銀髪スタンド使いの転生者はSAOの世界で第二の人生を過ごす   作:(´鋼`)

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銀色の逆鱗には触れるべからず

『あれから1日経ち 裏世界ニーベルハイム最終ダンジョンにて』

~キリトside~

 

俺たちは現在、新たに解放された裏世界であるニーベルハイムの最終ダンジョンへと足を運んでいる。理由は言わずもがな、シャムロックに追い付く為である。……えっ、急展開過ぎる?ナンノコトヤラ?

 

 

 

 

それよりも……この階層の最終部屋。ここに入った途端、目を疑う光景が広がっていた。

 

先に来ていたシャムロックのメンバーらしき炎【エンドフレイム】が多く点在していたのだ。その中の1人のプレイヤーはまだアバターを保ったままの状態で居た。

 

そのプレイヤーに回復をしようとするシヴァとアスナの行動をレインが止める。「もう手遅れだよ」と。

 

その瞬間、目の前のプレイヤーがエンドフレイムへと成り果てる。同時にシヴァがパーティーを解除し、そのエンドフレイムに駆けつけ蘇生魔法を唱える。

 

長年付き添っていた俺たち11人と情報屋のアルゴ以外は、その異端ともとれる行動に驚いていた。

 

理由は簡単『理解できない』からだ。第一にシャムロックという一応敵対しているギルドの、しかも別種族のプレイヤーを助けるなど前例に無いからだ。

 

復活したプレイヤーは本来の姿を取り戻す。それと同時にまた別のエンドフレイムへと蘇生魔法を使用する。

 

 

「………行ってくる」

 

「あぁ」

 

 

アスナもシヴァに続く様にエンドフレイムに蘇生魔法を使用する。シヴァに続きアスナも異端ともとれる行動に、含俺たち12人以外-復活したプレイヤーを含む-は驚いていた。

 

しかし、その行動に意義を唱える者も居る。いや、殆どが意義を唱えるだろう。最初に意義を唱えたのは……『レイン』であった。

 

 

「な、何で……!?何で助けちゃうの!?そんな事しても魔力の無駄遣いだよ!?」

 

 

そう、勿論魔力切れも起きる。その時はポーチから魔力回復アイテムを取り出して飲み干し、また蘇生魔法をエンドフレイムにかける。その行動を繰り返していた。

 

次に意義を唱えたのが……エイドであった。

 

 

「あんな行い、普通ならしない。だってさっきもレインが言った通り、魔力の無駄遣いだし。何より、敵対しているギルドのメンバーを救って何になるというんだ?」

 

 

そう……この行いは他者から見れば『無駄な行為』として認識される。結果、後4人の所で残りのエンドフレイムは消え去った。それを見たシヴァは膝から崩れ落ちた。

 

 

「!?……シヴァ!!」

 

「お兄ちゃん!!」

 

 

シノンとユウキがシヴァの元へと駆け寄り、俺はアスナの元へと駆け寄る。しかしアスナはそのままシヴァの方へと向かい、結果として俺もシヴァの方に向かう。

 

その時シヴァは……握り拳を震わせていた。

 

そして、俺たちはシヴァが傷心のままボスとの戦闘に行く。

 

 

 

 

ボスとの戦いは通常通りに勝てた。やはり大きいのは領主のギルド加入だろう。しかしシヴァだけは、ボスと戦っていても何処か上の空だった。

 

ボスを倒した後、この部屋の奥の扉が開かれる。そこに居たのは……『セブン』と『スメラギ』であった。

 

 

「はぁ……はぁ……あっ………セブン?」

 

「ようやく来たね、キリト君!!それにアスナちゃんにリーファちゃん!!レインも!!」

 

 

その少女は俺たちを祝福するかの様な笑顔で出迎えた。しかし、これに相反する者も居た。

 

 

「君たちすごいねぇ~!!たったそれだけの人数でここまで辿り着くなんて!!」

 

「待っていたぞ、キリト」

 

「待っていた?どういう意味だ?それにプレイヤーとしては弱いセブンをどうしてここに連れてきてるんだ?」

 

 

俺の問いに答えたのは、やはりスメラギ。この間でもアイツの怒りは治まっていない。

 

 

「この攻略だけは、セブンが来なくてはならない。それだけだ」

 

「あたしも本当は恐いんだけど、何せALOで行いたかった実験の最終段階だからねー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

刹那、アイツが飛び出した。一瞬、横目で見えた表情は………誰かを殺す目と同じく【殺意】の固まりがセブンに突っ込んでくる。

 

シヴァは壊無を装備し、セブンの体を吹き飛ばす。

 

吹き飛ばされたセブンは壁にぶつかるまで飛ばされ、それを見た俺たちを含むプレイヤーは突然の出来事で理解が追い付かなくなる。

 

 

「!!?総督!?」

 

「!?貴様ァァ!!」

 

 

スメラギが抜刀し、シヴァに攻撃を加えようとする。

 

しかし、シヴァはスメラギに視線を向けると同時に左手に【神刀フツノミタマ】を装備しスメラギに反撃を入れる。

 

スメラギも対処できるのは防御のみなので防御をしたが、此方は地面に2回程バウンドした後セブンに駆けつけ楯の如く守っていた。

 

チラリと見えたが、アイツの目の瞳孔が極限まで狭まっていた。その表情のままスメラギに突っ込み刀と刀による火花が飛ぶ。

 

 

「ッ!!……調子に乗るなぁ!!!」

 

 

シヴァの刀をいなし、スメラギはシヴァの腹に刀を刺しこむ。しかしシヴァは刺しこまれた刀を気にする事もなく、逆にスメラギの頭に刀を刺し走り出す。さらに壁に衝突したと同時に壁から煙が発生する。

 

スメラギはエンドフレイムへと成り果て、シヴァは肩で息をしていた。

 

そして、シヴァはセブンを見る。セブンの元に走りだそうとしていた為、ノーチラスと俺、シノンとユウキでシヴァを止め、アスナにセブンの保護を頼んだ。

 

一旦シヴァを落ち着かせた後、俺たちは空都ラインにあるエギルの店に集まることにした。

 

 

 

 

 

 

 

転移結晶を使った際に見えたシヴァの背中は、まだ【あれ】が背負られている様にも感じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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