絶対可憐チルドレン ANOTHER ESPER   作:naogran

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それは、ある事から始まった。1組の夫婦の間にもうすぐ子供が生まれるのだった。

ミツオ「名前は何が良いかな〜?男の子の場合と女の子の場合と両方考えないとな。お〜い。パパだよ〜。」

スミレ「ねえミツオさん。」

ミツオ「待て待てスミレ!生まれて来るの楽しみにしておきたいから言わないでくれよ?」

スミレ「・・・エスパーなんだって・・・」

ミツオ「両方の名前を考えておくって、男だったら一郎。いや、国際的に通用するようにルルロフとか・・・え?エスパー?」

スミレ「うん・・・今日の検診で分かったの。生まれたらその力が消えたりする事もあるって先生は言ってたけど・・・ミツオさん・・・」

この夫婦の間に生まれる赤子はエスパーだった。その赤子は目を開けた。


MISSION24「こんにちは、赤ちゃん」

ある日のバベルの司令室では脱獄した久具津とマッスル大鎌、更に京介の行方を追っていた。

 

皆本「兵部少佐はまだ見付かりませんか?」

 

柏木「手は尽くしていますが・・・また、世界各地で強い力を持ったエスパー達が全員行方不明になったり、刑務所から姿を消したりしているそうです。」

 

桐壺局長「それも兵部の仕業かね?」

 

零慈「はい。主犯者は兵部京介に間違いありません。」

 

皆本「つまり、兵部の元にはかなりの数のエスパーが集まっていると言う事だね?」

 

零慈「そうだ。」

 

桐壺局長「バベルは、私は、エスパーとノーマルが手に手を取り合って仲良く出来る未来を創り上げたいのだ。パンドラやクイーンが何であれ、私の邪魔はさせんぞ。」

 

零慈「俺も賛同です局長。エスパーを認めない奴が可笑しいと思います。」

 

 

 

 

 

 

その頃京介は仲間達と共にクルーザーに乗って何処かへ向かってた。

 

京介「順調に進んでいるかい?」

 

真木「はい。全て計画通りに進行中です。」

 

京介「ありがとう。苦労を掛けるね。君を拾った時はほんの子供だったけど。そのせいで、すっかりおじさんになってしまったね。」

 

真木「あなたも、いい加減もう少し大人になっていただけると良いのですが。」

 

京介「やだね。面倒事はお前に任せるよ。」

 

桃太郎「そろそろシールドだぞ!」

 

すると周りが濃い霧に包まれた。クルーザーは1つの小島に向かっていた。

 

桃太郎「ただいまー!僕達の故郷ー!」

 

小島の中には、遊園地や牧場や発電所、更に城までがあった。その夜の真ん中にある豪邸。桃太郎がひまわりの種を食べてる。食べ終わって京介の肩に乗った。

 

京介「殻を落とさないでくれるか?」

 

桃太郎「薫は何時この島に来る?」

 

京介「焦るなよ。少し待つんだ。」

 

桃太郎「どれくらい待つ?」

 

京介「彼女も気が付く。エスパーとノーマルは共存出来ないっとね。それはそんな遠い未来じゃない。」

 

桃太郎「く〜!待ち遠しいーー!!先輩として可愛がってやらなきゃな!」

 

京介(その時はもうすぐ来るよ。クイーン。)

 

 

 

 

 

 

その頃薫はファミレスに居た。

 

薫「え?キャンセルって・・・母ちゃんこの間もそうだったじゃん。・・・姉ちゃんも行けなくなった?何だよもう・・・はいはい分かったよ!1人で食って帰るよ!・・・良いってそんな謝らくても、仕事頑張れよ。じゃあな。」

 

今日は家族でファミレスで外食する予定だったが、急に仕事が入ってキャンセルされたのだった。

 

薫「チェ。楽しみにしてたのにな・・・」

 

 

 

 

 

 

その後仕方無く家に帰った。

 

薫「ただいま。」

 

葵・紫穂「おかえりー!」

 

しかし薫は元気が無いまま部屋へ行った。

 

紫穂「薫ちゃん?」

 

皆本「おかえりー!食事は楽しかったかい?」

 

薫「うん・・・お腹いっぱいだからもう寝るね。」

 

斗真「薫どうしたんだ?元気無かったけど。」

 

 

 

 

 

 

そして翌朝。

 

チルドレン「行って来まーす!」

 

おばちゃん「はい行ってらっしゃい。車に気を付けるんだよ?」

 

チルドレン「はーい!」

 

斗真・皆本「行って来ます!」

 

2人は薫達を学校まで歩く。

 

皆本「薫、昨夜何かあったのか?」

 

薫「何って・・・別に何も?」

 

斗真(何か隠してるな?)

 

すると薫が皆本から降りた。

 

薫「ちさとちゃんだー!」

 

クラスメイトのちさとを発見して走った。

 

チルドレン「おはよー!」

 

ちさと「あ!皆おはよー!」

 

するとちさとは、斗真と皆本を見て一礼した。斗真と皆本も一礼した。

 

薫「じゃあなー皆本ー!斗真ー!」

 

斗真「しっかり勉強頑張れよー!」

 

 

 

 

 

 

ちさと「ねえ、3人共しょっちゅう早退したり休んだりしてるけど、どうして?」

 

薫「ギク!いや〜、ちょっと色々あってさ〜。事件とかうぐ!?」

 

事件を言った直後に葵が薫の口を塞いだ。

 

葵「親の仕事の都合でな!ほら、うちらの親、皆同じ仕事そしとるさかい。」

 

紫穂「そうそう。」

 

ちさと「ふーん。」

 

紫穂(ダメよ薫ちゃん。)

 

葵(内緒にせな。)

 

薫(分かってるよー。)

 

ちさと「何の仕事してるの?」

 

チルドレン「ギク!?」

 

薫「えっと・・・えと・・・それは・・・パス。」

 

然り気無く葵に言わせようとした。

 

葵「え?えっとその・・・パス。」

 

今度は紫穂にパスした。

 

紫穂「公務員よ?」

 

薫「そうそう!」

 

葵「そうやったそうやった!」

 

ちさと「公務員と言っても色々あるじゃない。それにあのお兄さん達、皆本さんと斗真さんだっけ?どう言う関係なのか。」

 

薫「あ!東野!!」

 

すると走ってる将を発見した。

 

将「おっす明石!」

 

薫「ベーゴマ勝負しようぜ!」

 

将「OK!覚悟しろよなー?」

 

薫「望む所よ!」

 

葵「うちも行こう!」

 

紫穂「待って!」

 

ちさと「明石さん達、何か隠してるのかな?」

 

その後薫達は授業を受けてる。しかし薫は浮かない顔をしていた。

 

 

 

 

 

 

その日の夕方でも薫は浮かない顔をしていた。すると紫穂が1人の妊婦とぶつかった。

 

紫穂「あ!ごめんなさい。」

 

スミレ「あ、ううん。こちらこそごめんなさいね。」

 

そう言ってスミレは歩き去った。紫穂はスミレを見て何かを感じ取った。

 

薫「ん?どうした?」

 

紫穂「あの人・・・」

 

葵「妊婦さんやったな。」

 

紫穂「どうしてかしら?何か困ってる。ううん、悲しんでる?」

 

 

 

 

 

 

その後、夕飯を食べてる時に紫穂が斗真と皆本に今日の事を話した。

 

皆本「悲しんでる?」

 

斗真「その妊婦さんが?」

 

紫穂「そんな風に見えたの。」

 

薫「でもさ、赤ちゃんが生まれるのって嬉しいもんじゃないのか?」

 

皆本「そうだね。嬉しくない親なんて居ないと思うけどな。」

 

斗真「子供を産んだ親が嬉しくないなんて可笑しいと俺は思う。それだと後に虐待や育児放棄に繋がるからな。」

 

薫「母ちゃん、私を産んで嬉しかったのかな?」

 

皆本「当たり前だろ。」

 

薫「エスパーでも?」

 

皆本「何で?嬉しいに決まってるだろ?」

 

斗真「例えエスパーが生まれても子供は子供、親はそれを関係無く育ててくれてるんだ。」

 

薫「そっか。」

 

皆本「僕も、君達が生まれて来てくれて嬉しいよ。」

 

チルドレン「え?」

 

皆本「だから、こうして出会えた。」

 

斗真「それにお前達は、あの須磨主任から解放されてこうして俺と皆本さんと一緒に楽しい生活を送ってるんだ。」

 

薫「皆本・・・斗真・・・」

 

皆本「薫。葵。紫穂。生まれて来てくれてありがとう。」

 

斗真「お前らが居なかったら、こんな楽しい生活を過ごせなかったぜ。」

 

葵「皆本はん・・・」

 

紫穂「斗真さん・・・」

 

薫「全くもう・・・小っ恥ずかしい事言うなよ皆本ー!斗真ー!」

 

然り気無くサイコキネシスで2人を吹き飛ばした。

 

紫穂「あはは・・・」

 

皆本(出会わなければ良かったのかも・・・)

 

斗真(これが無ければ良いんだけど・・・)

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今回のしりとり。

 

スミレ『増量中。』

ミツオ『だぞ?』

 

桐壺局長『象の赤ちゃんだよ?パオ。』

 

しりとり終了。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

数日後の雨の日。緊急事態が起こった。

 

オペレーター『ごうや山で大規模な崖崩れが発生!トンネルが崩落。走行中の車が数台閉じ込められた模様。特務エスパー!出動せよ!』

 

チルドレン達はバベル1で急行する。斗真達は地上から急行する。そして数分後に現場に到着。

 

柏木「数台の車がトンネルの中に閉じ込められてるようです。救出するには重機では時間が掛かります。」

 

敦「こりゃあ酷いな。丸で震災が起こった後みたいだ。」

 

美里「どう大河?確認出来た?」

 

大河「確認出来た。こりゃあ凄え被害だな・・・無数に閉じ込められてるな。」

 

幸菜「大変大変どうしよう!」

 

零慈「早くしねえと命が危ないぞ。」

 

皆本「直ちに救出活動を始めましょう。」

 

リミッターを解除しようとするが。

 

桐壺局長「待て!マスコミのヘリをこの現場から下がらせるんだよ!」

 

上空にはマスコミのヘリが3機飛んでいる。

 

桐壺局長「あの子達の姿を撮られる訳にはいかん。」

 

柏木「はい局長!直ちに!」

 

 

 

 

 

 

その頃京介はその崩落事故のニュースを観ていた。

 

桃太郎「何観てんだ?」

 

京介「船の修理。」

 

 

 

 

 

 

そして柏木がマスコミ達に下がらせるように命令した。

 

マスコミ男性「はぁ!?命令だと!?」

 

すると3機のヘリが素直に退場した。

 

マスコミ男性「ちょ!ちょっとーーー!!!」

 

斗真「行ったか。」

 

皆本「よし!じゃあ改めて行くぞ!」

 

チルドレン「おーー!!」

 

皆本「特務エスパー!ザ・チルドレン!解禁!」

 

ファイブセブン「着装解禁!」

 

零慈「サイコテクター!解禁!」

 

 

 

 

 

 

薫「雨にも負けず風にも負けず!」

 

葵「困ってる人が居れば手を差し伸べる!」

 

紫穂「そう言う人に私はなりたい!」

 

チルドレン「絶対可憐!チルドレン!」

 

 

 

 

 

 

斗真「神楽斗真!」

 

敦「芝浦敦!」

 

大河「栗栖大河!」

 

美里「赤坂美里!」

 

幸菜「篠崎幸菜!」

 

零慈「和泉零慈!」

 

斗真「人の命は地球の未来!」

 

大河「燃える超能力魂(エスパーだましい)!」

 

セブンスターズ「特務エスパー!セブンスターズ!!」

 

斗真「出場!」

 

 

 

 

 

 

そして9人が直ちに救出活動を始めた。もう既に数人救出成功した。

 

紫穂「軽傷よ!気絶してるだけ!」

 

救急隊A「了解!」

 

幸菜「この人重傷を負ってます!すぐに手当て下さい!」

 

救急隊B「了解!」

 

救急隊C「あっと言う間ですね・・・」

 

救急隊D「凄い力だ・・・我々なんか必要無いな・・・」

 

皆本「いや!そんな事は・・・」

 

桐壺局長「超能力は万能ではないし、あの子達と彼らは魔法使いもはない。力が大きいだけでは何も解決出来んとわしは思う。ここに居る全員が出来る事をせねばならんのだ。エスパーと言えども、彼女達はまだまだ子供です。だが、超能力は普通の生活では迷惑の物でしかない。あの子達自身の為にも、他の多くのエスパーの為にも、あの子達は常に実践し、証明し続けなければならない。」

 

救急隊C「証明・・・?」

 

桐壺局長「超能力は誰かを守り、幸せにする事が出来るものだとね。」

 

 

 

 

 

 

その頃9人はトンネルの中で救出活動を続けてた。

 

斗真「PKストーンリリース!」

 

岩を退かしてタクシーの中に残ってる人民を救助する。

 

斗真「葵!行け!」

 

葵「任せとき!」

 

タクシーの運転手をテレポートさせた。そして紫穂と幸菜が運転手を透視する。

 

紫穂「胸を打って気絶してるけど、命に別状はないわ。」

 

幸菜「うん!このまま搬送すれば大丈夫!」

 

トンネルから出てタクシーの運転手を救助した。

 

皆本「後どれくらいだ!?」

 

大河「残りはタクシーの乗客1人だ!」

 

薫「チョロいチョロい!」

 

葵「任しとき!」

 

美里「行くわよ!」

 

9人がテレポートしてトンネルに入った。

 

皆本「頼む・・・」

 

 

 

 

敦「ファイヤーストーンブレイク!」

 

岩を砕いて残りの1人の救助を開始する。

 

敦「よし!行けるぞ!」

 

薫「これで救出出来るな!」

 

そしてタクシーに残ってる人を見ると紫穂と葵が驚いた。

 

紫穂「あれ?この人・・・」

 

葵「あの時の!?」

 

それはあの時紫穂と葵が出会った妊婦のスミレだった。

 

零慈「この人知ってるのか?」

 

葵「この前の帰宅途中に偶然会った妊婦さんや。」

 

そして紫穂がお腹の中を透視する。

 

紫穂「お腹の赤ちゃんは無事よ!」

 

薫「良かった!」

 

斗真「残りは妊婦さんだな。」

 

紫穂「だけどお母さんが・・・早く病院へ運びましょ!」

 

葵「了解!ほな戻るで!」

 

テレポートで救出しようとするが。

 

紫穂「待って!これは・・・」

 

葵「え?」

 

薫「葵!体!!」

 

葵「えええーーー!?」

 

大河「葵が!」

 

すぐに斗真がESPデバイスで皆本に通信する。

 

斗真「皆本さん!大変だ!」

 

 

 

 

皆本「何!?問題発生!?」

 

桐壺局長「どうした!?大丈夫かね!?まさか怪我でも!?」

 

斗真『いえそう言う事では・・・』

 

皆本「何があった!はっきり言ってくれ!」

 

 

 

 

斗真「実は、葵のテレポートが調子悪くなって、自分がテレポートされたんだ。今彼女の下半身が岩に埋もれてしまってる。」

 

葵「出してーーー!!!薫ーー!!斗真はーーん!!敦はーーん!!美里はーーん!!零慈はーーん!!早よ出してーーー!!!」

 

斗真「俺達の超能力が急に低下してるんだ。PKストーンブレイカー!」

 

サイコキネシスを放ったが、岩が砕けない。

 

斗真「戻る事が出来なくなっちまった。」

 

皆本・桐壺局長『何!?』

 

斗真「どうひまひょ。」

 

 

 

 

 

 

その頃紫穂と幸菜がスミレの透視をしている。

 

幸菜「私の能力も徐々に弱くなってる。」

 

紫穂「でもそんなに深い所は視えないけど・・・っ!!」

 

幸菜「これは!」

 

薫「どうした!?」

 

美里「何かあったの!?」

 

幸菜・紫穂「原因は、この赤ちゃんよ。」

 

薫「何だって!?」

 

敦「あの妊婦さんの赤ん坊が原因!?」

 

紫穂「エスパーよ。それも強力な。」

 

幸菜「この赤ちゃん、生まれ付きエスパーを持ってるの。この子のエスパーが私達の能力に干渉してるわ。」

 

零慈「俺達の能力の調子が悪いんじゃなくて、赤ちゃんが持ってる超能力が原因だったのか。」

 

斗真「皆本さん。原因が分かった。」

 

皆本『何が原因なんだ?』

 

斗真「妊婦さんが居るんだ。その赤ちゃんがエスパーなんだ。それも強力な。」

 

 

 

 

皆本「赤ん坊がエスパー!?」

 

斗真『ああ。その赤ちゃんの超能力で俺達の能力に干渉してるんだ。』

 

桐壺局長「どうする!?皆本君!」

 

 

 

 

皆本『重機を使った救出には急いでも半日は掛かる!それまで待てるか?』

 

斗真「紫穂!妊婦さんの容態はどうだ?半日待てるか?」

 

紫穂「あまり待てる時間が無いわ。お母さんが衰弱してる。」

 

 

 

 

斗真『皆本さん。妊婦さんが衰弱してる。』

 

皆本「分かった!心配しないで待ってろ!今!」

 

すると通信してる途中にノイズが走った。

 

 

 

 

斗真「ノイズ!?」

 

皆本「おい斗真君!聞こえるか!?斗真君!!」

 

葵「どうないしたん!?」

 

斗真「クソ!ノイズで通信が遮られた!」

 

薫「あの赤ちゃんの力か!?」

 

紫穂「多分。」

 

すると天井が崩れ始めた。

 

美里「天井が崩れ始めてるわ。」

 

大河「ちくしょう!透視出来ねえから何処まで割れてるか分かんねえ!」

 

葵「斗真はん、皆本はんは?」

 

斗真「ああ、心配しないで待ってろって言ってた。このまま信じて待つしなかねえな。」

 

紫穂「大丈夫よ。皆本さんが必ず助けに来て、え!?」

 

幸菜「これは!」

 

薫「紫穂?」

 

美里「幸菜?どうしたの?」

 

紫穂「この子・・・怯えてる・・・」

 

幸菜「それに生まれるの怖がってる!」

 

美里「どう言う事なの!?」

 

紫穂「パパとママが、エスパーが生まれる事を怖がってるのね。それを感じて外の世界に出る事が不安で、それで、暴走しているんだわ!」

 

零慈「この事故の原因がその赤ん坊だったのか・・・!?」

 

薫「そんな・・・」

 

すると徐々に崩れ始めた。

 

斗真「ヤベエぞ!!皆避けろ!下敷きにされるぞ!!!」

 

 

 

 

 

 

外でも崩落の音が響いてた。

 

皆本「な!?」

 

???「スミレーー!!!一郎ーー!!」

 

後ろから叫び声が聞こえた。スミレの夫のミツオだった。スミレと子供を助ける為に走って来た。

 

皆本「あの人は・・・?」

 

柏木「皆本さん!間も無く準備が完了します!」

 

皆本「分かりました!危険です!下がって下さい!」

 

ミツオ「でも・・・!」

 

皆本「僕達が必ず助けます!」

 

 

 

 

 

 

その頃トンネルの中では、斗真と敦と零慈と薫が岩を受け止めていた。

 

葵「薫!」

 

紫穂「薫ちゃん!」

 

大河「斗真!」

 

美里「敦!」

 

幸菜「零慈さん!」

 

薫「ちょ!辛いな・・・!」

 

斗真「このまままな板になってたまるかよ・・・!」

 

敦「この程度どうって事ねえ・・・!」

 

零慈「俺達は大丈夫だ・・・!」

 

薫「そんな暗い顔すんなよ・・・!もうすぐ・・・皆本が助けに来てくれるからさ・・・!」

 

斗真「そうだ・・・!それまで持ち堪えろよ・・・!」

 

葵「・・・せやな!」

 

幸菜「そうだね!」

 

薫「だから・・・それまで耐えて見せるさ・・・!」

 

紫穂「皆本さん・・・」

 

薫「なあ赤ちゃん・・・!聞こえるか!?私達・・・エスパーとして生まれて・・・嫌な事悲しい事沢山あった・・・!親にも怖がられて・・・学校にも通えなくて・・・友達も居なくて・・・でも!エスパーだって良い事あるっのわ!」

 

しかし超能力が徐々に低下してゆく。

 

薫「嬉しい事だって沢山あるんだ!出会えて良かったって言った人だって居るんだ!!」

 

葵「せやで!怖がる事なんか無いねん!うちらかて居るやんか!!」

 

紫穂「そうよ!私達がきっと守ってあげる!!」

 

斗真「だから!暗い事を考えずに良い事を考えて生きて行こうぜ!」

 

敦「そうだ!世の中は良い事が山程ある!」

 

零慈「強い心を持てば楽しく生きて行けるぜ!」

 

薫「そうだ!だから!安心して生まれて来い!!!」

 

しかし崩壊が徐々に進んでた。天井の岩が斗真達が支えてる岩の上に落ちた。

 

葵・紫穂「薫!(薫ちゃん!)」

 

大河「斗真!敦!零慈!大丈夫か!?」

 

斗真・薫・敦・零慈「くっ・・・うおおおおおおおおお!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

外では天気が晴れた。賢木が岩の奥を透視する。

 

賢木「位置は間違ってない!」

 

ほたる「薫ちゃん達が限界です!」

 

奈津子「岩の内部の大きな亀裂を狙って下さい!」

 

谷崎「了解!ナオミ!準備は良いか!?」

 

ナオミ「はい!何時でも行けます!」

 

皆本(大丈夫!計算は間違ってない!それに、薫と斗真君と敦君と零慈君が支えてる岩が皆を守ってくれる筈だ!)

 

桐壺局長「皆本君!」

 

柏木「皆本さん!」

 

皆本「・・・撃てーーー!!!」

 

真横に向かって叫んだ。そこにはバベル1が浮遊していた。機長がバベル1のビームを放った。崩落した岩に直撃した。

 

 

 

 

中の崩壊が進んだ。

 

薫「皆本ーーーー!!!」

 

斗真「負けるかーーーーー!!!!」

 

 

 

 

ナオミ「はあああああ!!!」

 

外ではナオミがトンネルの亀裂を見付けてサイコキネシスを放った。そしてトンネルの天井に穴を開けた。

 

ナオミ「今です!皆さん!」

 

すぐに消防隊がトンネルの中に降りた。そして岩を退けると薫達を発見した。

 

消防隊A「無事か!!」

 

斗真「消防隊か!!全員無事だ!!」

 

消防隊B「良かった!」

 

消防隊A「良くやったぞ!」

 

すぐに妊婦を救出した。

 

消防隊C「良く頑張った!君達!」

 

そして葵の超能力が正常を取り戻して脱出した。

 

葵「テレポート出来た!!」

 

美里「超能力が戻ったわ!」

 

幸菜「良かったーーー!!」

 

葵「赤ちゃん、分かってくれたんかな?」

 

大河「そうかもな。薫と斗真達の激励で勇気が湧いて来たのかもな。」

 

薫「た、助かったのか・・・」

 

斗真「ありがとうナオミさん・・・助かったよ。」

 

するとナオミが斗真を抱いた。

 

ナオミ「無事で良かったです!」

 

斗真「ナオミさん・・・」

 

 

 

 

 

 

そして全員がトンネルから無事に脱出した。スミレを見てミツオが嬉し泣きした。

 

ミツオ「良かったスミレ・・・一郎・・・無事で良かった・・・」

 

零慈「あ〜腕痛ぇな・・・」

 

斗真「まあでも死なずに済んだな。」

 

敦「帰って湿布貼らなきゃな。」

 

皆本「良く頑張ったな!」

 

薫「ったく、来るのが遅いんだよ。」

 

葵「ほんまや!待ち草臥れたで!」

 

紫穂「危ない所だったのよ?」

 

皆本「すまない。」

 

幸菜「でも3人共内心嬉しいって叫んでるよ?」

 

薫・紫穂・葵「うぐ!?」

 

美里「あら?内心素直なのね。」

 

斗真「外で何をやってたんだ?」

 

皆本「君達の居場所、崖の状況など正確に把握してビームを撃ち込む場所を計算したり、突入の準備をする時間が必要だったんだ。皆のお陰だ。」

 

薫「皆?」

 

皆本「そう!皆だ!バベルの皆、レスキュー、消防、皆が力を合わせた結果だよ!」

 

救急隊「良くやった!」

 

消防隊「良く頑張ったぞ!」

 

すると周りの皆がセブンスターズとチルドレンに拍手喝采した。

 

大河「いや〜照れるな〜。」

 

斗真「確かにな。」

 

薫「えへ!」

 

皆本「どうした?薫。」

 

薫「え?いや、何でも。ほら!エスパーだって良い事あるだろ!?」

 

桐壺局長「あれがバベルの望むべき未来だよ。エスパーもノーマルも協力し合って仲良く暮らせる。そんな未来。」

 

柏木「ええ。きっとそんな未来が来ますわ。あの子達を見ていればそう思います。」

 

桐壺局長(だから邪魔はさせんのだよ。パンドラ。兵部。)

 

 

 

 

 

 

その上空には、傍観してる人物が浮遊していた。京介と桃太郎だった。

 

桃太郎「薫の手助けしてただろ?」

 

京介「まあ、バレない程度にね。クイーンを傷付けたくない。それに、あの赤ん坊も将来僕の仲間になるかも知れない。」

 

桃太郎「本当に小さい子には見境無いなー!!!」

 

京介「何だって!?この齧歯類が!!」

 

桃太郎「このロリコンが!!!」

 

 

 

 

 

 

その後病院で、ミツオとスミレの間に無事赤ちゃんが産まれた。

 

ミツオ「良く産まれて来た!!産まれてくれてありがとー!!」

 

 

 

 

 

 

病院の外では斗真達が見守っていた。

 

幸菜「あの子の超能力は奇跡的に消えたらしいよ。」

 

美里「良かったわ。」

 

皆本「きっとあの家族は上手くやって行けるさ。」

 

紫穂「お父さんもお母さんも心の底から喜んでたものね!」

 

葵「無事に産まれて良かったな〜!」

 

斗真「本当だな。家族3人お幸せになるよう祈っとこうぜ?」

 

薫(子供が産まれて嬉しくない親なんて居ない。エスパーとノーマルだってきっと仲良く出来る!出来るよ!)

 

大河「にしても斗真、敦、零慈、腕大丈夫か?」

 

敦「なぁに、この程度大した事無えよ。」

 

零慈「俺はまだ痛いけどな。」

 

斗真「数日経てば完治されるさ。」

 

幸菜「でも子供が産まれて良かったね!私嬉しいよー!」

 

美里「何で幸菜が嬉し泣きしてるのよ?」

 

薫「ねえ皆本、私も皆本の赤ちゃん欲しいな!」

 

皆本「え!?」

 

セブンスターズ「問題発言!?」

 

葵「あ!うちもうちも!」

 

紫穂「あら?赤ちゃんの作り方知ってるの?」

 

薫「さあ?皆本が知ってるんじゃね?」

 

皆本「えええ!?」

 

葵「皆本はん!女の子と男の子が良えな〜!」

 

紫穂「私は双子が良いー!!」

 

チルドレン「ねえねえ!どうやったら出来るの〜?」

 

皆本「調子に乗るなーーー!!!」

 

薫「皆本が怒ったー!」

 

紫穂「何でだろうねー!」

 

葵「意味分からへーん!」

 

皆本「こらー!大人をからかうのもいい加減にしろーー!!!」

 

セブンスターズ「ダメだこりゃ。」

 

「NEXT」




         キャスト

      神楽斗真:松下優也
      栗栖大河:花江夏樹
       芝浦敦:佐野岳
      赤坂美里:大久保桜子
      篠崎幸菜:矢野優花
      和泉零慈:甲斐翔真

      桐壺帝三:小杉十郎太
       柏木朧:浅野真澄
      賢木修二:谷山紀章
     梅枝ナオミ:藤村歩
      谷崎一郎:家中宏
     常盤奈津子:中尾衣里
     野分ほたる:佐藤利奈
    オペレーター:後藤沙緒里
       ミツオ:三木眞一郎
       スミレ:折笠富美子
      高倉さん:四宮豪

      真木司郎:落合弘治
       桃太郎:釘宮理恵
      兵部京介:遊佐浩二

次回「未来は踊る!」

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