銀髪スタンド使いの転生者はSAOの世界で第二の人生を過ごす   作:(´鋼`)

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掴んだ手掛かり

『6月20日 13時』

~和人side~

 

 学校。もう少しで夏休み。銀将さんとの練習が過ぎて早7時間が経つ。相も変わらず銀の席だけ空席だ。

 

 あの時から、俺たちの時間は止まった様に感じる。銀がいなくなって、早5日。俺たちの時間では、もう1週間は経っていると思っていたがそこまでらしい。

 

 あれからの俺たちは様子が激変している。

 

 木綿季は銀がいなくなった悲しみを隠しつつ今まで通りの普通の生活をしているが、時々物忘れをしやすくなってるとスグに愚痴っていた。

 

 詩乃は銀の存在が大きすぎて、未だ悲しみからも再発した病気からも逃れられていない。それどころか引き摺られている様にも見える。休み時間に広場に出ては何かを呟き、最近はマシになったのか銀の部屋に潜り込んで何かしている。

 

 かくゆう俺も、ここの所気怠い事が多い。何をしようとしても怠いしやる気が起きない。最近明日奈とも会ってないし、ALOに居る時も何時も昼寝だけになっている。

 

 ユイやストレア、スグやクライン、エギルたちに何度も心配されているのは分かっている。だが、どうしても何も起きない。何も感じない。

 

 いや、忘れようとして感じないようにしているだけなのか。広場で寝そべっている奴の考える事じゃあないよな。

 

 

「和人君」

 

 

 懐かしいと感じてしまう声が聞こえる。見れば俺を見下ろす形で立っている明日奈が居た。

 

 

「……どーした?明日奈」

 

「どーしたじゃないでしょー。和人君LINEにも既読無視するから直接言いに来たのに」

 

「LINE?………ちょっと待ってくれ」

 

 

 オーグマーを操作すると、何件もの通知が示されていた。その数8件。

 

 中身を確認すると全て明日奈からで、内容は……ッ!?

 

 

「明日奈!!こ、これ……は……」

 

 

 全て銀に関する事だった。といっても、その手掛かりに関する内容ばかりだった。

 

 

「和人君、今日学校終わりにダイシーカフェ行くわよ」

 

「ッ!!………あぁ!!」

 

 

 その言葉を聞き、俺はそのまま授業を放っぽって行きたかったが流石に不味いので16時45分まで待つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『17時25分 ダイシーカフェ』

 

 今この場に俺、明日奈、木綿季、詩乃、里香、紫温、秀哉、珪子、影昌、琴音、エギル、クラインもとい遼太郎が集まっている。この場に居る全員が緊張の面持ちであり、詩乃が一番張り切っている。

 

 オーグマー内でしか確認出来ないが、ユイとストレア、さらにkaimuまで居た。この話を知っているAIとして来ていたのだ。

 

 

「それじゃあ皆、先ずは出される情報を見て」

 

 

 明日奈からの指示から10秒後、その情報が映し出される。

 

 『神代 凛子』。あの茅場昌彦の彼女の情報であった。

 

 

「……これがどうかしたのかよ?見た所、あの茅場の彼女さん……って茅場ァ!?」

 

「野武士黙れ」

 

「す、スイマセン……」

 

 

 詩乃の渾身の一撃で急激にしょんぼりとなったクラインは放って置いて、明日奈は咳払いをしたあと話を続ける。

 

 

「この神代さんに何とかコンタクトをしてみたの、菊岡さんが何をしているのかを見るために態々」

 

「……それで、あの天パは何処に居るんだよ?」

 

『今からご提示します』

 

 

 kaimuの操作によりマップに強制表示され、赤い点で目印が付く。その場所の詳細を見ると、誰しも驚いた。

 

 

「防衛省……まさか菊岡が」

 

『少々気付かれない様にハッキングした筈なんですが……あちらにも優秀な方が居る様でしたから、場所だけです』

 

『ほんっと凄いよねーお兄ちゃんは♪流石高位AI♪』

 

『それと皆様にお伝えしなければならない案件も用意しております』

 

『……何か反応してよー』

 

「えっ?ちょ、kaimuさん?」

 

 

 どうやら明日奈でさえ聞いてなかった案件らしい。何を隠しているのかと考えるより先に、kaimuは話す。

 

 

『現在、マスターとゴーストデータであるPoHが接触中。マスターのサポートに回っております』

 

「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」

 

「PoH?……誰だソイツ」

 

「何でPoHが銀と居るんだ!?kaimu!!」

 

 

 急に怒鳴ってしまった事に対して、ユイとストレアには悪い事をした。怖がらせてしまったからな。だがkaimuは何時もの冷静さを欠く様な雰囲気は出さなかった。

 

 何時もの様に淡々と話を進めた。

 

 

『過去の話になりますが……PoHと私は会っていたんですよ。ALO内部でね』

 

「んなっ!?」

 

「か、kaimu!!アンタ何でそんな事を黙ってたのよ!?ゴーストデータって、私たち何されるか分からなかったのよ!?それを見過ごすなんて……」

 

「里香、落ち着け。なぁkaimu、PoHとやらの情報を提供してくれるか?」

 

『畏まりました』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 PoHの情報が知らない3人に提示され、それを読み終わると3人は頭を掻く。

 

 

「……まっさか、アイツが殺人ねeぐおっ!?」

 

 

 いきなり紫温の体が宙に浮かんだと思いきや、詩乃が何処から出してるのか馬鹿力で襟を掴んで浮かしていた。

 

 

「わ、悪かった。訂正する、お前らを守ったって訂正する。だから降ろしてくれ、苦しい」

 

 

 それだけを聞くと詩乃は手を離す。解放された紫温は咳き込むが、少し経てば元に戻った。里香が心配そうに近付き紫温はそれを少し楽しんでいる様に感じ取れる。

 

 当の詩乃は何かを呟いていた。しかしそれはハッキリと聞こえるもので……

 

「銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀銀」

 

「お姉ちゃん、分かったから落ち着こ?ねっ?」

 

『マスターしか頭に入ってない様です。……それより皆様、今回はこの防衛省への侵入作戦会議を今日行う為に御越しくださいました』

 

 

 俺たちは身構える。それでもまだ詩乃は銀を言っているそうな。……もう完全重症というか、治ったら治ったで銀がヤバそうだなぁ。

 

 そして、今日は作戦内容を伝えた上で解散となる。作戦開始予定は3日後、それまで待てだそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

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『UW』

 

「……………ッウ!!……こ、こは?」

 

 

 目覚めると、あの時まで居た天井とは違う天井。ゆっくりと体を起こし、何をしていたのか思い出そうとする。

 

 

「……!!そうだ!!俺は確か心臓を………って、何で生きてるんだ?」

 

《やーっとお目覚めかよ》

 

「PoH」

 

 

 右腕から黒いオーラが出現し、その中からPoHが上半身を出す。腕を組みながらニヤニヤと笑って話す。

 

 

《hahaha!!まさか心臓に風穴開けられるなんざ思ってねぇわな》

 

「PoH、俺の心臓は……?」

 

《ちゃんとあるわ。まっ、これもメモルシステムの影響で助かったんだけどな》

 

「????」

 

《言ったろ、『殺した奴の全ての記憶を使用できる』って。あれを応用させて、ここでいうHPを回復させた後に心臓は治されたんだよ》

 

 

 ごめんPoH、もうそれ完全にHELLSI○Gのアーカー○の旦那じゃねぇか。再生とかHP回復とか完全パクリやん、メモルシステム残機消費で回復とか再生とか出来んのかよ!!

 

 そんな時、ドアが開いた。黒いオーラは瞬時に消えて俺だけが残る。来ていたのはユージオの傍付きのティーゼであった。

 

 

「!!!ギンさん!!もうお怪我は!?大丈夫なんですか!?」

 

「だ、大丈夫だから。んな大声で言わなくてi「ユージオ様ぁ!!アリス様ぁ!!ギンさんがお目覚めになりましたぁ~!!」………エェェ」

 

 

 大声で俺の名を叫びながら走っていくと、ユージオとアリスが何故か即座に駆け付け俺に飛び付いた。心配掛けたのは反省する。反省するから離れて、痛い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「それで言うことは?」」

 

「ごめんなちい」

 

 

 今度は頭を叩かれた。痛い。

 

 

「師匠!!幾らなんでもダークテリトリーに1人で、しかも無断で勝手に入るなんてどうかしてます!!」

 

「銀ちゃん!!幾らなんでも勝手過ぎるって!!」

 

「わ、わりぃわりぃ……って、おろ?」

 

 

 アリスが俺の首に腕を回し、抱きついた形になるとアリスは肩に顔を埋めて呟いた。

 

 

「……心配したからね」

 

「……悪いな。アリス、ユージオ」

 

 

 暫しの間。それだけで心が落ち着いてくる。未だ子どもの様に俺を抱きしめてるアリス、それを慈愛の笑顔で見ているユージオ。あとは…………あり?

 

 

「ユージオ、アリス。ヤタはどうしたよ?」

 

「えっとですね、ヤタなら何処かへ翔んでいきました」

 

「……マジで?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[何か中途半端でごめんなさい。後、何時の間にか評価バーが黄色になってました。ありがとうございます。]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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