そういう仕様ではありますが、書いてて自分でも訳が分からないよ?となりました。
ここから、プロットを見直しつつ、もっと内容を掘り下げていきたいところですが……完結するのか、これ(遠い目)
エタらないよう、頑張ります。
どうにかこうにか積み上げ、結局のところ瓦解寸前になってしまった人生を振り返る、そんな、夢を見た。
「――――」
なるほど、確かに、俺は歪んでしまっていたのだろう。不特定多数の
「そんなことねぇよ。アンタは還れる、絶対に。オレが、還してみせる」
目が覚める様な蒼が、視界を覆いつくす。気が付けば、俺は見渡す限りの草原に立ち尽くしていた。見事な
「――――
「そう、"Tír na nÓg"――――綺麗なもんだろ?」
これは、果たして夢か現実か。困惑を通り越して冷静になる頭を回転させ、周囲を見渡す。ふくふくと肥えた豚とそれを追い立てる者がいる。瑞々しい林檎をたわわに実らせる木々がある。顔を赤らめてエールを片手に談笑する者たちがいる。そして、簡易な皮鎧を身に着けたランサー―――クー・フーリンが目の前に立っていた。
「夢とか現実とか、難しい話は置いておこうや。大事なのは、今、アンタがここにいる、その意味だ」
視線をクー・フーリンに投げる。きめ細やかな髪が陽を浴びて輝き、優しく吹く風に靡いている。
「どうしてだと思う?」
「……お節介な魔術師の悪戯だろうか」
「あー、半分はそうだな。だが、もう半分は違う」
苦笑を浮かべてクー・フーリンは言う。俺がここにいる意味とは。
「アンタが来たいと願い、オレが来てほしいと願ったからだ」
けれどそれは、決して、叶うはずのない願いだ。いくらパスが繋がっているからとはいえ、こんな事が起こり得る筈がない。記憶を夢に見るのとは、訳が違うのだから。
「これは極めて希で、現実には起こりようもない出来事なのは確かだ。だが、その
つい、と。クー・フーリンの指先が俺の胸、ちょうど心臓の上をなぞるように走る。バチリと目の前で火花が散ったような感覚と共に、心臓がある場所が熱を持つのが判った。まるで機械仕掛けの人形のようだな、と。心の中で呟けば、その考えが正解だとでも言うように、さらに熱がこもる。
「――――
クー・フーリンの言葉が答えだった。見た目ばかり本物に似せた人形は、当然ながら、心まではヒトにはなり切れない。その役割を補完する役割を持つヒトの魂も、楔を手放したことではがれかかっている。このままいけば、残るのは伽藍洞になった
「辛くはないさ」
目を、醒まそう。幻想から抜け出し、現実に戻るために。
「俺には、"願い"があるからな」
――――――――さあ、まだまだ、聖杯戦争を続けよう。
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(side : ■■■)
「随分と変質してしまった」
「在り様は変われど、本質は取り戻したようではあるが」
「そうは言っても、ほんの少しだ。微々たるものだ。彼が
「頭が固い、もっと柔軟に思考せよ。あれは、魂さえ
「簡単に言うけれどねぇ」
「実際、簡単なことだろう。狗を焚きつけてやれば、存外上手くいく。あれがあれである限り狗に弱い」
「そうかなぁ……どちらかというと、弱いからこそ、遠ざけると思うのだけど」
「馬鹿め、それでよいのだ。狗は狗で、逃げられれば後を追う。事象は確定した、後は彼奴らが自覚すれば勝手に
「まるで実際に目にしたことがあるようだ」
「
「貴方も泥に塗れちゃってるしね」
「ふん、我こそが変質しているとでも言いたいのか」
「違うのかい?」
「相違ない」
「認めるんだ」
「大元からは反れている、それは相違ない。だが、結局は元々持っていた苛烈さよ、今更と言う他ない」
「なるほどね」
「それよりも貴様、こんな所で油を売っていてもよいのか?そろそろ、あれが目覚める頃だろう」
「あれ?もうそんな時間?……仕方がない、戻るとしよう」
「そうさな……疾く失せよ。次に会うは、この幻想の終わりになろう」
「……そう、願いたいものだね」
聖杯戦争終結まで、あと――――――――