銀髪スタンド使いの転生者はSAOの世界で第二の人生を過ごす 作:(´鋼`)
『一方その頃』
~キリトside~
「「「うああぁあ"ぁぁ"ああ"!!!」」」
3人
「「「「イェア"ア"ア"ア"!!!!」」」」
4人
と、こんな感じで俺たちプレイヤーを薙ぎ倒しているのは………
「………つまらん!!!」
同じプレイヤー……だった筈の幼馴染み兼お隣さんの銀。もといシヴァである。
何故銀/シヴァがプレイヤーを薙ぎ倒しているのかというと……実はプレイヤーではなくモンスターなのだ。恐らく今回だけだと思うが。誰のイタズラなのか、俺たちに銀/シヴァという最難関の壁を設けられた。
何が言いたいかって?簡単な事だ。『普通に勝てる自信が無い』と言い切れる。……といっても前まではそんな考えだっただろう。前までは。
「お姉ちゃん、牽制お願い!!アスナ、キリト!!ボクと連携お願い!!」
ここに小さなシヴァ/司令官プレイヤーが1人。
あの銀/シヴァの妹なのだ。ある意味近くで見てきた家族、つまりは銀の活躍を誰よりも喜び、誰よりも多くのものを見て得てきた。そんなユウキだからこそ出来る芸当。
俺も指示する事は出来るが……男が指示するよりも可愛い子が指示する方が士気が上がるのは必然。
先ずは牽制としてシノンの狙撃。【アドバンサー】での正確無比の狙撃は銀の側頭部向かって放たれる。
肝心の銀は別プレイヤーを斬って斬って斬りまくっていた。向かわないプレイヤーに自ら近付き、1人1人のHPを全損させている。その光景は『地獄絵図』の一言冥利に尽きるだろう。
シノンの狙撃に気付いたのか、シヴァは持っていた刀を素早く移動させ刃の部分で斬りつける。
その隙に俺、ユウキ、アスナがスイッチを入れつつシヴァに攻撃を仕掛ける。
だが、こんなんでやられる程銀は甘くはない。
放たれる俺たちの攻撃1つ1つを的確に避ける。ユウキの攻撃は左に避けた後、手首を掴んでいなす。それによりユウキのバランスが崩れる。
アスナの細剣での攻撃は、親父さん譲りの素早さを生かし全ての剣撃から逃れる。その後は刀でアスナの背中を斬る。
俺は教わっていた剣術を生かし、突きのフェイントからの右斜め上への斬りつけ。しかしそれもシヴァが2歩下がるだけで避けられる。
一方のシヴァは避けたり後、俺に攻撃。ダメージとして2割程削られる。さらに、残っているシリカやリズ、フィリアたちに攻撃を仕掛けようとする。
それをさせんとばかりに別のプレイヤーが割って入る。
しかしそれはシヴァが割って入った別のプレイヤーの肩を踏み、逆に壁代わりにして加速させ斬る。
リズ、シリカ、フィリアに攻撃が当たり、その後別のプレイヤーを連続で斬る。そのプレイヤーはHP全損で消える。
しかし、こんな時でも冷静にチームワークが取れているギルドが1つ。
「タンク、頼んだ!!」
「あいよ!!」
ギルド【風林火山】のメンツだ。先にタンクの1人が楯でのチャージアタックを仕掛ける。そんな事はお構いなしにシヴァは楯の下に瞬時に潜り込み、ALOやSAOのSSの1つを使う。
片手剣SS【バーチカル・スクエア】。刀で片手剣のSSを放ち、タンクのHPを削る。突然のSSの再現は俺も連撃数が少ないヤツであれば再現位は出来る。だが、アイツは……
こんな考えの中、今度はシヴァの背後、右、左方向から風林火山のメンツ5人が一斉に襲ってくる。しかし銀は至って冷静であり、笑みを浮かべていた。
刀SS【羅生門】。これには驚く。何の補助もなく、システムアシストなんのその。普通に13連撃の技を難なくやり遂げた。それによって驚愕の表情をする風林火山のメンツ。タンクの1人は弾かれ、他のクラインを含む4人はダメージを受ける。
シヴァはSSの再現中に移動し攻撃を逃れていた。
シヴァは刀を肩に担ぎ、溜め息をついた後言葉を綴る。
「お前らなぁ……んなんで俺が倒せるとでも思ってんの?馬鹿正直にも程ってもんがあるだろ、普通よ。言ったろ?俺たちを倒すなら、『俺たちを殺す気で行け』って。そんなんじゃあ俺にも、あの俺の化け物親父には到底敵いっこねぇよ」
シヴァは肩に担がれている刀を持って数回その場で振り回し、呆れた表情をしていた。その表情は飽きに訪れる『冷静さ』そのもの。誰しも見たことのないシヴァの表情に、皆目を見開いたままであった。その表情は飽きから生まれる『冷静さ』の表情。
銀はあの時のALOで使ったOSSの構えをとる。モンスターの扱いなのか、銀色のエフェクトではなく赤いエフェクトが施されていた。
20連撃再現OSS【銀魂】
その赤いエフェクトは俺たちを包み込む程の膨大な光を放っていた。
シヴァが突き進むと約5割のプレイヤーがHP全損。このままでは全員お陀仏だな。
そんな時でもユウキはシヴァに突き進む。そして放った、自らのOSSを再現して。
11連撃再現OSS【マザーズ・ロザリオ】
放たれる11連撃の突きはシヴァの回数より少ない。それでも助かる可能性のある方法がこれだ。11連撃で捨て身のダメージを与えること。
そして、これには俺たちのチャンスもあった。今の内に背後から攻撃出来れば……そう考えて、先にシノンが背中を狙い撃った。
しかしそれもシヴァには通用しないかの様に避けられ、ユウキにエネルギー弾が衝突する。此方も応戦をしたが、瞬殺。あまりにも速すぎた。
そして、後に残ったのはモンスターである坂倉親子とユナのみとなった。