ザ・ウォーキング・デッド in Japan 作:永遠の二番煎じ
俺と中田は軽トラで○○村に向けて一本道を登山していた。
中田「あと○○村まで何分かかる?」
俺「あと30分だな。」
そんなたわいもない会話をしていた時であった。
急カーブに差し掛かった時感染者が立っていた。
中田「避けれるか?」
俺「いや、無理だな。」
感染者は対向車線のど真ん中に立っていた。
運転した俺はやむ負えず感染者を引いた。
引いた時感染者の体が飛び、軽トラ正面ガラスに感染者の体が当たり運転席正面ガラスにひびが入った。
引いた感染者は後ろのガードレールを越え落ちて行った。
感染者を引いた際に、ガンと音が響いた。
俺はキ―――と音を鳴らし、急ブレーキをかけ止まった。
俺「やっちまったな・・・」
中田「大丈夫か?」
俺「ああ、だがひびが入って見にくい。」
すると青井は車内から警棒でひび割れたガラスを割った。
中田「ひびが入ったままじゃあ、見えにくくて、ろくに運転出来ないだろ?雨が降らないことを祈るか。」
俺「ありがとう。大丈夫だ、ここは森林で覆われていて豪雨でない限りガラスがなくても走れる。」
急カーブでの大きな音を聞いて感染者が集まって来た。
中田「急ごう、思ってたよりも感染者が多く集まって来た。」
俺「山深くにこんなにゾンビが到達しているのか?」
中田「居たっておかしくはない。あの日から三週間経ってるからな。」
俺「昨日は○○村から出た時動いてるものはお前しか見なかったのに・・・」
俺は再び軽トラを運転し始めた。
そこからは山道で感染者を一体も見なかった。
そして数十分後○○村に着いた。
俺と中田は村奥の役場に行った。
村役場は荒らされた後だった。
俺「くっそっ!」
俺は怒りと悔しさで職員ロッカーを蹴り倒した。
俺「遅かったか・・・一日でこんな状況になるのか・・・」
中田「青井、もしかしたら自衛隊が助けたかもしれない。」
中田は俺に1%以下の希望を持たせた。
俺「確かに・・・可能性は低いがありえるな。」
俺は極めて低い可能性を言った中田の気遣いの嘘に感謝した。
中田「今日はこの村のどこかで籠城しよう。また自衛隊が通りかかるかもな。」
俺「じゃあ俺の家に来ればいい。二階もあって窓からは結構見渡せる。」
俺は中田を自宅に案内した。
俺の家は築170年で二階もあった。
階段は江戸時代式の腐りかけの木造のハシゴ型階段であったため、バールを持って二人でぶっ壊した。
俺「これで俺の家も中田式要塞になったな。」
中田「こんな歴史ある階段を壊してよかったのか?」
俺「死ぬよりましだろ?」
中田「そうだな・・・」
俺と中田は無駄な冗談を言い合いながら作業した。
一旦昨日の中田の拠点の様に家の外に出てからハシゴを屋根に掛け二階の窓から入った。
俺「これじゃあ、昨日と変わらないな。」
中田「まあな、少し昨日より部屋は狭いが。」
俺は中田が上った後ハシゴを二階の窓から回収した。
しばらくすると二階の窓から人が見えた。
俺「あれはゾンビだな・・・」
中田「ああ・・・どうやら最も標高の高い村まで感染は到達したようだな。」
俺「だが、役場には血痕がなかった。もしかしたら獣道から脱出したのかもしれない。」
中田「道は一本だけじゃないのか?」
俺「整備されてる道は一本だけ○○市につながってるが、獣道も一応ある。」
中田「後を追えばたどり着けるかもしれないぞ。獣道はどこに出る?」
俺「他県の市外に出る。だが歩けば一日はかかるぞ。」
中田「そうだな。今日はここで休みを取ろう。」
俺と中田は狭い二階の自宅で休んだ。
翌朝長旅の準備をした。
俺「獣道は役場の裏を出たらある。」
中田「分かった。じゃあお互い物資を集めてから役場に集合しよう。」
中田は勝手にハシゴを降ろしながら言った。
二人は別々に登山リュックを持って物資を村中で探し周った。
俺は役場に先に行き、役場入口で中田が俺を目視できる場所で待っていた。
すると感染者が一体ゆっくり歩いてやってきた。
俺「中田まだかーー!!」
俺はあせって大声を出してしまった。
大声を出すとさらに二体強歩でやってきた。
俺(うそだろ。昨日一体しかうろうろしていなかったぞ。)
俺は慌てて役場の中に入り、中から両扉の取っ手にリュックにぶら下げていた金属バットをはさみ食い止めた。
感染者三体は最初入口のドアを叩いていたが役場入口周辺に散らばった。
それを物陰から見ていた中田・・・
中田(おいおい、三体ぐらい倒せよ。)
中田は携帯していた警棒を持って、役場入口に向かって突撃した。
中田は感染者三体を軽快なステップで頭を潰した。
中田「青井!!開けろ!」
俺は中田の声を聞き、隠れてた村長室から役場の入り口に向かった。
そして役場入口ドアの取っ手からバットを抜いて、中田を入れた。
俺「お前よく倒せるな。」
俺は感染者への恐怖と人間だったものに危害を加えるのに抵抗がまだあった。
中田「まったく何考えてるんだ?俺を見捨てる気か。」
俺「悪い・・・お前は頭や顔をつぶして何も感じないのか?」
中田「感じるが、今生きる方が大切だ。それより使えそうなものはなかった。」
俺「そうか、じゃあ急ごう。感染者が増える前に移動しよう。」
俺は村長室にある非常用出口から獣道に出た。
そこからは感染者を撒くために獣道を30分くらい軽く走って下山した。
俺「ここら辺でいい。お互い持ち物を確かめよう。」
中田「周囲にゾンビはいないようだな。」
俺と中田は朽ちた丸太に座り休んでリュックを降ろした。
俺は集落の家全体を一体の感染者から逃げながら物色したがとくに使えるものはなく早く役場に行き待っていた。
中田が遅くなったのは自動販売機を死ぬ気で壊し、飲料や携帯食をリュックに詰め込んでいたからである。
二人の所持品は合わせて警棒・金属バット・バール二つ・包丁二本・スイス製ナイフ・1.5㍑のペットボトル八本・缶詰と携帯食の食料三週間分であった。
中田「最低10日は生きれるな。」
俺「この状態でゾンビと戦うのはきついぞ。」
俺と中田は村で調達したお互いの物資を分け合いながら話した。
中田「ゾンビは歩くのがだいたい遅い。それに戦うときはリュックを降ろせばいい。」
俺「映画やゲームみたいに群れで襲いかかってきたらどうする?」
中田は飽きれながら言った。
「お前よくその行動と考えで一か月近く生きてこれたな。いいか。ここは傾斜の角度が厳しい。普通の人間ですら今の俺たちが下山している獣道以外を下ろうとすれば転げ落ちる。ゾンビはふらふらしていて不規則に歩いているからほとんどが山の傾斜から転げ落ちるし、あの日から一か月近く経つが群れで行動するのは見たこともない俺達の妄想かもしれない。」
中田は俺に対して論破した。
俺「そうだな・・・」
中田「それに俺はまだお前が立ってるゾンビを駆逐している光景を一度も見てない。」
俺「ああ、倒れてるやつしか駆逐してない。土砂崩れ前の道のところだけだ。」
中田「今度は逃げずに頼むぞ。青井。」
中田は俺の肩を叩いて勇気をくれた後、下山し始めた。