スパロボVで頑張る   作:白い人

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15ページ目 3つの地球の中心で頑張る

 ◇月○日

 ……ここからの日記は補給中にゲシュペンストのコックピットでなんとなく書きなぐりしたものである。

 もし俺達が無事に戻れたのならいつもの日記帳に書き直す事にしよう。

 さて、俺がどうしてこんな場所で書きなぐっているのか。

 まず亜空間内、ゲート内にてガミラスの総統達に襲撃にあったのである。

 すっかり俺達は死んだ者だと思っていたが、ちゃっかり生き残っていた様子であった。

 しかもヤマトに直接進入してきたもんだから困ったもんである。笑い話ではまったくない。

 追い出して、機動戦にて決着をつけようとした直後である。

 なんとエンブリヲが乱入してきたのだ。

 更に驚きなのが奴がアンジュを無視してラクスさん、テッサ艦長、ベルナデット、ユリカさん、サリーちゃんを浚って行ったのだ。

 加えて地球にいた筈のオードリー、カガリ代表、マリナ皇女、木星にいた筈のベラさんまで浚っているもんだからとんでもない奴である。

 追おうとした直後に巨大なボース反応により通常空間へと戻された俺達だが、驚いた事に3つの地球が眼に見えるのだ。

 そしてそんな空間に浮かぶアルゼナル。はっきり言って情報が多すぎて大混乱である。

 色々な疑問が浮かんでいたが、それに答えたのはまさかのレナード・テスタロッサやエンブリヲであった。

 しかし新正暦世界と宇宙世紀世界はやっぱり近すぎると思っていたが元々一つの世界とは思ってもいなかった。

 そしてここで出てくるのがゲッター線である。暴走して次元を歪めて世界を二つに分けるとかやっぱり禄でもない事になるなぁ!

 3つの地球が融合しようとした原因がサガラカナメという人物。

 新正暦世界で100年前に生きていたとされる科学者。俺達がよく知る千鳥かなめと同一人物。そんな彼女は夫を失い、研究に没頭したのが世界改変という代物。

 その成果は実を結ぶ事はなかったが、並行世界への扉は開いた、開いてしまったという。それこそがウィスパード誕生の起源だという。

 レナードは言う、宇宙世紀世界の戦乱が激化した原因が千鳥かなめのせいだと。

 勿論、俺達は否定したが肝心の本人はそうではなかったのだ。それが俺達の前から姿を消した原因のようだ。

 当然の事ながら奴らの考えを俺達は否定。

 3つの世界を救うのが俺達である。

 そしてそして驚愕の出来事として敵に倒された筈の北辰、加えてディビニダドとドゥガチまで現れたからとんでもない話である。

 だがそれだけで俺達を止められる筈もなく、レナードの部下達は簡単に蹴散らされ、北辰はアキトに簡単に仕留められ、ドゥガチはトビアとキンケドゥに叩き落されていた。

 元アルゼナル所属であったイルマとターニャは可哀想だったんで自爆される直前にコックピットを物理的にキャッチ。四肢はキラが見事に全部撃ち抜いてくれたんで楽勝だったわ。二人がどうなるかはアンジュ達に任せよう。

 エンブリヲは大口を叩いておきながら速攻で叩き落されていた。まぁ、今出てきても俺達の脅威にはなりきれないという事か。

 が、やっぱり復活。奴の言葉を借りれば不死身なのである。

 とは言え、本当に不死身とは思えない事から宗介とタスクがアルゼナル内部に侵入。その謎を知っている筈のレナードをとっ捕まえて吐かせるつもりだ。

 絶えない増援を蹴散らしながら、時間を稼いでいると宗介とタスクだけではなく姿が見えなかったアンジュが帰還した。

 浚われていたかなめ達もばっちり救出済みである。

 それを追って……とは言えない様子でやってきたレナード。複数いる事が判明したエンブリヲ。

 かなめ曰くこの空間がある限り奴は何度でも蘇るらしい。

 だけどそこで無茶振り!空間壊せってどうやれってんだ!いや、やれそうな機体が結構いるんだけどさ!?

 しかしそれをやったのはアンジュであった。

 ラグナメイルとアンジュが謳う歌を共鳴させて、この空間の理を破壊する。しかしそれだけでは足りないとエンブリヲの叫びに待ったをかけた人がいた。

 ラクスである。彼女の歌が足りないパートを補ったのだ。

 アンジュとラクスの二人の歌姫による旋律は世界を、エンブリヲの世界を破壊したのだ。

 これによりもう一人のエンブリヲは圧死。残されたエンブリヲもレナードに捨てられてただの情けない奴に成り下がったのであった。

 後は簡単。レナードとエンブリヲを倒して終わりである。

 それでも諦めないエンブリヲは残された戦力を全て出してきたのだがそれを撃破したのは俺達ではなくフル・フロンタル達であった。

 彼等が指揮する部隊が駆けつけてエンブリヲの戦力にトドメを刺したのだ。

 レナード・テスタロッサは宗介とアルによって撃破された。しかし何を思ったか離脱していった。何をするつもりだったからすぐに判明する事になったが。

 エンブリヲはアンジュ達に罵倒されながら倒されていった。だがしぶとい事にエターナルを道連れにしようとしたのだが、それを阻んだのだが先程離脱したレナードだった。

 そしてきっちりとアンジュにトドメを刺されて終わり。最後までアレだったせいか天駆所属の女性達に罵倒の嵐を受けながらの退場である、ザマァ!

 最後の最後でこっちを助けられたレナードはテッサ艦長に見送られて逝ったのだった。彼を許す事は誰もしない。だけどあの時、あの瞬間だけは俺達の仲間、だったのかもしれない。

 

 

 

 ◇月○日-2

 エンブリヲ達との決着はついた。

 だが3つの世界の融合は進んでいる。

 なんとかしてコスモリバースシステムを起動して世界を救わねばならないのだがそこに続いて襲撃をかけてきたのはミケーネ帝国であった。

 傷ついた体で己の信念を貫こうとする暗黒大将軍。正直、時間がないから帰れと言いたい所だがその覚悟を無碍にできないのが俺達である。

 だが大した戦力もないままの襲撃は俺達の敵ではなくあっさりと蹴散らされて行く。それがあちらの狙いだったようだが。

 暗黒大将軍の生命が冥府の門を開き闇の帝王を呼び寄せたのだ。

 そこから更に奴の力で倒した暗黒大将軍、ガラダブラ、あしゅら男爵達を蘇生しやがった。

 そして奴は言うこれは全て仕組まれた事なのだと。

 その操り手が現れたのはその直後であった。エグゼブの軍団を引き連れて現れた暗黒そのものだという存在、ブラックノワールである。

 これこそがマイトガインの真の敵。全てを裏から操っていた存在である。

 その正体は高次元人。次元を支配し操る存在。奴からすればエンブリヲすらも奴の手で遊んでいた道化にすぎないという事。

 この世界は物語である。それが奴の言葉。

 西暦世界で戦争を使って遊んでいただけだと言う。

 みんなは奴が世界の裏から戦争を操っていたという事は理解したが、高次元人の部分は話半分に聞いていた事だろう。

 だが困った事にそれを否定しきれないのが俺であった。

 何せ俺という存在そのものが奴の言う事を肯定しているようなものだからである。

 正確にはブラックノワールもまた駒にすぎない。だがそれを配置し作り上げていったのは……。

 そんな事を考えながらも奴らとの戦いは激化していった。

 先のエンブリヲ達の戦いから間もない為、ダメージは残っていたがそれでも確実に奴らを撃破していった。

 あしゅら男爵、ガラダブラがまず地獄へと戻され、暗黒大将軍も鉄也さんが再び撃破した。

 そして本命である闇の帝王とブラックノワールとの戦いだったが、こちらが攻撃してもあっという間に傷が治されていく。

 それに対抗してサリーちゃんのイノセントウェーブが放たれたのだが、まるであちらには通じていない。

 そう、エグゼブに対抗したこの力すらもあちらが用意したアイテムにすぎない、という事らしい。

 しかし神を気取る奴に罅を入れたのはルリ艦長と真田副長であった。

 奴は地球外文明が作り出した高度な社会管理システムにすぎないのだと。

 そして3つの世界の技術が融合したクアンタムバーストによってより強固なイノセントウェーブになり、そこに加えてゲッター線が干渉し、更に強大な力へと至り、ダイターン3に搭載された対次元干渉波動光によってブラックノワールの闇の衣は剥ぎ取られたのであった。

 これだけ書くと色んな物が干渉しすぎてやべーなって思った。

 想いが一つになった俺達を止められる筈もない。

 神様気取りのブラックノワールは舞人とマイトガイン、そして浜田君とブラックマイトガインによって倒されたのだった。

 いやー一度は妄想したダブルグレートマイトガイン。形になった本当に良かった。

 前々からこっそり浜田君に付き合って訓練したり、ブラックマイトガイン用のグレートパーツを調整してたんだよね。

 ダブル動輪剣・重ね斬りみたいな合体技でブラックノワールを撃破していた。

 舞人によって悪判定を受けて見事に撃沈。これで世界を裏で操っていた偽神は倒されたのであった。

 闇の帝王は甲児、鉄也さん、竜馬さん、號達によって倒されていた。

 マジンガーZERO、マジンエンペラーG、真ゲッター、真ドラゴンによるファイナルダイナミックスペシャルとか怖すぎて笑えないんですけど。

 何度でも復活してやるとか闇の帝王がぼやいてたけど甲児達が何度でも倒してやるという発言を聞いて急に弱気になって消滅していった。何があったんだろうかと思ったが……まさか『アレ』を見た、とかかなぁ。俺も怖いので黙っておこう。

 こうして、3つの地球圏に巣食っていた敵達は全て倒されたのであった。

 

 

 

 ◇月○日-3

 しかしそうは問屋が卸さないのが現実である。

 ヤマトの出力低下中に最初に襲撃してきたガミラス艦隊が現れたのだ。

 あちらにとっても不測の事態なのは間違いない。

 しかしあちらはやる気満々。こちらは交戦の意思はないと伝えようとしても通信を受け付ける気はないようだ。

 更にエンブリヲの所で見たドゥガチのディビニダトが複数機出してきやがった。中身は勿論ドゥガチ本人。そこまでして地球の最期を見たいという事なのだろうか。

 その執念、もっと別の事に使えなかったのだろうか。

 だけどその最期を見せる訳にはいかない。

 ……機体の補給は終わり、この戦いで今度こそ俺達の最期の戦いにしよう。




日記パートは多分これで終わり。
次回から最終決戦。

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