銀髪スタンド使いの転生者はSAOの世界で第二の人生を過ごす   作:(´鋼`)

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antクエスト

~キリトside~

 

今、俺とシヴァと影妖精領主のエイドで狩りをしにダンジョンに出掛けていた。そのダンジョンの門前にNPCが居たので話を聞いてみるとクエストが開始された。

 

影妖精領主のエイドが小槌をNPCに渡した途端、シヴァの体が潰された。大きくなった小槌に。

 

何のエフェクトなのか、俺の頬に赤い染みみたいな物が着いた。それに触れると血の様にベトッとしていたのを覚えている。

 

そして、俺にも………ここから先は曖昧になっている。

 

気が付けば俺たちは………

 

 

「門でかくね?」

 

「いや、これは俺たちが小さくなってるだけだな」

 

「何でだあぁぁぁぁ!!?」

 

 

小さくなっていた。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

 

「よし、一旦整理な。このクエスト名が【antクエスト】、つまりは【蟻クエスト】だな」

 

「この蟻が、まさか敵Mobの事じゃなくて俺たちの事だったのか。どうりで最初に小槌が必要って言ってたのか~……」

 

「じゃねぇだろぉぉ!!」

 

「ぶべらッ!!?」

 

 

俺は無意識に自分の領主の顔面を殴った。それを見ていたシヴァは笑い転げていたが、エイドに顔面を殴られてお相子になった。

 

 

「何であんな事されなきゃならないクエスト受けたんだよ!?つーか、あの潰された時のエフェクトが滅茶苦茶リアルだったんだけど!?あれ?これ血だよね?って一瞬混乱したわ!!」

 

「いや、小槌が必要って言われたらアレしかないでしょ。普通にコツンってやれば小さくなるヤツかと思ってさぁ……そこは不可抗力ってヤツで♪」

 

「あり?そういやエイド、そのクエストの詳細を俺にベラベラと喋ってなかったっけ?」

 

「不可抗力でも何でもねぇじゃねぇか!!知ってたじゃねぇか!!知ってて受けに来たんか、このクエストを!!?あれ初見じゃトラウマ確定だわ!!」

 

「それよりも皆様」

 

 

急にシヴァの装備している【神壊刀・壊無】から声が発せられた。即ち、kaimuが話しかけているのだ。

 

 

「このクエストをクリアするのが元に戻る唯一の方法ですし、言い争いは止めにしませんか?特に真っ黒黒助もといツッコミキャラ」

 

「お前は言い争いを治めたいのか、俺を貶したいのかハッキリしやがれ!!!」

 

「おー……kaimu君、その状態でも話せるんだ。意外」

 

「元々武器に化けてましたし。それよりさっさと行きましょうか、そこのツッコミは置いて」

 

「kaimuテメエ!!!」

 

 

こんなやり取りがありながらも、俺たち3人はNPCの空けた穴に入る。kaimu……テメエ後でブッ飛ばしてやる。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

 

その穴の中を進む俺たち。その途中、虫型モンスターやワーム型モンスターが出没していた。しかし殆どが火属性に弱いため、魔法で一気に蹴散らしたり、【エンハンス・フレア】を使い近接攻撃を加えたりして蹴散らしていた。

 

その道中、kaimuが俺に話しかける。因みにkaimuはアクティブモードになっている。

 

 

「キリトさん、実は……お話したいことがございまして」

 

「話?珍しいな、お前がそんな前置き付けるなんて」

 

「いえ、少々悩みがありまして………」

 

 

意外だった。カーディナルそのものに保護されている高位AIであるkaimuが悩みを持っているのだ。俺は珍しいケースだったので尚更驚いた。

 

 

「んで?どんな悩みなんだ?」

 

「はい。実は……………この小説に0の評価が付いてしまって」

 

 

盛大に転けた。自分の顔面が地面にぶつかりダメージ判定が現れたが、俺は直ぐ様立ち上がりkaimuに向かい合う。

 

 

「滅茶苦茶メタイわ!!!何でこの小説の現状を物語で話さなきゃなんねぇんだよ!?」

 

「いやだって、作者が確認したら0評価付いてて。暫く考えていたらネタにしようと作者トチ狂ってしまいまして」

 

「だからって生々しい現実をここで話すか普通は!!?これ物語!!これ創作物!!ドゥーユーアンダースタンッ!!?」

 

「この小説は銀魂要素が付いているんです。多少の生々しい現実を小説に書かなければタグ詐欺になるじゃないですか」

 

「生々し過ぎるわ!!原作にあるまじき生々しさだわ!!」

 

「何故いけなかったのでしょうか?やはりロリコン召集機と書いてしまった事が原因なのか?はたまた56話の後書きを見ても活動報告に何も無かったから腹いせなのか?」

 

「いや、後書きの活動報告って何?」

 

「ユウキさんの旦那さんオリキャラ募集でしたが、要らないやって作者が消しました」

 

「おぉい、これだと読者から批判殺到すんだろ!?何で消したよ作者ぁ!!?」

 

「おーいテメエらー。来てみろよー」

 

 

俺たちに向かって伝わる声。その声の主はシヴァであり、手招きをしていた。シヴァの元へと歩き、シヴァが指差した方へと視線を向けた。

 

そこには、大きな空洞をねぐらとしていた土竜モンスターが居た。かなり大きい。見ればHPバーが3本あった。

 

土竜型のモンスターなので爪は曲線を描き、土を掘るのに特化している様に見える。しかし目は反応していないのか、特徴的な星鼻で匂いを嗅いでいる。

 

 

「ありゃあ『ホシバナモグラ』か。モデルは」

 

「ホシバナモグラ?」

 

「鼻が別れていて、その鼻の形が正面から見たら星みたいだからホシバナモグラ」

 

「成る程……私もリアルの情報は検索していますが、実際見たことありませんからねぇ」

 

「それより、あのボスを倒せば良いらしい。つー訳で即興で考えた作戦の指示に従ってくれ3人とも」

 

 

俺たちは頷き、シヴァの作戦を最後まで聞く。聞き終わると俺たちは承諾し、ボスモンスターに攻撃を仕掛けた。

 

先ずはkaimuとシヴァがデバフ魔法をかける。kaimuは【柳生の大太刀】を装備し、俺たちと斬り込む。

 

俺は二刀流、kaimuは刀、エイドは意外にも弓を使い攻撃していた。シヴァは水属性の魔法を連発、MPの回復をした後、また水属性の魔法を連発していた。エイドは【バインド】を弓矢に詠唱し、それを放つ。攻撃に加え、ある程度の拘束が可能なので頼もしい。

 

それが続けられていると、ボスのHPが2本目に突入した。しかし、まだ2本目。これからが本番である。

 

何と、『跳んだ』のだ。シヴァやエイドか居る位置まで。

 

それに反応したシヴァとエイドは、ボスモンスターと壁の隙間まで移動し難を逃れた。

 

しかしながら、『跳ぶ』ということは『落下』もするということ。俺とkaimuは少しだけ浮かび、シヴァとエイドは落下してくるモンスターと壁の隙間に移動し避ける。

 

着地と同時に上から先程戦ったワーム型モンスターや虫型モンスターが落ちてきた。これにはウザったい。

 

 

「キリト!!エイド!!【ハイディング】使え!!俺が引き付ける!!」

 

 

シヴァはそう言うと、【バトル・シャウト】を発動させ全モンスターのタゲ付けを行った。これにより狙われるのはシヴァのみ、その隙に攻撃しろという物だ。

 

俺とエイドは【ハイディング】を詠唱し、攻撃を続けた。

 

一方のkaimuはシヴァに向かってくるモンスターを斬っていた。シヴァの方は【天下五剣 鬼丸国綱】でボスモンスターを斬ると同時に水属性魔法で怯まさせる。周囲に居るモンスターは完全にkaimu任せだ。

 

それが続き、やっとの思いで残り1本となった。まだ俺たちのHPは安全圏内にある。

 

すると、ボスモンスターが鼻を伸ばして俺たちに攻撃をする。まるで鞭の様に。それによりイエローゾーンに差し掛かった。

 

 

「くそっ!!全体攻撃かよッ!!」

 

「面倒なモンスターですねぇ。それよりエイドさん、策でもありますかね?」

 

「………kaimu君、出来れば情報は調べないでよ。でもまぁ、やるしかないけどね」

 

 

エイドは詠唱しながら弓矢10本を放った。しかし、その弓矢の移動速度が遅い。続けざまに弓スキル【ワイド・ショット】の発動中に魔法を詠唱する。そして、またもや弓矢の移動速度が遅い。

 

 

「OSS【時は加速する】」

 

 

エイドは直ぐ様全ての弓矢に魔法をかける。すると、先程まで遅かった弓矢が目にも止まらぬ速さでボスの体を貫いていく。その数、およそ16本。

 

その速さで貫かれたボスは雄叫びを挙げながらポリゴン一歩手前まで追い詰められていた。

 

そこをシヴァが氷魔法で仕留め、ボス戦を終えた俺たちはダンジョンを出た。出ると元の大きさに戻っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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