笑顔は太陽のごとく… 《用務員・長門編 完結済》 作:バスクランサー
まあ、これからも頑張りますのでそこは大目に見てくださいm(_ _)m
それと、今のとこ長門さん視点で書いていますが、この話にはありませんが他の人視点も出ると思います。
重ねてご了承ください。
長くなってすみません、本編どうぞー。
新たな仲間が来るまで、あと4日。
私は用務員としてのこの日の仕事を午前中に全て終わらせ、ある場所に足を運んだ。
「失礼するぞ、明石、夕張。」
「あ、長門さん!」
「お待ちしておりました!!」
そう、工廠である。
明日から3日間にわたって、寮の増築工事をするため、材料の調達の確認、間取りや部屋割り改訂などの打ち合わせをしに来たのだ。それからもう一つ、ある目的もあるが…今は増築工事関係の方が優先だな。
「そうだ、提督と響ちゃんは?長門さんと一緒にここに来ると思ってたんだけど…」
「ああ、それなんだが…」ーーー
ーーー少し前 食堂
「ここのメニューにハズレはないが、やはりカレーは美味いな…」
「…提督よ、昨夜もカレーではなかったか?」
「まあ、司令官はかなりのカレー好きだからね。しょうがないよ。」
「食べ続けてると、この白い軍服を全く汚さず三杯はいけるようになるぞ。」
と、ドヤ顔をする提督。そんな感じで、私達3人は昼食をとっていた。と…
「あ、いた…提督、響ちゃん。」
そこに大淀が入ってきた。
「食事中すみません、たった今大本営の方から通達が来まして…内容が内容なので、食べ終わったら少し話し合いの時間を頂いてもいいですか?」
「ああ、構わん。」
大淀が、少し不安げな顔をしていたのが気になった。私も聞いていい、と彼女が言ってくれたので、私はそれに甘えて聞くことにしたーーー
ーーー「通達によると、最近、深海棲艦の戦力が急激に増えてきているそうです。そこで、各鎮守府に、周辺海域の警備任務を行うように、と。」
「深海棲艦の戦力拡大…大淀さん、それは大軍や新たな敵性地とかの、量の面かい?それとも、また強力な奴が出たとかいう、質の面かい?」
大淀に質問する響。
「どちらもありますが、どちらかというと質の面が大きいと思われます。上位戦力の鎮守府の第一艦隊が、ある時『それ』に遭遇し、データをとる間もなく、全員轟沈寸前の大破という大損害を受け撤退に追い込まれたと…」
「えっ…!?」
これは…驚いたな。まさかそこまで強い奴がいたとは…
「あいにくダメージによるショックで、その姿をハッキリとは思い出せないようです。既に確認されている深海棲艦の数も増えていると言いますし…」
「そうか…分かった。ふーむ…よし、ならば急で悪いが、響、大井、高雄、加賀、翔鶴、瑞鶴の6人で索敵重視で周辺海域の調査を頼む。念のため、基地航空隊の新型輸送攻撃機のピースキャリーに、ファイターEXを積載させて赤城に発艦要請、俺もスカイマスケッティで出る。」
「分かりました、招集をかけます」
「私も手伝おう」ーーー
ーーー「…ってな具合でな。」
「なるへそ…」
「ほぉぅ…」
と、なんとなく少しふざけたような返事だが、この2人は何かと真面目でやる時はやる、さらにその腕は超有能というすごいコンビなのである。提督からの設計図をもとに、保有材料でそっくりそのまま完成品を設計図通り作ってしまうとか。
「えーと、では、本題に移りましょう。」
工廠の中の机に、明石が設計図を広げ、概要を口に出す。
「今回は、個人部屋を廃止して既存の寮の一部間取りを変更、それからここの外壁をなくして、ここまで増築、というプランですね」
「長門さん、大本営への材料発注状況はどうですか?」
「もう設計図通りに頼んであるし、今日中に軍の輸送機がここに来る予定だ、夕張。だいたい夕方の4時頃に指定してある。」
「ありがとうございます!じゃあ、とりあえず間取りや内装、工事スケジュールなどについて話し合いましょう!」
明石の一声で、私たちは早速議論を始めたーーー
ーーー「えーと、来る方の艦種の内訳は?」
「確か…提督曰く、航空戦艦が2人、軽空母が2人、重巡が4人、軽巡が3人、駆逐艦が6人と聞いているぞ」
「了解です。なら、ここの部屋をこうして…これくらい増築して、ここに部屋を…」
「トイレや洗面所、別出口などもつけなければいけませんからね…」
「そうだな…ん?」
誰か工廠に来たようだ。
「遅れてすまん!今戻った!」
「帰投した」
提督、それに響!この2人がいる、ということは、無事帰ってきたのか。よかった。やはり事前に不安な知らせを聞いていたせいか、その安心感は尚更大きい。
「皆さん、状況は大丈夫ですか?」
「ああ。敵とは出会わなかったからな。もうみんな補給も済ませてあるし。」
「まあ、引き続き警戒はしないとだけどね」
「そうだな…。とりあえず、今はこっちを手伝ってくれるか?」
「おっ、もちろん。」
こうして、提督と響を加え、私達は増築関係の最終調整を済ませた。と、さらにーーー
「いた、皆さん!大本営の輸送機が来ました!」
丁度いいタイミング、だなーーー
ーーー鎮守府の発着場に、大きな輸送機が既に着陸していた。
「大淀、他のみんなは?」
「もう既に来ていますよ。」
「さすが仕事が速いな。ありがとう」
大淀の言う通り、輸送機の周りには仲間達が群がっていた。その気になれば我々艦娘は人間の力を軽く凌駕できるので、クレーンなどは一切要らない。これはこういう時に結構便利である。うん。
「とりあえず、前言った増築現場近くに資材置き場作ったから、そこまで運んでくれなー」
提督の声が響く。あぁ…かっこいい…。昨日自身の恋心に気づいてから、些細なことでも彼を意識するようになってしまった。文字通り、胸が熱いな。
「おーい、誰かこの木材のもう片方を持ってくれないかー?」
提督が向こうで、一際大きい木材を抱えながら呼んでいる。む、これは絶好のチャンス!
「私がいこう」
「私、気合い、入れてっ!やります!」
「はい、私が行きます!」
「あの、私で良ければ…」
「ミーに任せるデース!」
ん…んんん!?
比叡に、大井に、高雄に、金剛に…考えていたことは同じ、というわけか…
「ははは、みんなありがとう。じゃあせっかくだし、みんなに手伝ってもらおうかな。これ重いし」
「「「「「「「はーい!」」」」」」」
…なんかさらに増えてるぞこれーーー
ーーー「ふぃー…。」
「終わったー!」
「あー、…疲れたぁぁ…」
「結構キツかったなぁ…」
なにぶん材料の量が多いため、かなり時間がかかってしまった…。もうヒトハチマルマルか…昼頃始めたのだがな…。お、提督。
「みんな、お疲れ様」
「「「「「「「「提督もお疲れ様です!」」」」」」」」
あっ、復活した。私もだが。
「明日からは出撃や遠征は無しで、増築工事に集中してもらう。これから配るプリント冊子に、シフトや担当場所とかを書いてあるから、しっかり目を通しておいてくれな。まあ、俺の手書きのコピーだから、見づらい所があったら言ってくれ」
「「「「「「「「はい!」」」」」」」」
手書きのコピーだがこの反応とは…本当に愛が大きいのだな…。私もだが。
数枚セットの冊子が配られると、ラブ勢は穴が開くほど目を通し始める。
「あ〜、提督の字…ふつくしいわ…」
「私、頑張るから…見ててぇ…!」
恍惚のポーズから動いてないぞ、おーい。ん?提督だ。
「長門、用務員としてみんなをよくまとめていたな。この調子で明日も頼むぞ。」
褒められた!提督にっ!褒められたぁぁあああああ!っていかん、言葉を返さねば…
「いや、こちらこそだ、その、また、あぁぁ明日、よろしく頼む!」
だぁぁぁああ!うまく返せなかったぁぁぁぁああ!ーーー
ーーー「響、ありがとう。率先的に仕事を引き受けてくれて、助かったよ」
「…ハラショー、司令官。こちらこそありがとう」
「大井もよく頑張っていたな」
「は、はい!あ、ありがとうございます!」
「金剛もお疲れ様。明日も頼りにしてるよ」
「テートクに頼られて、ミーは光栄デース!…By the way,何故あそこで長門はあうあう悶絶してるデースカー?」
「…まあ、その…色々疲れたんだろう。まあ、あいつも働き者だしなぁ…起こしてくるか」
その後、私がまたビックリしてしまったのは、別の話としていただきたいーーー
というわけで今回も読んでくれてありがとうございますm(_ _)m
感想、評価の方よければお願いします!
また次回!