銀髪スタンド使いの転生者はSAOの世界で第二の人生を過ごす   作:(´鋼`)

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えっ?………何この展開?

『ヨツンヘイム とある神殿』

 

「んで、ドミナ。その【エルダ・トライデント】はどうやって手に入れるんだ?」

 

「……分かる範囲内で良いな?」

 

「それでも十分」

 

「……一般的な入手方法としては『海神ポセイドーン』を倒す。それも現時点ではの話だ。俺がやろうとしているのは全く別物だがよ」

 

「一体どんな方法かしら?是非とも聞きたいわね」

 

 

この神殿の道中、俺たちはモンスターを倒しながら各部屋に訪れたりしていた。本来であれば、たった5名のプレイヤーが-それもウンディーネ、インプ、スプリガン、レプラコーン、ケット・シーの5名-ヨツンヘイムに訪れる事は無謀ともとれる行動なのだ。

 

しかし、このメンバーの内俺を含む4名はそれぞれの領主だ。領主クラスが化け物レベルなのは目に見えているわけで、特にインプ領主のドミナは俺と同格かそれ以上のプレイヤースキルを有しており、邪神級のモンスターを1人で3本のHPを削る事が出来る。

 

俺も今持っている【神壊刀・壊無】ならば普通に出来るだろう。しかし、今回のドミナは1人で邪神級を狩った。たった1体だが、この様な功績はエイド、ビーバックも見たこと無かった様だ。

 

特に腐れ縁のエイドからは「ここ最近ドミナが1人で高レベルクエスト受けてるんだよね、何かあったのかな?」と言っていた。恐らくながら、俺をライバル視しているんだろう。『ありがた迷惑な話だ。』そう思いながら目の前のHPバー2本のモンスターにトドメを刺す。

 

このヨツンヘイムのダンジョンの道中には、普通にHPバーが2本のモンスターがゴロゴロ居るのだ。コイツらMobなのか?と思うぐらい知恵も働くので苦労が絶えない。

 

 

「確かドミナの情報だと………あるモンスターを狩った時に付与される紋章が必要なんだっけ?」

 

「あぁ。さっきの邪神級がそうなんだよ」

 

「んで、その紋章を手に入れると何かあんのか?」

 

「クエスト内容が変更される」

 

「「!!!??」」

 

「っていう噂だ。だから確かめに行く。本来お前らは保険として連れてきたんだよ」

 

「まぁだろうと思った。ドミナって何時もソロでクエスト行っちゃうし、態々俺ら連れてまで行くクエストなんて普通に想像できる」

 

 

コイツ……俺らを保険ってか。それよりも、クエスト内容が変更されるだと?【海神ポセイドーン】を倒さなくても良いってか?結構スゲェ情報じゃねぇか。

 

 

「着いたぞ。ここだ」

 

 

ドミナの足が止まり、俺たちも止まる。一際大きな扉が鎮座しており、如何にも【この先キケン】と言いたげな意思表示をしている扉だ。 

 

それに何の疑問も持たず、ドミナは扉を開けた。

 

開けた先に待っていたのは【海神ポセイドーン】……だった筈だ。だが、その恐ろしくデカイ図体を持ちながらも全く襲ってこないのは不自然だ。これがドミナの言っていたクエスト内容変更ってか?

 

ドミナは近付き、胸に付けられた紋章を見せる。勿論装備を脱いで。

 

すると【海神ポセイドーン】の頭に金のクエスチョンマークが現れ、ドミナは話した。

 

 

『よくぞここまで来た。我輩の名はポセイドーン。この世界の海を統治する神である』

 

 

喋った。本来敵Mobの相手が喋った。これだけでも驚く。

 

 

『その紋章を持つ妖精よ、あの憎き魔物を退治した証とお見受けする。その栄光を称え、ソナタには褒美を授けよう』

 

 

そう言い終わった後、ドミナは大きく言い放った。

 

 

「全ての武器をもらおう!!」

 

「「「「!!!!????」」」」

 

『ソナタは力を欲するか……良かろう。受けとるがいい』

 

 

【海神ポセイドーン】は持っていた三又の槍を天に掲げた後、ドミナの体が光に包まれた。光が収まった後、【海神ポセイドーン】はこうも言った。

 

 

『その武器たちは、まだ完全な力を取り戻しておらん。我らに伝わる鉱石を使い、真の力を解放せよ』

 

 

言い終わった後、ポセイドーンの横にワープポイントが設置され、俺たちはポイントに入ると地上に出ることが出来た。

 

それはそうと、『我らに伝わる鉱石を使え』というのと、手に入れた武器が気になるのでドミナにオブジェクト化してもらった。

 

出てきたのは錆びた剣、刀、弓、槍、短剣、両手剣、両手棍、ナックルだった。片手棍はガルロックの持つニョルニルなので無かった。

 

ドミナはそのうちの1つの槍を持ち、ビーバックに頼んだ。

 

 

「ビーバック、コイツを復元してくれ」

 

「……それより、1つ聞くよ。鉱石はあるのかい?」

 

「『アダマンタイト』の事だろ、持ってらぁ。じゃなきゃ頼んだりなんぞしねぇよ」

 

「……それなら良いんだ。でも、今は無理だ。これから領主の仕事もあるからね」

 

「そうか……なら良い、後で出直す。お前らは『それ』取っても良いぞ。俺には無用の長物だからな」

 

「んじゃあ、失敬して」

 

 

エイドは錆びた弓を持ち確認する。シノンも弓使いだが、流石に良いらしい。錆びた弓自体あれだからかな?

 

俺は刀を取る。ドミナに他の武器-ナックル以外-を貰っても良いか聞くと、了承してくれた。太っ腹……いや、槍以外興味無いだけか。

 

ビーバックは錆びたナックルを手に入れた後、ドミナにあることを提案した。

 

 

「……ドミナ、ちょっと」

 

「んぁ?何だ?」

 

「こっちは無理だけど、他に1人高い鍛冶スキル持ってるプレイヤーを知ってるんだよ。そのプレイヤーに頼んでみたらどうかな?多分シヴァは知ってると思うよ」

 

「……心辺りはある。というか心辺りしか無い」

 

「……んじゃあ頼む」

 

「オッケ。それじゃあラインに戻るよ」

 

 

俺たちはエイドとビーバックと別れ、一度【空都ライン】に戻る事にした。

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

『空都ライン』

 

ラインに到着すると、俺たちは歩いてリズがよく使う工房へと向かう。

 

中に入ればリズことリズベットが必死に鉱石を打っていた。その鉱石が武器に変わると、リズは少し唸って武器をストレージにしまう。

 

リズは溜め息をついた後、俺たちの方を見ると驚いていた。何故驚いているのかは分からなかった……その後のドミナの発言でさらに理解不能に陥ったが。

 

 

「里…………香……」

 

「「えっ?」」

 

「紫……温……………」

 

「「えっ??」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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