銀髪スタンド使いの転生者はSAOの世界で第二の人生を過ごす 作:(´鋼`)
シリアスはまだまだ続くんだお
『2ヶ月後 2025年 1月19日』
~キリトside~
あれから2ヶ月経った。目覚めた俺は直ぐ様シヴァ……銀の元の病室と明日奈の居る病院の情報を《総務省SAO事件対策本部》の役人と交換。俺はリハビリで筋肉が好調に向かいつつある時、銀の病室へと向かった。
今は銀の病室に、俺、明日奈、木綿季、詩乃、琴音、悠那、鋭二、直葉が居た。
銀の側に木綿季、詩乃、琴音が居た。木綿季は銀の手を握っていた。
「………ねぇ、お兄ちゃん。今日もね、皆来てくれたんだよ。お兄ちゃんの為に、皆来てくれたんだよ」
木綿季は銀に語りかける。その表情は嬉しそうだが、心の中では悲しそうであった。
今現在、まだ約300人プレイヤーが帰って来ていないという事。
銀も、その1人だった。
「だからさ………帰って来てよ………お兄ちゃん………」
その場で嗚咽し続ける木綿季。この場の空気は、とても重苦しい物であった。
──────────────────────────
俺だけ病室を出ると、銀の両親が来ていた。
「また来てくれたんですね、皆さん」
「銀将さん、彩月さん………どうも」
「そう悩んだ顔をしないで和人君。それに銀ちゃんなら『そんな顔してると、その顔に成るぞ』なーんて言うわよ」
「………そう、ですね。でも………やっぱり、大きすぎた」
「………私たちは君たちに何が有ったのかは知りません。ですが、銀はあらゆる者たちを導いた。この人数を見れば分かります。だからこそ失った時の代償も大きいのは理解できます」
そう言うと銀将さんは俺の頭に手を置き、また言葉を綴る。
「ですが、銀は貴方たちに何か託して行ったんじゃ無いんですか?銀は何時も変な所で勘が鋭いのでね」
「……………」
「では、私たちは銀のお見舞いに行ってきますよ。それと銀の意思と言葉を理解しないでやってください」
「………えっ?」
そう言うと銀将さんと彩月さんは病室に入っていった。………先程の言葉に、一体何の意味があるのだろうか?
──────────────────────────
『翌日』
その日の翌日、エギルから一通のメールが届いていた。
それを確認すると、見慣れたローブを纏った顔の見えないプレイヤーが映っていた。
それを確認すると、俺は直ぐ様準備を始め家を出た。
家を出ると、隣から木綿季と詩乃が出てくる。
俺たちは顔を見合わせた後、同時に頷き、エギルの店【ダイシーカフェ】に行くために『東京都台東区』へと向かう。
──────────────────────────
【ダイシーカフェ】にて
「………いや、呼んだのはお前ら3人だよな?」
「それがどうかしたかしら?」
「何で増えてんだ?」
「連絡したら来てくれたの!!皆、お兄ちゃんを救うために!!」
「………おいおい、ここまでの人数分揃ってねぇのによぉ」
そんな戯言を呟くエギル。だが、言いたいことも分からんでもない。ここには鋭二と悠那と直葉を除く5人が来ていたのだ。………ってか、誰が明日奈を呼んだ?
「私を呼んだのは木綿季ちゃんよ。和人君」
「何だ木綿季だったのか………で、琴音は誰が?」
「私が呼びました♪」
「何だ明日奈が呼んだのか」
「そこのカップル、早くエギルの話を聞くわよ」
「「はい………」」
詩乃は銀が居ないため、少々………否、かなり不機嫌になっている。琴音も然り。
「ゴホン。それじゃあ、早速だがコイツを見てくれ」
エギルは何か取り出す。ゲームだが………これは?
「これって………!!!『アルブヘイム・オンライン』!?」
「明日奈は知ってたか。そう、単刀直入に言えば『シヴァはこのゲームに閉じ込められている』………って言いたいな」
「でも!!あのローブは見覚えがあるよ!!!お兄ちゃんが何時も着ていた強い防具だよね!?」
「私はそうだと思う。てか、そうであって。そうじゃないと今から発狂しそう」
「詩乃のん!?怖いんだけと!?」
「………兎も角、シヴァはこのゲームにある世界樹の『隠し部屋』に居る」
「???隠し部屋?何でそんな所にシ………銀先が居るの?」
「実は1週間前、とあるアップデートがあってな。何でも『グランドクエスト』を突破する唯一の方法が追加されたんだ。そのクエストを受けて、部屋に入って記録結晶で撮った写真が」
「これなのか。このローブ………銀の姿が」
「あぁ。だが、強さは異常。たった2秒程で6人パーティーの内5人がkillされた」
「一気に5人!?そんな無茶苦茶な!!」
「唯一逃げ延びた奴が撮った写真なのね………この銀の写真は」
「………エギル、このゲーム貰って良いか?」
「そうだと思って3人分用意していたんだが………後2人増えたな」
「私は大丈夫だけど………琴音ちゃんが」
「………なら、琴音お姉ちゃんのはボクのあげるよ!!」
「木綿季ちゃん!?でも、それは………」
「ううん、良いの!!それに、ボクのはお父さんに頼んでみるよ。多分、お父さん買ってくれるし!!」
「木綿季………」
「………でも、良いよ。私は私で何とかするから。木綿季ちゃんは早くお兄ちゃんの所に行ってあげて」
「琴音お姉ちゃん………」
「木綿季。琴音の好意に甘えよう。木綿季が1番助けたいのを知ってて琴音はそうしてるんだからな」
「行くんだな。お前たち」
「あぁ。あのバカを救いに行く」
「………因みにだが、ナーヴギアでも稼働は出来る。アミュスフィア専用って書いてるが、アミュスフィアはナーヴギアの安全版だからな」
「ありがとうな、エギル」
俺たちはダイシーカフェを後にし、各々の家へと帰る。
そして、俺はナーヴギアに願いを込めて………
「『リンクスタート』!!」
再び仮想世界へと踏み入れるのだった。