銀髪スタンド使いの転生者はSAOの世界で第二の人生を過ごす   作:(´鋼`)

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この親子は読心術使い

『翌日 エギルの店』

~和人side~

 

「「………………」」

 

「2人共!!痛い痛い痛い痛い痛い!!!わ、悪かったからこの拘束解いて!!ちょ、詩乃!!締め付けの力強まってない!?」

 

「知らない」

 

「えっ?………ちょまっ!!!腕痛い!!痛いから!!それと木綿季、首!!首!!絞めてる絞めてる!!」

 

「……お兄ちゃんのバーカ」

 

「……グボォ!!!」

 

「何の茶番だよ、これ?」

 

「ただの愛情表現ですよ、和人君」

 

 

 こんなんが愛情表現と言えるのか?という無粋な考えはよしとして。昨日の夜に行われたイベントで色々と驚かされるわ、何で銀将さんがこんなゴミ溜めに居るのか?

 

 

「アンティーク家具が渋くて良いじゃないですか。まぁ分からない人は分からないのでどうでも良いですが」

 

「また心読まないでくれます?」

 

「アンタ……中々分かってるじゃねぇか」

 

「それはどうも。あ、珈琲のお代わりお願いします」

 

「OK。あっと、この珈琲代はチャラにしとくぜ」

 

 

 何か大人の会話が成り立っていた。俺子どもだからワカンナイデス。それでもまだ続いてる詩乃と木綿季の絞めつけ攻撃、継続ダメージで120/5秒といったところか。

 

 

「いや和人!!普通に解説すんじゃねぇよ!!」

 

「お前ら親子は読心術使いすぎだわ!!」

 

 

 そんな言い合いの途中、銀将さんが椅子から立ち上がり銀の元まで歩んだ。それと同時にそそくさと詩乃と木綿季も離れ、銀の顔はひきつっていた。

 

 コツンッ。という音とは不似合いに地面に垂直に突き刺さる銀。これは流石のエギルでも開いた口が塞がらない。俺たちは幼い頃何度も見てきた光景だったので慣れてしまった。

 

 その後平気で地面から抜け出す銀。その穴を幽波紋で直すという光景も、最早慣れてしまう。エギルは最早何も言えなかった。

 

 

「あー久々に食らった気がする」

 

「それもそうですよ銀先。何せ叩いたの2年ぶりなんですから」

 

「あー……そんだけ経ってたのか、すっかり忘れてらぁ。石頭は健在だがよ」

 

「それ食らったら元もこも無くなりそうだ」

 

「あのなぁ和人、親父の拳何度も受けてみ?自然と石頭確定だからよ」

 

「親父さん俺たちに危害加えないだろ」

 

「それもそうか」

 

「お前ら何なんだ!?」

 

 

 こんなあっけらかんとした談笑、これはこの家族と関わってきた俺たちだからこそ理解できる物である。というか、こんな家族見たことねぇからガキの頃の考えだと『普通』っていう単語しか出てこなかった可笑しい思い出が存在している。

 

 しかしまぁ……

 

 

「銀と銀将さん、何でモンスターになってた?」

 

「そりゃあ俺が頼んだからだよ。面白そうだから」

 

 

 この発言で銀の体にもう一度力強く抱き締める詩乃と木綿季。また悲痛の声を挙げる銀と、それを暖かく見守る銀将さん。何時から見ていたのかドアの所で立ち止まっている明日奈………うん?明日奈?

 

 ドアの方向を見ると、私服姿の明日奈が立ち止まっていた。この光景を見ていて固まってしまったのか?となれば最初から見ていたのか。

 

 明日奈の元に近付き肩を叩く。

 

 

「おい明日奈」

 

「うあぁぁ!!キ……じゃなかった。和人君!?」

 

「質問、何時から見ていた?正直に答えなさい」

 

「……最初からです」

 

 

 銀将さんたちの方を見る。銀将さんは明日奈に笑顔を向けており、まだ銀は絞めつけられているが明日奈に挨拶。同じく詩乃と木綿季も挨拶をした。

 

 一旦このカオス状況を治めるべく時間を置いて本題に移す事にしよう。

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

『10分後』

 

「あー痛て。腕と首が真面目に痛い」

 

「「………ごめん」」

 

「んまぁ気にしてないから良いけどよ」

 

 

 腕を掻いたり、首の骨をポキポキいわせてる銀。それらの行為が終わると溜め息をつき、喋り出す。

 

 

「はてさて、全プレイヤーの疑問である『俺たち2人がモンスター』という事だけどな。実を言うと……」

 

 

 

 

 

 

 

~回想 2026年2月21日 東都工業大学~

 

「はっ?俺のイベントすか?」

 

「そう。何せSAO事件を生き延び、ALOでの七色博士へのあの行動。中々常識に捕らわれない考えをしていると私は考えていたのだよ」

 

「あー……七色のはあれっす。ムカついた時は全力で何かしらするってヤツです」

 

「そう、普通なら考えもつかない行動を君はやってのけた。そこで考えた、この常識破りをオーディナル・スケールでも使えないかと。そこで出てきた案が」

 

「俺のイベント。俺がモンスターのイベントと」

 

「そう!!そこでプレイヤーたちがどの様に対抗するのか見てみたくてね、特に君の仲間たちのね」

 

「おいおい勘弁してくれ、俺は何もそんn「ここに2人1組グアム行きチケット2枚がある」やらせていただきます!!」

 

 

 

 

 

~回想終了~

 

 

 

 

 

「……んで、確実性を上げる為に親父も連れてきたって訳」

 

「テメエの欲望丸出しじゃねぇかぁ!!」

 

 

 何を考えてモンスターになってたかと思えば自分の欲望優先かよぉぉ!!何でグアム行きのチケットの為に態々モンスターになるんだよ!?つーか、それ絶対家族で行くつもりだったよな!?詩乃とイチャイチャしたいから承諾したんだよな絶対!!

 

 

「Yes, I am!!!」

 

「お前は読心術を日常的に使うな!!」

 

「そ、総督が……読心術を使えるなんて……」

 

「明日奈、そこじゃないから」

 

 

 読心術を使った銀に対して驚愕の事実を突き付けられた時の表情をする明日奈。銀との距離を限界ギリギリまで体を近付けている詩乃。銀の肩を使ってピョンピョン跳ねている木綿季。それを微笑ましく見ているエギルと銀将さん。

 

 そして理解したことを1つ。

 

 俺たちは銀の欲望の礎にされた事だ。この恨み晴らされでおくべきかッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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