女神世界の新生世代   作:Feldelt

38 / 38
16日投稿できなかったのはテストのせいです。お許しを。


第33話 裁き(後編)

「ほう...光...君はあの虚夜時雨の妹であったか...全く奇縁だ...さぞかし憎いであろうな...」

「そうだね悪魔...君が姉さんを倒したと聞いた時は驚いたよ...君もだよ仙道茜...姉さんの弟子というその事実...私の敵としては十分すぎるねぇ!だから邪魔しないでよ、黒の女神さん!」

「ぐっ...何これ...!?私が力負けなんて...!」

 

何がどうなっているかわからない。これが僕と白の見解だ。ただでさえトンデモスペックが三人いるんだ、無理もない。女神様相手に力押しが使えたり、一歩も退かずに共闘できたり、挙句二人の女神様相手に単騎で圧倒するような人間がいる戦場だ。僕たち子供ではどうすることもできそうにない。

 

「黒!白!ボサっとしてんじゃねぇ!まだキラーマシンは動いてるぞ!」

『...!』

 

それだけで意識は戦闘中のそれに戻る。

そうだ。敵は三体、こっちは7人。二倍以上の戦力差じゃないか。

 

「とはいえ...!この出力は...!」

「からくりがあるよね...!」

 

そう、確かに戦力差はある。だけどその戦力差をもってしてもなお押し切れない。

 

「どうしてこう、化け物揃いかな...!」

「いいねぇその余裕の無くなっている表情...茜ちゃん...私はあんたが大っ嫌いだよ!」

「ぐぅ...!」

 

茜さんが光さん(だったよね)に吹き飛ばされる。援護に行きたいけどキラーツヴァイが邪魔をする。そして、光さんが大技を放つ準備をする。

 

「茜ちゃん!」

「茜!」

「よそ見など...まだ余裕のようだな...!」

 

ネプテューヌさんとベールさんも父さんに圧倒されて茜さんを助けにいけない。

 

「させないわよ!」

「行かせるものかよ!」

 

ノワールさんと母さんがどうにか間に割って入ったけれども、

 

「だから、邪魔しないでっての!」

『んなっ...!?』

 

強行突破されてまっすぐ茜さんのところへ向かわれてしまう。もう茜さん本人の力でしかなんとかできないはずだった。

 

「だからね茜ちゃん...君が一番見たくないものを見せてあげるよ...」

 

鎌を一振りして、雪山に紅い液体がこぼれる。

 

「がふっ...やはりか光...」

「そうだよ悪魔...あは、いいねその引きつった顔...絶望に彩られていくその顔...いいよね...自分の大切な人が目の前で傷つけられる様なんて...見たくもないもの見せられて私は満足だよ...!」

 

そう、光さんは茜さんではなく、その後ろにいた悪魔の胴を切り裂いたのであった。

 

「えー君...?」

「嘘だろ...おい影!しっかりしろ!」

「父さん!?」

「どうして...!?」

 

反応は多種多様ではあったけど、共通して言えることはこうだ。

 

全員に隙ができた。そしてその隙を突かないキラーマシンなど存在しない。

 

「しまった...!」

 

キラーツヴァイのテールブレードが僕を打つ。間一髪で防げて良かった...

 

「ふふふ、落し物だよ少年。これは私がもらって行くよ。キラーツヴァイ、煙幕。」

「落し物...って、鍵の欠片!?...返せ!それは...!」

「イストワールの封印を解除するアイテム。これでようやく姉さんの世界再編を成就できる...じゃあね皆...作り変えられた世界で私を倒しに来てよ...」

 

『待ちなさい!』

 

キラーツヴァイの煙幕のせいでもうどこにいるのかわからない。だけど、僕にはある種の確信が何故か頭を支配していた。

 

「世界再編...」

 

それは、とっても嫌なものだと。

 

 

───────

 

 

女神による審判の悪魔の裁きは終わった。

同日、世界の終わりと新しい世界の始まりを齎す一筋の光の柱がイオサンドから放たれた。

 

 

それは流星のごとくと言うべきか。

願いを叶える一筋の光。

 

 

やがて光は全てを包み飲み込み、そこに一つの結果を連れてきた。

 

 

『さぁ、始めようか世界再編...6年も候補生達のシェアエナジーに干渉し続けたんだからね...凍月影...絶望をあなたに。』

 

 

 

そして世界は、新しい枠組みを装着することになった。だがそれはまた、少し後に綴られるであろう。言えることはただひとつ。

 

その枠に、凍月影なんて存在は存在しなくなった。

 

いずれ新しい世界で新しい物語が綴られる。

 

 

───────

 

 

「結局審判の悪魔を名乗ったのは必要悪の具現化だったんだねー、人間なんて性悪の上に成り立ってるんだから。その性悪よりもさらに大きな悪意で世をコントロールする。面白かったよ。けど...やっぱり一番面白いのは...人間の自堕落による理由ない悪意でどんどん全てが崩れ去っていくさまだよね...」

 

光の手には今までの世界には無かったものがある。その名はマジェコン。

 

「ようこそ、私の世界。」

 

 

果たして親を求めた幼子の戦いに意味はあったのか、審判の悪魔の悪行に意味はあったのか。その答えなど、誰も知らない。

 

誰も知らないまま、そっとこの物語は終幕を迎えたのだ。前触れもなく、唐突に。

 

 

 

 

 




なんか打ち切りじみてないかこれ。

いや、続き書きますよ。

タイトル未定なのでアレですがだんだん多忙になっていくため次回作はちょっと先の方です。

それでは、ここまでお付き合いありがとうございました!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。