その少女は暗い部屋にいた。
「ふふふふふふふふふン!」
一人不気味に笑いながら。
その部屋はかなり荒れていた。服は散らばり、家具は壊され、廃墟と言われても納得するレベルで荒れていた。しかし、それだけならまだ良かったのかもしれない。
何故なら、その少女の足元にはあってはいけない、あってはおかしいものが二つあった。
それは………死体、その少女の親の死体
殺したのはその少女、
そして、それがその少女、ーーーーの最初で最後の殺人であった。
〈現在〉
今、箱庭学園の理事長である不知火袴はある少女、人形岬無希と対面してた。人形岬は肩まで伸びた白い髪に中性的な顔立ち、そして黒く黒く澱んだ目をしていた。
その人形岬無希とは不知火袴が安心院なじみに「彼女だけは絶対にここへは招かないように」と強く念を押されていた存在であった。
「ねえ、ねえ、ねえ、理事長君。ねえ、ねえ、ねえ、君を殺してもいい? ねえ、ねえ、ねえ、ノーマル殺してもいい? ねえ、ねえ、ねえ、アブノーマル殺してもいい? ねえ、ねえ、ねえ、マイナス殺してもいい? ねえ、ねえ、ねえ、全校生殺してもいい? ねえ、ねえ、ねえ、勿論いいよねー、ねえ、ねえ、ねえ」
「ひ、ひとまず落ち着いてください人形峠さん」
「ああ、すいません。僕としたことが、つい興奮してしまいました」
「ええ……、大丈夫ですよ。」
不知火袴はたとえ人形岬無希が暴走してしまったとしても最悪、箱庭学園のアブノーマルやマイナス全員ならば止められると考えていたがそれは楽観的過ぎであったのではと人形岬無希を実際に見て考えていた。
「人形峠さん、一応言っておきますが、ここに転入する上で守って欲しい事があります」
「ん、何でしょうか? 理事長君?」
「簡単なことですよ。この学園の生徒を絶対に殺さない事。そ、それだけです」
「えー、ダメなんですかー。しょうがないなー、理事長君は。分かりましたよ。善所しますよ。はー」
「はい。そうして下さい」
「じゃあそろそろ失礼しちゃってもいいですか?」
「はい、いいですよ」
「よいしょっと。しっつれいしーましたー」
人形岬無希はあまりにも危険過ぎるが、そのリスクがあるだけにフラスコ計画をかなり進めることが出来そうだと不知火袴は考えながらあの人、否あの人外から彼女について説明された時に渡された書類を見た。
名前:人形峠無希
血液型:AB型
能力:
能力内容:ーーーーーーーー。
家族関係:父 精神病院に入院中
母 精神病院に入院中
「両親はどちらも精神病院に入院中ですか……」
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