銀髪スタンド使いの転生者はSAOの世界で第二の人生を過ごす 作:(´鋼`)
【SPYAIR ♪~現状ディストラクション】
「突撃イイイイイイ!!!!」
『『『オオオオオオオオオ!!!!!』』』
銀先の一声で一気に駆け出す“奇兵隊”。僅かな人数と四神獣に対し十数万以上のアンデッド兵という戦局差の中、彼らは武器を手に取り思い思いに攻撃を食らわせていく。
「『Call Ocean』!!!!」
先に仕掛けたのはドミナ。ALOのコピーデータである為、愛用武器である【エルダ・トライデント】の特殊効果を発動させる。銀先たちの前に大きな津波が現れ、それがアンデッド兵達を呑み込んでいく。
津波が終わると彼らは攻撃を始める。
エイドを筆頭とした遠距離攻撃隊は、神聖術を弓矢に付与させそれを放っていく。
「『Call Holy』!!!!」
エイドは【フォルト・アルテミス】の特殊効果を発動する。弓矢に神々しい光が纏われ、それを一矢だけ放った。1体のアンデッドに刺さると辺りに眩しく、それでいて熱い光が放射されアンデッド達は溶けていった。
ガブリエルは蛇神獣に乗っている。その蛇神獣はアンデッド兵達を巻き込みながら移動していく。その移動した道に障気らしきものが漂っており、地面から出てくるアンデッドに対しダメージを与えていく。
「Toot!!こりゃスゲェ!!」
「感謝の極み」
何だかんだで、あの蛇神獣とガブリエルは仲が良さそうであった。それに続くかの様に布で口を隠したガブリエル率いる殺し屋たちがアンデッドを倒しカセドラルへと向かう。
「地母神テラリア様ぁ!!御命令を!!」
「えっ!?アタシ!?」
「他に誰がいらっしゃるか!?」
リーファは巨大神獣の背中に乗っており、その巨大神獣は足で踏みつけたり低空姿勢で突進をしたりしている。その後ろには整合騎士の者共が付いていっている。
この暴れっぷりを目の当たりにしても巨大神獣は命令を出せと言っている。
「えっとそれじゃあ…………あの銀色の翅が生えている人の援護をお願い!!!」
「ヤタが気に入った人間か!!よしきた!!」
突如動きを止め、足で地面を踏み地響きを立てる。すると、それに応えるかの様に地面から太い木の根が銀先の200m前に出現する。それによりアンデッド達は身動きが取れない状態にさせられる。
後ろの整合騎士やユージオとアリスはふらつくが、直ぐに行動を再開する。整合騎士全員がアンデッドを切り裂き、潰し、分解する。ユージオとアリスは切り裂いたり、【武器完全支配術】での全体攻撃をしているが、ピッタリ銀先の後ろを付いていっている。
アスナの乗っている小型神獣にはキリトも乗っており、悠々と駆けていく神獣はアンデッドに接近する。それをキリトとアスナが斬り、突いて倒していく。
「創世神ステイシア様!!少々黒衣の妖精を借りますよ!!」
「えっ、ちょっと!?」
小型の神獣は尻尾を器用に操りキリトを前に放り投げる。それを取りに行くかの様にキリトの頭に噛みついた。
「き、キリト君!!?」
「な、何が起きてぇ!?」
「ご心配なく!!少々知恵を注ぎ込むだけです!!」
突如キリトの表情が一変する。それを気にキリトは自分で飛び立ちアンデッドの軍団に突っ込んでいく。
しかし背中から引き抜いた二つの剣には星屑が散りばめられた黒のモヤが纏われていた。そしてキリトは軍団に突っ込み乱舞する。その移動線上には星屑が輝いており、見る者を魅了させる剣技となった。
「す、スゲェ!!」
「あれは……一体?」
「あの銀色の翅が生えた人間の使う力と同じ力です。それよりも飛ばしますよ!!!」
「わ、分かった!!」
小型の神獣は全速力を出しアンデッドを擦れ違い様に爪で引っ掻き、噛みつく。アスナはそれに対応するかの様にレイピアでの刺突していく。
その後ろにはクライン率いるALO組。リズベット、シリカ、フィリア、クライン、エギル、ストレア、ドミナ、エイド、ビーバック、ユナ、ノーチラスがアンデッドを薙ぎ倒していく。その姿は歴戦の猛者。強さの証を映し出しているようであった。
ヤタの背中に乗っているシノンは移動しながら弓矢を矢継ぎ早に撃っている。時にはSS【スターダスト・エクサ】で全体攻撃を仕掛け道を作っている。
「ちょっと荒っぽい動きするぜ!!神様ァ!!」
「ッ!!!」
ヤタは急ブレーキを掛け空中で停止すると、額にある目から光を放つ。それは次第に収まるが、同時に空から何かが降りてくる。
小さな光の球体。それから発射されたのは白い熱光線。さらに球体がアンデッドに近づくと、アンデッドは溶けて消えていく。まるで小さな太陽の様に。
その前を行く銀先、アリス、ユージオ、ユウキは行く先々のアンデッドを斬り倒していく。ユウキは銀先が見覚えのある剣技を駆使し斬り倒していく。
「ユウキ!!それ親父の剣技じゃねぇか!!」
「これでもボクだって何もしなかった訳じゃないんだよ!!お兄ちゃん!!」
「「(兄妹だったのか)」」
ユージオとアリス、銀先とユウキは続々と出現するアンデッドを薙ぎ倒しカセドラルへの道を作っていく。
「スゥリャア!!!」
銀先が引き抜いた【神壊刀・壊無】が黒色のオーラを纏い、それは大きな刀となってアンデッド達を横薙ぎしていく。メモルシステムの影響でパワーの増幅も出来ている今、カセドラルはもう少しの所に位置していた。
カセドラルには到着した。しかし入り口が見当たらない。しかし銀先、アリス、ユージオには策がある。
「ヤタ!!」
「あいよ!!」
銀先は心意で生やした銀色の翅を使い翔び、アリスとユージオはヤタに乗って上へと駆け上がる。しかし飛び乗る前にシノンが降り立ちヤタは元の姿に戻る。シノンはユウキと背中合わせで立ち回りアンデッドを倒していく。
「(銀、これで我が儘を聴いてあげるのは最後よ。今度は絶対に離さないから。だから……銀は倒すべき敵を倒して)」
壁スレスレで飛翔している銀先と、ヤタに乗り上を目指していくアリスとユージオ。しかしヤタの背後に機竜のゾンビが迫っていた。
「チィ!!ちゃんと掴めよ!!銀」
ヤタは背中に乗っているアリスとユージオを自らが回転する事で遠心力で銀の方へと飛ばす。飛ばされてきたアリスとユージオを掴む銀。
「ヤタ!!死ぬなよ!!」
「バカ言え!!俺は神獣だ!!テメエに心配される義理はねぇよ!!」
「そうかい!!」
ヤタは機竜ゾンビの翼を羽を飛ばして突き刺し、嘴から特大の光線を横薙ぎに放つ。機竜ゾンビは全て撃墜、地面に叩きつけられる形となった。
銀は未だに壁スレスレで飛んでいる。しかしそれを良しとしない様に上からゾンビが落ちてくる。
「アリス!!ユージオ!!勢いに乗って走れよ!!」
「いや師匠!?走れって何処を!?」
「壁に決まってるだろぉ!!」
「うおおおおっ!!!?」
「あわわわわわッ!?」
アリスとユージオは投げられるが、キチンと命令通りに壁を伝い上へと走っていく。銀は壊無を引き抜きゾンビの群れを一瞬にして切り裂く。
アリスとユージオはそのままカセドラルの屋上に到着する。カセドラルの屋上にはアドミニストレータが居た。しかしアドミニストレータはアンデッド兵を2体空中で召喚し迎撃する。
それはユージオとアリスの一閃で倒されるが、再度アドミニストレータはアンデッド兵を3体空中で召喚する。その3体のアンデッド兵は後から現れた銀先によって切り裂かれる。
銀はアリスとユージオの脚を掴み、アドミニストレータに投げつけた。アリスとユージオは見計らった様に抜刀術の構えをし、アドミニストレータを切り裂く。その後で銀が突きの構えのままアドミニストレータに上から突進をしていく。
「デャアアアラアアアアアアア!!!!」
突き刺されたアドミニストレータを巻き込んで銀は地面を崩壊させ下の部屋の壁に壊無を突き刺す。
砂塵が漂う中、銀は腹部を押され壊無を持ったまま離される。砂塵の中からアドミニストレータが見えるが、その表情は狂気を含んだ笑みを浮かべていた。
「けっ!!タフにも程があんだろ!!」
『人間、貴様ぁ……懲りずに二度も殺られに来たか?』
「誰が殺られに来るか。それに今度は」
『ぬぅ?ッ!!』
アドミニストレータが気付いた時には上から来るアリスとユージオに切り裂かれた後、剣と刀を刺され壁に衝突させられる。
「「ォオオオオオオオオ!!!!」」
「今度は1人じゃねぇ」
『かッ……カハッ……』
アドミニストレータは口から血を吐き出してはいた。しかし最後の笑みと謂わんばかりに口角を上げたあと、紫のオーラを放出させる。それはユージオとアリスを捕らえ、掴んでいる。
「なっ!?」
「きゃあ!!?」
「アリス!!ユージオ!!」
『人間んん!!この我をここまで追い詰めたのは褒めてつかわすゥゥゥ!!!じゃが!!これで終いじゃあ!!』
紫のオーラは外へと出ていき、辺り一面に広がり続ける。空が最初に覆われ、徐々に下へと降りていく。
『我が残された天命を全て使用し!!この一体に死の神聖術を降り注がせた!!貴様らもこれで終わりじゃあ!!!』
そう声を荒げて言い放つアドミニストレータ。しかし銀先は立ち尽くすばかりで何もしなかった。
それに疑問を持ったアドミニストレータ。しかしその直後、眩い光が空に輝き紫のオーラを消し去った。アドミニストレータが少しだけ確認すると、太陽が空に輝き紫のオーラを消していた。
その隙を伺い、オーラの中を突っ切って壊無を刺し込んだ銀先。アリスとユージオは拘束から脱出したが、またもや砂塵が舞い込み銀先とアドミニストレータの姿が見えなかった。
「アドミニストレータ、お前の負けだ」
「例え貴女が幾ら策を実行しようと、この方たちは負けませんよ」
「「これが人間の思いの力だ」」
砂塵から現れたのは2人の銀先。2人とも刀でアドミニストレータを刺しており、銀色の髪がなびいて煌めいている。
刀を振り上げ、思いっきり振り下ろす。
アドミニストレータは天命が尽きる証として眩い光に包まれ、アリスとユージオの視界を遮る。
光が消えたあと、居たのは銀先“だけ”だった。銀色に輝かせた刀を担いだ銀先だけだった。
「銀ちゃん……あれ?2人……」
「なーにバカな事言ってんだアリス?俺は1人だぞ?」
「あれ?でも……えっ?」
「ささっ、帰るぞ2人とも。終わったしよ」
腑に落ちないアリスとユージオの肩を叩き、壁に穴を開けたあと心意で翅を生やす。来ないアリスとユージオに振り向いて話す。
「どうした?ぼーっとしてよ」
しかしアリスとユージオは、この目の前の光景を見て少し笑って銀先の元に駆け出す。
それは太陽を前に銀色の翅を輝かせた“英雄”の姿であった。
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『現実時間 150日目』
~シノンside~
銀が戦っていた世界の支配者であるアドミニストレータを倒したあとも銀の戦いは続いていた。
銀は単身で残り、UWの世界に調和をもたらす様に活動しているのだ。
しかし代わりにアリスとユージオと名乗るロボットが家に来たのは驚かされた。しかもアリスは荷物から出て、ユージオは宅配人に化けていたのだから。
そこで私たち家族と2人の銀の情報を共有した。なんでも銀はUWでアリスとユージオの師匠をしていたとか。しかも万事屋なんて職業に就いてたそうだし。
私たちから話せる銀の情報を教えるとアリスとユージオも驚いた表情を見せる。まるで子どもみたいな反応で面白いと感じてしまう。
しかし、そんな時間も今日で終わり。アリスとユージオは再びUWへと帰っていった。200年後のUWに。
銀は記憶処理を施されたあと、カプセルから出て外に出てきた。
勿論、私たちがスタンバっているけど。そしてスタンバってるクラインとエギルの手には『お帰り、総督!!』と書かれた横断幕。そして……
『お帰り!!坂倉銀先!!』
「あぁ、ただいま。皆」
こうして、銀は再び私たちの元へと帰って来てくれた。