智『俺のリザードンで勝手なことしてんじゃねえ!』
ガブリアスのダブルチョップがリザードンに掠れるとその全身はバラバラになった。
しかし同時にガブリアスの腹部にも片方のドラゴンクローが突き刺さっていた。
雅拉『コックピット狙いか......手慣れたモビルスーツでやられていたら奴の思惑通りになっていたな』
智『勝ったの?』
雅拉『あぁ...... 』
オペレーター『聴こえる?』
猛『誰だ? スピーカー越しにキコエテクるが』
オペレーター『確かに我々はモビルスーツ同士での戦いには敗れた...... だけどこっちにも意地というものがある! ここから逃がさない!』
一同が音の鳴る方を振り向くと、出口が瓦礫で閉ざされていた。
オペレーター『さらに! バンギラスの中の原子の力は未だ健在!』
華澄『まさか!』
オペレーター『スイッチオン!』
バンギラスの残骸から激しい爆発が起きようとしていたが、隠れていた数機がそこに飛び出すと爆発は防がれた。
オペレーター『なに?』
泊待『あんたのとこのエレキブルの電磁シールドさ』
温存していたミサイルによって障壁を破壊される。
オペレーター『あっ!』
智『これで逃げられる!』
猛『ここもいつ崩れるかわからん、ひとまず逃げるぞ!』
猛、華澄は無理矢理ガブリアスに乗り込み、総員は飛行空母、ペリッパー目掛けて逃げ出す。
大型機2機が飛び立つとその衝撃で凰城戸軍基地は完全に崩れた。
智「......」
華澄「......やったね......」
猛「智......あとで正式に伝えられるとは思うが、君は今回の件の役目を見事に果たしてくれた。だから今日で終わりだ。今日まで本当にありがとう」
智「そうですか......」
猛「民間人である君をここまで付き合わせてしまったのはこちらとしても不甲斐ないことだ...... 」
智「そんなのいいんですよ。俺としても憧れだった巨大ロボットに本当に乗れたんですから!」
雅拉「智...... 元気でな......俺の妹のサキと娘の瀬玲奈によろしくな」
智「えっ?」
雅拉「もう戦いも終わったから言うが、俺はお前の息子であり瀬玲奈から見れば叔父にあたる」
智「やっぱり...... それじゃ俺のお母さんは?」
雅拉「すまない...... お母さんはお前を産んだときに...... 」
智「そうだったんだ...... それなら俺も言わないと。お父さんの妹さんは瓦礫の下敷きになって...... 」
雅拉「...... そうか...... サキに"本当の母親のように接してあげて欲しいと頼んだが、それは果たしてくれたか?"」
智「もちろん!」
その後一同を乗せた大型船は基地に辿り着いた。
智は検査などを受けたが問題は見受けられなかったため、翌日に帰宅することになった。
翌日
智「短い間でしたがありがとうございました!」
華澄「じゃあね! いつでも遊びに来てね」
猛「それはそれで困るが...... 元気でな!」
賢次「ありがとう!」
雅拉「......頼んだぞ」
那菜釜戸「よく戦ってくれた、これはほんのお礼だ」
そう言うと那菜釜戸は智に封筒を手渡した。
智「お元気で!」
振り返ると智はプリンを連れて走り出す。
──────────────────────
瀬玲奈の家
瀬玲奈「......それでそのまま彼女の家に行って告白したらあっさりと降られちゃったの?」
智「もう無理」
瀬玲奈「だったらプリンに聞いてみればいいじゃん。彼女の作り方とか」
智「それもそうだね。プリン教えて!」
プリン『身近な所にいる』
智「えっ......それってまさか......」
瀬玲奈「だってさ。それじゃ探しに行こうか!」
智「そ......そうだね! 近くにいるみたいだし.....」
プリン『直感は案外あたるもの。良いことも悪いことも』
おしまい
ここまで見ていただき本当にありがとうございました。