銀髪スタンド使いの転生者はSAOの世界で第二の人生を過ごす 作:(´鋼`)
『ALO 空都ライン 転移門前』
『ここは通さんぞ!!』
「「「どうしてこうなった?」」」
色々と吹っ切れて、レインの事を思い出してまたALOにログインして転移門に行ってみれば……たぶんクラスタだろうな。クラスタ総勢で転移門を邪魔していた。
この程度の肉壁はアバターチェンジシステムと、あの番傘があれば十二分に対応出来るが、流石にこれ以上事を荒立てるのは面倒だ。後一応俺領主なんだけど。
「ちょっと!!何でボクたちは通してくれないのさ!?」
「そこのウンディーネに言えや!!俺たちのセブンちゃんを傷付けやがって!!」
『そうだそうだ!!!』
「面倒ね……こうも狂信的だと気持ち悪いわ」
ごもっともだ。このままkaimuにアバターチェンジと番傘ジェネレートで吹っ飛ばそうかね?……っと、考えていると後ろから弓矢が飛んできた。
その弓矢は転移門に続くクラスタの集団を吹き飛ばし、転移門への道を切り開いた。後ろを見れば……領主様御一行-俺抜き-が横一列に並んでいた。
「やっほーシヴァ!!」
「戻ってきてくれたんダネ、良かっタ良かっタ」
「ったく、何で俺まで……?」
「ノリノリだったのドミナじゃん」
「お前ら!!何でここに!?」
「そりゃあ勿論」
「キリト君やリーファたちに頼まれてな。君のお手伝いという訳さ」
俺たちの前に走って来ると、クラスタを相手する様に挑発を仕掛ける。
「つー訳でだ。このバカを倒したいなら、俺たちを倒してから殺りな。テメエらの好きにさせる訳にはいかねえよ」
ドミナが【エルダ・トライデント】を装備し、クラスタに構える。それに続くかの様に他の領主も武器を構える。
「でも、ここだとダメージは入らないからさ。一気に方をつけたいからフィールドに出て相手しない?」
突如ガルロックが俺とユウキを、ビーバックがシノンを掴んで転移門に投げる。転移門に着いた俺たちは『ニーベルハイム』へと向かった。
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「んなっ!?き、貴様らぁ!!何て事をしてくれたぁ!!?」
「知るかよ!!それより!!」
残された全領主は転移門へと一斉に駆け出し、到着すると『ニーベルハイム』に転移する。それに続くかの様にクラスタのメンバーが転移門で『ニーベルハイム』に転移する。
転移門の先に待っていたのは、やはり領主。その後方約120m程にはシヴァたちが素早く移動していた。
1人のプレイヤーが前足を出したと同時に、魔法【ライトニング・アロー】がプレイヤーの足元に着弾する。
その魔法で全てのクラスタメンバーが武器を取り、魔法の準備をする。対し領主も武器を構える。この領主たちの中にはプロトレジェンダリーウェポンが装備されている者も居た。
ナックル【バオペエ】/使用者 ビーバック
槍【エルダ・トライデント】/使用者 ドミナ
弓【フォルト・アルテミス】/使用者 エイド
片手棍【神槌ニョルニル】/使用者 ガルロック
さらに、レジェンダリーウェポンではなくとも強い武器が装備されている者も居る。
短剣【隠忌刃スクレープ】/使用者 アリシャ・ルー
両手斧【ソウル・リムーバー】/使用者 フォルティ
刀【カゴツルベサトノエイザメ】/使用者 サクヤ
片手棍【グリダヴォル】/使用者 モーティマー
この化け物レベルの領主たちと戦う事は、死を意味する事と同じである。
「さぁ、こっからはバイキング形式でたらふく食わせもらうぜ」
ドミナが槍を片手で持ち、クラスタに向ける。
「テメエらの幻想をよ」
瞬間、彼らはクラスタに向かい足止めを開始した。
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『ニーベルハイム2階』
~シヴァside~
俺たちはこのダンジョンを駆け巡っている。フレンド登録での位置提供を確認しつつ、俺たちはキリトたちの元へと駆ける。
「居た!!キリト!!」
「んぉ?……って、シヴァ!!戻ってきてくれたんだな!!」
「あぁ、ユウキとシノンのお陰でな。……それより、こんな所で立ち止まって何をしていたんだ?」
「………レイン」
キリトが優しくレインに問いかける。レインは首を横に振った。それを見て、キリトたちは驚いた。
「シヴァさんは……とっくに気付いていたの。あたしとセブンが姉妹って事を」
「んなっ!?」
『ええ!?』
「レイン……話したのか」
「うん……もう隠せなくてね」
「そうか……」
「シヴァ、一体どういう事!?レインが……セブンと姉妹だなんて!!」
急にシノンが声を荒げて俺に問う。俺はシノンを少し落ち着かせた後ゆっくりと話した。
「先ずレインとセブンが似ていた点。『プリヴィエート』『ダスヴィダーニャ』……これらは全てロシア語であること。それを同じ様に使うプレイヤーが果たして居るのかと考えてよ」
「でも、それじゃあ単にロシア語を使うプレイヤーって思うでしょ?」
「もう1つの点。それは雰囲気」
「ふ、雰囲気?何でこの仮想世界に雰囲気って曖昧な物が出てくるのよ?」
「何故かだが、俺にはセブンとレインが似たような感覚を持っていたって事。これは俺の直感だったがよ」
「……もはや掛ける言葉が見つからねぇ」
「人外なら人外とハッキリ言いやがれ野武士」
「野武士じゃねぇって!!」
俺はある程度の話をした後、このメンバーでダンジョンを巡る。……そういや、アイツらは大丈夫……だな。大丈夫だ。うん間違いない。
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「あぁ~ん!!」
「いや~ん!!」
「うひゅ~ん!!」
フォルティが連続で縦に整列している女性プレイヤーを斬っていく。その影響か、女性プレイヤーは変な声を出しながら倒れていく。
「次は私よ!!」
「その次は私!!」
「その次は私よ!!」
「アンタら何をやっとんのじゃあぁぁ!!?」
「どうせ殺られるなら、あの可愛い領主様に斬られて昇天したいじゃなぁ~い!!」
「いや、これどう考えても自殺志願者にしか見えないんだけど!?というか何!?他の領主は私たちを相手取らない様に立ち回ってるのに何であのプーカの領主だけ思いっきり斬ってんのよ!?」
「下がりなさい!!」
「アケチ!?」
「あの太刀筋、見覚えがあるわ。一子相伝で伝えられるという究極の暗殺術【武離威千】!!」
「何か聞いたことあるぅ!!」
「まさか、こんな所で私の天敵に会うなんてね」
そのアケチと呼ばれた女性プレイヤーは両手剣を持ち、自身の前で円を描く様に両手剣を回す。
「!?その構えはまさか!?」
「誤算だったわね。そう、私が【武離威千】と対を成す一子相伝の撃滅剣【似瀬柧威】の伝承者……剣王アケチよ!!」
「いやすいません知りません」スバシュ!!
「アケチィィィ!!!」
「ふっ……最後に、このアケチという名を斬ってくれるなんて……我が生涯に一片の名無し!!」
「いや思いっきりあるわよ!!名前がHPバーの下に思いっきりあるわよ!!」
「あら?ホントだわ?」
「あのさぁ、死んだ振りしてくれない?」
「「???」」
「流石に殺すのは惜しいからね♪」
フォルティは鎌の外側を指でトントンと叩いて、『ここで攻撃したよ』と示す。
瞬間、フォルティの周りには女性プレイヤーの黄色い声が響いた。
「流石領主様!!アタシたちを倒さない様に一芝居うってくれたのね!!アタシ、貴方の行為ならどんな事にも耐えていけるわ!!お願い!!アタシを苛めt!!」
その直後、サクヤがアケチのケツを蹴り空高くへと昇天させる。
「フォルティ、何をしている」
「えー、女の人斬るのは流石に抵抗あるよー」
「そうじゃなくてだな」
「えっ?うわわっ!!?」
突然フォルティの顔はサクヤの胸に埋められ、フォルティは息が出来ない状況にあった。それを見ていた他の女性プレイヤーは唖然としていた。
「さぁ早く終わらせるぞ」
「フガフガモゴゴォ!!!」
「……くすぐったいぞ、フォルティ」
この時、女性プレイヤーの嫉妬の念が一気にサクヤに集まったという。