銀髪スタンド使いの転生者はSAOの世界で第二の人生を過ごす   作:(´鋼`)

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領主の2つ名=キチガイの証

『砂丘峡谷ヴェルクンデ フレック遺跡』

 

 

「ノーチラスさんは魔法での牽制を、クラインさんは向かってくるMobを斬り捨ててください。ユナさんは攻撃力UPのバフお願いします」

 

「分かったぜ!!」

 

「「分かった!!」」

 

「フォルティ、アリシャ。準備」

 

「オッケー」

 

「はーい!!」

 

 

この時、3体の敵Mob……全て『Spartoi』だが鬼畜パーティーに向かっていっている。

 

先ず、ユナの歌で攻撃力UPのバフをかけた後ノーチラスの魔法【フレイム・ブラスト】で敵Mobにダメージを与え、クラインは刀SS【朧月夜】で広範囲に攻撃しダメージを蓄積させる。

 

その間にフォルティは鎌である【ヘッド・リムーバー】を、アリシャは短剣である【ブラハガング】を装備し駆け抜ける。エイドは【フォルト・アルテミス】を装備し牽制でSS【ワイド・ショット】を放つ。

 

 

「「スイッチ!!」」

 

 

フォルティとアリシャの声が響き、それをクラインが聞きつけ後ろに下がる。

 

フォルティは豹変した性格のまま両手斧SS【ヴァイオレント・スパイク】で、アリシャは短剣SS【ファッドエッジ】で斬りつけパーティクルへと変える。

 

 

「だあぁぁ!!骨のねぇ奴等かよ!!」

 

「実際骨しか無いんだけどネ」

 

「アリシャさん上手い!!」

 

「「(上手いのか?)」」

 

「ノー君顔、顔」

 

 

ノーチラスとリーファの顔は顔の上半分が隠れる程、影がかかっていた。

 

 

「すいませんね御三方、フォルティは戦った感触が無いと何時もああなんです」

 

「いや、そっちじゃなくてですね」

 

「でしたら先程の寒いギャグの事ですか?あれは無いですよね」

 

「聞こえてんぞ!!」

 

「あれま、これは失礼」

 

 

悪びる様子も無く後頭部に手を当て丁寧に90度腰を曲げて平謝りするエイドを見て、クラインは少し機嫌を良くした。

 

 

「チョロい」

 

「あぁいうタイプの人間は単純ですからね」

 

「人の扱い方を熟知してた……」

 

「領主たる者、プレイヤーたちの士気を操るのは当然ですから」

 

「笑顔で言ってるから尚更怖いんですけど……」

 

「知りません」

 

 

笑顔のままボス部屋へと向かう闇妖精領主エイド。それに続いて残りの者たちもエイドに着いていく。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

「そういえばエイドさん、ドミナさんとビーバックさんと仲良いですよね。何でですか?」

 

 

不意にリーファに話しかけられたエイドは、後ろに振り向いたままボス部屋に歩き質問に答える。

 

 

「そりゃあ、腐れ縁。所謂幼馴染みですし」

 

「お、幼馴染み!?」

 

「えぇ。知りませんでした?結構ベラベラと喋ってましたけど」

 

「ぜ、全然」

 

「あれま、そうでしたか。では、この際ですし昔話でも「そういやよエイド」はい?」

 

 

途中で割って入ったクラインに話の話題を変えられる。普通にクラインの話に切り替えが出来る事から、極度の冷静さが見受けられる。

 

 

「何でお前は弓がメインなんだ?普通なら威力の高い武器とか、小回りが効く武器とか、そんな武器選ぶよな?」

 

「まぁ、それはそうですが……弓が自分にとっては扱いやすいのでね。何せ弓道やってますから」

 

「ほぇー、弓道か」

 

「でも、モンスターとかプレイヤーって動くから弓道はあまり……」

 

「えぇ、役には立ちませんでした。唯一役立てたのは『相手を狙い撃つ』という静かに煮えたぎる殺意が混じった集中力だけでした」

 

「「………」」

 

「まぁそれもあって領主になれましたし、弓でのソロも慣れましたし一石二鳥ですよ」

 

「「(ソロ弓)!?」」

 

 

ふと、エイドの足取りが止まる。少し先に居るフォルティの足取りも止まり、それに合わせて他の5人の足取りも止まる。

 

 

「エイドさん?……」

 

「……10、50………………いや、200ですね」

 

「に、200?」

 

「何が……200なんですか?」

 

「………にひひっ」

 

「アッ、これヤバイヤ。フォルティが笑ってル」

 

 

フォルティは先程のモンスターと戦った物とは別の鎌を装備し、エイドは弓を装備する。すると後方からプレイヤーが大多数現れる。分かるだけで50人程居たが、200人には程遠い。

 

 

「これぜ~んぶ、シャムロックの【クラスタ】かぁ……腕が鳴るねぇ」

 

「フォルティ、僕らは止めるだけだよ」

 

「殺して止める」

 

「……もう良いよ、何にも言わない」

 

「あ、あの~……エイドさん、フォルティさん?何をしてるんですかねぇ?」

 

 

そんなクライン/野武士面の言葉を聞き入れず「オイッ!!!」フォルティは鎌の柄を肩に乗せながら、エイドは5本の弓矢をセットした状態でシャムロックのクラスタの前に立ち塞がる。

 

 

「誰だお前ら!?」

 

「鉄○字団に恨みを持つ……………………地獄からの使者ス○イダーマッ!!!」

 

「ダアッ!!違う!!スパイ○ーマッ!!じゃなくて、そこは2つ名の方でしょフォルティ」

 

「あっ、ごっめ~ん。そうだね」

 

 

エイドに平謝りしたフォルティは再度シャムロックのクラスタに向き直り、口調を変えて話した。

 

 

「プーカ領主、『死神レイス』のフォルティ」

 

『!!!!!!!????』

 

「スプリガン領主、『冷酷狂乱の妖精』のエイド」

 

『!!!!!!????』

 

「「いざ、尋常につかまつる」」

 

 

弓と鎌を構え、シャムロックのクラスタに向けて宣戦布告とも取れる言葉を言い放つ。その背中はある種、シヴァの背中と似ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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