始まった庶務戦は意外に早く球磨川が降参した事によりあまり長引かず、現生徒会の勝利で幕を閉じた。しかし、試合終了後、球磨川の攻撃により傷つき、
「早く血清を持ってこい!時間がないからここで処置する!保健委員会への連絡を忘れるな!B班は球磨川さまを!A班は人吉さまの解毒に全力を注げ!そして残りの班は全員で彼女を抑えろ!!」
そう言いながら融道は選挙管理委員によって抑えられてる乱神モードになった黒神めだかを見た。
「ぜっ、善吉いぃぃぃぃぃぃっ!」
「絶対に手を緩めるなよ、緩めた瞬間俺たち全員どうなるか分からないぞ。」
融道は冷や汗を掻きながらそう言い、善吉の解毒を進めた。
しかし、一向に善吉の意識は戻らずとうとう心肺停止状態となってしまった。そしてその時、同じく心肺停止状態だった球磨川が急に蘇生した。
『あーあ、本当死ぬのだけは勘弁してほしいよ。
球磨川は自分の制服に付いた砂をはたき落としながらそう言った。そして、黒神めだかを見つけると、
『懐かしいなめだかちゃん。確か乱神モードだったよね?僕は中学の時にそれに負けたんだよね。』
「きっ、貴様!よくも、よくも善吉を!」
『逆恨みはよしてよめだかちゃん。僕だって善吉ちゃんに殺されかけたんだぜ?だから僕は被害者だ。」
黒神めだかは鬼の形相で球磨川を睨み、より一層力を加えて暴れ自分を抑えてる選挙管理委員を振り払った。そして球磨川に襲いかかろうとした。しかし黒神めだかが球磨川を襲う事は無かった。
「え…、あれ?ここは?」
人吉善吉が球磨川と同じ様に突然蘇生し、それを見た黒神めだかが善吉に抱きついたからだ。だけど、黒神めだかが乱神モードの状態のままで抱きついたため人吉善吉の全身の骨がベキベキベキと悲鳴を上げ、口も悲鳴を上げていた。
「ギャアアアアアッ!」
「善吉…」
「めだかちゃん…、あれ?俺、目が見える。てか、生きてる?」
「そうだよ、生きてるよ、善吉…」
そんな光景を現生徒会メンバーや選挙管理委員は静かに見守っていた。しかし一人だけ先程の黒神めだかと同じような鬼の形相で見ていた者がいた。球磨川禊である。それを見た現生徒会メンバーや選挙管理委員は球磨川が感情を露わにしたのに驚いた。特に人吉瞳は球磨川に感情があった事を知り驚いた。
『生きてた事には驚かない。死んだら死んだで生き返らせるつもりだったし。だけどなんで
そう言い終わると球磨川は左手で自分の顔を隠すと元のいつもの顔に戻った。
そして人吉善吉に近づいた。
『善吉ちゃん、庶務戦勝利おめでとう。分かってた事とはいえ、やっぱりルールのある戦いだと僕達は君達には勝てないね。このままだと残りも全部負けちゃうから高貴ちゃんと喜界島さんには棄権してもらおう。時計台地下五階駐車場で修業中なんだよね?凶化合宿だっけ?だけど現実て結構シビアだから悲しい事故が起きてない事を祈るよ。』
それを聞いた黒神めだかはここにいる-13組生を確認し、人数が最初と変わってない事を確認すると今回の事は時間稼ぎでは無いと考えた。
『じゃあね、めだかちゃん。みんな行くよ。』
「「「はい」」」
志布志飛沫と、蝶ヶ崎蛾々丸、江迎怒江は球磨川の後ろに続きながらそう返事し、帰っていった。
そんな様子を見てた黒神めだかに人吉善吉は、
「だけどめだかちゃん。阿久根先輩や喜界島達大丈夫なのか?」
「恐らく大丈夫だろう。今登校している-13組生は今日はずっとここにいたからな。」
「そうか?なら大丈夫か。」
そんな会話をしていると人吉瞳は突然大声を出した。
「あっ」
「どうしたんだよ母さん?突然大声を出して。」
「今日、ここに無希ちゃんいなかったわよね?」
「確かにいませんでしたが、彼女はゲームのクエストをやっていると球磨川は言っていたので大丈夫でしょう。」
「いや!めだかちゃんなんでそれ信じてるの!あれは恐らく球磨川くんの嘘よ!急いで合宿をしてる人達と連絡とって!」
「えっ!分かりました!」
返事をしながら黒神めだかは黒神真黒や阿久根高貴、喜界島もがな、日之影空洞に急いで電話をかけたが、誰一人電話が繋がることは無かった。
〈箱庭学園内のとある道〉
「いやー。やっぱりゲームは楽しいな。こんど球磨川先輩君に頼んでまたやらせてもーらお。」
スキップしながら人形岬無希は笑顔でそう呟いた。
………血だらけの制服を着て、血だらけの大きな鉛筆を手で回しながら。
無希ちゃんが最後しか出ていない?だって思ったより庶務戦書くの難しかったんだから。えっ、最初の方しか庶務戦は書いてない?そこは言っちゃダメ。
※誤字脱字を見つけたら報告よろしくお願いします。きっと無いはずだけど。それと感想待っています。