銀髪スタンド使いの転生者はSAOの世界で第二の人生を過ごす   作:(´鋼`)

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魂の記憶《soul memory》

「だぁ!!しつこい!!」

 

「俺だってやってんだから、ちゃんとしろよ!!」

 

「こうも数が多いとやってらんねぇんだよ!!」

 

 

 はい、今現在スニーキングバレて実力行使で片っ端から木刀やスタンドで次々に来るモブ共を倒しています。これにはヤタも手伝ってくれている。というかヤタの嘴から太さ調節できるレーザー放ってくれるから眼前の敵だけ狙えば良い話になってる。

 

 スタンドは定番の『スタープラチナ』と遠距離狙撃の『Mr.BIG』を使用して仕留めている。

 

 近距離からやってくる敵はスタープラチナのラッシュで撃沈させ、遠距離の攻撃はMr.BIGによる狙撃で防ぐ。

 

 また仕留め損なった神聖術や弓矢は木刀で防ぎ、近付いてくる輩を気絶させていっている。

 

 そんな調子で幾ばくかの時間が懸かった。何分なのか、何十分なのか分からない。それでも無尽蔵の様に出続ける兵士どもに、流石に歳なので疲労が蓄積するのが早い。

 

 メンドクサイと思いつつ、Mr.BIGを『ゴールド・エクスペリエンス』にさせて持っているギガスシダーの木刀を地面に突き刺しゴールド・エクスペリエンスで触れる。

 

 木刀からは太い根の様なものが地面を伝わり、兵士どもを拘束させる。ゴールド・エクスペリエンスの手を木刀から離れさせ拘束している兵士に接近し、2つのスタンドと木刀+顔面狙いの空中回し蹴りで戦闘不能にさせていく。

 

 ゴールド・エクスペリエンスで殴られた者は痛みが反復して戦意喪失、スタープラチナで殴られた者は顔面グシャグシャ。木刀の突きで顔面を狙い、回し蹴りで気絶させる。

 

 気付けば辺りは静まり返り、聞こえてきたのは俺の呼吸音だけだった。

 

 

「おっつ」

 

 

 あとヤタの声。集中してて忘れてた。

 

 

「お疲れ………ェェェ」

 

「ほれ」

 

 

 疲労で倒れ込もうとした時、ヤタに服の襟首をつばまれ背中に投げられる。羽毛の心地良い感触が疲れなんぞ吸収してくれる様で気持ちいい。

 

 しかしヤタは歩みを進める。上に続く階段が無いかとキョロキョロしていると……また、1人。

 

 しかしそれは只のモブであってヤタが羽一枚飛ばしたら終わった。んで、ヤタが階段見つけて俺起こして降ろして階段上って部屋に着いた。

 

 なーんか待ち構えてますよって堂々と立ってるオッサン居るんだけど。如何にも対戦する為に立ってるオッサン居るんですけど!?

 

 

「よぉオッサン。こんな所で何立ち止まってんだ?腰でも痛めたか?」

 

「そう減らず口を叩いているお前の方こそ疲れている様に見えるが?」

 

「バッカ言え、俺はまだ23だぜ?(現実だと18だけど)」

 

 

 こんな感じに俺は喋ってるけど……アイツ相当の手練れだな、親父に敵うかは別として。

 

 恐らく……今まで戦ってきたシンセシスと比べても意味ねぇ位の強さだろうな。んま、どうにかなるか。此方にはスタンドが2体あるし。

 

 木刀を目の前のシンセシスに向け、敵対の意思を見せる。相手は時計の針の様な剣を向ける。

 

 

「ヤタ、お前は下がってろ」

 

「へーいへい」

 

「何故神獣と思わしき烏が居るのか分からんが……こうなってしまっては手加減無用」

 

「そうだなぁ……手加減は出来ねぇよなぁ!?」

 

 

 帯刀していたもう一本の木刀を持ち、スタンドを発動させる。

 

 

「『シルバー・チャリオッツ』!!『アヌビス神』!!」

 

 

 剣士タイプのシルバー・チャリオッツとアヌビス神を組み合わせる。端から見れば刀が浮いている様に見えるが持っているのであしからず。

 

 

「剣……いや、刀か。浮いているだと?」

 

「これで3対1……いんや、4対1だな」

 

 

 脚を下げて足の先をシンセシスに向けた後、一気に駆け抜ける。シルバー・チャリオッツは1メートル程近付かなければならないので走る走る。

 

 当のシンセシスは剣で虚空を斬った後、防御の構えを取る。何かしら策があるのか分からんが、何か変だな。

 

 しかし近付かなければ攻撃できない事も確かなので、そのまま突っ切って行こうとした。

 

 射程距離に入った瞬間、何もない虚空によって左肩から右横腹へと斬りつける様な斬撃を味わう。

 

 

「ぐぅ!?」

 

 

 ヤバッ、ギリ意識が持ってかれそうだ!!だが射程距離に入ったのは此方だって同じだ!!アヌビス神を真上から振り下ろす。そうする事で奴は回避、または防御に徹する。

 

 しかもだ、再度俺に攻撃しようともなれば回避は横移動。防御は剣で受け止めるから胴体がガラ空きになる!!

 

 案の上右に避けたソイツはシルバー・チャリオッツのレイピアを腹に食らわせてやるよ!!ホラァ!!

 

 

「ぐっ!!?」

 

「うっし!!命中したぜ!!」

 

 

 諸レイピアを食らったシンセシスの腹から血が数滴垂れる。今さらながら、俺は禁忌目録(やっと間違えずに言えた)の制約を一部菊岡に解除してもらってるからそもそも痛みなんぞ来ないけどよ。

 

 そのシンセシスは不思議そうに俺の事を見て一言。

 

 

「先程の力は……一体?」

 

「知らねぇまま終わってろ」

 

 

 またバカ正直に突っ込んでいく。しかしこれが狙いだ。どうも奴には斬った空間から斬撃が使える離れ技を持っているらしい。

 

 さっきのシルバー・チャリオッツで警戒しているのか、一向に剣を振ろうとしねぇなぁ……まぁ好都合だけどよ!!

 

 両方の木刀とアヌビス神の剣先を真っ直ぐに向ける。つまりは……突属性四刀流!!

 

 

「オオオオオ!!!」

 

 

 可視出来るアヌビス神から突きを放ち、次にシルバー・チャリオッツで追撃。シルバー・チャリオッツの攻撃で今度は左腕に穴が空いた。追い討ちを掛ける様に木刀を素早く突きの二連撃を放つ。

 

 

「ぐぬぅ!!」

 

「まだまだァ!!」

 

 

 昔懐かしと感じるあの頃使った/見た剣技の真似事だが、これぐらいやんなきゃプレイヤー魂が廃るってモンよぉ!!

 

 

  片手剣四連撃【ホリゾンタル・スクエア】

 

 

 シンセシスを中心に回り込む様に四連撃の斬撃を食らわせる。終えると四角い銀色のエフェクトが出現する。

 

 

「次だァ!!」

 

 

  細剣八連撃【スター・Q・プロミネンス】

 

 

 胴体に素早く三連撃、続いて下に潜り込み二連撃の斬りつけ。その後にシンセシスが剣を振ってくるが、後々の対策の為にアヌビス神とレイピアで受け止めて自分に剣が当たらない様にジャンプ。そっから三連撃の突きを放つ。

 

 

「木綿季!!借りるぞぉ!!」

 

 

  片手剣十一連撃【マザーズ・ロザリオ】

 

 

 今度は四刀流でのスキル攻撃。上段からの突き攻撃はアヌビス神とレイピアで、下段からの突き攻撃は俺が行う。

 

 レイピアとアヌビス神での素早い突き攻撃四連撃がシンセシスに命中し、次に下段からの俺の突き四連撃。これには距離をとって体勢を立て直そうとするシンセシスだが、左手に持っていた普通の木刀を投げて追撃。

 

 踏み込んで距離を縮めた所でシルバー・チャリオッツとアヌビス神の二連撃、最後に俺が右手に持つギガスシダーの木刀で心臓辺りを狙う。

 

 かの様に見えた。

 

 

「ぐっ!?」

 

 

 こ、ここに来て……傷のダメージが。いや、よく絶えてくれた位か。無理しすぎた。

 

 そしたら相手の後ろにある魔方陣から土柱が数本出てきて、俺の体を勢い良く吹っ飛ばした。しかも先ほどの怪我の箇所に当たり、ダメージは相当のものと考えた。

 

 受け身を取れないまま吹き飛ばされた体は地面に荒々しく着く度に痛みを伴う。恐らく命が幾つあっても足りねぇだろうよ。

 

 

「おい銀!!」

 

「来んじゃねぇよ……ヤタ……」

 

 

 今度は相手が魔方陣から赤い槍みたいなヤツ取り出してきたんだけど?つーか俺立てねぇ、どうしようか?

 

 そう考えていると槍が投げられた。無論、俺に向かって。避ける気力がねぇ俺には到底避けられねぇ……ダメだこりゃ、死ぬな。そう思って目を静かに瞑る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《おいおい。ったくよぉ、それでも俺が認めたbuddyか?》

 

「ッ!?」

 

 

 幻聴なのだろうか、懐かしい声が聞こえて目が覚めた。目を覚ました俺は、何故か生きている事を実感できた。

 

 そして、次に目に入ってきたのは……あの時の黒いオーラが槍を受け止めていた。

 

 

《ほら、stand upだぜぇ。シヴァ。まだ終わらせる訳ねぇだろぉ?》

 

 

 この懐かしい声は……幻聴じゃあない!!これはッ!!

 

 

「PoH!!!」

 

《Yes , I am!!》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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