絶対可憐チルドレン ANOTHER ESPER   作:naogran

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ある日、薫達チルドレンが通う小学校。チャイムが鳴り給食の時間になった。

将「ご馳走様〜!」

ちさと「待って東野君!」

ハンカチで将の口を拭くちさと。

ちさと「もぉ〜ハンカチぐらい使いなさいよ。口の周り牛乳付いてるじゃない。」

将「うわあ!?や、止めろよ!!」

察したちさとが赤面した。それを見た他のクラスメイトが茶化した。

ちさと(しまった!つい!こ、こう言う時、1番騒ぐのは!!)






しかし、今日の薫達チルドレンのテンションが真っ暗状態になっていた。






ちさと「え・・・?」

薫(世の中・・・)

葵(幸せそうな奴ばっか・・・)

紫穂(しょうもない・・・)

ちさと「ヒィィィ!!」

すると薫達が訳を話した。

薫「皆本がもう1週間も留守なんだよ〜・・・」

ちさと「え?」

葵「訓練とか部隊合宿・・・うわ!」

言ってる最中に紫穂に止められた。

紫穂「仕事で出張中なの!」

ちさと「ふぅ〜ん。」

そして3人がむしゃくしゃ暴れた。

ちさと(皆本さんの事、よっぽど好きなのね・・・)






その頃、皆本は・・・

皆本「サーイエッサー!サーイエッサー!」

教官「おら声を出せ腰抜共!!」

皆本・自衛隊員達「絶チル7巻が出ーるぞ!恋するど偉いアニメーション!DVD!DVD!」

メタ発言しながら訓練していた。

教官「玉付いてるかオラァ!」

皆本・自衛隊員達「サーイエッサー!」

教官「ちゃんと洗ったのかオラァ!」

皆本・自衛隊員達「サーノーサー!」

教官「洗えーー!!」


MISSION39「疑心暗鬼帳(ぎしんあんきちょう)

そしてその頃、沖縄にある週末医療介護専門のホスピスでは。

 

蕾見「どう?あの2人。」

 

花枝「あ!奥さ・・・お嬢!・・・管理官・・・」

 

蕾見「お嬢様で良いわよ?」

 

花枝「えへへ・・・あの、今日は?」

 

蕾見「様子を見に来たのよ。どう?あの2人は。」

 

 

 

 

 

 

あの2人とは、ブラック・ファントムに操られ、チルドレンとセブンスターズの力で解放されたバレットとティム・トイの事だった。2人は不機嫌そうに働いた。バレットは、1人の老爺と軍事的なトークをして盛り上がった。ティムは、破れてしまったクマのぬいぐるみを1人の老婆に渡した。

 

 

 

 

 

 

蕾見「上手くやってるみたいじゃん・・・」

 

花枝「子供は世代関係無いですから。ただ・・・」

 

蕾見「ん?ただ?」

 

花枝「ただ・・・2人共部屋に籠もりがちで・・・明かりは大抵深夜遅くまで点いてるんです。色々と悩んで眠れ無いんじゃないかと・・・」

 

ここ最近、バレットとティムの部屋の電気が深夜になっても点いてるままだった。

 

蕾見「まぁ難しい年頃の男の子だし。でもそれ以上に心配なのは、またブラック・ファントムが接触して来る事よ。」

 

花枝「え!?」

 

蕾見「油断は禁物!十分気を付けて頂戴。」

 

花枝「はい!」

 

蕾見「ふぁ〜・・・眠くなってきたから帰るね・・・」

 

花枝「お疲れ様でした!」

 

テレポートして部屋に帰って行った。

 

花枝「よーし!頑張るぞ!」

 

バレット「末摘さーん!」

 

花枝「あ、はーい!」

 

 

 

 

 

 

部屋で寝ている老爺の部屋に入った。

 

花枝「何ですか?私に話したい事って。私で良ければ伺いますよ大畑さん。どうしました?」

 

大畑「・・・あんたは良え人じゃ末摘さん。」

 

花枝「そ、そんな・・・」

 

大畑「最後に話しておきたいんじゃ・・・」

 

花枝「え?」

 

大畑「わしの能力の事を・・・」

 

花枝「え!?能力って、大畑さんはノーマルの筈・・・でも超能力の証拠はありませんでしたよ?」

 

大畑「ははは、かなり珍しい能力で気付かれ難いのじゃ。」

 

花枝「え?」

 

大畑「合成能力の一種でな、これを使う。」

 

服の中から1冊のノートを取り出した。

 

花枝「ノート?」

 

 

 

 

 

 

一方その頃チルドレンは、下校中だった。

 

ちさと「じゃーね!」

 

チルドレン「ばいばーい!」

 

ちさとと別れた瞬間、謎の1冊のノートが降って来た。

 

薫「何だこれ?」

 

葵「ノート?」

 

紫穂「誰かの悪戯?ちょっと見せて?」

 

薫「うん。」

 

謎のノートを調べる紫穂。すると、不気味な文字が視えた。

 

 

 

 

 

 

同じ頃のホスピスでは。

 

花枝「テレンリビティ?幸運を引き寄せる力ですか?本当にそんな能力が?」

 

大畑「あるとも。ただしわしの場合、この力はより疲労が必要でな・・・」

 

花枝「能力を宿らせる代物ですね?それがこのノート?ごく普通の市販品ですが・・・」

 

大畑「今はな。」

 

花枝「え?」

 

大畑「だが数ヶ月間わしの体に密着させ、肌身離さず念を込め続ける事でこのノートは!」

 

何処からかガムテープを取り出して、ノートを腹部に貼り付けて固定した。

 

大畑「凡ゆる確率をコントロール出来る恐るべき、その通りになるのです帳になるのじゃ!!!」

 

花枝「そ、その間にお風呂とかは・・・?」

 

大畑「入らん。」

 

花枝「汚いじゃないですか!!」

 

大畑「五月蝿い。」

 

 

 

 

 

 

そして一方チルドレンは、皆本の家に帰宅して、賢木と大河達を招き入れた。

 

賢木「ルール1、このノートに書かれた事は高確率で現実になる。ただし飽く迄起こり行く事でなければならないっか。・・・このノート何か臭くね?湿布と軟膏の何っつうかその・・・」

 

葵「先生そのポーズは・・・」

 

大河「Lかよ。」

 

斗真「にしてもノート臭え・・・PKデオドラント。」

 

サイコキネシスで臭いを消した。

 

斗真「消臭完了。」

 

幸菜「臭かった・・・」

 

紫穂「それより、もっと気になる事があるでしょ?」

 

ノートのページを更に捲る。

 

賢木「使い方ってのがびっしり書いてるな。」

 

紫穂「透視しても、そのルールだけしか読み取れない。」

 

幸菜「・・・本当だ。ルールしか読み取れない。」

 

美里「持ち主の名前が無い分怪しいわね。」

 

賢木「・・・ルール2、記入する際、イメージが強く鮮明に浮かぶ程、実現率が上昇する。」

 

敦「他の事を考えずに自分が思ってるイメージだけを強くすれば実現する仕組みか。」

 

零慈「だったら試したらどうだ?」

 

チルドレン「え?」

 

賢木「そうだな。レベル7でも読み取れないんだ。本物かも知れねえじゃん。」

 

薫「まさか!」

 

斗真「何か胡散臭えな。」

 

紫穂「でもそうねぇ・・・やってみる!」

 

 

 

 

 

 

早速試してみる。紫穂がノートに『午後3時16分 賢木修二 友人のマンションにて心不全で・・・』と書いた瞬間。賢木がすぐに没収した。

 

 

 

 

 

 

賢木「本物かも知れねえっつってんだろ!!!!」

 

斗真「先生を殺す気かお前!!!」

 

紫穂「だってイメージがはっきりと。」

 

大河「紫穂怖え・・・」

 

賢木「怖え!!お前マジ怖えよ!!」

 

すぐに消しゴムで消した。

 

葵「あ!せやったらこう言うのは?皆本はんが今すぐ、リビングのドアに開けてこの部屋に入って来るっと。」

 

薫「あはは!まさかそんな事ある訳・・・」

 

 

 

 

 

 

皆本「ただいま〜・・・」

 

 

 

 

 

 

全員「えーーー!?」

 

まさかの実現。皆本がタイミング良く帰って来た。

 

薫「皆本!?」

 

葵「何で!?」

 

賢木「訓練はどうした!?」

 

斗真「終わったのか!?」

 

皆本「よく分かんないんだけど、予定が変更になったんだ。」

 

まさかの出来事で全員に戦慄が走った。

 

皆本「どうした?丸で幽霊を見たような・・・」

 

全員(本物だ!!)

 

紫穂(つまりこれって・・・)

 

葵(どんな願いでも叶える・・・)

 

薫(魔法のノートって事じゃん!!)

 

するとチルドレンがノートを奪い合った。

 

賢木「落ち着けーーー!!」

 

大河「あのノートどうする?」

 

斗真「怖そうだから止めとく。」

 

 

 

 

 

 

その頃ホスピスでは。

 

花枝「人に譲った?」

 

大畑「ああ。一月前じゃったかな?」

 

一月前、セブンスターズとチルドレンがよく知ってる彼奴がノートを貰ったのだった。

 

花枝「っ!!」

 

大畑「本当はあんたにあげるつもりだったんじゃがな・・・」

 

花枝「そ、それって一体・・・!?」

 

 

 

 

 

 

同じ頃バベルの局長室では、ノートに付いて調べていた。斗真がサイコロを落とすと1の目になった。

 

斗真「皆本さん、サイコロの目が連続1になった。」

 

皆本「これで10回連続かぁ・・・間違い無さそうですね。」

 

ノートには『サイコロで1が出続ける』と書いてあった。

 

皆本「このノートは、確率を操作して未来を変える事が出来ます!」

 

賢木「超能力の1種か!」

 

奈津子「初めて見たわ!」

 

ほたる「未来を思い通りに出来るって最強よね!」

 

桐壺局長「まさか何者かがあの子達を狙って・・・」

 

柏木「それは変ですよ。だとしたら、直接ノートに書き込む方が早いじゃないですか。」

 

桐壺局長「うむ、そうだな。」

 

皆本「レベルが低くて、そこまで役に立たないのかも知れません。何故ならここに。」

 

書かれてるルールを賢木が読む。

 

賢木「ルール3、あまり大きな結果は期待してはいけない。小さな事からコツコツと。」

 

斗真「益々怪しいルールだなおい。」

 

柏木「でも小さいって、何処で線を引けば良いんでしょう?」

 

賢木「それは俺が試しました!」

 

ノートには、『賢木修二 巨万の富を手に入れる』と書かれてあった。

 

皆本「書いたのか・・・」

 

賢木「書くだろ普通?」

 

斗真「ほんでどうだった?」

 

賢木「皆本のマンションでこれがありました〜〜〜!!!」

 

千円札を取り出して大はしゃぎ。

 

桐壺局長「小さ!!」

 

皆本「僕が無くした千円!!」

 

斗真「小さい巨万の富だな。」

 

奈津子「因みに私達も試してみたんですが・・・」

 

ほたる「何も起こりませんでした・・・」

 

斗真「常盤奈津子、ベッカムとデート。野分ほたる、石油を掘りあてる。・・・これ無謀過ぎでしょ。」

 

桐壺局長「管理官を呼ぶべきかな?」

 

皆本「この程度なら、それ程緊急じゃなさそうですよ。兎に角、もう少し調べてみます。」

 

斗真「何かあったら知らせます。」

 

桐壺局長「頼むよ皆本君!斗真君!」

 

賢木「あっ!そう言えば、チルドレンは?」

 

柏木「待機室よ。宿題があるからって。大河君達も居るわ。」

 

皆本「お前も休んだらどうだ?最近忙しくてあまり寝てないだろ?」

 

賢木「ああ、そうだな。」

 

桐壺局長「では、何か分かったら知らせてくれ。」

 

皆本「はい!」

 

しかしこのノートには、切り取っても使用可能と書かれてあった。廊下に出た皆本が、敗れたページを見て何かを思った。

 

 

 

 

 

 

そして斗真は、待機室へ移動中。手には切り取られたページがあった。

 

斗真(切り取っても使用可能か。チャンスの時に使うか。)

 

 

 

 

 

 

その頃待機室では。

 

紫穂「確認するわよ。こっそり破いて来たノートの切れ端。何を書いても、皆本さんを独り占めってってのは無し。」

 

葵「了解や!皆本はんは1人やからな!」

 

大河(破いて来たのかこの嬢ちゃん達は。)

 

敦(欲望に目が無いな。)

 

薫「けどさ、全員がこれを書いたらどうなんの?」

 

紫穂「えっと、ルール4、両立出来ない事柄を書いた場合、上書きとみなされ、その時点から新しい方が優先されるって事らしいわ。」

 

薫「ああ、そうなんだ!」

 

葵「3人の内1人は叶うんやね?」

 

紫穂「約束したから書かないけどね〜。」

 

チルドレン「あははははは。」

 

薫(書く!此奴らは必ず書く!)

 

紫穂(やる気ね!でもこれは真剣勝負!)

 

葵(関係ないで!何としても出し抜いたる!!)

 

幸菜「3人共怖いわね。」

 

美里「まぁ何時も通りだから良いじゃない。」

 

紫穂「ねぇ書かないの〜?」

 

葵「う〜ん、考え中!」

 

薫「私も〜。」

 

紫穂(狙ってる!!)

 

葵(ダメや此奴!)

 

薫(早く何とかしないと!!)

 

零慈「う〜ん・・・」

 

大河(零慈?・・・お前何時の間に!)

 

零慈(ん?)

 

別の切れ端のノートが零慈の手にあった。

 

零慈(何書こうかな〜?)

 

敦(お前も欲望に溺れたか。)

 

薫(サイコキネシスで倒すか?いやそれじゃあすぐバレる!)

 

紫穂(後から書いた方が優先!こっちが書いた事を知られてはいけない!)

 

葵(頭脳戦や!隣ともっとも警戒すべきは!)

 

紫穂・葵(この女!!)

 

薫「(やはりそう言う展開か。だけどそれは致命的な間違い。)・・・あははは!ダメだ私、バカだからさ特別な事を思い付きそうに無いや。取り敢えずお小遣いアップ。それと、こうかな?」

 

切れ端に、『お小遣いアップ!』と、『葵と紫穂が幸せになりますように!』と書いた。

 

紫穂「薫・・・」

 

葵「薫・・・(うち、アホや・・・)」

 

紫穂(自分が恥ずかしい・・・)

 

葵「ほなうちはこれや。」

 

切れ端に、『胸を大きくして下さい(><;)』と、『薫と紫穂がいっぱい良い事がありますように!』と書いた。

 

紫穂「私も!」

 

切れ端に、『綺麗な心にないりたい。』と、『薫ちゃんと葵ちゃんが何時までも友達でいてくれますように』と書いた。

 

チルドレン「私達、親友だもんね!」

 

大河「何だろう、このほっこりする雰囲気は・・・」

 

美里「凄く微笑ましいわ・・・」

 

幸菜「感動しちゃった・・・」

 

葵「ほな、宿題でもしようかな?」

 

薫「あ!後で見せて!」

 

紫穂「私おやつ食べよ〜!」

 

敦(零慈お前考え中か?)

 

零慈(いまいち思い浮かばねえな・・・)

 

宿題を始める葵。おやつを食べる紫穂。しかし薫は違った。

 

薫(掛かった!私を甘く見たね2人共!実は今書いたのはただの紙切れ!本物は・・・こっちだ!)

 

ESPリミッターに本物の切れ端があった。そしておやつの袋から本物の切れ端。ランドセルの中にも本物の切れ端があった。

 

大河(隠し持ってのんかい!)

 

敦(全く・・・)

 

零慈(よっしゃこうだ!)

 

何かを思い付いた零慈が切れ端に何かを書いた。

 

紫穂(ノートを3人に配った所までは確かに本物!)

 

葵(自分の物を偽物に摩り替える!巧妙な作戦や!)

 

 

 

 

 

 

しかしチルドレン全員が眠ってしまった。

 

 

 

 

 

 

大河「あれ?眠った?」

 

幸菜「・・・突然の眠気に襲われたわ。」

 

美里「でも何で?」

 

零慈「多分俺の仕業かもな。」

 

切れ端には、『チルドレンが途中で睡魔に襲撃される』と書かれてあった。

 

敦「何時の間に・・・」

 

大河「だから眠ったのか。けど良いタイミングだったな。」

 

そこに斗真が戻って来た。

 

斗真「帰ったぞ。あれ?彼奴らどうした?」

 

大河「零慈が書いた願い事に的中したんだ。」

 

斗真「零慈?」

 

零慈「無闇に書いた願い事が現実になるとは思わなかったな〜。」

 

斗真「ん?」

 

すると何かを発見した。

 

斗真「彼奴ら、切れ端を隠し持ってたんかい。」

 

 

 

 

 

 

同じ頃のホスピスでは。

 

花枝「ありがとうございます。私、大畑さんの気持ちだけで十分嬉しいです。じゃあ、お夕飯の支度がありますから。」

 

大畑「あるんじゃよ。」

 

花枝「え?あ、あるって・・・?」

 

大畑「実はこの世には後1冊、その通りになるのです帳があるんじゃ。」

 

花枝「え!?」

 

何とその通りになるのです帳がもう1冊あったのだった。

 

 

 

 

 

 

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今回のしりとり。

 

美里『気を付けないと。』

幸菜『自分が壊れちゃうわよ?』

 

バレット・ティム『読めるけど書けない!』

 

しりとり終了。

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花枝「も、もう1冊あるんですか・・・!?」

 

大畑「うむ。」

 

花枝「そ、それは何処に!?」

 

大畑「あの木の下に埋められてる。」

 

窓の外にある木を見た。

 

 

 

 

 

 

バベルでは、皆本が何処かへ向かってた。するとそこに。

 

???「もう分析は終わりか?」

 

後ろに振り向くと、賢木が立っていた。

 

皆本「トイレに行くだけだよ。」

 

賢木「ノートを持ってか?皆本はそんな真似はしねえな。そいつを下に置け!偽物め!」

 

拳銃を取り出して脅す。

 

皆本「何故そう思う?」

 

賢木「お前がノートを破られてるのに気付かない筈はねえ!なのにチルドレンの行方を気にしなかったよな?皆本じゃないって事は、成り済ます力を持った奴か?そんな能力者は限られてる。ノート自体は大した強力じゃないが・・・な、何だこりゃ・・・!?急に・・・眠気が・・・」

 

突然眠気に襲われた賢木が眠ってしまった。

 

皆本「そう。バベル内には僕を侵入させる事くらい出来る。でも皆本をあんなに早く呼び戻せる力はこのノートには無い。」

 

この皆本の正体は、兵部京介だった。そして、『賢木修二 疲労から倒れる』と書かれたノートの切れ端を隠し持ってた。

 

京介「ここまでは計画通り。」

 

すると服の中から桃太郎が出て来た。

 

桃太郎「ぷはぁーー!!何で僕がこんな所に!暑いしジメジメ、それに加齢臭に耐えられない!」

 

京介「臭いのはノートだ!」

 

 

 

 

 

 

その日の夜のバベル。

 

薫「零慈サイテー!」

 

葵「まさか零慈はんまでも切れ端を持ってたとは思ってへんかったわ!」

 

零慈「まぁまぁそう怒んなよ。」

 

斗真「そもそもあのノートが元凶だもんな。」

 

敦「人を欲望に堕とす危険物だもんな。」

 

紫穂「全員で1時間程寝ちゃったけど、記憶を消す程の力は無かったみたいね。」

 

葵「兎に角もう抜け駆け禁止!」

 

薫「そうや!」

 

紫穂「フェアで行きましょう?」

 

大河「懲りねえな。」

 

 

 

 

 

 

部屋に入ると、寝てる賢木しか居なかった。

 

薫「あれ?先生だけ?」

 

美里「寝てるわね。」

 

紫穂「皆本さん何処行ったのよ?」

 

寝てる賢木を読もうとするが。

 

紫穂「あれ?」

 

薫「どうしたの?」

 

紫穂「この1、2時間の記憶が読めない。」

 

薫・葵「え!?」

 

幸菜「・・・こっちもダメ。」

 

斗真「って事は、まさか・・・」

 

葵(ノートも無い。って事は局長や婆ちゃんの所やな?2人はまだ気付いてへん!今の内にテレポートして!)

 

斗真「って葵が考え中だがどう思う?」

 

葵「わあ!!何時の間に!!」

 

既に斗真に心を読まれた。

 

薫「今何考えてた!!!!」

 

紫穂「約束はどうした!!!!!」

 

 

 

 

 

 

その頃京介と桃太郎は、部屋でぐっすり寝てる蕾見に引いていた。

 

京介「ったく、なんて寝相だよ。はしたない。何十年経ってもガキなんだからこの人は。」

 

桃太郎「お前がそれを言うか?」

 

パソコンのデータをコピーして盗んだ。

 

京介「よし。これでバベルの全システムを書き換えか。僕のデータを偽物にしておいてから、もう気付けないぜ。」

 

桃太郎「それが今回の目的か?」

 

京介「まあね。序でに、リミッター解除携帯のスペアまで発見したし、君と言えど、もう僕の侵入は防げないよ?襲われる覚悟もしておくのだね。」

 

小声で呟きながら蕾見の顔に近付く。

 

桃太郎「今すぐバベルなんか潰しちゃえば良いのに。」

 

京介「それはまた今度だ。」

 

桃太郎「何でだ?」

 

テレポートで蕾見の部屋から脱出した。

 

京介「何て言うか、今は遊びたい気分なのさ。」

 

そして桃太郎を掴んで服の中に押し込んで皆本の姿になった。

 

皆本「さて次は・・・」

 

 

 

 

 

 

チルドレン「居たーーー!!!!」

 

皆本「え!?」

 

チルドレン「皆本ーーー!!」

 

 

 

 

 

 

皆本を発見したチルドレンが、皆本にキックした。

 

斗真「お前ら落ち着けよ!」

 

紫穂「裁きを始めるわよ!」

 

葵「覚悟は出来てるで!」

 

薫「さぁ来い!」

 

紫穂「皆本さんが、ザ・チルドレンの中の1人を激しく好きになるっと!」

 

大河「本当懲りねえな此奴ら。」

 

紫穂「これで良いわね?」

 

薫「誰が当たっても恨みっこ無しだぞ!」

 

葵「さぁ来い!ばっち来い!」

 

零慈「宝くじの当選を待ち構えてるようだな。」

 

敦「その例えは何だ?」

 

京介(成る程ね。)

 

チルドレン「誰!?」

 

薫「誰!?」

 

葵「この中で誰が好き!?」

 

紫穂「私が神ですか!?」

 

皆本「お前ら何バカな事を・・・」

 

桐壺局長「大変だーーー!!!」

 

途中で局長と柏木が駆け寄って来た。

 

美里「局長!」

 

幸菜「どうしたんですか!?」

 

桐壺局長「ティムとバレットの姿が消えた!」

 

全員「え!?」

 

斗真「彼奴らが!?」

 

柏木「もしかしたら、ブラック・ファントムが!」

 

紫穂「そんな!」

 

皆本「或いは洗脳が解けてなかったとか!?」

 

薫「だったら早く助けないと!」

 

桐壺局長「うむ!チルドレン、セブンスターズ出動だ!」

 

チルドレン「はい!」

 

セブンスターズ「了解!」

 

皆本「ザ・チルドレン!解禁!」

 

ファイブセブン「ESPリミッター!解禁奏上!」

 

零慈「サイコリミッター!解禁献上!」

 

 

 

 

 

 

薫「強く願えば必ず叶う!」

 

葵「あなたの夢を諦めないで!」

 

紫穂「思いの強さが世界を変える!」

 

チルドレン「絶対可憐!チルドレン!」

 

 

 

 

 

 

斗真「サイコキノ・神楽斗真!」

 

大河「クレヤボヤンス・栗栖大河!」

 

美里「テレポーター・赤坂美里!」

 

敦「パイロキネシス・芝浦敦!」

 

幸菜「テレパス・篠崎幸菜!」

 

零慈「ミックスアビリティ・和泉零慈!」

 

斗真「天下御免の特務エスパー!」

 

セブンスターズ「セブンスターズ!参る!」

 

 

 

 

 

 

その頃バレットとティムは、木の下を掘っていた。するとバレットが1つの箱を発見した。それを見たティムが奪った。

 

バレット「返せ!」

 

ティム「俺のもんだ!」

 

バレット「何だと!?」

 

しかし、箱の中は空っぽだった。

 

ティム「テメェ!何処へやった!!」

 

バレット「何だと!?」

 

そこにチルドレンとセブンスターズが現れた。

 

薫「お前ら!!」

 

斗真「降伏しろ!」

 

すると2人が逃げ出した。

 

葵「あっちも!」

 

美里「逃がさないわよ!」

 

落ちてる大量の落ち葉をバレットの真上にテレポートさせた。バレットが落ち葉に埋もれた。

 

ティムが木の後ろに隠れた。

 

薫「何処行った!?」

 

大河「見付けた!」

 

薫「よし!」

 

サイコキネシスで木を退かした。

 

斗真「PKリリース!」

 

サイコキネシスでティムを捕まえた。

 

薫「お帰りなさ〜い。」

 

斗真「ご主人様がお待ちですぞ。」

 

 

 

 

 

 

翌朝、バレットとティムが説教を受ける事に。

 

皆本「何故逃げようとしたんだ?」

 

花枝「正直に教えて!ブラック・ファントムとまだ繋がってたの?」

 

バレット「違うって!そんなんじゃない!」

 

ティム「ノートが欲しかったんだよ!」

 

斗真「ノートを?」

 

バレット「大畑さんが話してた願い叶って、未来が変わるノートを!」

 

ティム「でも無かった。あの爺さん、出鱈目言ったのかな・・・?」

 

皆本「出鱈目じゃないよ。願い事があるのなら、これに書いてごらん?」

 

持っていたノートを渡す。バレットは、『記憶を取り戻したい』と書いた。ティムは『失ったキオクをよみがえ』と書いた。しかし。

 

バレット「ダメだ!!」

 

ティム「書けない!!」

 

皆本「どうして!?」

 

紫穂「記憶を取り戻したいんでしょ!?」

 

ティム「ああそうさ!自分の名前が分からないなんて耐えられない!」

 

美里「なら書けば良いじゃん!」

 

葵「せや!」

 

バレット「けど失くした記憶が戻ったら、もっと苦しいに決まってんだ!」

 

チルドレン「っ!!」

 

斗真「そうだな。記憶が戻っても周りから孤立されるかも知れない。」

 

ティム(過去の思い出が辛い事ばっかだって事はなんとなく分かるんだ・・・)

 

バレット(全部失った俺には、叶えたい願いなんて何も・・・)

 

薫「そんな事ない!願いが何も無いなんて言わないで!」

 

バレット・ティム「え?」

 

敦「明石・・・」

 

斗真「お!だったらこれはどうだ?」

 

破られたページを持って何かを書き始める。

 

大河「お前も持ってたのか?」

 

斗真「欲望じゃなくて、何か役に立てる物を探して書こうと思って隠し持ってたんだ。よし書けた!」

 

 

 

 

 

 

ページに、『2人に親友が出来ますように』と書いた。

 

 

 

 

 

 

ティム「あ!」

 

斗真「辛い過去を忘れて、この先の未来を思えば辛い事なんか忘れる事間違い無しだぜ。」

 

するとその時。

 

老婆「あら、ここに居たの?」

 

1人の老婆が来た。

 

老婆「探したわよ。これティム君のでしょ?落ちてたわよ?」

 

手には、1つのキーホルダーがあった。

 

ティム「あ、それは・・・」

 

バレット「あああーー!!あれ、アニメイト限定チルチルストラップじゃん!」

 

ティム「な、何故それを!?」

 

バレット「ふふふ、何を隠そう、僕は絶対チルチル公認サイトの管理人なのだ!」

 

ティム「ゲーッ!じゃああんたはチルチルは俺の嫁さん!?俺と一緒に実況やってた!?」

 

バレット「え?じゃあ君が、チルチル可愛いのチルチル君!?」

 

ティム「うん!!」

 

そして2人はお互いに意気投合して親友になった。

 

バレット・ティム「心の友よ!!」

 

花枝「2人が夜中まで起きてた理由ってそう言う事だったのね・・・」

 

紫穂「何か異様に盛り上がってる・・・」

 

薫「テンション高・・・」

 

葵「でもめっちゃ意気投合したみたい・・・」

 

幸菜「良かった良かった。」

 

大河「でもあれで良いのか?」

 

斗真「今は楽しい事をやらせばそれで良い。」

 

 

 

 

 

 

その日の夜。

 

紫穂「ノートに書いた通りになったわね。」

 

葵「せやな。」

 

薫「やっぱ凄えよ。」

 

皆本「ノートの力じゃないさ。」

 

チルドレン「え?」

 

皆本「それを願ったのは君達じゃないか。エスパーを、人を幸せにするのは君達の超能力かも知れないね。」

 

薫「あ、私達の力・・・?そ、そうかな?」

 

チルドレン「えへへ・・・」

 

零慈「喜んでるな。」

 

薫「あ、そうだ皆本!私達の誰を選ぶかまだ答えてないぞ!?」

 

葵「せや!」

 

紫穂「はっきり答えて!」

 

敦「まだ諦めてねえのか。」

 

皆本「お前ら何言ってんだよ?僕はお前ら3人共・・・」

 

薫「そう言うのは無し!たまにはちゃんと答えてよね?でないと私達・・・寂しくて何処かへ行っちゃうよ?」

 

すると皆本がしゃがんで、薫の顔を触る。

 

皆本「・・・・・早く大きくおなり?答えはそれからだよ?」

 

チルドレン「え!?」

 

京介(本当にその日を待ってるよ。僕がまだ生きてるのはその為なんだから。)

 

薫(何か何時もと違う・・・)

 

葵(でもこの皆本はん良えやん!)

 

薫(き、キュンとした!!)

 

紫穂(これは萌え!?萌えてるのは私!?)

 

幸菜「心奪われちゃったわあの3人。」

 

美里「胸キュンしたのね。」

 

薫「フェアとか関係ねえ!!書かせろーーー!!!」

 

チルドレンが残った切れ端の奪い合いをした。

 

大河「おいどうすんだ斗真?ん?」

 

すると斗真が皆本に歩み寄った。

 

皆本「どうした斗真君?何かあったのか?」

 

 

 

 

 

 

すると斗真が皆本の服の中に手を突っ込んだ。

 

 

 

 

 

 

皆本「ちょ!!??」

 

チルドレン「えーーー!?」

 

敦「おい斗真何バカな事やってるんだ!?」

 

零慈「何皆本さんの服に手を突っ込んでんだよ!!!」

 

薫「斗真何やってんだ!!!!」

 

葵「まさか斗真はん・・・変態になった!?」

 

紫穂「イヤーーー!!!」

 

皆本「ちょっと斗真君何してんだ!?」

 

 

 

 

 

 

斗真「居た。」

 

そして服の中から桃太郎を取り出した。

 

 

 

 

 

 

大河・敦・美里・幸菜・零慈「え?」

 

チルドレン「え!?」

 

皆本「ゲッ!」

 

斗真「こんな変装でバレないと思ったら大間違いだぞ。京介!」

 

桃太郎は足掻いて斗真の手から脱出して、京介の服の中に隠れた。

 

京介「あははは、あはは・・・ギャーーー!!」

 

薫「京介!!」

 

葵「ずっとうちらの事を騙してたんやな!?」

 

京介「いや話せば分かるギャーーー!!!」

 

チルドレンから成敗を喰らった。

 

 

 

 

 

 

その後真木と合流した。顔には引っ掻き後があった。

 

真木「何遊んでるんですかあなたは・・・用が済んだらさっさと帰れば良いもの・・・」

 

京介「これだよ。」

 

ポケットからノートの切れ端を出した。切れ端には『ノートを受け取った男有効期限まで楽しく遊ぶ。』と書かれてあった。大畑が仕込んだ罠だった。

 

京介「くそ、あのジジイこんなの仕込んどきやがって・・・」

 

桃太郎「期限適合までだったんだなきっと・・・」

 

京介「フッ、まあ良いさ。実際楽しかったし。」

 

 

 

 

 

 

ホスピスでは。

 

花枝「ホッとしました。あの2人が元気になって。実はちょっと心配だったんです。大畑さんのノート、私が先に掘り当ててたなんて。」

 

大畑「良いんじゃよ。最初からあんたにやるつもりだったんじゃから。」

 

花枝「・・・ありがとうございます・・・」

 

大畑「っで、もう願い事は書いたのかね?」

 

花枝「はい!もう3つも書いちゃいました!えっと・・・明日も良いお天気でありますように。」

 

大畑「え?」

 

花枝「後、洗濯物が早く乾きますように。それと、ご飯が美味しく炊けますように!ちょっと欲張り過ぎですか?」

 

大畑「いや?」

 

花枝の願い事は可愛かった。

 

 

 

 

 

 

っで、本物の皆本はと言うと。

 

紫穂「た、確かに最初の願いは・・・」

 

葵「細やかに叶って・・・」

 

薫「ちょっとだけ早く帰って来たけど・・・」

 

バベルの病室でぶっ倒れてた。身体中に湿布が貼られてた。斗真がサイコキネシスで傷を早く癒してる。

 

賢木「間違って精鋭部隊の訓練を受けてたとはな・・・」

 

斗真「それは災難な事・・・」

 

大河「凄え痛そう・・・」

 

零慈「身体中筋肉痛とは・・・想像しただけで寒気がする・・・」

 

チルドレン「こんな姿で帰って来られてもな・・・」

 

 

 

 

 

 

そしてバレットとティムはと言うと。

 

バレット・ティム「ウヒョー!キター!!」

 

バレット「ヤベエーーー!!」

 

ティム「マジッパネーー!!!」

 

チルドレン「一緒に観ろよ!!」

 

敦「これで良いのか?」

 

美里「まあ良いじゃない。」

 

幸菜「一件落着!」

 

「NEXT」




         キャスト

      神楽斗真:松下優也
      栗栖大河:花江夏樹
       芝浦敦:佐野岳
      赤坂美里:大久保桜子
      篠崎幸菜:矢野優花
      和泉零慈:甲斐翔真

       明石薫:平野綾
      三宮紫穂:戸松遥
       野上葵:白石涼子
      皆本光一:中村悠一

     蕾見不二子:ゆかな
      桐壺帝三:小杉十郎太
       柏木朧:浅野真澄
     常盤奈津子:中尾衣里
     野分ほたる:佐藤利奈
      末摘花枝:下屋則子
      バレット:近藤隆
       ティム:皆川純子
     花井ちさと:福原香織
       東野将:佐藤利奈
      大畑さん:篠原大作
       鬼教官:四宮豪
     おじいさん:石上裕一

      真木司郎:落合弘治
       桃太郎:釘宮理恵
      兵部京介:遊佐浩二

次回「理力と脅威」

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