
しかし、アスナの素早い突きが何度か一護の身体に命中した。
先に減り始めたのは一護のHPだった。レベルとは関係なしにアスナの強さは、本物だ。
彼女は、一護に怯まず攻撃を続けた。
「グッ!」
一護の口から言葉が漏れた。何度も刺されて、HPの色が緑から黄色に差し掛かる頃、一護は大刀を思いっ切り横に振り剣圧でアスナの動きを止めると一旦距離を置いた。
「あら、もう限界かしら?」
今回のデュエルは、半減決着モード。先にHPを半分以下にした方の勝利だが……。
周りの人達は、みんなアスナが有利と見ていた。その理由はHPを見てすぐわかった。アスナの連撃技が何度か命中してたので一護のHPが三分一を切っていたからだ。
「まだまだ!!」
一護は、そう言うとしっかり二本の足で立ち再び構えると気合を入れ始めた。刀身が光り出してソードスキルが発動した。それを見たアスナも念を込める形でソードスキルを発動させると、一護に向かって接近し再び彼の身体を突こうとした。
しかし、それを一護は大刀を横にして受け止めた。
「そんな!?私のレイピアが!!」
「もらったァァァッ!!」
アスナの背後へ周り込んだ一護は、そう叫びながら振り上げた大刀をそのまま振り下ろした。
やはり、今回も肩にチョンと当てるだけだったがアスナのHPが半分以下となりそのままデュエルは終了。
またも一護の勝ちとなった。
「つーか、何で俺が買い物に付き合わなきゃいけねぇんだよ??」
「しょうがないでしょ、貴方が私のレイピアを武器破壊したんだから。弁償よ!弁償!!」
あのデュエルは、武器を壊した時点で一護の勝ちだった。しかし、初心者である一護にはそんな事知らずにしなくても良かったアスナのHPを半分にしたのだった。
そんな二人は、第1層からだいぶ上の階層の第48層に来ていた。
アスナは、数ヶ月でここまで来たのは速すぎると疑問に思ったが、武具屋を始めた知り合いがいると一護に言って案内してた。
「ねぇ、一護君はどうして私をギルドに?」
「あぁ、あの街に住む人たちがお前なら力になってくれるって紹介してくれたからさ。」
「そう……。」
そう話してるうちに二人は、アスナの知り合いが営む武具屋へ着いた。名前は、「リズベット武具店」。
「リズ〜?」
「あぁ!アスナじゃん。久し振り〜。で、その人は?」
「一護君紹介するね、こちらはこのリズベット武具店の店主リズベット。」
「初めまして、リズベットです。リズって読んでね!」
リズは、元気な笑顔で一護に挨拶をした。そして、すかさずにアスナに一護との関係を迫られ冷やかされていた。
「一護君とは今日会ったの!!もう、冷やかさないでよ!」
「ごめんごめん。」
「リズ、こっちがギルド血盟騎士団の副団長の黒崎一護君。実は、この人に私のレイピア武器破壊されて……リズに作ってもらおうと思って来たの。ウーンっと強いのを作ってくれる?」
「そういう事ね、OK!任して。」
そう言ってリズは早速店の奥へ行きレイピアを作る作業へと取り掛かった。その間、一護とアスナは近くの広場で休んでいた。
「それにしても、仮想空間なのに良く出来てるよな。この天気とか。」
芝生に寝転がった一護は、ひなたごっこしながら寛いでいた。そんな彼にアスナは質問してきた。
「そう言えば、一護君って今来たんだっけ?向こうの世界では、デスゲームって知ってるのに何で?」
「それは……、知り合いの妹から兄貴を救い出して欲しいって頼まれて……。それでここに来た。」
「え!?それだけ?」
アスナは、一護がこの世界に来た理由を知って正直凄いと思っていた。自分と関係ない人の為に命を張ることが自分には出来ないからだ。だからこそ、それが彼の強さ何だとアスナは感じていた。
「見つけたぞ!一護!!!」
その声を聞いた一護は、隣に置いてあった鞘を手に取って大刀を抜いたと同時に敵と剣を交えた。
その敵の正体は、スキンヘッドで三白眼の強面の男で、目元に赤い化粧を入れている、戦い大好きな11番隊第三席
「一角、お前もなのか!?」
「俺は、ゲームだとか現実だとかそんな事どうでも良い!一護、お前もやり合えればな!!」
一護は、一角の凄い霊圧を肌身で感じていた。そんな中、アスナの周りを4、5人の下級死神が囲んでいた。
「一護君!!」
「アスナ!!」
今のアスナには、武器がない。それに比べて下級死神達は、腰に納めていた刀を抜き構えるとアスナを今にも斬ろうとしていた。
「止めろォォォォォォォッ!!!」
一護は、そう言うと大刀で一角の斬魄刀をなぎ払い二度斬ってから下級死神達を大刀で斬り退かしてアスナを助け出した。
「大丈夫か?」
「うん…、ありがとう……。」
「一護、本気でやり合おうぜ!延びろ、鬼灯丸!!」
しかし、一角は一撃と戦う為に斬魄刀と鞘を縦に繋げ始解すると槍状へと変形して鬼灯丸となった。
「アスナ、コイツらは俺が何とかする。お前はその隙にリズベット武具店に逃げろ!」
「そんなの……そんなの出来るはずがないでしょ!」
「良いから!」
次の瞬間、一護は鬼灯丸を突き刺そうとするが大刀を横にして防いでいた。大刀と鬼灯丸の間では激しい火花が互いの刀身を交える事に発生していた。
《次回予告》
48層に現れた斑目一角と下級死神達。
一護は、武器のないアスナを庇いながら一角との激しい戦闘に挑む!!
第6話「新たな冒険の決意!」