チートでポケモンのトレーナーらしい   作:楯樰

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チートが増えるよ!
やったね、たえ(ry


ょぅι゛っょぃらしい。

トスントスンと走る。

大きく威風堂々たる姿で見るものを虜にするようなオーラがにじみ出ている。

ウインディ――今朝炎の石によって、ロコンと共にガーディから進化した「でんせつポケモン」だ。

そしてその上に一人。

「ふわぁああああ」

俺ことトウカは大きく欠伸して彼に乗っていた。

 

『主、俺が走ってるのにソレは無いんじゃないかな?』

「ぅんー……だって揺りかごみたいに揺れて、暖かいお前が悪い」

ウインディは「ハァ」と溜め息をつき、話しながらも走る事は止めない。

『それは酷い。……そんな事言うなら降ろす』

「うん、降りる」

『降りるのっ!?』

 

思わず前のめりに倒れそうになったウインディの姿に「でんせつポケモン」の風格は無かった。

いや、急に言って悪いとは思ってるけど、元々そろそろ降りるつもりだったし。

 

「ごめんウインディ。ちょっと此処に用事があったんだって」

『うー……わかったよ。早くボールに戻して、周りからの視線が辛いよ』

「りょうかいりょうかい、戻れウインディっと」

ボールを開いてウインディを戻す。

確かにこいつの言うとおり集まる視線が凄い。

「ま、気にしない気にしない。さーて、会いに行こうか」

ガーディのボールを戻して意気込む。

そして俺はトウカシティ付近、コトキタウン方面の草むらを前にして気合を入れた。

 

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ホウエン地方におけるゲーム序盤。

この時、主人公である自分の父親を訪ね、病弱設定の男の子がラルトスをゲットするイベント。

始めだした頃は、その彼がチャンピオンロードの最終部分まで来るとは誰も思わなかっただろうと思う。

 

で、その彼――ミツル君が一番初めに捕まえたポケモンである、件のラルトス。

このポケモンは人の感情を読み取るポケモンで、アカシックコード(笑)によれば、前向きな人の前に現れるそうだ。

 

そのため、前向きに身体が弱い事と戦おうとしていたミツル君の目の前に出てきたのだ、とゲームの内容を振り返りながら感慨深くなるのはとりあえず分割思考に任せるとして。

 

何故今そんな回想をめぐらせているかと言うと、要は捕まえたいからで。

しかし、図鑑によれば()のラルトスは敵意があると出てこない。

そのため、

「……で、出て……こな……い」

『立て、立つんだトウカぁ!』

――と言うわけで三角座りで真っ白に燃え尽きていた。

捕獲要員で出てきているピカチュウも割りとガチで心配するくらい出てこないのだ。

 

……あぁ……確かピカチュウを捕まえに行った時もこんな感じだった気がする。

それにしても……おかしいな。……さっきまで昼だった気がするんだけど。

……もう夕方だぁ。

笑えば……いいかな……。

 

「あは、あははははは……」

『マスターが狂った』

『ごしゅじーんっ!』

〈おーい、トウカー、正気に戻れー〉

〈……戻れー〉

手持ちズが慰めてくれるが、ホントにどうしようか。

はぁ……オダマキ博士の所に訪問しようと思ってたのに。

 

「――強硬手段でいこうかな」

 

具体的にはピカチュウに捕まえてきて貰うとか。

後は……

「あ、そうか。そうすれば良かった。――出来る? 二匹とも」

〈うーん……いいよ。早く帰りたいし〉

〈私も……いい加減疲れた〉

二匹に意思を伝えて了承をとる。

ごめんよ、二匹とも。

後でポロックあげるから。

〈甘いやつで!〉

〈私も甘いので〉

〈私はすっぱいの!〉

うぐぅ……モモンの実無いけど、ナナシの実はあったか。……了解ですお三方。

……お三方?

顔を上げて周りを見る。

すると隣に、幼児ほどの大きさの――通常色とは違うラルトスがそこに居た。

 

……どういう事なの?

 

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「……えっと、え?」

〈私はずっと着いて来てたよ!〉

「は、はぁ…………でもなんで今まで?」

具体的には何故今まで見つけられなかったのか、だ。

〈面白そうだったから!〉

「いや、面白そうだったからって貴女……」

 

彼女曰く、探し始めて二十分も経たない間にずっとついて来ていたらしい。

何故、と俺達が思うのも無理は無い。

だって全然反応が無かったんだもん。

現に電磁波索敵してたピカチュウも『いない』って言ってたし。

 

「……いやいや。面白そうだったからじゃなくて……気づかなかった理由を教えてくれ、ラルトス」

〈んー……これかな?〉

そう呟きラルトスの姿は消えた。

消えた。

え。

「おい、ピカチュウ ! どうなってんだコレ!」

『わ、わからん……私のレーダーからも消えた!』

ピカチュウさんも判らない。

下手すると俺よりも頭のいいピカチュウが。

 

これもうダメじゃね?

 

〈驚いた?〉

姿を現すラルトス。

どうにもこのままだと迷宮入りである。

唯一考えられる可能性としては…………超能力か?

 

〈多分そう。……気づいたら出来るようになってたんだよ!〉

 

「はぁ……他になんか出来るの?」

 

〈後は火を起こしたり氷作ったり。あ、それとこんなことも出来るよ!〉

……そう念話で話してくるラルトスに変化は無い。

 

「何か変わった?」

〈えっと……向きが変わったと思う。触ったら判ると思うけど……〉

 

『向き……? もしかするとベクトルの変換!?』

は? いやいや。

ピカチュウさん、それは幾らなんでも……。

そんなまさか、と彼女の頭に手を置こうとすると、反発して一定の距離から頭に下ろせない。

 

……

 

「なぁ、可笑しいよな。なんでさ、こうも俺の回りには規格外のポケモンが集まるかな?」

『……それって私も含まれてますか、マスター』

『俺も含まれてる?』

いやお前達は違う意味で訳が分かんないよ。

なにさ、お前等夫婦って。

種族違うよね? 確かに子供というか卵は出来るよ?

でもそんな、ね?

 

……よし、とりあえずウチの二匹については後にしよう。

 

今はとにかく捕獲だ。

「ラルトス、ちょっとまだまだ聞きたい事があるけど……一緒に来るかい?」

〈お菓子くれるなら!〉

 

お菓子に釣られた幼女……元へ、ラルトスはアクセラレーター(強)でした。

 

ラルトスを捕まえたボールをしまいながら、ちょっと遠い目をしてナツメちゃんを思ったのは些細な事だ。

 

拝啓、ナツメちゃん。

俺の寿命はもう長く無いかもしれません。

具体的には俺の寿命がストレスでマッハ(泣)

 

 




お気楽系チート幼女の参入。
そして地味に色違い。
ぅゎょぅι゛っょぃょ。

幼女誘拐の罪悪感は心労で±0に。
にしても本家のアクセラレーターより強いような。

あと、しばらく更新が停滞するかも。
とか言いつつ更新する未来の自分は……見えない。
それでは。

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