銀髪スタンド使いの転生者はSAOの世界で第二の人生を過ごす 作:(´鋼`)
~キリトside~
「退け!!!何でシヴァを1人だけ行かせた!?」
「早く退いて!!!お兄ちゃんの元に!!!」
「駄目だ」
冷たく響く声。何故こうも冷たく言えるのか。冷たく響く声の主は【血盟騎士団】団長『ヒースクリフ』。
恐らく、俺たちは誰よりも一番血相を変えて向かっている。俺たちのリーダー『シヴァ』に。
そんな中でも、広場から金属音や攻撃音。そして………消滅音。あの中の何れかがシヴァだと思うと、居てもたってもいられない。
頼むから………死なないでくれ………死なせないでくれ………
──────────────────────────
~シヴァside~
「はーい!!!一名様地獄にご案な~い!!!」
「り、リーダー!!!やめてくれー!!!」
「ったく!!!まさか、これ程背中を預けられる奴が!!!殺人鬼って、俺もイカれたなぁ!!!」
そう言いながらも、向かってくるラフコフメンバーに『神壊刀・壊無』を振るう。1人、また1人とHPがレッド、またはイエローに落とされる。
投げられてくる投擲武器は、殆ど感で避ける。現実世界で培った感は、まだ鈍っていないらしい。
俺の左から迫ってくる2本のナイフ。俺は1つは避け、もう1つは口で刃の部分に噛みつき、砕く。
驚きを隠せない奴に壊無を振るい、ポリゴンにさせていく。投げた奴には壊無を投げてHPを減らし、俺は武器を梅桜に変える。
「オメェは既に、十分イカれてるんだよッ!!!」
Pohが俺に向けてダガーを振るう。だが、避けなかった。それどころかPohに向けて薙刀で突く。
いや、その後ろの奴を突いた。Pohも同じく。
「ナイスアシスト」
「お互いによぉ」
俺とPohは同時に走りだし、ラフコフの群れに突っ込む。
薙刀を使い、持ち手の部分で牽制。そして刃の部分で全体攻撃、さらに回転の勢いで薙刀をラフコフの1人に刺し自分の体を持ち上がらせる。
その間、投擲が行われたが、薙刀の持ち手部分を利用しスロープの様にして降りる。普通に当たらなかった。
着地と同時に後ろに居たラフコフの1人を薙刀の持ち手部分で突く。
その直後、壊無が飛んできたが顔を右に倒して避ける。その刀は俺の後ろに居たラフコフの1人を貫き、ポリゴンにさせた。
俺は刀を素早く取り上げ、薙刀で足払いを仕掛ける。
そして、またPohに背中を預けた。
「………お前のメンバーさん、中々技術的な物が上手いな。お陰で一苦労するがよ」
「俺は教えられたことを少し教えただけだ。俺は知らん」
「んじゃあ、中々知的好奇心が強い奴等を選んだな」
「面白くなっただろ?buddy」
「ハッ、お前の面白さは俺にとっちゃ、ただただ面倒なんだがよ」
俺は薙刀で、Pohは投げナイフでお互いの頭上を狙った。
俺の頭上の奴は麻痺状態が付与、Pohの頭上の奴は出血状態が付与される。
「………気持ち悪いな、この息ピッタリ感」
「何なら組むか?今後ともよぉ」
「真面目に遠慮するわ」
「真面目に返答すんな。アメリカンジョークだっての」
「それに、コイツら始末したら次はお前の番だかんな。覚悟しとけよ?」
「覚悟はお互いにした方が良いぜぇ」
そんな話の中、突如として襲来した2つの影。
それを確認すると、俺たちは刀、ダガーでそれぞれ受け止める。
「Oh………ジョニー、ザザ。邪魔するのかぁ?」
「邪魔なんてしませんよヘッド。いや………元ヘッドか」
「裏切り、者には、死を。だが、その前に、お前、殺す」
「どうでも良いけどさっさと始めてくんない?後悪いがよ、先約が居るんでな。そいつぁ無理な相談よ」
因みにだが、俺が相手どっているのがザザ。Pohがジョニー。
距離をお互い取り、体勢を立て直す。
『エストック』。ねぇ、確かにゆっくりと殺すには良いな。………だがよぉ
「そんななまっちょろい武器で『コイツ』が壊れる訳ねぇだろ!!!」
「ッ!!?」
『神壊刀・壊無』。コイツには特殊能力は無い。代わりに攻撃力、耐久値は他の武器よりも遥かに上回っている。
これらから、どの様な方程式が出来ると思う?
エストックがぶっ壊れる。
「何ッ!!?」
刀を掲げ、ザザに向けて振るう。ザクッという音が響いたが、ザザが突然投げてきた物に反応が遅れる。
それは俺に刺さると麻痺となった。
同時にザザはポリゴンとなり、消えた。
ふとPohの方を見てみると、ジョニーを倒したらしいが麻痺に犯されている。
「………やられたなぁ」
「………お互いにな」
俺たちは地べたに寝そべる。だが、まだラフコフメンバーはレッドやイエローだが残っている。
いやさぁ………寝そべるのはねぇだろPoh
「お前が言えるか?」
「ハッハッハッ、読まれてた」
襲い掛かって来るラフコフメンバーの残党。俺たちは麻痺ながらも少しずつ立ち上がり………
「「ッァァァァァアアアアアア!!!」」
雄叫び。向かってくる奴等に刀、ダガーを振るい続ける。
だが動きが鈍っている為、ダメージは受けてしまう。
俺の場合はダメージの軽減が出来る装備なのだが、Pohは普通の装備。ダメージを受ける比率は普通の状態である。
しかし、傷つきながらも着実に倒していく。
そして、最後の2人となった時。俺たちは隙を生んでしまい、脚の一部が失われた。
それによりバランスが崩れ倒れてしまい、出血状態に陥ってしまう。
「………おい、Poh」
「………何だ?」
「………約束、守れそうにねぇや。どちらかが死ぬまでじゃなくて、どっちかの武器が破壊されたら終わりにしねぇか?」
「つまんねぇなぁ」
「良いじゃねぇか。このままだと2人とも死ぬぜ?俺を殺すのはお前なんだろ?」
「………んまぁ、それで妥協してやる」
「おけ。んじゃあ、どうにかしようか」
「そう、だな」
俺は薙刀を使い立ち上がり、Pohは上手く一本脚で立つ。
向かってくる最後の2人。その2人を俺は薙刀で、Pohは投げナイフからのダガーでトドメをさす。
そして、俺たちだけ残る。疲れなのか俺は倒れてしまう。
「(殺されそうだなぁ………)」
だが意外にもPohは待ってくれるどころか、ポーションを俺に渡してきた。
「麻痺毒入ってねぇから飲めや。さっさと勝負済ませるぞ」
「………ハッ、上等」
渡されたポーションを飲み、脚を回復させ立ち上がる。
お互い距離を空け、武器を構える。
ゆっくりと呼吸を整え、落ち着かせる。
俺は刀、アイツは大型ダガー。不利なのはPohに見えるが俺も疲れているのでハンデという事で。
刹那、俺たちは接近し武器を振るう。
振り向かない。どちらの方が殺られようが、それは運命だ。
「………どうやら、砕けたのはお前の方だな」
「………だなぁ」
Pohが倒れる。
「ったく、武器狙いつったのによぉ………何でお前は俺を殺そうとするんだ?」
「お前こそ………何で狙った?」
「お前の性格から考えて最後の嘘をつくだろうと思ってな」
「………イカれてるねぇ………俺も。お前も」
「………お前を復活させようとは思わねぇ。それこそ約束を破ることになるからよ」
「………そうかい。じゃあな、buddy」
「………永遠に眠れ。brother」
ポリゴンの音が響く。そして、俺は倒れた。
………………眠てぇ。