チートでポケモンのトレーナーらしい   作:楯樰

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ひじょーに短い。
展開も少ない。

さて皆さん。

――コーヒーの貯蔵は充分か。



デートらしい

今朝方、ナツメちゃん来訪という信じ難いハプニングも収まり。

昼食時のため、ナツメちゃんと共にとった食事も終わり。

 

食休みに興じていた俺に、空気を読んだのか、はたまた後をつけて来るつもりなのかは知らないが、マユミさん含め全員に「出かけてきてください(要約、デート行ってこい)」と拠点から送り出された。

初めは流石年長者……と感心しかけたが、あからさまに怪しい笑顔とキラキラと、むしろ邪気しかありません、といった無邪気な目を見たため、敬意を払うのは即座にやめた。

大人十人。

全員に、某青狸のような生暖かい目で見られるのは、流石に堪え切れなかった為さっさとナツメちゃんの手を握り、ハジツゲタウンの方にテレポートした。

 

 

……で、現在。

ナツメちゃん(13才)と手を繋いだトウカ君(11才)という、周りから見ればさぞかし微笑ましいだろう光景が、ハジツゲの閑散とした広い道に(えい)じられていた。

老齢の夫婦が、「おじいさん、昔はあんな風でしたねぇ」「そうだなぁ……」と、話しているのが余計に己が羞恥心をちりちりと燃やして。

そのために繋いだ手を離したいのだが、離せない。

 

「そ、その……ナツメちゃん、手……」

「……せっかくトウカ君と初めて手を繋いだのに……」

 

あふん。

ははは……離せなくなったよ。

離して堪るかと。

ぎゅっと再度、彼女の手を離さぬよう握り締める。

若干ナツメちゃんの歩くペースが上がった。

 

「あ、そうだ。トウカ君、聞きたい事があるんだけど」

「うん」

「何時の間に超能力使えるようになったの?」

「え」

 

思わず足を止める。

やばい、と思い冷や汗が流れてきた。

 

「分かるよ。ポケモンの超能力とは違う感じがしたし」

 

ひ、冷や汗が止まらない!

ポーカーフェイスは出来てるけど……顔から汗が滴ってる。

ナツメちゃんは「それに」と続ける。

 

「トウカ君の心が読めなくなってるから……」

「……あー」

 

そういやそうだったか。

六歳の頃に心読まれないようにプロテクト張ったの忘れかけてた。

 

「……いつから使えるようになったの?」

「ナツメちゃんと遊んだ三日後。……使えたら便利だなって思ったから。それに、ほら。ナツメちゃんとお揃いだし」

「……うん」

 

そう言って再びナツメちゃんは少し早いペースで歩き出した。

それから追及は無かったが、自然と先を行くナツメちゃんの顔は見えなくなる。

顔は見えないが、長い髪の間から見えた彼女の耳は真っ赤だった。

 

笑って怒られ、可愛いなと頬を緩ませていたので一発コツリと殴られた。……可愛い。

 

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ぷくー、と膨れていたナツメちゃんを宥めるために買ったガラスのビーズで作ってあるブレスレット。

ハジツゲの名物で、火山灰から作ったらしいガラスは綺麗な色合いだ。

現在はナツメちゃんの手首に巻かれていて、喜んで貰えた。

 

それからは偶々やっていたコンテスト会場でポケモンの演技を見たり。

あとは散歩にきていた紳士のポチエナと戯れたりした。

 

そして日も傾き、夕焼けが眩しい時間帯。

ナツメちゃんの「トウカ君が行った場所に行ってみたい」の一声でカイナ、ミナモ。

トクサネに行ってカナズミへテレポートで跳び、ウインディに乗り自分の名前と同名であるトウカシティから、ミシロタウンにコトキを抜けて相乗りした。

……元気一杯サファイアちゃんには遭遇しなかったので良かった。

 

そして最後ハジツゲへと帰ってきたが……ただ拠点に帰るのも味気なく、流星の滝に行って火照った身体を涼ませて帰った。

鍾乳洞を見て喜んで貰えたようだったけど、湿気によりナツメちゃんの着ていた薄手の服が透けそうになっていたのには目を瞑った。

見てないよ。

膨らみかけて最近つけ始めたであろう胸当てとか見てないよ。

……薄紫。

 

 

さて、色々とあったデートも終わり。

服も乾いて俺と一緒に、皆の待つ拠点に帰ったナツメちゃん。

そのナツメちゃんはカントーへの遠距離電話を使い、何処かに電話を掛けに行った。

 

「……で、お前等何か言い残す事は?」

「な、何の事言ってんですかシツチョー」

「私達は何もしてませんよ?」

――戯けが。

「証拠は上がってるんだ。――ハジツゲの滝の上」

「「「「――!!」」」」

「さぁてぇ~……――誰から逝こうか?」

「「「「すんませんした!!」」」」

 

おバカ達は三回転土下座。

……まったく。

 

と、馬鹿な事やってるとナツメちゃんが電話のあるところから帰ってくる。

「――トウカ君、今日泊まってもいいって。あ、お父さんにも了解とったよ!」

「ん~……」

どうやって了解とったのかな。

それから空き部屋あったっけ? 無かったよね。

――どうしろと。

 




きっと読み返して作者の羞恥心がボドボドになるような、そんな今回。
ちなみにエスパーバレした時に、回答を間違っていればナツメヤンデレルートに入ってました。

さて、2話ほど前にしたアンケートの集計した結果ですが、
『主人公モテるけどナツメ一筋』になりました。
要はあんまり変わらない。
……アンケートやる意味あったんだろうか。
とにかくまずは感謝の意を。
ご協力有り難う御座いました。


とりあえずPi○vでナツメニウムを補給しつつやってきます。
以上、メタモンネタ(R-○8)を非常に書きたい作者でした。

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