ネプテューヌさんの墜落した場所には、ダンジョンがあった。
何を言っているのかわからないけれども、安心してほしい。僕もわからない。
「見事に洞窟というか、ダンジョンというべきでしょうか...
ネプテューヌさん、重いですね。」
「白ちゃん!?女の子にそれは失礼だよ!?」
「私も女の子ですよ。」
白の毒はほんとに容赦ない。
だけど、その毒の照射は奇妙な生物の存在によって途切れた。
『ぬらー...』
「これは...スライムとイヌの混合種...?何ですかこれ、モンスター...?
茜さんはそんなの言ってなかったような...」
「それでも倒した方がいいよね?」
「多分そうでしょう...ネプテューヌさん、お手並み拝見です。」
白は後ろに下がる。僕もまた白の近くに下がる。
「え、えー...まぁいいけど。」
ネプテューヌさんは茜さんからもらった剣、映影を構える。
『ぬらー』
「でやぁぁ!」
ネプテューヌさんの太刀一閃。
スライムのような生物は消滅した。
「ふー、結局あれなんだったの?モンスター?」
ネプテューヌさんは何も無かったかのように僕たちの所へ。
確かにネプテューヌさんには何も無かった。
問題があったのは僕たちの方だ。
「さぁ、多分そうなんじゃないでs「きゃぁぁぁぁっ!?」白っ!?」
「え、ちょ、何事!?」
そう、下がっていた白に別の、しかも大型のモンスターが白を捕らえたのだ。
「まずい..."あの惨状"の二の舞は御免だ...」
脳裏に蘇るのは昔の記憶。白の暴走...
あれをもしやってしまったら、このダンジョンが崩壊してしまう...!
「白ちゃんを、離せぇぇ!!」
『ネプテューヌさんの攻撃』
ネプテューヌさんは果敢にも映影で斬りかかる。
『しかし、効果は無いようです。』
僕以外にナレーションをするのは誰だ...
『すいません、黒さん、つい。』
「つい。じゃないでしょう!白が!」
「それにあれめっちゃ固いよ!太刀打ち出来ないって!」
『落ち着いてください、二人とも。黒さんはともかく、
ネプテューヌさんは女神化できるはずです...』
「女神化...?なにそれおいしいの?」
「ボケてる場合ですか、ええい、出来るならしてください!」
「出来ないって!そもそもわたし記憶喪失だよ!?」
そうだった、全く頼りになるのかならないのかよくわからない人だ。
『それでは仕方ありません。私が一度だけネプテューヌさんの
力を引き出します。それで感覚を掴んでください。』
「わかった。いつでもいいよ!」
『ネプテューヌさん、あなたに、力を...』
瞬間、ネプテューヌさんは光に包まれる。
僕のブレスレット、転生鎧装もまた、少しの輝きを見せた。
「これが...わたし...?」
輝きが無くなると、前には美しい女性が浮いていた。
そう、浮いていたのだ。
「凄い...体中から力が溢れてくる...これなら...!」
その女性は持っていた太刀を一閃し、一瞬にして白を救出、
そのモンスターもぼろぼろのぼこぼこにした。
「ま、ざっとこんなものね。」
そしてその女性は僕たちのところへ。
「白ちゃん、大丈夫だった?ケガとかない?」
その人はちゃんと白を心配している。名前を知っているということは...
もしや、けど、そう考えないとおかしい。
その事を口に出そうとしたら、
「...誰ですか、貴女は。」
そこには平常運転の白がいた。
次回、『第4話 悪魔との邂逅』
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