ザ・ウォーキング・デッド in Japan 作:永遠の二番煎じ
ファーストブリッジ・・・××県に近い国道が続く。
セカンドブリッジ(中央橋)・・・□□県の県道に続く。
サードブリッジ・・・○○県に近いが県境の山を歩いて越えるか、車で山のふもとの山道を遠回りしなければ○○県にはいけない。
ZDAY30日目昼・・・
中田はバイクでファーストブリッジから安全地帯を出ようとしていた。
「なあ、通してくれないか?」
するとコンテナの上に立っていた一人の武装した兵士が降りてきた。
「いいが、患者になったら即射殺だ。それでもいいのか?」
「ああ、その時は自分でやるつもりだ。」
「これは脅しじゃない、本当にあった事例があるんだ。」
「分かったから、明日までに戻ってくるつもりだ。」
「感染してなければ半年後でもいいぞ。」
扉は開き、中田はバイクで再び地獄へ。
中田は××県に近い町を目指し走っていた。
まだZDAYから一か月、家で籠城している人々も少なくはなかった。
だが外でさまよってる発症者は増え続けていた。
安全地帯には酒やビールは不足しており、
中田は酒を飲みたくて酒の種類が多い知っている安全そうな田舎の店に向かっていた。
中田は店の前にバイクを止めた。
幸い感染者は見渡す限りいなかった。
「まだ、酒が残ってるのを祈るぜ。」
酷く破られた店の出入り口に入った。
金属バットを両手に持ち店内を警戒していた。
すると後ろから関係者入口から一体の感染者が襲ってきた。
「食らえ!!!」
気配を感じ間髪入れずに後ろを向きバットを振りおろし頭をかち割った。
(早く酒をありったけリュックに入れて逃げよう。)
だが店内に年代物の酒はほとんどなかった。
(畜生、関係者しか入れないところに行ってみるか・・・)
関係者入口に倒れている自分が倒した屍をまたいでゆっくり入った。
すると倉庫に酒がありったけ眠っていた。
(やったぜ。ブランデーにテキーラにワイン!こいつは上物だ。)
中田は店の外を見ると感染者が道路に数十の群れで歩き回ってた。
中田はすぐに出入り口横の壁に身を伏せた。
(くそッ、俺を探してるのか。俺の匂いを嗅ぎつけたのか?)
バイクまでに六体はいた。
(包丁で刺していくか、それとも振り切るか。)
中田のリュックは酒が入って重くなり、バットを振る力を入れるのはきつかった。
中田が出した決断は酒棚で出入り口を防いだ。
「今日はここでお泊りだな。」
中田は出入り口付近でリュックを降ろし、店内に残っている感染者を始末した。
中田は階段を見つけ、上ると普通の2DKの部屋があった、そこにいた感染者も倒した。
(ここは店と自宅の一体型なのか。)
部屋の窓からバイクを見ると感染者がさっきより集まって来た。
(ここで酒を全部飲んで死ぬのも悪くないな。)
中田は一度リュックを取りに戻ると出入り口には奴らが押し寄せていた。
だが出入り口を防いだ酒棚は爆破でもしない限り出入りは出来ないだろう。
何重にもなった酒棚のバリケードに何十もの感染者の押し寄せるきしむ音が聞こえた中田には時速80キロで電車が通る線路橋の下にいる気分だった。
急いでリュックを二階に持っていき、二階にある二体の屍を階段から一階の倉庫に投げ落とした。
「もう一度外に出ると、やっぱり安全地帯は楽園だな・・・」
中田は改めて安全地帯のありがたみを噛みしめていた。
中田はスイス製のナイフを後ろズボンのポケットから取り出し、リュックに入っていたワインのコルクの栓を抜き、ワインボトルをボトル飲みした。
中田は外が暗くて見えなくなるまで道にいる感染者の様子を酔いながら見ていた。
ZDAY31日目・・・
中田は目が覚めるとまず先にしたことは窓の外を見ることだった。
昨日と違い今日は窓の外は嘘みたいに過疎していた。
「どうなってんだ?」
中田はリュックを背負い二階の窓から一階の外に置いてある室外機に着地して、バイクを安全地帯に向け走らせた。
安全地帯に感染せず戻るのだけを考え、久々の二日酔いだったが、忘れていた。
すると白の軽乗用車に10体くらいの感染者が群がっていた。
(あの車のお蔭か。)
中田は車の中の人物を見捨てようとしたが、
かすかであったが運転席に斉藤が乗っているのを見た。
(斉藤、なんでお前なんだ。お前じゃなかったら見捨ててたぜ。)
中田はリュックをハンドルにぶら下げバットを持ってバイクから降り、車に群がってる感染者を一体ずつ脳天をかち割った。
感染者の血しぶきが白い軽乗用車を赤く染めた。
「別に助けなくても。」
「じゃあなんで群がられてたのに車で逃げなかった?」
斉藤の車はどこか故障し、動かなくなったと同時に奴らが急に集まり斉藤自身も車から外に脱出を出来なかったのである。
「まあいい、とりあえず奴らが集う前に逃げるぞ。俺のバイクの後部に乗れ。」
「もう遅いわ・・・」
感染者がさらに数十の数で四方八方から押し寄せてくる。
斉藤は軽乗用車の後部座席から弓と矢の入った鞘を取りだし、感染者に向けすぐさま矢を放った。
「この数じゃあ無理だ。一旦車の中に戻ろう。」
「・・・」
斉藤は一心不乱に矢を近づいてくる感染者の眉間に撃ち倒した。
「分かった・・・ぎりぎりまで援護してやるよ!」
仕方なく中田は助手席側に回り、感染者をバットで殴り倒した。
(たしかにこの数じゃあ軽乗用車の耐久が持たないかもな。)
倒しても倒しても数は減らなかった。
すると馬鎧を防備した馬に乗ったSAT(警察特殊部隊)の武装をした10人くらいの集団が二人を取り囲むように防衛線を張り、次々と感染者の首を刎ねたり、頭に向かって矢を放ち倒した。
あっという間に周りの地面は感染者の死屍累々となった。
「三週間ぶりだな。」
そう言って馬から降りてゴーグルをはずしたのは東岡だった。
「東岡君、生きてたのね。」
「それはお互い様じゃないか?」
東岡はまだホルスターに三週間前と同じ拳銃を収めていた。
「なぜ助けたの?」
「襲われてる人間はほっとけないだろ?同じ人間として。」
中田は会話の様子を見た。
「今は俺じゃなくこの男と組んでるのか?」
「いえ、物資調達で一人で安全地帯を出たら車が故障して彼がたまたま助けてくれた。まあ安全地帯にたどり着く以前も同じ仲間として助け合ってたけど。」
「まあいい、こうして長居してるとまた奴らが寄ってくる。ついてくるか?」
中田は驚いた。
「いいのか?」
「ああ、俺は東岡だ。」
「俺は中田だ。バイクで後ろをついていくよ。」
中田はバイクの後部に斉藤を乗せて謎の武装集団の走っている馬の後ろをバイクでついていった。