ザ・ウォーキング・デッド in Japan   作:永遠の二番煎じ

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ZDAY27日目・・・
××県に行くためにも青井と中田は移動に欠かせない車を手に入れることにした。



安全を求めて2

ZDAY27日目・・・

俺と中田は××県を目指して命を懸けた旅の準備をしていた。

俺は家の中で支度をしながら話していた。

俺「斉藤は置いていくのか?」

中田「仲間と別れてまで、今まで一人で生きぬいてきたんだ。そっとしておけ。」

中田はスイス製のナイフで缶詰のふたを開けながら言った。

 

俺「・・・わかった。ところで中田は出発準備出来たのか?」

中田は缶詰を台所にあったフォークで食べながら言った。

中田「ああ、昨日寝る前に支度はした。どっからゾンビが入ってきてもおかしくないからな。」

俺「手際がいいな。」

俺は中田のふんぞり返った余裕が頼もしく見えた。

 

俺「なあ、そろそろ車に乗りたいんだが車探さないか。車がないと移動は大変だろ?」

中田「そうだな、確かに車は防衛にも使えるし便利だ。」

俺と中田はまずこの町の車庫に車が入っている家を物色することにした。

 

俺(金属バット・包丁・家の鍵)と中田(警棒・スイス製ナイフ・包丁・家の鍵)は凶器と家(拠点)の鍵だけをそれぞれ所持して、車を探すことにした。

 

中田「行くぞ。用意はいいな?」

俺「ああ。」

感染者が道路に少ない時を選び、外に出た。

俺はすぐに外から玄関ドアの鍵をした。

俺と中田は別々に車が置いてある家々の中を物色した。

 

だが町民が××県に脱出を図ったためか、動かせる車自体少なかった。

道路を見た限り、転倒している車や炎上した後の車は少なくなかった。

 

そんな中俺は車庫に動きそうな赤のSUVの車を見つけた。

(こんな上物まだこんな町にあったのかよ。)

俺は家の中の玄関に入ったらすぐに靴箱の上に複数の鍵の入ったかごを見つけた。

(お!ラッキー。)

だが車の鍵らしきものは見つからなかった。

(てことは、寝室とか物入れか?)

 

俺はバットを構え、さらに奥に行くと感染者がリビングに四体いた。

俺は感染者の頭を素早く三体殴りつぶし、最後の一体はバットで力いっぱい殴るのは距離的に無理だったので包丁でつむじから頭に突き刺した。

(危なかったぜ。)

俺は駆逐した一体の男の感染者のズボンを探り、財布を見つけ中から車の鍵を取り出した。

(やったぜ。案外早く車の鍵が見つかった。)

 

すると後ろから見逃していた感染者が襲いかかってきた。

俺は仰向けに倒れ込み、両腕のない感染者は俺に馬乗りになった。

「うおおおお!!!」

右手で感染者の両目と左手で首をつかみ、噛まれるのを必死に阻止するのがやっとであった。

感染者は俺を食べようと口角を激しく動かしていた。

 

俺は近くに落ちてあった四角い灰皿を右手で素早く取り、頭を殴った。

感染者は頭を灰皿で殴られそのまま動かなくなった。

(サスペンスで良く見るけど、本当にこういう状況ってあるんだな。)

俺は本当に死ぬ覚悟をした。

 

一方中田は・・・

中田は行き止まりで大量の感染者に囲まれていた。

(道路の視界に入るだけで10体以上はいるな。家に入って立てこもってもいいが、家の中にも最低玄関に三体入れば俺のゾンビ生活が始まるな。)

 

中田は家に入るのをやめ、和成の助けを信じ戦うことにした。

右手には警棒・左手には包丁を持って自ら感染者に近づいた。

中田「おらッ!」

中田の視界右の感染者の顔を警棒で潰した。

そして左から来た感染者の眼球に包丁を素早く刺し抜いた。

 

もう一度それを繰り返し計四体駆逐したが焼け石に水のようなものであった。

(ダメだ、一人では多すぎる・・・家に立てこもるか)

その時近くの家の屋根から矢が飛んできた。

その矢は感染者の側頭部に命中した。

 

中田(斉藤、お前は俺たちを助けないんじゃなかったのか?)

中田は斉藤に援護をしてもらい、感染者を合計12体駆逐した。

斉藤は屋根から飛び降りる際に受け身をとった。

そして斉藤は素早く五本の矢を感染者に刺さってる頭部から抜き回収した。

 

中田「お前俺たちを助けないんじゃなかったのか?」

斉藤「一度ホームセンターで助けてもらってるから。」

中田「・・・斉藤、話がある。俺の拠点に寄って行かないか?」

斉藤は一応中田についていくことにした。

 

俺は一足早く家に戻っていた。

すると玄関のドアの解除の音が聞こえ、俺は玄関に行った。

俺「大丈夫だったか?」

中田「大丈夫ではなかった、だが斉藤のお蔭で切り抜けた。」

中田の後ろには斉藤が立っていた。

俺「そうだったか・・・それは大変だったな。」

中田「斉藤、悪いが玄関で待っててくれ。」

中田は俺だけをリビングに連れて行った。

 

中田「すまないな。車が調達できなかった。」

俺「その心配はいらない。近くの民家で赤のSUVを見つけた。」

中田「SUV!」

俺「家の前に移動させたかったが、エンジン音で奴らが寄ってきそうだったから置いてきた。」

中田「車の鍵は見つけたのか?」

俺は鍵を見せた。

 

中田「良くやった!和成!ところで・・・斉藤も連れて行こうと思うんだ。」

俺「斉藤を?別にいいが。さっきほっとけって言ってなかったか?」

中田「あいつは戦力になるし、ほぼ無言で無表情だが良い奴だ。」

俺「まあ、確かにそうだが。中田がそこまで言うなら説得してみるか?」

 

中田は玄関に行き、ろうそくの火で照らしたリビングに斉藤を案内した。

斉藤を椅子に座らし、中田は向かいに座った。

中田「なあ、斉藤一緒に来ないか?」

斉藤「いいえ、一人の方が安全だもの。」

中田「分かった、じゃあ話題を変えよう。なんで仲間と別れたんだ?」

斉藤「仲間は危険だった。そのうち私を利用して生き延びそうだと思った。」

 

中田「そうか、仲間は何年の付き合いだ?」

斉藤「知り合って一年くらいかな。」

中田「確かに今は人類史上最悪の状況だ。人は冷酷に変わったり、おかしくなる世界になったかもしれない。だが俺たちはホームセンターで一度は殺し合おうとしたがしなかった、いや出来なかった。それはまだ文明人だからだ。それに三人で何回もゾンビ相手に助け合っただろ?」

 

斉藤「・・・」

感情の高ぶった中田を見て俺はまたホームセンターの時の様に割って入った。

俺「中田、無理強いも良くない。彼女は山で野郎がのんびり一か月近く暮らしてきた俺達とは違う。ほっといてやれ。」

すると中田は斉藤に言い放った。

中田「なら!どうして!!あの時助けたんだ!!!」

中田はそう言って二階に上って行った。

 

俺「なにがあったか知らないが、中田の我儘に付きあわせて悪かったな。」

斉藤「いえ、青井さん。相棒を大事にしてくださいね。」

斉藤は隣の自分の拠点に戻った。

 

その日は俺と中田は出発しなかった。

中田は二階から外を見ていた。

俺は近寄り話した。

俺「斉藤は援護してくれたのか?」

中田「ああ、斉藤がいなければ俺は今ここで夕日を見てないだろう。」

俺「・・・そうか。明日出発するけどいいか?」

中田「・・・そうだな。前に進もう。」

 

ZDAY28日目翌朝・・・

中田「起きろ!!!」

俺「うわ!脅かすなよ!!」

 

中田は俺を二階に案内した。

中田「二階に来い、もっと驚くぞ。」

俺は二階から窓の外を見ると感染者の群れが大行進していた。

俺「どこに向かってるんだ?」

中田「きっと、新鮮な肉を求めて○○県に大行進してるんだ。」

俺「俺たちと目的地が違ってよかったな・・・」

 

中田「俺たちが降りてきた山の中に消えていくぞ。」

俺「やつらはホームセンターで野良猫を追いかけた。つまり野生の動物もエサなんだ。」

中田「たしかにあの山は鳥や鹿が多くて有名だからな。」

俺と中田は物資を登山リュックに入れ、拠点を捨てた。

俺と中田は200メートル先にある車庫に置いてあるSUVに向かった。

 

俺と中田はたまにいた感染者を振り切り、ドアロック解除ボタンを押しながら車に乗り込んだ。

中田は助手席に乗り込み、俺は運転席に乗り込んでエンジンをかけ、××県に向かって走り出した。

すると前から斉藤の拠点から斉藤が弓を構え斉藤の拠点の玄関口に矢を撃ちこみながら後ろ向きに出て来た。

 

俺は運転席からドア窓を開き言った。

俺「斉藤!乗れ。」

斉藤は素早く後部座席に乗り込んだ。

俺は車を出した。

バックミラーを見ると何十もの感染者が斉藤の拠点から出て来ていた。

 

中田「斉藤、何があったんだ?」

中田は後部座席の中田に話しかけた。

斉藤「奴らに雨戸を突破された。」

中田「噛まれたりしなかったか?」

中田は斉藤を心配した。

斉藤「大丈夫、噛まれてもひっかかれてもない。」

 

俺「ひっかかれてもダメなのか?」

斉藤「警察いわく、そうらしいわ。」

三人は○○県・□□県の県境の町を脱出した。


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