弓塚さつき(憑)の箱庭生活【完結】   作:ホワイダニット

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前回の投稿から一ヶ月以上経ってました。

ペルセウス戦にまったく届きませんでした。

Fgoピックアップガチャの結果を活動報告に書いてあります。



転職しました。

これを読んでいる方ならわかっておられると思いますが、さつきぽくないです。まあ当然といえば当然ですだって(憑)なので


はい、交渉と駆け引き(笑)です。

夜も更け、夜空には星が輝いていた。一晩遅れの満月が箱庭を照らしている。

街灯ランプは仄かな輝きで道を照らしているが、周囲から人気らしいモノは一切感じられない。

 

”サウザンドアイズ“の門前に着いた四人を迎えたのは例の無愛想な女性店員だった。

 

「お待ちしておりました。中でオーナーとルイオス様がお待ちです」

 

「黒ウサギ達が来る事は承知の上、ということですか?あれだけの無礼を働いておきながらよくも『お待ちしておりました』なんて言えたものデス」

 

「・・・・・・事の詳細は聞き及んでおりません。中でルイオス様からお聞きください」

 

定例文にも似た言葉にまた憤慨しそうになる黒ウサギだが、店員の彼女に文句を言っても仕方ない。店内に入り、中庭を抜けて離れの家屋に黒ウサギ達が向かう。

 

「うわぉ、ウサギじゃん!うわー実物初めて見た!噂には聞いていたけど、本当に東側にウサギがいるなんて思わなかった!つーかミニスカにガーターソックスって随分エロいな!ねー君、うちのコミュニティに来いよ。三食首輪付きで毎晩可愛がるぜ?」

 

ルイオスは地の性格を隠す素振りも無く、黒ウサギの全身を舐めまわすように視姦してはしゃぐ。

 

「なんでかな?最近似たような言葉を聞いた気がするけど?」

 

さつきは白夜叉を見て言った。

 

「失礼な!私をルイオスのような性欲にまみれた品の無いヤツと一緒にするでないわ!」

 

白夜叉が反論しながらルイオスをこき下ろす。

 

「白夜叉様も大概なのでどちらも変わらないのデスヨ‼」

 

「あっははははは!白夜叉も冗談きついなぁ、まあうちに来ればその美脚は僕のベッドで毎晩毎晩好きなだけ開かせてもらうから間違ってないけどね」

 

「お断りでございます。黒ウサギは礼節も知らぬ殿方に肌を見せるつもりはありません」

 

嫌悪感を吐き捨てるように言うと、隣で十六夜がからかう。

 

「へえ、俺はてっきり見せる為に着てるのかと思ったが?」

 

「ち、違いますよ!これは白夜叉様が開催するゲームの審判をさせてもらう時、この格好を常備すれば賃金を三割増しすると言われて嫌々・・・・」

 

「ふぅん?嫌々そんな服を着させられてたのかよ。・・・おい白夜叉」

 

「なんだ小僧」

 

キッと白夜叉を睨む十六夜。両者は凄んで睨みあうと、同時に右手を掲げ、

 

「超グッジョブ」

 

「うむ」

 

ビシッ!と親指を立てて意志疎通する二人。一向に話しが進まず、ガクリと項垂れてしまった黒ウサギ

 

「えっと、プライベートまでその服を着る必要が無いのに着ていたら嫌々じゃないんじゃないかな」

 

さつきの言葉に黒ウサギは自身が進んで着用していた事実に気付き顔を青ざめる。

 

「あの・・・御来客の方も増えましたので、よろしければ店内の客間に移りましょうか?」

 

女性店員の言葉に一度仕切り直す事になった一同は、”サウザンドアイズ“の客間に向かった。

 

 

****

 

黒ウサギが事のあらましを説明するが感情的になっているため、さつきが説明する事になった。

 

「内容としましては、レティシアさんが黒ウサギに会いに来ましてお茶をしていたんです。話しが新しく入ったメンバーの事になったのですが話しがメンバーの実力がどれ程なのかということになりまして、代表で十六夜とレティシアさんが軽く手合わせする事になりました。その後、一様の決着が着いた頃に狙っていらしたのかいきなり”ペルセウス“がゴーゴンの威光を撃ってきたのです。レティシアさんは客人としてお迎えしていたので”ペルセウス“を迎撃させていただきました」

 

さつきは出来るだけ丁寧に使用人ぽく話し、ゴーゴンの威光を防いだことはあえて言わずにルイオスが自身に過剰な警戒心を抱かないように気をつけていた。

 

ルイオスの警戒心を少しでも下げる為にさつきは部屋に入る前にメイド服に着替えて自身がプレイヤー側ではなくメイドと認識するようにした上で。

 

「へえ、じゃあ何?全面的にこっちが悪いと?”ノーネーム“に払う礼儀なんて無いのに?それにさ、証拠でもあるの?無いよね、文句があるなら証拠を出してもらわないとね」

 

さつきをメイドと認識しているルイオスは自身が優位であるという間違った自信からさつき達”ノーネーム“に対しなめた言動をとる。

 

「映像音声付きでいいならありますけど、公開して困るのはあなた達”ペルセウス“ですがそれでも?」

 

「いつのまにそんな物用意してたんだ?」

 

十六夜はさつきがメイド服に着替えたのを見てなんとなく察したため口裏を合わせる事にした。

 

「これから住む場所に侵入者用の結界と監視を付けるなんて常識ですよ?」

 

さつきはなにを当たり前の事をと首を傾げた。首を傾げたのは外敵への警戒心はあるが常識がずれた天然だと思わせるための演技だ。実際には映像音声付きの記録等は無い、さつきは部屋に入る前からブラフとハッタリを敵7・味方3の割合で(十六夜には感づかれたが)全員に対して行っていた。

 

「いえさつきさん、鍵をかけるならまだしも結界と監視を付ける事を常識なんて過分にして聞いた事がないデス」

 

「そうなの?私の知りあいはこれに認識阻害と自動迎撃結界が追加されるからこれでもかなりやさしいと思うのだけど」

 

さつきの言う常識()に少し引きながら黒ウサギは思っていた、認識阻害や自動迎撃結界を家に付けるのはいったいどんな知りあいなのかと。

 

「そんな事はどうでもいいよ。それで何?まさかその証拠と吸血鬼を交換なんて言わないよな。悪いけど”ノーネーム“じゃ信用なんてされないから」

 

「まさか、この証拠での代価は我々”ノーネーム“との決闘です。受けないのであればこの証拠を白夜叉さん経由で拡散します。受けるのでしたらこの場でこれを破棄致します。」

 

受けなければ拡散するというさつきの言葉にルイオスが取った行動は。

 

「嫌だね、なんで”ノーネーム“と決闘なんてしないといけない?七桁の”ノーネーム“ごときと決闘したなんて”ペルセウス“の品にかかわる」

 

否だった、ルイオスは例え白夜叉経由でも”ノーネーム“の証拠では力が無いと判断したためだ。

 

「はあ。ルイオスよ、プライドを持つなとは言わん。だからといってコミュニティの格で相手の実力を決めつけるのは愚か者の考え方だぞ。おんしと話しておるさつきも実力でいえば四桁、いや下手をすれば三桁に届くかもしれん強者だ」

 

さつきとルイオスの駆け引きに上位者にありがちな思考をした白夜叉が余計な横槍を入れる。

 

「それにさつきは箱庭二桁”タイプ・ムーン“の縁者だしの。決闘を受けねば”ペルセウス“は跡形もなく消えるだろうな」

 

さつきが二桁のコミュニティの縁者であり実力が四桁並みと言われてルイオスは黙る。

 

一方さつきは身に覚えの無いコミュニティの名前と桁、自身の実力を言われて戸惑ったが直ぐに白夜叉のブラフによる援護射撃と割り切り白夜叉の話をスルーする事にした。だが白夜叉のせいでせっかくのさつきのブラフとハッタリが無価値にされたので白夜叉も巻き込もうと思考を巡らせる。

 

「ちっ、受けてやるよ、僕だって二桁のコミュニティに目なんてつけられたくないからね。だけど君がゲームに参加しないならだけど」

 

ゲームを受けると言いながらさつきの参加を拒否するルイオス。

 

「元々今回のゲームには参加するつもりはありませんでしたので構いません。あとは決闘の日どりですが一週間後でどうでしょう?」

 

「了解、じゃあそこの吸血鬼を渡して貰おうか」

 

「それなのですがゲームまでの一週間のあいだレティシアさんを白夜叉さん預りにしたいと思います。」

 

「なんで・・」

 

「いいですね?」

 

「わかった、吸血鬼はゲームまでの一週間白夜叉の預りでかまわない」

 

いろいろと面倒になったさつきは魔眼を使ってルイオスの意志を変えた。

 


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