神話的知識の先に   作:ニキタロウ

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何度目かの出会い

あれから日を空けて色々と書き綴ってきたが、思いだせば思い出すほど笑いが出そうだ、なぜ俺が人間ごときの為に命をはらなければならないのか?

 

時には見知らぬ子のために命を賭け異世界に行くこともあれば、これから悪事を働こうとした人間を叩きのめしたこともあった

 

これになんの意味がある、俺は見知らぬ人間から親を殺され社会から追われた、なんとか逃げ切ってもそこで見たものは異型になった人を殺す人々

この世のどこに綺麗な人がいるというのか、昔から自分はほかの人間とは違うとどこかで考えていた。

 

そうだ、違うんだ普通の人間ならば発狂し、社会にでてこれなくなったり、下手をしたら死ぬ経験をしてもなお生き残った俺はほかの人間とは違う・・・俺は人間を超えた・・・両親を殺した人間共を滅するべきだ

俺自身まだ人の領域から抜けきれてない、だがどうした?

人間ではどうしようもない神を俺は呼ぶ事が出来るではないか・・・

スグにでも呼び出したいが・・・まだ足りない、覚悟が、何をすれば覚悟を決められるのか、そうか、まだ俺自身が俺自身の手で人を殺めていないのか・・・ならば食屍鬼を使い人を殺し、覚悟を決めよう

 

 

その前に最後の俺の物語を書くべきかな・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

秋の終わる頃、俺は前の神話的現象から離れ平和な時を過ごしていた

────そう思うえばこの事件がきっかけで俺がこうなったのか

────夜、探偵としての仕事が終わり駅から電車で帰ってる途中だった、今日は嫌に人が多いスーツを着た人の中心に綺麗な女性がいる、大方裏のお偉いさんのお嬢さんの護衛だろうと気にせず外を見る、外と言っても地下鉄なのだが・・・

 

急に電車がとまるなんだなんだと気にしていたがすぐにアナウンスでこれが緊急メンテナンスによるものだと分かった

早く帰らせろ・・・そう思ってトンネルを眺める、自分の焼け爛れた顔が見える、この数カ月でこんな怪我をするなんて・・・と思っていたその時ガラス越しに見慣れた食屍鬼の姿があったそれはスグに消え去るとスグに銃撃戦でもしているのかと言うような音が聞こえた

グールが銃を持つはずがない、襲われている

そう思った瞬間電車が動き出す、次の駅に着くとすぐに降り自分が見たその場所に行こうとする、がスーツの男に止められてしまう

「おうおう、今から家のお嬢がここに探し物のために入るんだそうよ、お前は帰んな!」

相手は1人、丁度誰も見ていない、国武は素早い蹴りでその男を気絶させて先に進む

スーツの男に囲まれた女性は国武を見ても驚かず、むしろ協力してくれるそうだ、他にも男性が1人あとを追ってきた。国武は今回の事件は下手をすると何が起こるかわからないことを伝えた

そんな事をしている矢先に銃声が聞こえる、何人ものスーツ男が倒れる

銃声が聞こえた方を見ると特殊部隊と思われる4人組がこちらに近寄ってくる

1人が代表するかのように近づく、国武が前に出るそうして気づいた──奥になにか倒れていると、それは食屍鬼であると、それに気づいた国武は反射的に蹴りを繰り出す不意打ち、決まる。そう思っていたが相手も武術の経験があるのだろう、うまく受け流されてしまった

「手を出すのが早い男だな、俺は人間には興味ねぇんだだよ・・・あぁ、そこの嬢ちゃんでいい、話を聞きな」

国武を払い除けて女性に近づく

国武はその男の後ろ姿を見てあることを思い出す、それは最初の事件で遭遇したあの人間を思いだした

男はそんなことお構い無しにタバコを取り出し火を付ける

「おらぁよ、かえってほしいんだ今日のことは忘れて、そして誰にも言わないようにな」

 

「私の後ろには・・・組が控えてるのよ?」

女性の脅しにも驚かずに男は返す

「ふん、ここらで威張りきかせてるくらいで調子に乗るんじゃねぇぞ、その綺麗な顔に傷が付くぞ」

そう言うとタバコを押し付けようと手を伸ばす

 

 

その手は途中で動きを止める、国武が後ろから足音を立てず素早く腕を掴んだのだ、国武の筋力にあと少しで抗えず動きを止める男、しかしニヤリと笑うと片方の手で拳を振るってくる

国武は落ち着いたのか冷静に受け流す

「ほう。お前ともやってみたいもんだ・・・」

「あぁ・・・俺もだよ、しかしまぁ二度と会うもんはないと思ってた部隊さん会えるとはねぇ」

「はっ、おらぁ関係ねぇ・・・まぁいい、この話をもらすな、普通の生活ができなくなるぞ、例えば今からな」

後ろにはアサルトライフルとおもしきものを構えた人間が3人いた、なるほど、これは無理だ

そう判断すると大人しく帰らされた

駅に戻るといつもの日常に帰ってきた気分がした

3人は顔を見合わせると頷く、当たり前だあそこまでされたなら報復を与えるまで

各々連絡先を交換しその場を後にした

 


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