銀髪スタンド使いの転生者はSAOの世界で第二の人生を過ごす   作:(´鋼`)

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甘えるということ

『翌日 12月25日 午前5時』

 

 

「フッ!!!」

 

 

いやはや、これで最終日ですよ。一応、母さんの仕事もあるのでね。2泊3日終了ですよ。あ、木綿季の方はですね。

 

詩乃と寝てます。いやね、寝顔が可愛いんですよ。毎日見てるんですけど、吐血物ですね。木綿季の寝顔は。

 

んま置いといて、俺も手伝いはしますか。

汗拭いて、朋江さんの手伝いだから台所に行きます。

 

 

「朋江さん」

 

「あら、銀君じゃない。どうしたのかしら?」

 

「いえ、お手伝いをしに来ました」

 

「あら、そう?じゃあお言葉に甘えちゃいましょうか♪」 

 

「こき使って下さいよ?♪」

 

「あらあら♪それじゃあ何か朝食のおかずでも作ってもらおうかしら?」

 

「お安いご用で」

 

 

 

 

 

 

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料理中にて

 

「銀君、ありがとうねぇ」

 

「ん?何がです?」

 

「詩乃と居てくれて、ありがとうね」

 

「あぁ、そのことですか。いえ、こちらは振り回してただけですし」

 

「それで良いんだよ。あの子はお母さんも居なくなって………銀君たちが来るまでの間、ずっと笑うことも無かったんだよ」

 

「……………」

 

「甘えることもしなかった。今じゃ大分落ち着いたんだけど、やっぱり何処か遠慮していてね」

 

「………成る程、甘える………ねぇ」

 

「本当にありがとう、銀君」

 

「………いえ、まだ終わってませんね」

 

「えっ?」 

 

「いえ、こちらの事です。お気になさらず」

 

 

 

 

 

 

 

 

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『午前6時30分』

 

今回の朝食は『梅紫蘇ご飯』『鯖のムニエル』『サラダ』という感じだな。ムニエルはお好みでレモンを。

え?和と洋が混じってる?良いじゃん別に。

 

 

「んむぅ………おはよー………」

 

 

寝ぼけながら木綿季が瞼を擦りながら起きてきました。ちょっと髪が跳ねてるんだお。可愛い!!!

 

 

「お兄ちゃん………」

 

 

んあ?近付いて………そのまま抱きついてきた。

 

 

「くー………………」

 

 

あり?寝た?

 

 

「ちょ、木綿季。動けないんだけど………」

 

「くぴー…………すぴー………」

 

 

いやさ、本当に動けないんだけど。あ、でも丁度良い重み。

 

 

「ふあー………あら?木綿季が寝てる」

 

「詩乃ー助けてー」

 

「はいはい。木綿季、顔洗いに行くわよ」

 

「んむぅ………」

 

 

詩乃にエスコートされて木綿季は顔を洗いに行きました。

あぁ、重みが消えた………悲しい。

 

 

「お疲れ様です、銀先」

 

「父さん、珍しいね。来なかったし」

 

「少々夜中に野暮用でしてね♪」

 

 

いや、そんな感じに言っても分かるから。多分十数人と遊びながらボッコボコにしやがったな。

 

 

「さて、飯だぞー」

 

「おや?分かったんですか?」

 

「誰の子どもと思ってんだよ。何処ぞの吉田松○並みに強い父さんに育てられたんたぞ。これぐらい出来るわ」

 

「そうですか♪それは良かった♪」

 

「何、俺を化け物にしたいの?」

 

「お兄ちゃーん!!!♪」

 

 

木綿季がジャンプして抱きついて来ました。元気でよろしい!!!

 

 

「はーい、おはよー!!!♪」

 

 

木綿季の頭を撫でます。ホントに犬みたいに可愛いんだが!!!

皆起きてきたので朝食です

 

 

 

 

 

 

 

 

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縁側にて

 

今ですか?木綿季に膝枕していて動けないところです。まぁ、その分木綿季を眺めていられるから良いんだけどよ!!!

 

 

「あら?誰かと思えばシスコン」

 

「やめい」

 

 

縁側に詩乃が来ましたよ。ついでに罵られましたよ、何でだよ!!?

 

 

「詩乃こそどうした?ここに居ても退屈なだけだぞ」

 

「私の自由ってことで」

 

「そうかい」

 

 

………静かだ。何も無いって………こんな静かなのかな?

っと、詩乃が木綿季を見てます。

 

 

「………座ってみないのか?立つのしんどいぞ」

 

「良いわよ、私は立ってた方が楽なのよ」

 

「………おい、詩乃」

 

「ん?何よ?」

 

 

………ふぅ。詩乃の手を引っ張って隣に座らせます。

 

 

「ふぇ!?」

 

「………はぁ。自分自身に鞭打つのは構わないが、少しは甘えろ。そんなんじゃあ疲れるぞ」

 

「いや、誰も疲れてるなんて「いや、そうじゃなくてだな。」???」

 

「お前は甘えろ。………昔何があったかなんて俺には知りやしないが………」

 

 

詩乃の頭に触れ、こちらの肩に寄りかからせる。

 

 

「!?」

 

「少なくとも、お前は甘えろ。一度で良いから、誰かに。」

 

 

 

 

 

 

 

 

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~side詩乃~

………今、私の隣に居るこの男は………無理矢理であるが、私を引き寄せた。一瞬、殴ろうと考えていたが………直ぐに止めた。不思議と、いやではなかった。

強引ではあったものの、何故か身を預けてしまった。

 

 

「ねぇ」

 

「ん?」

 

 

コイツに話すのも悪くないと思ってしまう自分が居る。

 

 

「話………聞いてくれるかしら?」

 

「………話したければな。」

 

「そう……………」

 

 

なら話そうか。コイツになら話せそうだし。

 

 

「………私ね………ある事件に巻き込まれたのよ」

 

「その時、私はお母さんと一緒に銀行に行ってたのよ」

 

 

「でも、そこで………銃を持った犯人が現れた」

 

 

「そこで、1人殺されて………お母さんはパニックを起こして………」

 

「犯人が………銃を向けたのよ。お母さんに」

 

 

 

「私は………守りたくて………そこで………」

 

 

ほおを伝わる何か。それは考えずとも分かった。何故涙が出てくるのか。………恐い………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突然、誰かに頭を抱えられた。優しく。

 

 

「………………」

 

「……………アンタ………」

 

「わりぃ………聞くのは無しにしてくれ。ついでに泣くのも無しな」

 

「…………何よ………それ…………」

 

「良いじゃねぇか、別に」

 

 

………敵わないかも、コイツには。何てお人好しなのか………何て自分勝手なのか………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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『午後3時』

 

はてさて、そろそろお別れの時間ですよ。長いような短いような………んま、しゃあないわな。

 

 

「むぅ……………」

 

 

木綿季がむすっとしてるでしょ?この顔もまた可愛いんだよな。

 

 

「木綿季、しゃあないでしょ。母さんの仕事の都合もあるんだし」

 

「だって………むぅ………」

 

「大丈夫よ、また会えるから」

 

 

詩乃が木綿季の頭を撫でる。

 

 

「だとさ。また会えるんだってさ」

 

「むぎゅぅ…………」

 

「大丈夫さ。どうせなら、母さんが居なくても父さんと行けば良いしさ」

 

「酷いッ!!!」

 

「それじゃあ、お別れの挨拶は?」

 

「………ばいばい、しのお姉ちゃん」

 

「うん、ばいばい」

 

「じゃあな、詩乃。んま、今度また会うときは面白くなっとけよ」

 

「何よそれ?んま、忠告通りにならないと思うけど」

 

「そうだな。んじゃ、またな」

 

「ん、また」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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