銀髪スタンド使いの転生者はSAOの世界で第二の人生を過ごす   作:(´鋼`)

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有象無象の区別無く

───誰も信じられない

 

───誰もが憎い

 

───誰もが死ねば良い

 

━━━なのに君は……何で、そう思えないの?

 

━━━君の光は何なの?

 

 

 

 

 

 

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「シュワットッ!?」

 

 

 あー………………びっくりした。何か変な夢を見た気がするのは気のせいかな?ここ最近、詩乃と神話関係で話する事が増えたから夢とか色々調べてんだけどねぇ。

 

 つーか……ここ俺のホームか?何で運ばれたんだっk……あーそういや、戦ったっけ。んで何か意識が飛んじまって…………

 

 

「うぐっ!?」

 

 

 何だ?何が起きてる!?何故左腕だけが異常に……!?

 

 

「あぁ!!!?ぐがふあぐぎァ!!?」

 

 

 これ……はっ!?この感情は何だ!?そして、反応している左腕は……!?何なんだこれは!?

 

 服を捲って左腕を見てみる。変な模様と障気、さらには黒い電気みたいなのが少しだけバチバチと挙がっている。深呼吸をして落ち着こうとしても、障気やら黒い電気が益々増幅している。

 

 

《かなり不味いなbrother》

 

「くそ不味い……そうだな……」

 

《どんどん上に上がって来てるな。侵食されてらぁ》

 

「何とか…………ならんのか?」

 

《……あんまりしたくはねぇが、やらねぇと最悪な状況になるのは必然だな》

 

 

 PoHが俺の左腕に移動していくと障気も電気も大分治まったが、模様だけが残っていた。

 

 

「はぁ…………はぁ…………」

 

《一つ忠告だ。この状態保つには残機が減ってくから気ぃつけろ。そのままの状態にしとく方が残機の減りは早いが》

 

『一応私も手伝いますから、残機の減りは最大限遅くなりますが……それも私が武器の状態で使用しなければの話です。マスター、フツノミタマの使用を』

 

「OK……迷惑かけるなぁ」

 

 

 装備を【フツノミタマ】に変更し、ベッドから降りようとしていた所にシノンがドアを開けて入ってきた。持っていたであろうお茶の入ったポットを落としたが、それを気にせず真っ直ぐ俺に抱き付いてきた。ポリゴンになったポットは後で買い直しておこう。

 

 顔の横で泣いているシノンの体に優しく腕を置いてポンポンと軽く叩く。

 

 

「生きてるよ。大丈夫」

 

「……嘘、大丈夫じゃない。大丈夫じゃないでしょ」

 

 

 あぁ、再度確認できた。シノンが好きだという事を。こんな心配してくれる優しい彼女(というか嫁)が居るありがたさを。何が言いたいかと言うとね。

 

 俺の嫁さん可愛い。

 

 

「本当に大丈夫だから。心配しないで、俺のしぶとさは自分でも折紙付きだと思ってるから」

 

 

 そう言っても未だに抱き付いたままのシノン。しかも、さらに力を込めるから一層離れたく無いらしい。

 

 無理も無いか……今までの事思い出してみたら殆ど約束破ってる様なモンだからな。例えばPoHとの合同作業(殺人)の事を言ってなかったり、わざと自分自身を傷付けてアンダーワールド行ったりとか……いや思い付くだけで破り過ぎだな。うん。

 

 ふと思い出した事があるのでシノンに尋ねてみた。

 

 

「なぁシノン、キリトたちはどうした?」

 

「…………先に行ってる。キリト曰く「何で俺が馬鹿の代わりしなきゃいけねぇんだよ?」だって」

 

「……アイツ後でペインアブソーバーのレベル0にしてやる」

 

 

 とんでもない事を口走っただって?俺に色々と言う奴が悪い。俺だって不機嫌になるわ、人間だもの。

 

 しっかし……一向に離してくれないんだけど。ねぇ読者の皆様?これってどうすればいい?可愛がるの(意味深)?それともR-18展開にすれば良いの?あ、でも両方とも同じ意味じゃん。

 

 もう良いや、欲望のままにシノンを愛でようか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 シヴァが目覚める十数分前

 ~キリトside~

 

「それで……話してくれるか?アイツが戦った全身鎧の奴の事を」

 

 

 シノンをアイツを連れてホームに帰らせたのは良かったが、それ以前にあの化け物の事について聞きたいと思っていたからBB勢に質問をしてみた。

 

 それに答えてくれたのは、一番初めにアイツを保護した『オース・クルセイド』。ルテンと同じ何でも屋のメンバーの一人だ。続くようにルテンも話していく。

 

 

「まぁ答えなきゃ悶々とした気持ちは晴れないのは知ってるからな。あれは【災禍の鎧】っつう代物。人間の闇が募って創られた化け物だ」

 

「正確には“人の負の感情”が、そのまま鎧になった感じだね。それとオース、いい加減厨二病治してくんない?うざったいったらありゃしない」

 

「俺の事にとやかく言う筋合いなんて無いだろ」

 

「幼馴染みなんだから見てて痛々しいって思うんだよアホ」

 

「あぁ……そうかい」

 

 

 そのオースは腰にぶら下げてる銃身の長い銃二丁をルテンに向ける。ルテンは呆れた様子を見せながら距離を取る。オースも同じく素顔がバレるのを防ぐため機械アバターのままだ。

 

 

「オース、それ“以外”のヤツは無しだよ」

 

「安心しろ壊しはしない」

 

「無理。そう言った直後に88㎜砲《アハトアハト》に変えたから信用できない」

 

「じゃあ今度はM4カービンで「やめなさい」」

 

 

 …………何かツッコミとボケが逆転してね?何かオースは厨二病らしいからルテンがツッコミ入れてるけど。だが話が進まないので咳払いして戻させた。

 

 そのまま変わらぬ調子で話を続けていくルテンとオース。何かシュールだな。

 

 

「その災禍の鎧はオリジネイターの8人が“子”を作り始めてから数ヵ月後には居たらしいよ。その際にオリジネイターの8人はアイツに勝てた。でも戦力関係もあったから結構苦戦したって聞いたけど」

 

「まぁあの鎧は何度やっても倒せない、謂わば依代を求める霊みたいな奴なのさ。やっとの想いで唯一【光の心意】を持つプラチナが活動を停止させたんだけどな」

 

「ん?心意って普通は……あ、そういやアイツも闇には呑まれなかったのか」

 

 

 光の心意。これはあくまでも予想だが、恐らく心意の本質の事だろう。本来心意は負の感情から生まれる技、しかし多用し過ぎると負の感情に呑み込まれる可能性もある。

 

 そんな常識を覆したのが、アイツらの中ではプラチナらしい。光の心意は恐らくアイツも使えると思うから、もしかすれば対抗できるかも知れない。

 

 

「話は変わるけどさ、あの災禍の鎧は人の負の感情によって創られたって言ったよね?つまりは、あの鎧には人のデータが入ってるのと一緒なんだ」

 

「本来災禍の鎧の事を話す=個人情報の一部を言う事と同じだからな、言わない様に暗黙の了解として決まってるんだ」

 

 

 成る程……あれは負の感情の固まりってか。

 

 ここで色々と考えたいが、考え事は外に出てからにしよう。そっちの方が効率的だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




おまけ

「あなた、おはよう」

「はよ~……御誕生日おめでと~」

「ありがと♪」

「ん」

「ん?」

「プレゼント、俺」

「いただきます」

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