チートでポケモンのトレーナーらしい   作:楯樰

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途中キンクリ入ります。


まだ為れないらしい

グリーンとナナミさんにミュウがバレて暫し。

少し遊び、オーキド姉弟に勉強を教え、昼食も済まして午後二時。

後一時間でおやつの時間であるが人目の付かない森の中、手持ちのポケモンと俺は居た。

バトルでの反省点とその他諸々。

 

そしてその反省点、その他諸々は、……主に俺とガーディだった。

 

『……分かったのなら良いがな。とにかくお前はまずロコンに謝れ』

『え、なんで……』

『お前の無茶な特攻でロコンがあれからどれだけ心配していたか……知っているのか?』

『うっ……で、出来ると思ったんだ!』

『思うのは勝手だ。……ただ状況をちゃんと見極めて、最良の判断をお前はすべきだった! 他にもあっただろう、ほえるを使って相手を入れ替えさせるなりと色々と!』

『うぅ……』

……確かに。

『ふぅ……それからご主人。ご主人は言わずもがな……なんで私を一番初めに出さなかった?』

「いや、ピカチュウさんに頼らなくても勝てるかなぁーと」

『甘い。甘すぎるぞご主人。シュークリームにメープルシロップをかけた上に砂糖を塗したくらい甘い。仮にもジムリーダーが相手だ。舐めすぎじゃないか』

例えが逸脱過ぎる。

きっとむせかえる位甘いんだ。

うぇ……想像したら気持ち悪くなってきた。

「……すみません」

『まったく……。とにかく反省点の整理だ。とりあえずガーディはしばらく修行中止と、ご主人と何が出来るかの確認。そしてご主人はとにかく反省だ。いいな?』

『「……はい」』

有無を言わせぬ態度。

ピカチュウの姐御はやはり怖い。

『それからロコンだが……』

ビクっと言われた本人は身体を震わせて気まずい空気になる。

『……やはりアレは母親か』

小さく頷きロコンは返事をする。

『へ? なんの話してんの姐さん?』

あー、ガーディは知らないのか。

倒れてたし。

「相手の最後の三匹目。出てきたキュウコンがロコンの母親なんだってさ」

『はぁ? はぁあああああ?!』

 

ガーディの悲鳴のようなそんな叫び声が森に木霊す。

この声でミュウが起きなければいいけど。

ちなみにアイツはボールの中で眠ってる。

色々と疲れたらしい。

 

『うるさい、ヤツが起きる。……で、お前が居るって言う事、あの様子からすると知らないんだろう』

『……はい』

喧しいガーディにピカチュウは苛つき、ロコンに聞く。

『……そうだな。とりあえずガーディ、お前当面の目標は何だ?』

『それは……』

今この話が出たという事は、恐らく何かあっての事。

きっとアレだ。

 

『……義母さんに挨拶に行く事です!』

 

『え……』

『はぁ……やっぱりかコイツ。ロコン、お前はどうするんだ?』

ピカチュウは溜め息を吐いて呆れる。

確かに俺も予想通り過ぎて呆れてくる。

ホント一直線だよな、お前。

『え、あ……そんな、急に……言われても…!』

急に宣言された「義母さん! 娘さんを僕に下さい」という例のアレ。

認めて貰えれば親公認と言う事になり、晴れてカップル……否、夫婦(めおと)の関係になれるわけだ。

当人であるロコンの茶の毛並みは赤みを増し、赤茶を越えて朱色になる。

頭を前足で抱えてうずくまる姿は可愛らしい。

隣でガーディが『ロコン萌え! 寧ろ(炎的な意味で)燃え!』とか叫んでるが、リア充爆発しろとか思うのは俺だけだろうか。……ピカチュウもだった。

 

若干青筋浮かんでるように見える。

 

……というかお前等初めて会った時そんな風じゃなかっただろう? 今更その初々しい反応は無いだろうと。……いや、あれか。寧ろ万年カップルとかそんな域か。

よし、爆ぜてよし。

 

やれ、ピカチュウ! 電気ショック!

『爆ぜろリア充!』

 

そして二匹の「状態異常まひ」はしばらく解けなかった。

 

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大学の4年間をオーキド博士の研究所で過ごす。

本格的に研究が進められてきた古代のポケモンについてや、特定の持ち物を持たせて交換する事によって進化するポケモンの存在。

それからメタモンの変身の性質についての諸々。

……その他多数の前世の知識及び今世での研究をまとめ、それなりにオーキド博士を通して発表して来た俺は、学会での渾名は「博士君」。

ガキンチョの癖に様々な論文を発表している自分に付いたその渾名。

オーキド研究所のお姉さんだけだったのが、一躍他の教授職の人にまで可愛がられる始末。

勿論、そんな小生意気な俺を妬む一部の人間も出てくるわけで、特に若い年代の男性からの嫉妬が恐い。

 

案の定、その渾名が自分の耳に入ってきた時には、ピカチュウから可哀想な目で見られた。

それなりに頑張ったんだ、悲しくなってくる。

だけどピカチュウにそんな目で見られるのは予想以上に心をえぐられる。

 

……と、あっという間に感じた四年間だ。

そう四年間……つまり十歳になった。

正式にポケモントレーナーとなれる歳。

 

……ただ、まだ出発出来そうには無かった。

 

「……なんでこうなった…」

「まぁまぁ、そんな落ち込まなくても……ほら、イーブイの進化系図の研究しましょうよ! なんでも特定の時間でなつき進化が変わる……」

「それよりも所長! マサキさんからお電話入ってました! 『良いもん見せたる!』とかなんとk……」

「また来た……もうコレで何回目かな……またなんか手紙届いてます!」

 

うん、もう勘弁。

タマムシ大学の一室。

いつの間にか本当に博士の称号を貰い、独自の研究機関が作られていた俺は、目の端から涙が零れていた。

『頑張れ、ご主人』

……あぁ、ピカチュウの哀れみが身に染みる。

 

 

あぁ、早くトレーナーになりたい……。

 

 




中々書けなかった。
調子のアップダウンが激しい。
頑張ろう。

加筆修正。
報告有り難う御座いました。

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