ボブの聖杯戦争 ~F/sn Unlimited Lost Works~   作:黒兎可

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ボブるまでのダイジェスト感


その夜、運命に出会ったYo! その1

 

 

 

 

 

 何かおかしなことをした記憶はない。強いて言えば、シンジが多少不機嫌だったこと。桜に手を上げていたあたり、よほどアレが応えたと見える。

 だからという訳ではないが、どうせ暇だからとシンジから押し付けられた雑用をこなす。一通り掃除を終え、そしてついでとばかりに全体に手を出し。時刻は中々に遅い。

 風が出ていた。

 あまりの寒さに頬がかじかむ。冬でもそう寒くはない冬木の夜は、今日に限って妙に寒かった。

  

 ごく当たり前のように帰り道、つまり校庭を回る。

 

 そして、俺は見てしまった。 

  

 それを見て、近づけば近づくほど、音は大きく勢いを増し。

 本能的に危険でも察知していたのか、隠れながら足をすすめていたことが功を奏したらしい。

  

 音源を見て、意識は凍りついた。

 

 何か、よくわからないものが居た。

 黒い男と青い男。

 時代錯誤とかを通り越し、冗談みたいなほどに物々しい武器を手に取った両者。その二人は、文字通り「斬り合っていた」。

 理解できず、視界で認識できず。目の前の状況に、脳が正常に働かない。

 

 ただ、一目でその在り様を痛感させられた。こいつらは人間じゃない。おそらくヒトガタをしたナニカだ。魔術の素養だとかそんなもの関係ない。あんなもの誰が見たって判る。そも、人間はああして動けるように出来てはいない――――。

 

 最近頻発しているらしい、冬木の怪事件が脳裏を過ぎる。だが、そのせめぎ合いを前にして、衛宮士郎は足が動かない。両者がお互いに向け振るう武具そのものが、まるで自分にも突きつけられているような、そんな錯覚と共に。

 

 やがて音が止まる。そいつら二人は、距離をとって向かい合い。

 青い方のソレに、吐き気を覚える。養父にも見せられた周囲から魔力を集める行為。それを数千倍にも濃い密度で行っているかのような、いっそ嫌悪感を覚えるほどの。

 

 だが、相対する黒い男も負けてはいない。いや、外見上は何もしてないように見えるが、しかし衛宮士郎にはわかる。あの男の言葉が、既に青い男の中に「溶けてしまった」何かを、ゆさぶり起こすように言葉を紡いでいる事を。

 

 緊迫した状況。息を殺していた俺は、ふと、運悪く視線を動かし――――見知った顔を、とらえてしまった。

 

「遠坂……?」

「――――――誰だ!」

 

 青い男の視線が、じろりと俺を捉えた。

 相手の体が沈んだのを見た瞬間、そこからはもう、無我夢中だった。足が勝手に走り出す。体の全てを逃走にふり。気が付けば校舎の中。それが下策だと、混乱していた思考でも把握は出来た。だが、それでも追跡してくる気配を感じず、一息ついてしまったのが悪かった。

 

 追いかけっこは終わり。

 運が悪かったと、突如現れたあの青い男は、衛宮士郎の心臓を槍で刺した。

 

 一撃で意識が霞む。ただの一刺しで活動を停止した心臓。感覚がなく、ふらふらと意識が定まらず。

 

 例えるなら喪失。自分以外の世界そのものが無くなってしまったかのような。

 知ってる。十年前から知ってる。死に行く人間の感覚。男の言葉も遠く、自分の体も遠く。

 

 やがて走って来たのは、誰の声だったか。

 

 

 ――――――やめてよね、なんだって、アンタが……!

 

 

 押し殺した悲鳴のような、そんな声が聞こえた気がする。

 悔しげに奥歯を噛み、どうしたらいいかさえわからないというような、その声。聞き覚えのある声は、でもこういう言葉を聞いていなかったような感覚でも……、だめだ、思考がまとまらない。

 

 ただ、苦しげな声と――最後に、すがすがしささえ感じるような、そんな自嘲したような声が聞こえたような気がする。

 

 

 呆然と目が覚めたのは、それからどれくらい経ってからか。頭痛が激しく思い出し難いまでも、胸の痛みが、衛宮士郎の身に起こった事を忘れさせない。ただ、起き抜け最初にしたことが現場の隠蔽というか、自分の血の事後処理じみたことだったのは、まだそれだけの判断力が残っていた証拠だろう。

 

 実際、俺は家に帰れた。

 桜も藤ねえもとっくに帰った後。居間の畳に転がり、深呼吸しようとして止めた。胸を膨らますと、ひびが入るように心臓が痛い。……穴の空いたそれが、癒えていないのだから当然と言えば当然か。正直トラウマだ。しばらく夢に見るだろう。胸に槍が刺さった残滓とでも言えば良いだろうか。

 

 ただ今の状況からして、誰かに助けられた、という認識と。その相手のものと思われる赤い宝石だけを手に持っていた。

 

 そして、今の状況を分析しはじめた丁度その時。家の結界が、侵入者を知らせた。 

 あの青い槍使いだった。見られたからには殺す。あの時の言葉に、嘘偽りはなかったらしい。

 

 手近にあるもの(ポスター)を強化し、土蔵まで距離を稼ごうとあがいた。……まぁ、大した効果はなかった。ぎりぎり、それでもボロボロになりながらようやく距離を離すことが出来たという程度で。

  

「もしやと思うが、お前が七人目だったのかもな。ま、だとしてもこれで終わりなんだが――――」

 

 意味を判別することが出来ない。だがそれでも、男の構える槍が、衛宮士郎に齎すだろう破滅は理解できた。

 いや、理解できただと?

 

 ……ふざけている。

 そんなものは認められない。こんなところで意味も無く死ぬわけにはいかない。

 殺されて、助けられた。助けてもらったからには、簡単には死ねない。

 俺は生きて、義務を果たさなければいけないのに――――死んでそれを放棄することなんて出来ない。

 

 そんなこと関係無く振り下ろされるだろう「死」に、怒りを抱いた。そんな簡単にヒトを殺すことに対して。そんな簡単に俺が殺されることに対して。一日に何度も殺される、そんな馬鹿げた話からしてふざけている。

 嗚呼もう、本当に何もかもふざけていて、大人しく怯えてさえいられず。

 

 俺はこんなところで、意味も無く。

 お前みたいな奴に。

 殺されてやるものか――――――――!!!!!!!!

  

 そして、その慟哭に。

 それは魔法のように現れた。

 

「へ――――――?」

 

 眩い光の中。背後から現れた彼女(ヽヽ)

 風を纏い。光をまとい。

 

 現れるなり、少女は男の槍を打ち払い、深く斬りこんだ――――。

 

 驚き何かをつぶやく男に、彼女は手に持つ「何か」を振り抜いた。

 

 火花が散る。たたらをふむ槍の男。不利と悟ったのか、獣のような俊敏さで土蔵の外へと飛び出し――――。

 

 退避する男を威嚇しながら。彼女は静かに、こちらへ振り返った。 

 

 

「――――問おう。貴方が、私のマスターか」

 

 

 問われた言葉の意味もわからないまま。衛宮士郎はただただ、彼女に見蕩れていた。自分だけ時間が止まってしまったかのような。先ほどまで体を占めていた死の恐怖はどこぞに消え、ただ眼前の彼女だけが視界の中心にあった。

 

 ただ出会いがあった、というだけ。

 おそらくは一瞬。一秒もなかったろうほどの時間。

 でも、彼女の姿は、たとえ地獄に落ちても鮮明に思い返することができるだろう、嗚呼それは――。

 

 うろんな言葉しか返せなかった俺を、彼女は見据えていた。

 

 

 

 

   ※

 

 

 

 

 俺をマスターと呼んだ少女。彼女は当たり前のように槍使いに向かい、切り結んだ。それこそあの黒い男のごとく、その不可視の武器を叩き付ける。

 じれる槍使い。やがて仕切りなおすように距離を取り。

 

「――――どうしたランサー。

 止まっていては槍兵の名が泣こう。そちらが来ないのなら、私から行くが?」

「……はっ、わざわざ死にに来るか。それは構わんが一つ聞かせろ。

 貴様の宝具――――それは剣か?」

「――――さてどうかな。

 斧かもしれない。槍かもしれない。いや、もしかしたら弓かも知れんぞ、ランサー?」

「くく、抜かせ剣使い(セイバー)

 今回の弓兵は、とびきり邪道だぞ」

 

 会話を交わす槍使いと少女。見逃すつもりはない、という彼女の言葉を受け、彼はやれやれと頭を振った。

 

「ったく、こちとら元々様子見目的だったんだぜ? 肩には『妙なものを』流し込まれるわ……。

 サーヴァントが出たとあっちゃ、長居するつもりもなかったんだがなぁ」

 

 ぐらりと。男の構えが変わる。俺はアレを知っている。空間が、光景が歪む。

 あの時と同じだ。見覚えがあるそれに、衛宮士郎は動けない。

 

 対する少女は、顔を厳しくしながらも、剣……らしきものを構え、相手を見据える。当然のように、俺が口にするまでもなく相手の危険度を理解しているのだろう。

 

 筆舌に尽くしがたい、コマ飛びのような動き。少女の足元目掛けて投げられる槍は。

 

「――――――”刺し穿つ死棘の槍”(ゲイボルク)――――――!」

 

 ありえない軌道を描き、彼女の心臓目掛けて、矛先を変えた。

 しかしそれでも、苦しげな声を上げながらもその指向性をそらす彼女は、やはりヒトではないのだろう。 

 ただそれでも、今までかすり傷一つ負わなかった彼女がだ。胸の中央を逸らしたとは言え、おびただしい血を流している。

 

「呪詛……? いや、今のは因果の逆転か――――――!」

「――――躱したな、セイバー。我が必殺の一撃を」

 

 地の底から響くような、射殺さんとせんばかりの表情。

 そんな男の言葉を聞き、彼女は何かを察したらしい。

 

「ゲイボルク!? ……御身はアイルランドの――――」

「ったく、こいつを出すからにゃ必殺でなくちゃヤバイってのに。

 有名すぎるのも考え物だなぁ。……己の正体を知られた以上、どっちかが消えるまでやりあうのがサーヴァントのセオリーだが……。あにくうちの雇い主は臆病でな。今の状況で帰って来いなんて抜かしやがる」

「逃げるのか、ランサー」

「嗚呼、追ってくるのなら構わんぞセイバー。ただし――その時は決死の覚悟で追って来い」

 

 ランサーは塀を飛び越え、止める間もなく消え去った。

 

 わけもわからず。本当に訳も分からずだ。

 セイバーを名乗った彼女の説明のほとんどが、俺にはちんぷんかんぷんで理解できていない。ただわかっていることは、たった今彼女が「外敵が二人」と言った事と、「数秒で倒しうる」と言い放って塀を跳躍していったことだけだ。

 

「外に敵? ……って、まだ戦うってのかお前――――!」

 

 息を切らして、慌てて閂を外して飛び出る。

 叫び、夜闇に目を凝らして。……すぐ近くで物音がした。

  

 ――――それは、一瞬の出来事だった。

 

 見覚えのある黒い男と、セイバーが対峙している。

 

 狂ったように嗤う男は、セイバーの一撃を受ける。薙刀、と言って良いのか……。独特な形状をしたそれが、赤く錆びつき、砕かれる。そのままセイバーの刀身は止まらず、男の体を横に凪いだ。

 

 (きず)が、男に生まれる。――いや、瑕だろうか。金色に輝くそれは、血を噴かず、まるで内側にある何か別なものが露出でもしたかのようにも見える。

 

「――――」

 

 不可解な現象だったためか。セイバーの顔が、一瞬唖然とする。

 男は嗤いながら、砕けなかった薙刀の上半分、黒い刃をセイバーに振り下ろす。

 

「くっ――――」

 

 篭手で受け、わずかに体勢を崩した彼女に目掛け、そいつは銃を振るった。……いつの間に持っていたのだろうか、右手には黒い刃ではなく、白の、刃の付いた大型拳銃。それをトリガーのあたりで回転させながら、刃でえぐると同時に、狙撃。

 

「セイバー!」

 

 よけきれなかったのか、腕に数発受けたセイバー。それを見て思わず声を上げていた。

 セイバーとそいつの視線が、俺の方を向く。一瞬驚いた表情のセイバーと……、何だろう、まるで十年来の友人が変わり果てた死体にでもなった姿を見たような、能面のような表情となった黒い男。

 

 その一瞬で、セイバーは銃を払い、衛宮士郎の方に飛ぶ。

 

 こちらの眼前で、見えない何かを構えた。

 

「シロウ。下がって。……サーヴァントとしての格はともかく、それを覆すだけの技量はあると見受ける。

 しかし確かに、貴方は邪道だ。アーチャー」

 

 見れば、男の持っている銃の、刃の箇所は赤く、さびついていた。数秒も経たずにボロボロと刃こぼれし、崩れ。しかしほんの一瞬で何事もなかったかのように修復されている。

 そんな黒い男は、能面のような表情を止め、仏頂面になった。その無表情が、本来その男の普段の顔なのだろう。

 

「武器のことか、出で立ちのことか。……まぁ、何だろうとどうでもいいか。

 ただ『本来より安定している』ことには感謝しよう。マスター」

 

 言いながら、いつの間にか両手の拳銃は姿を消し、右手にはまたあの薙刀のような、両端に黒と白の刃がついているもの。

 本来、それはキレイなものなのだろうが……、どうしてか、俺には醜悪な何かに見えた。理由なんてない。ただ、「作りたいから作った」としかいいようのない。そんな在り方が、まるでそれを守るために、辛うじてでも守るために姿形を変えてしまったかのような。そんな直感を覚える。

 

 持ち手の箇所は、すべて赤く錆び付いている。

 それに力を入れ、無理に折り砕き、両手にそれぞれ構える男。

 

「――――」

 

 男は何も言わず、ただたたずんでいる。しかし隙のようなものは皆無だ。俺だけでなく、セイバーも近寄るための隙を窺っている。

 

「何がどうなってるってんだ、一体……?

 なんなんだよ、サーヴァントって…………っ、あの槍も、セイバーも」

  

 思わず口からこぼれる悪態。「正規のマスターではない」とセイバーには言われたが、そもそもそれ自体が理解できていない。衛宮士郎にとって、ここは未知の領域だ。

 

 

「――――ちょっと良いかしら、そこのマスターさん?」

 

 

 そして、嗚呼、そういえば。

 黒い男の背後。あの時、校舎で青い男と戦っていたコイツの後ろには、確かに、彼女が居たのだ。

 

 

「お、おまえ、遠坂……!?」

「ええ、こんばんは。衛宮くん」

 

 にっこり、と極上の笑みで返してくる彼女、遠坂凛。

 

 これは参った。見間違いとかじゃなく、本気で学園の優等生、アイドルのような彼女からそんな、何気ない挨拶をされてしまっては。ただでさえ現実感が薄い出来事が、なおさら嘘みたいに思えてくる。

 でも事実、衛宮士郎の心臓は槍で壊され。俺の目の前にはヒトの形をしたナニカが二人並んでいる。

 

「驚いた……。まさかとは思ったけれど、貴方、魔術師だったのね」

「え? あーえっと……、つまりその、ってことは遠坂も?」

「むしろ、なんで判らなかったのかと言いたいところだけど、まぁいいわ。元々隠すようにはしていたけど、今更って感じよね」

 

 いや、何故だろう。そうもはっきり言われると、混乱しているこっちが間抜けみたいじゃないか――――。

 

「シロウ」

 

 不可解そうな顔をするセイバーに、知ってる奴だと説明。もっとも、それでセイバーの態度は何一つ変わらない。

 

「……セイバー、剣を下ろしてくれ」

「何を言うのです。彼女達は敵だ。ここで仕留めるべきだ」

「敵? 大体俺、そこからよく判っていないぞ」

「ふぅん……、そういうことね。

 ――――アーチャー、悪いけどしばらく霊体になっててもらえる?」

 

 なっ、と、セイバーが困惑する。

 アーチャーと呼ばれた男は言われるがまま、特に何ら反発もせず、武器を下ろして――――まるで幽霊のように、姿を消した。

 

「――――ちょ、何バカなコト言ってるのよ! そういうんじゃないってわかってて言ってるでしょ、アンタ!」

 

 そして何故か、遠坂が突然怒鳴った。

 

「はぁ、まあ良いわ。不満はあるけど従ってはくれるみたいだいし」

「遠坂、今の……!?」

「いいから。……で、そこのセイバーさんはいつになったら剣を下ろしてくれるのかしら」

「敵を前に下げる剣はありません」

「貴女のマスターは下げろって言ってるのに? へぇ、最優のサーヴァントともあろうものが、そんな簡単な命令に逆らうって言うんだ」

「――――――――」

 

 ぎり、と歯を噛んだ後。セイバーは剣を下げ、手のひらから力を抜いた。それで剣は仕舞われたのか、彼女から殺気が消える。

 

「じゃあ、そういうことで……。

 中で話をしましょう。どうせ何も解ってないんでしょ? 衛宮くん」

「へ? あ、いや、ちょっと――――」

 

 静止をかける間もなく、さらりと言って遠坂はずんずん門へと歩いていく。

 

「待て待て、一体何考えてるんだおまえ……!」

「バカね、色々考えてるわよ。だから話をしようって言ってるんじゃない。

 衛宮くん、突然の事態に驚くのもいいけど、素直に認めないと命取りって時もあるのよ?」

 

 今がその時だと、優雅に、だけれどどこか剣呑に言ってのける遠坂凛。

 反応が出来ないこちらを見て、彼女は上機嫌そうに笑った。

 

「判ればよろしい。それじゃ行こっか。衛宮くんのお宅にね」

 

 ……なんかすげぇ怒ってるな、アイツ。

 去り際の彼女の背中を見ながら、そんなことを察した。

 

 いや、しかし、それにしたって今の彼女の様子は、学校に居るときとイメージが……。

 

「マスター。何故追撃しなかったのです」

「? どうしてだ?」

 

 と、セイバーが不満のありそうな声で俺に言う。

 

「今のは絶好の機会だったはずです」

「って、お前、今の流れで背後から襲えって言うのかよ……。そんなことは止めてくれよ」

「そんな事とはどのような事か。

 ……貴方は無闇に人を傷つけるな、などと理想論を挙げるのですか?」

「え? ……いや、そりゃ出来る限り争いは避けるべきだけれど、襲ってきた相手に情を移すほどお人よしじゃないぞ、俺」

「では――」

「そうじゃなくて、だ。

 セイバーは女の子なんだから。そういうことするもんじゃない。怪我だってしてるなら尚更だろ」

「――――」

 

 毒気を抜かれたように、唖然とするセイバー。

 どうした? と確認すると、おずおずと。やや警戒するように俺の後ろに続いた。

 

 

 

 

 




「ふぅん……、そういうことね。
 ――――アーチャー、悪いけどしばらく霊体になっててもらえる?」

「……」 ←霊体になる
『……くく、そうかそうか。マスターはああいうのが好みか。じゃあ仕方ないな、それじゃ戦意も失せるか』 ←念話
 
「――――ちょ、何バカなコト言ってるのよ! そういうんじゃないってわかってて言ってるでしょ、アンタ!」

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