今日はギルドではなく、自宅で1日を過ごすことにした。ギルドは活気があって悪いものでないが、常に喧騒の場にいると、たまには静かに過ごしたくなるものだ。
俺は映像魔水晶を手に取る。この魔水晶は文字通り録画をするための魔水晶だ。今までのレビィやエルザの痴態、ついでにナツやエルザとの戦いが収められている。いつかこの魔水晶が彼女たちの痴態でいっぱいになることを夢に思っている。
「そうだな、エルザの映像でも見るか」
俺が戦闘態勢を整えていると、インターホンの音が聞こえてきた。どうせセールスの類いだろうと俺は居留守を決め込むが、インターホンの音は一向に鳴りやまない。こんなふざけたマネをするのはどこのどいつだと悪態をつきつつ、玄関のドアを開けるとそこにいたのはミラジェーン・ストラウスだった。
俺の家を訪れた理由はわからないが、立ち話もなんだと部屋に入れた。お茶を出して、話を聞いてみると今日ギルドに来なかったから心配になってここに来たようだ。確かにギルドの誰にも今日は家で休むとは言ってないが、毎日行く義務もないんだからそこまで心配することでもないだろうと思う。
しかし話が進むにつれ、俺は頭を抱えることになる。どうやらギルドの面々に俺は「高い実力を持っているが、扱う魔法が危険なためそれを忌避しており、また仲間を危険な目に遭わすことを恐れ、交流も避けている」と思われているらしい。実に面倒なことになってしまっている。俺はみんなが思うような大層な事情なんて抱えていないが、思わせぶりな行動を取ってしまっていたようだ。
とりあえず誤解を解くために俺は「使う魔法は危険ではなく、使いづらいから忌避している。俺の友人関係が狭いのは単に俺のコミュニケーション能力が低いだけだ」と事実を伝えた。
だがミラは俺が伝えた事実に納得がいかない様子だ。このままじゃ帰ってくれないと察した俺は「悪いが俺はな、お前が心配するような人物ではない。隠していたが俺は性欲モンスターだ。今もお前のことを犯したくてしょうがない」とさらなる事実を突きつけた。真に受けることはないだろうが、ドン引きして退散するだろうと思っていた俺は甘かった。
ミラはその身を差し出して「だったら好きにすればいい」と言ってきたのだ。
俺はミラが壊れてしまったと焦ったが、彼女にとっては純粋に仲間である俺を信じての行動のようだ。
ここでミラの信頼をぶち壊すのもありではある。しかしその先に待っているのはサタンソウルによる蹂躙。いくら全盛期の力はないといってもS級魔導士に変わりはない。穏便に済ませるのが得策だと、俺は突然変なことを言って口走ったことを謝罪した。
ミラは笑って許してくれたが、その代わり自分と友達になるよう言われた。断る理由もなかったので、あっさり承諾するとひどく驚かれたが、そんなにダメ人間だと思っているのだろうか。
しばらく談笑した後にミラは「また明日ね」と言って去っていった。そんなこと言われたら明日はギルドに行かざるをえないじゃないですか。
次の日、起きたら昼の1時を回っていた。レビィから借りた本を読んでいたら徹夜してしまい、こんな時間に起きてしまった。
早くギルドに行かないとなーって考えてたら、それより早くにミラがこっちに来てしまった。ニコニコしているものの、怒っていることがわかったので、素直に理由を言ったらグーパンされた。
俺は支度をして、ミラとともにギルドへ向かう。ミラは有名人なので道中よく声をかけられた。
「なんていうか、ミラの隣を歩くの恐縮だわ」
「Kは自分のことを卑下しすぎよ。もう少し自信を持ってもいいんじゃないの?」
「ミラと比べれば全く大したことないからなあ。俺も『魔人』とか言われるようになるのかねえ」
『魔人』の言葉にミラの表情が固まる。そういえばあのことがまだ尾を引いているのか。ミラが現役を退く原因となった事件。
その事件でミラは力を失うばかりか、妹も死んでしまったと思っている。本当は妹は生きているんだけどな。妹もかわいかった覚えがある。それといい尻してた。
俺がくだらないことを考えていると、ミラは自分から昔の話をしてくれた。本人の口から聞くのは耐えがたいものだ。ミラがこれだけ責任を感じているのなら、直接の加害者と言ってもいいエルフマンの気持ちを考えると、闇堕ちしないか心配になるレベルだ。原作を知っている俺はそうはならないと知っているが、あることに気付く。
本来いないはずの俺がギルドにいるのだからこれから本当に原作通りになるのかと自分の影響力なんて大したことないと思っていたが、俺が原作キャラに接触し、ギルドに加入したことは立派な変化だ。
もしかしたらナツがエロに興味を持つかもしれないし、グレイの脱ぎ癖が露出狂へと変化するかもしれない。
ただ俺の原作知識も怪しいところがあるのでなんとも言えない部分もある。しかし俺が既に原作介入していることに変わりはない。
なら、もう好きにやらせてもらおう。
「ミラ、実は相談したいことがあるんだ」
俺はミラに笑顔である提案をした。
ミラジェーン・ストラウス、エルフマン・ストラウス、それと今はいないリサーナ・ストラウス。彼らは3人とも接収と呼ばれる魔法の使い手である。特にミラは先に述べた通り『魔人』と恐れられたS級魔導士で、リサーナはどうだったかよく覚えていないが、エルフマンも結構強かったはずだ。
しかしミラは力を失い、エルフマンも例の事件でびびって全身接収を使えない。のちにエルフマンは土壇場で全身接収を使えるようになるのだが、俺はこれは問題だと思う。漫画だから都合よく暴走せずに事足りたが、普通はそんなことありえない。それにびびっているとは言え、全身接収はかなり強い武器になるのに使いこなそうとしないのはもったいない。
だから俺が早い覚醒を促してやろう。
「K!!姉ちゃんを離せ!!」
「クッハッハッハ!離せと言われて離す者がいるか!!」
俺の作戦はこうだ。ミラを人質に取ったふりをし、エルフマンをおびき寄せ、それっぽい言葉で全身接収を使わせる。暴走するかもしれないが、対策はしているので大丈夫だ。
それに暴走する可能性は低いと思う。俺は肉親を失う恐怖ではなく、俺に対する怒りによって魔法を使わせる。どっちが精神的に安定しているかと問われれば、後者だろう。あの土壇場で使えるのなら余裕がある今でも使えるはずだ。
ミラにこの話を持ちかけた時、当然のように渋られたが、俺は別の目的もあったので、説得に説得を重ねて了承してもらった。
エルフマンに全身接収を使わせるには舌先だけでなく、目に見える煽りも必要だ。目に見える煽り、つまりエロいことができる。
さらにこれは両者合意の上で事に及ぶ。合意と言っても「エルフマンを焚きつけるために少し手を出すかもしれないが許してくれ」としか言ってないが、遠慮なくやらせてもらう。
「ミラの身が大事なら全身接収を使え!」
「!?いや、なんで使わねえといけねえんだよ!!使うわけない……」
「別にそんなことどうだっていいだろ。使わないならこっちにだって考えはある」
俺は魔法E・ウォーターを発動し、ミラの服を溶かす。溶かされて露出した素肌がなんとも色っぽい。
「きゃああああああ!!」
「姉ちゃん!!」
「ほう、これはまたいやらしい下着を着ているじゃないか。『魔人』様は相当淫乱でいらっしゃる」
演技ではなく、マジモンの本心で下衆なセリフを吐くと、エルフマンだけでなくミラにも睨まれてしまった。これあとでちゃんと弁明できるか心配になってきた。
とりあえず今は目の前のことが優先だ。2人の睨みに怯まず、俺はミラのお尻を鷲掴む。ミラは困惑しているが、お構いなしに肉付きのいい尻の感触を楽しむ。
「さっ触らないで!」
「たまらないなあ。ギルドに入った時から思っていたが、とんだエロ尻だ」
ミラの顔が怖すぎるが、そんなことは気にしない。俺はグニグニと熟れた果実を揉み、時に中央の割れ目に指を入れなぞるように動かす。く〜!俺の指に感じているのか震えているミラに興奮が止まらない。
「K!お前は絶対に許さねえぞ!!」
「許すも許さないも勝手にしろ。それで使う気になったか?」
「それは……」
「情けない奴め。ミラからお前の事情は聞いている。しかしお前はあれから全く成長していないじゃないか」
「お前なんかに何がわかるんだ!!」
「わかるさ。お前が逃げていることくらい。そして同じ過ちを繰り返すこともな!」
俺は再びE・ウォーターを使い、ブラまでも溶かす。姿を現したデカメロンに俺はエルザの時並みの感動を覚える。
「どうした!?お前は全身接収を使うことを恐れているが、それは姉が汚されること以上なのか!?ふん、所詮お前は漢とはかけ離れたただの根性なしだ!!」
調子に乗って煽っていたらエルフマンが全身接収を使ってしまった。これからが本番だったのに飛ばし過ぎたな。しかもこちらをしっかり見据えてるから理性があるパターンだ。
俺はミラにこの場から離れるように言って、エルフマンと対峙する。暴走した時の対処は考えていたが、使いこなせた時のことは考えないようにしていた。その時はミラが止めてくれるだろうと信じていたが、今回やり過ぎてしまったため、それもアテにならない。五体満足で帰れたらいいな。
エルフマンとバトルした俺は満身創痍になったが、死ぬことはなかった。途中ミラが止めてくれなかったら完全にアウトだったものの、生きて帰ってこれた。
確実に2人に嫌われるだろうと思っていたのに、2人は俺がエルフマンのために過剰なことをしてでも悪役に徹したと思っている。お前らの目は節穴か。俺は欲望の赴くままにミラの尻を触ってたぞ。
でもすんなり許されたわけではなく、エルフマンからは「もし次こんなことをしたら容赦しないぞ」的なことを言われ、ミラも許してはくれたがしばらく目を合わせてくれなかった。
そのせいでレビィやエルザに不審に思われたり、二次被害が出てしまった。払った代償は大きい。
それとエルフマンが全身接収を使えることはなるべく隠しておくように言った。当然エルフマンから批難があがったが、「お前は隠された必殺技にロマンを感じないのか?」と言ったらキラキラした目になってあっさり受け入れた。一応の原作との差異対策である。ミラは呆れ気味だったが、弟が無事トラウマを克服出来たことを喜んでいた。
そしてもう1つの変化があった。ミラが現役復帰のためにリハビリを始めたのである。原作よりだいぶ早いエルフマンの覚醒と俺の言葉に感化され、「自分も前に進みたい」と決意したそうだ。
俺はとんでもないことをやらかしてしまったかもしれない。だからと言っても俺はこれからも気の向くままにやるだけだ。
それから俺もミラのリハビリに付き合い、一緒にクエストに行ったりしてるのだが、ミラ優しすぎないか?いくら演技(だとミラは思っている)とはといえ、あんな恥ずかしいことをすれば避けるだろう。
避けられるどころか一層親交が深まったことに疑問を覚えるも、次はどうしてやろうかと、懲りずに思案する俺は間違いなく下衆である。