銀髪スタンド使いの転生者はSAOの世界で第二の人生を過ごす 作:(´鋼`)
「お、おいおいおいおい!!な、何で……何でPoHが居るんだよ!?」
《そこはお前でも理解しかねんのかよ、まぁ良いや。ちょっくら……よっと!!》
「ぬあっ!?」
幻聴かと思われた懐かしい声の正体は……俺が殺した筈のPoHであった。しかも、その声は黒いオーラから発せられている。
話の途中で何か黒いオーラが蠢いているかと思いきや、今度はその黒いオーラからPoHの上半身が出てきおった。それで変な声出しちまったじゃねぇか畜生がッ!!
《あー出られた》
「PoHテメエ!!!」
《んお?》
その場で飛んでPoHの腕に脚を引っ掻けて、逆上がりの要領でPoHの後ろに行き素早くPoHの腕を後ろに回す。
《いでででででで!!!ちょ、タンマタンマ!!ギブギブギブ!!》
「なぁにがギブだこの野郎!!テメエ勝手に俺の右腕から出てくるんじゃねぇよ!!何処のベルナ○ット隊長だオラァ!?」
《オイこら待てこら!!いきなり伏せ字で出すネタを構してんじゃねぇ!!》
「喧しいわ!!腕から出てくるとか、変なオーラとか、声が聞こえるとか、全く持ってセラ○とベル○ドット隊長の共闘のパクリじゃねぇか!!」
《これ作者の案!!HE○LSING知らなかった時の案!!だからセーフだわ!!》
「思っきしアウトだわ!!つーかテメエも○ELLSINGを出してくんじゃねぇ!!このバカ!!つーかメタイわ!!」
「「お前ら落ち着けぇ!!」」
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PoHに制裁を加えていると何故かヤタとシンセシスの奴が俺たちを止める。その時間、およそ10分程懸かる。
《テメエ!!ここは感動の再開とかで普通俺に疑問持つだろぉが!!何で疑問より先に足が出てきてんだよ!?何で俺をしばいたよ!?》
「ったりめぇだわバカ!!死んだ奴が出てきたら先ずは成仏させる!!これ世の心理だから!!」
《少しは再開の喜びでも味わえよ!!つーかお前そんな考え持ってたっけ!?》
「……この状況を説明してくれる奴を捜している」
「俺も知らん。同居烏だが知らん」
何故か4人?とも仲良く座り、俺とPoHの喧嘩を眺めている。それで良いのかシンセシス?それで良いのか神獣よ?
当のPoHは再開した俺に向かってツッコミを毎度の事入れていく。久々にツッコミ役が居て良かったと思えるのは初めてだ。ここ最近ボケもツッコミも殆ど無かったし。
「………はぁ、ギャーギャー騒いでも仕方ないか。PoH、お前は何で居るんだ?」
《やっとそのquestion来たか。待ちくたびれたぜ》
PoHは俺の右腕から発生されている黒いオーラから上半身だけ出ている。その状態で腕を組み話始める。
《事実、俺はお前の記憶の俺ってとこだ》
「記憶のPoH?どうせなら熊の○ーさんで良いだろ」
《お前は何時までそのネタ引っ張ってきてんだよ!?……んまぁ話戻すけど、何故かお前には殺した奴等の魂の記憶から色々使えんだよ》
「色々って何ぞ?あと何で俺?」
《あのgirlから心意の説明は受けたよな?》
「心意システム……想いの力だっけか?」
《これは俺がdateの時に考察したんだがよ、お前の心情が【背負う】心が多くてな。恐らくこのmindだけ過剰反応して負のdateどもが集結したのが今の状態、名付けるなら【記憶(メモル)】システムって所だな》
「メモルシステムねぇ……ってか、お前データってかゴーストデータになって彷徨いてたのかよ?」
《あぁ、あのSAOが無くなっちまって今やデータを彷徨くデータだな。お陰でお前が持ってた武器のdataにも会えたぜ?》
「……kaimuにも会ってたのかぁ、ってか待て!!お前さらっと何をk《んで、dataとして彷徨いてる内にこのUWの存在も知った訳だ。ベルクーリ・シンセシス・ワン》………」
「……知っていたか」
《知ってるも何もdataだしな。調べられる。アンタは初のシンセサイズを受け整合騎士として300年間居る奴……ただし今現在進行形で悩んでまーす》
「!?」
「お前心情データまで読み取れんのかい。それより、アンタ何を悩んでるんだ?そのシンセサイズとやを受けてカセドラルの者として生きたんだろ?何を悩む必要があるんだよ」
《ネタバレ。アドミニストレータの事だろ?》
「………あぁ、その通りだ」
胡座をかいて溜め息をつき、話始めるベルクーリ。
その内容を簡潔に纏めると
・公理協会に不信感を感じた
・自分達の出自に疑念を感じる
たったそれだけ。たったそれだけだが、このベルクーリを動かした動機だそうだ。よくもまぁそれで考えたな。
《お前の出自なら暇だから調べた。このUWにルーリッド村ってあるだろ?そこの開拓者で、初代衛士長だとさ》
「お前な、人のプライバシー覗いてどうする?」
《お前の場合はgirl friendとの夜の営みも知ってんだぞ?》
「ちょ!!テメエ!!」
「そうか……それが私の過去か」
《そうだな……それよか事態に気付いた奴が居るぜ》
そのPoHの言葉でヤタが指し示した方向に向けて小さな火炎弾30発を一気に放つ。それは一部衝突、一部消化されて消える。
俺とベルクーリは立ち上がり、木刀と剣を構える。
「何をしている1号。さっさとその異物を消せ」
先程の火炎弾の消化で生まれた煙の中から声が聞こえる。中々の爺とみた。んで煙が晴れたら、頭がぬらりひょんみたいにデカく逆立ちした爺が1人。
「チュデルキン……貴様か」
「きっも、ぬらりひょんじゃねぇか」
《プレデターかもよ?》
「どうでも良いからお前ら黙れ」
ベルクーリが頭のデカイ奴の名前を言ったあと、俺とPoHは前の様にボケつつヤタがツッコミを入れる。仕方ないじゃないか、久々にネタに走れると思ったらこれだよ。シリアス回になるよ!!
「まさか裏切るという考えを持ち合わせておらんだろうな?道具の癖に」
あっ?
《……キレたな》
「おいベルクーリ、コイツ殺らせろ」
「お、おい!!ソイツはアドミニストレータの側近だ!!1人で敵う相手では「1人じゃねぇよ」ッ!!」
「それによぉ……」
木刀を構え、怒りを露にする。それに伴い、黒いオーラまでも肥大化する。
「《俺は人間を道具扱いする奴が一番嫌いなんだよ》」
木刀と脚にオーラを集束させ、一気に距離を詰める。その時間、僅かコンマ5。
この素早さには驚いたチュデルキンとやらを細剣の様に構えた木刀を突き出す事で壁まで飛ばされ煙が立ち込める。
「………おいおい、これ強くね?」
《そりゃあシステムに組み込まれてないabilityを使ったんだ。こんな威力は序の口だわ》
「これが序の口?どう見てもパワーバランス可笑しいだろ」
そう、不意に木刀の先を見てみれば長さ10㎝の血が付いていた。しかも剣先には少しだけ肉も付いていた。これらから予想できるのは『貫いた』のだ。
「つーかさっき台詞合わせたよな?あの台詞、お前との約束でした事が原因だぜ?」
《haha!!謝るつもりはねぇ。あぁ、それとメモルシステムの詳細だが……簡単に言えば死んだ奴の記憶の全てを使えるのさ》
「死んだ奴?って事は……チッ、話の途中なんだがよ」
見れば壁から脱出してはいるが、体の中心に穴が空いているチュデルキンが居た。
「……ゴフッ」
しかしダメージが思いもよらない程のダメージなのか、吐血をする相手。恐ろしく強ぇな。
《なら簡単に説明するぜbuddy。死んだ奴の全てを思い出せ。以上》
「簡単に言ってくれるねぇ……やってみるけどよ」
最近殺した……アイツの事を……あのシンセシスの事を……思い出せ……アイツの能力を……アイツの武器を……アイツの全てを……
次の瞬間、黒いオーラが形を変える。あの時に見た弓に、あの時のデュソルバートが所持していた弓に形を変える。それを左腕に移す。
「あれはデュソルバートの熾焔弓!?何故あの者が!?」
《コイツが殺した。って言えばどうする?》
「!?」
「ベルクーリ、その事はカセドラルから出て話す。先ずはアドミニストレータを潰すのが先だ」
右手で弓を引く動作をする。イメージしろ。天から降り注ぐ数多の弓矢を。
弓を上に向けて右手の指を開く。生み出された火の弓矢はチュデルキンの真上に放つ。すると、その弓矢が複数に分裂し数多の弓矢となって降り注ぐ。
弓矢SS【スターダスト・エクサ】
チュデルキンは防御型の神聖術を用いて自分に当たる弓矢を防ぐが、流石にそれを考えていない俺ではない。
もう一度弓矢を放つ。イメージしながら。
弓矢SS【ストライク・ノヴァ】
放たれた音速に近い速度の弓矢はチュデルキンの心臓を穿とうとする。チュデルキンは逆さになっているので手での神聖術で防御をする。
最後の一発。カーディナルから言われた心意システムをイメージしてみる。黒いオーラではなく、銀色のオーラが弓全体を包み込み渾身の一撃を放つ。
その眩い銀の光は音速と同等の速さを生み出し、白き一閃となってチュデルキンの防御神聖術に衝突する。
勿論、システムに縛られた力と縛られない力が何れ程の力量の差があるのかは明白である。防御神聖術を貫通し、2本の矢がチュデルキンの心臓を穿つ。
チュデルキンは足を此方に向ける様に倒れ、天命が終わりを告げた。