銀髪スタンド使いの転生者はSAOの世界で第二の人生を過ごす 作:(´鋼`)
『ヴォークリンデ』
「シノン!!サクヤ!!俺と共に遠距離から攻撃!!後の者はガルロックを筆頭に連続スイッチ!!」
「「「了解!!」」」
「りょ、了解……」
「さぁて、暴れるか!!」
草原が広がるヴォークリンデ。ここではシヴァの指揮を主軸にのVidoFnir相手をしている。私とシルフ領主のサクヤ、そしてシヴァが魔法で迎撃。
その後、ガルロック、フィリア、シリカ、レイン、エギルがSSを放つ。
フィリア、シリカ、エギル、レインは通常のSSを。ガルロックはOSSを放つ。
雷が片手棍を持つ右腕ごと纏われ、ガルロックはそれを投げる。雷は右腕と片手棍を繋ぐかの様に伸ばされている。
投げた片手棍がモンスターに衝突。その片手棍は落下していくが、繋がれた雷を利用し下から上へと腕を振るうと片手棍も同じ動きをする。つまりはモンスターに衝突する。
まるで鞭の様に振るわれるそれは上から下へと振り下ろされた後、その片手棍はガルロックの手に戻る。
ガルロックの持つ片手棍は伝説級武器の【神槌ニョルニル】という。
ニョルニルとは古ノルド語で『粉砕する者』と呼ばれ、思う存分打ちつけても壊れず、投げても的を外さず再び手に戻り、自在に大きさを変え携行できるというアース神族の一員である【トール】が扱う武器である。
トールは雷の神であると同時に北欧神話最強の戦神と呼ばれ、オーディーンと共に肩を並べる程の強さを持っていたそうだ。
その様子を見ていたシヴァは興味津々でガルロックを見ていた。
「ガルロックのOSSか。名前は聞いたことあるが、あんな感じなのか」
「名前は知ってるんだ」
「あぁ。ガルロックのOSS【豪胆なソー】だそうだ」
「性格と英語読みのトールを組み合わせただけじゃない」
「だがあの3連撃のOSS、どうも威力はバカにならないらしいぜ。ほら」
シヴァがモンスターを指差す。そのモンスターを見るとHPがまるまる一本分消えていた。
「……もうただの化け物じゃない。システムの域越えてるわよ」
「領主なんて大体そうだぞ」
「私の見る影ェ………」
「さて、此方もMPあれだし参加するか」
シヴァは【神刀フツノミタマ】と呼ばれる刀と壊無を装備する。即ち二刀流。この刀の二刀流はシヴァのみが扱う方法。刀使いは居るが、二刀流はシヴァ以外誰もしないだけだ。
さらに、溜め時間は必要だが-モンスターに向かう時に溜めると時間の無駄にはならない-二刀流で同時にSSを使うことができるシステム外スキル【スキルリンク】で、同時に刀SSの【残月】を放つ。因みにさっきのSSでシヴァのMPは全部消えた。
全速力でモンスターに接近し、縦回転をしたまま3連撃。
「スイッチ!!」
「あいよ!!」
バク転の要領で後ろに居るガルロックと交代し、【パワー・ストライク】で頭を狙いスタンを取る。最後は各々がSSを放ち、モンスターがパーティクルとなる。
モンスターの討伐が終わり、アイテムをゲットしたところで翅を広げモンスターがポップしない上空で飛ぶ。
その途中、シヴァとレインが何かを話していた。そして、レインの頭にシヴァの手が……………
シヴァとレインを見ていると、シヴァが此方に近付いてき隣に並んで並走する。
「シノン」
「……何?」
「何か不機嫌だねぇ、何かあった?」
「別にぃ」
「ふぅん……そうかぁ………」
ふと、シヴァが空中で停止した。何故止まったのかが分からず、シヴァを見る為止まって後ろを向く。
シヴァの顔はニコニコと笑顔を向け、こちらを見続けていた。
シヴァの腕が此方に向けて伸ばされ、此方を誘惑してくるかの様に見える。この行動だけで理性の半分が持っていかれる。
「……何してんの?」
「ん~?♪」
未だに笑顔のまま此方を誘惑してくるかの様に、その姿勢を取り続けているシヴァ。さらには知らないふりをしているのか、可愛く首を傾げる。
「……行くわね」
このままでは理性がドンドン削られ可笑しくなりそうだったので転移門に戻ろうとする。
「シ~ノ~ン~♪」
嗚呼、この声だけで理性の9割削られる。今度はゆっくりとシヴァの方を見る。シヴァはまだあの体勢のままである。
「………何?」
このままでは理性が失われシヴァに抱きつきたくなりそうなので少し落ち着いて言葉を発する。しかし今度は
「シノン、何かさっきから不機嫌だよ?……もしかしてだけど嫉妬してた?」
私の心境がバレてた。ただこのままでは恥ずかしいので転移門へと駆けようとする。
「シノン!!」
今度は声を張り上げて呼び止められ、もう覚悟を決めてシヴァの方へと向く。まだ先程の体勢をとったまま最後にトドメを刺される。
「お~い~で~♪」
「にゃ~♡」
気付けばシヴァに飛び込んでお互いの体温を感じ合うぐらいまで抱き合っていた。そして頭を撫でられたのでシヴァの顔を見る。
笑顔のままこちらを見つめるので、そのまま襲いたくなる程まで心奪われていた。しかしシヴァは少し申し訳なさそうに謝った。
「ごめんねシノン。寂しくさせちゃって」
両手で私の顔を挟み、おでことおでこをコツンと当てる。私だけに向けられるこの優しさが、私を魅了する。
そのまま唇を合わせキスをする。口から伝わる暖かさが、私の理性を壊し感情を高ぶらせる。このまま永遠に続けば良いのにと思っていると、シヴァの唇が離れる。
何故なのかとシヴァを見ると、少し目を見開いて私を見つめていた。じっと見つめるその瞳は、私を惚けさせシヴァだけしか見えなくさせている。
「ホームに帰る?」
「……うん♡」
そのままホームに帰り、2人だけの時間を過ごした。
残りの奴等はエギルのカフェで待ったり、領主館に戻ったりしていた。