女神世界の新生世代   作:Feldelt

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第4話 悪魔との邂逅

「白ちゃんそりゃないよー!」

 

ネプテューヌさんは変身を解いて叫ぶ。

天井のある洞窟だからまぁ、響く響く。

挙げ句、エコーがかかっていく自分の声に

『おー』とか言う始末。これは白もげんなりするね。

 

「あなたのテンションには全くついていけませんね。

 頭がおかしいんじゃないですか...というか...

 なんであなたはあの力を制御出来るんですか...」

「え?白ちゃんもあれ使えるの?」

 

そう、白はネプテューヌさんと似たような力を使える。

それを制御しきれずに、暴走したことが、白のトラウマになっている。

 

「怖くて使えないですよ...お兄ちゃんに怪我してほしくないから...」

 

白の弱音、というか本音が出ている。

根は優しいのに毒舌なのも、あの惨状のせい...

 

そんな物思い耽っていると、足音もなくすぐ近くにあからさまに

異質な雰囲気と群青のコートを纏った仮面の男がいた。

 

「おや...計画フェイズ3のプロトタイプの反応が消えたと思えば...

 君がいるとは全く...まことに奇縁だな...ネプテューヌ...」

 

その仮面の男は有名人だ。

このゲイムギョウ界に名を馳せる大罪人、審判の悪魔(ジャッジ·バエル)なのだから。

 

 

「え、誰?もしかしてわたしのお知り合い?」

「審判の悪魔を知らないんですか、まぁ、記憶喪失なら仕方ないにしろ...

 戦って勝てる相手ではないです。女神様でも...ギリギリでしょう。」

 

白はこういう時には冷静だ。しかもとても凍りついたように冷たく静かだ。

 

「記憶がないのかね。まぁいい。むしろ好都合...

 だが...計画を邪魔されては少し虫の居どころが悪くなろう...」

 

悪魔が手を動かすと同時に、ネプテューヌさんは変身していた。

かくいう僕も、茜さんから貰った転生鎧装を装着した。

 

「あなたは一体何をしたいの?答えなさい!」

 

ネプテューヌさんは刀を構えて悪魔に問う。

 

「何者、か...私は人の業と性を浄化する者だよ。そしてそれを阻む

 のであれば、容赦はしないぞ。」

 

悪魔が銃を抜くと同時にネプテューヌさんが突撃した。

 

二発ネプテューヌさんに撃ち、一発は僕の方へ。

当然避けられない。銃弾は僕の鎧の右肩口に当たり、バランスを大きく崩す。

 

「お兄ちゃん!」

「くっ...このっ!」

 

白の叫びでどうにか倒れずには済んだが、右肩がとても痛い。

一方ネプテューヌさんは銃弾を見切り刀で防いでる。

 

「大丈夫?お兄ちゃん...」

「うん...動体視力が追い付かない...」

「当たり前でしょ...!隠れてよ...勝てないよ...」

 

白は震えてる。僕は頷いてネプテューヌさんの戦いを見守る事にした。

 

 

「やはり銃弾は効かぬようだな。では、やはり接近戦といこう...」

 

コートの裏から漆黒の剣を抜刀し、ネプテューヌさんとつばぜり合いになる。

 

「馬鹿にして...!」

 

ネプテューヌさんの蹴りも太刀も届いていない。

そう。悪魔はまるで遊んでいるかのようだった。

 

「ふむ、興ざめだな。」

「何を...きゃぁ!?」

 

悪魔はネプテューヌさんの剣を左手で掴み引き寄せ、

右手で剣を持っていた手を内側にひねったと同時に

左足でネプテューヌさんを蹴飛ばしたのだ。

 

「味気ないな...まぁよかろう、私の邪魔さえしなければ君たちに手を出す

 ことはないのだからな...む。」

 

何を察知したのか、悪魔が首を傾けると、悪魔の左側からアンカーが

飛んできて、その軌道をなぞるように一人の女性がすれ違い様に悪魔に

一撃を入れる。当然悪魔は防いだが、さっきまでの様子はなかった。

 

「やはり来たか、能力者狩り(アビリティハンター)...アイエフ...」

「えぇ、来てあげたわ審判の悪魔。引導を渡してやるわ。」

 

その女性の雰囲気は、どことなく茜さんに似てると、僕は思った。

 




あいちゃん登場!
超強化されてます。
コンパ?そのうち出てきますよ、忘れていなければ...

忘れていなければといえば昇化の設定、覚えてますでしょうか。
詳しくは女神化高校の回帰生へどうぞ。

次回、『第5話 その女、能力者狩りにつき。』

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