ザ・ウォーキング・デッド in Japan   作:永遠の二番煎じ

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対発症者用訓練

俺は薄い本に書いてあった募兵の見出しを見て訓練所に行ってみた。

 

住所を見て訓練所に行ってみると明らかに高校であった。

(たしかに、基地なんて造れる場所ないもんな・・・)

学校外のフェンスから運動場での訓練の様子を見ていたがどうやら体術訓練らしい。

弓道場も見えたので見てみると斉藤が40メートル先に向かって的に矢を放っていた。

的は円形で半径50cmの大きさであった。

的のど真ん中を見事的中さしていた。

 

「すごいな、それだけ正確ならゾンビも怖くないな。」

「青井、何の用?」

「俺は訓練しに来た。お前はここで何してるんだ?」

「東岡を探すために練習してる。」

 

斉藤は矢を放ちながら言った。その矢も真ん中ではないが的に刺さった。

「邪魔して悪かったな、斉藤。」

俺は弓道場を出て行き志願しに高校の事務室に行った。

 

「すいません!」

「なんですか?」

窓口から女の人が用件を聞く。

 

「志願しに来たんですけど?」

「じゃあ、運動場に行って畑辺さんに会ってきてください。」

俺は写真を渡された。

その写真には迷彩服を着たいかつい顔のした50くらいのおじさんが写っていた。

(うわ、これ絶対鬼教官じゃん。)

 

俺は早速畑辺さんのいる運動場に行った。

「畑辺さん?」

「なんだ?青年。志願兵か?」

「はい、青井和成です。」

 

畑辺は俺が思っている以上に間近で見ると身長180cmのボディビルダーみたいな体型であった。

(これは素手でもゾンビを殺せそうだな・・・)

 

「青井君、今はある程度安定し防衛部隊も調達隊も人数は十分いるから君はどっちに入る?」

「防衛隊?調達隊?」

「君はマニュアルを読まなかったのか?」

 

マニュアルとは上野責任者がくれた薄い本のことであった。

 

「・・・まあ、そういう人も少なくない。とりあえず訓練してもらおう。」

畑辺は俺と同じくらいの青年を呼んだ。

 

「畑辺チーフ、なんでしょうか?」

「時間を取らせるが、彼を体育館まで案内してやってくれ。」

畑辺は俺の背中を押した。

 

「分かりました。畑辺チーフ!」

俺は青年に連れられ、体術の訓練を受けた。

 

「俺は青井和成だ。よろしく頼む。」

「僕は田辺だ。青井、よろしく。」

 

田辺によればゾンビ(発症者)と盗賊の二種類の敵に応じて体術を訓練しているらしい。

「俺は○○県から来たが盗賊にはあわなかったぞ?」

「それは幸運だ。盗賊でも少数ならともかくサムライ盗賊団に遭えば生存率は半分だ。」

「サムライ?」

 

サムライ盗賊団とは遊牧民のように拠点を構えず、ゲリラで襲う盗賊集団のことである。

その盗賊団の規模はどれくらいかは上野責任者もちろん誰も把握していない。

 

「サムライ盗賊団を見たことあるか?」

「ああ!車の中でバックミラー越しに馬鎧の馬は見たぞ。」

「何!よく生き延びたな。」

「その時は仲間に言われて車を急発進させたからな。」

「でも今回は発症者相手の訓練だ。」

 

田辺と話していると体育館についた。

体育館では何も持ってない人々が強歩で一人の女の人を追いかけまわしている。

 

「これが訓練だ。戦うのではなく、いかにうまく逃げて身を潜めやり過ごすかだ。」

「なるほど、ホームセンターを思い出すな・・・」

「じゃあ頑張れよ!」

田辺はそう言って運動場に戻って行った。

 

女の人は仮想発症者から逃げるために十段の跳び箱に上った。

「合格!」

一人の仮想発症者がそう言って強歩していた人はみんな休憩し始めた。

 

他にもマットや卓球台など障害物が置いてあった。

 

俺も挑戦をした。

「新入りだが容赦するな。」

いきなり15人くらいが強歩で俺に襲いかかってきた。

 

俺は落ちていた太鼓棒を拾い、強歩で歩いてくる仮想感染者を腹への突きで倒した。

さっきの女の人と同じくして跳び箱を上る途中跳び箱が崩れた。

「うお!!!」

 

俺は跳び箱の周りに敷いてあったマットに落ち、怪我はしなかった。

「大丈夫?」

「大丈夫か?」

そんな俺を心配する声が飛び交う。

 

「ああ、みんなありがとう。」

 

俺は体育館を出るとすっかり夜になっていた。

「そういえばコンビニとか飲食店とかあるのか?」

「あるわよ。」

優しい声で話しかけてきた女性は目鼻たちが整っており日本美人な感じである。

彼女は最初俺が体育館で見た時に仮想感染者から逃げていた女の人であった。

 

俺は一瞬で分かった。

彼女は自分に気があるということが。

 

「じゃあ、一緒にご飯食べないか?」

「分かった。案内するわ!」

彼女は快諾してくれた。

 

「この状況だから肉類は希少で手に入らないけど、魚とか麺類の飲食店ならあるわよ。」

「そうか、じゃあ君がいつも行く店に案内してくれ。」

 

店に着いた、ご近所は真っ暗だが店は30分並ぶくらい繁盛していた。

「そういえば君は名前なんていうの?俺は青井和成。」

「生田優香。これからもよろしくね。青井くん。」

 

俺は海鮮丼、生田は魚介ラーメンを食べた。

「じゃあ、また訓練所で。」

「うん。またね。」


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