ハクタイの森、ハクタイ側入り口付近に存在する一つの屋敷。
その屋敷がシンオウ地方を代表するホラースポットなのは第四世代をプレイした事のある人であれば知っていると思う。
初出であるダイヤモンド・パールで全国図鑑入手後、友人に「もりのようかんで新ポケでるぞ(ドヤ」と教えられ、行ってみたのは良いものの気づいちゃいけないものに気づいてしまったのは……今はよき思い出だ。
――初代第四世代第五世代と、このポケモンワールドには幽霊が存在することが明らかになっている。
なんせ主人公以外にも認識されているのだ……コレを気のせいで済ませるのはいただけない。
特に初代。
「お兄ちゃんの肩に白い手が見えるのは私の気のせいだよね」
……あの幼女、トラウマである。
さて、俺がこんな回想をしているのには訳がある。
ぶっちゃければ現実逃避である。
では、何故?
……居るのだ、目の前に。
『……』
「――」
『……クスクス。お兄ちゃんだぁれ?』
「――ッッ!!」
森の洋館の二階。
正面入って一番右の部屋。
絶賛金縛り状態の俺の目の前。
エターナルロリータ(幽霊)が其処に居た。
きっと変態は幽霊相手でも興奮するだろうな、と思う動けぬ俺は相当『研究員+
何故この世界の幼女は皆して俺に恐怖を与えてくれるのだろう。
シオンタウンのあの子然り、ナツメちゃんの手持ちになったあのラルトス然り。
そしてこの幽霊然り。
もう、……
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そも、俺が森の洋館に来たのは理由がある。
シンオウにおける研究拠点の確保だ。
……交通の利便を考えたならきっと森の洋館は不適切だったろう。
野生のポケモンは住みついているし都心部からは離れているし。……おまけに曰くつきであるし。
だがしかしシンオウの都心部は幾ら土地が沢山あったとして、借りるにしても買うにしてもとにかく高い。
おまけにトバリシティやヨスガ、コトブキといった場所では土地を借りる・買う行為は目立つため、某ステキファッションの方々から研究成果を「殺してでも奪い取る」と襲撃されかねない。
ギンガ爆弾なんてとんでも兵器を使うような輩だ。……何をしてくるかわかったもんじゃない。
そこで此処だ。
ギンガ団ビルなんて物が近くに見えるが、逆転の発想。
ジョースター卿だ。
つまり灯台下暗し、と言う奴だ。
……まぁジョースター卿云々はともかく。
不動産屋に行けばコレ幸い。
ポケモンが住みついている事、また諸々の曰くのため安く買えたのだ。
ちなみに必要経費としてタマムシ大学に申請しているので、俺の懐は痛まなかった。
……たかが飛び級してきた俺如きの大学での発言力は低いから、少々コネを使わして貰ったけども。
具体的にはお爺様と、シンオウチャンピオンをくっ付けてこようとする博士様だ。
さておき、おかげで拠点は安くすんだ。
大学からお金が出ているとは言え、もしかしたらホウエンで「ひみつのちから」の技マシンを10枚以上買うより安い値段で。
『ドドドド――! ……って痛い痛い!』
「……」
ただ、俺の考えている事を『魂』を見て読めるらしい、ジョ○ョ立ちする地縛霊の幼女が大きな痛手だった。
……とりあえずなんかウザイので波導を使ってアイアンクローをしているのだけど。
『――でも感じちゃう!』
「……お前、知り合いに神様居るから成仏させて貰う? 貰っちゃう?」
気持ちが悪い反応をするクソババアだ。
『幼女に何てこと言うのよー!!』
「だまれ妖女。この外見詐欺の悪女かつ鬼畜外道め」
『びにゃー!!』
例えば。
コイツは60年以上もこの土地に居て。
例えば。
此処に建った屋敷に住んでいた一家に仕えていた執事を狂わせ一家全員毒殺させ。
例えば。
死んで正気に戻り、自己嫌悪に陥っていたその執事ですら懐柔して地縛霊に仕立て上げて。
例えば。
一緒になって此処に来る人間に、毒消しとか身代わりの技マシンだとか意味ありげなものを見せて恐がらせる。
「そんなお前は幼女じゃない。……この妖女め。成仏させてやる」
『ちょっ! イタイから! やめて、何かでちゃう!』
アッーーーー! という甲高い声が屋敷の中に響いたとかなんとか。
正直波導で触れられると分かってから恐くなくなったのは内緒。
『やーい、主のびびりー』
黙れウインディ。俺よりビビってたお前が言うな。
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「ほへー……トウカ君、ここ本当に森の洋館?」
「そうですよ。ささ、入って入って」
玄関前で、光が当たり以前の印象を大きく変えた森の洋館に驚きの声を上げるシロナさんに受け答えをして中に入った。
掃除と片付けに一週間。
「此処が拠点……だと…?!」
「流石です室長!」
「パネェ。前もだったけど室長パネェ」
掃除の行き届いた玄関ホールを見て研究員達が戦慄するのを見つつ、一息。
まさか此処までやってくれるとは思わなかったので、彼等に後で何と言うべきか。
とりあえずポフィンとポロック振舞ってやろう。
『シツチョー愛してるぅ! 結婚してぇ!』
「ナツメちゃんが居なくて変態が直ったら……あぁ、後諸々の現行法が変わったら考えてやる」
『無理ですねー! チクショウ!』
というか何故お前ら即答するのか……少しは直す努力しろよ。
お前ら見てくれだけはそこそこに良いんだから。
溜め息ついて、変態淑女代表になったとか言うシロナさんを見る。
スキンシップの激しいあの変態さんはあの阿呆共に交ざっておらず、虚空を眺めたまま固まっていた。
「えっと……トウカ君。あの……もしかしなくても居るよね?」
「えぇ、居ますよ? ……誰の事かは分かんないですけど」
居る、というのはアイツ等の事だろうか。
まぁとりあえずゴーストタイプのポケモンは居るな。
「それって……」
ポン、とシロナさんの目の前で音がして二人が現れる。
「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン! どうも
とりあえず幼女でメイド服着てる奴の頭にアイアンクローをかます。
指先からジュウ、と何か煙が出た。
「黙れ幼女。往生しちまえ。――どうもミツバさん。このクソババア昇天させても構いませんよね?」
「えぇ、勿論結構。……悪戯が過ぎますので丁度良いでしょう」
「あ、こら! ミツバ助けて――」
ぐい、と更に力を込めてアイアンクローしたまま持ち上げる。
暫く、ぎゃーとか、変な扉開いちゃうーとか喚いていたが、ちーんって音が鳴りそうな感じで気を失った。
ミツバさんに気絶した妖女を渡し、シロナさん方へ向き直れば、顔色を喜色に変えて……え?
「本物!? ほ、ホントに本物の幽霊! ……ようやく見れた!」
「は?」
「はい?」
気絶した気持ちの悪い幼女を抱きしめるシロナさんの姿が……え、ドユコト?
「――ん? んん!? ちょ、やめ! 止めてよお姉さん! と、溶ける! 溶けちゃうからっ!!」
目を覚ました幼女(妖女)のヨミはジュウジュウと体から煙を出す。
シロナさん波導使ってるのか。
……このままだとマジで成仏してしまうな、アレ。
「ぎにゃぁああああ! ――ガフッ」
「あ、落ちた」
元地縛霊のヨミがまたも気絶して、それに気づいたシロナさんは大慌て。
研究員もようやっとこちらの事に気づいたのか、女研究員三人が「おじ様キター!」と叫び、一同にして屋敷が騒がしくなった。
……男性陣が気絶する幼女メイドに気づいてまた騒がしくなったのは言うまでも無い。
どんな書き方していたかを忘れてたので遅く……。
HSDDモノとか書いてちょっとづつ思い出してました。
……イベント特番をやりたいけれど、多分間に合わないし、色々勉強しなきゃなのでまだまだ更新不定期が続くと思います。
しがないこんな二次創作の更新を待って下さってる方、相済まぬ。まだまだ更新出来んのじゃよ。
これから感想を返して行きます。
ではではこれにて失礼。