俺と私のマゼラン雲航海日誌   作:桐山将幸

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目を覚ませ
僕らのセカイが何者かに侵略されてるぞ


BGRR.GRIDROCK

 無限に広がる大宇宙、静寂な光に満ちた世界。

 

 ─────それは、ここには存在していなかった。

 この空間を支配しているのは、無限遠に広がる黒と、それを貫く青の方眼(グリッド)だ。

 

 そう、この空間は宇宙空間ではない。

 宇宙空間に重なるように発生した、別の空間の内部である。

 

 ここは、この宙域を支配している文明が『次元断層』と呼ぶ世界。

 そして、この宙域を蚕食している生命体が『異層次元』と呼ぶ世界だ。

 

 

 青と黒しか存在しないこの空間は、星空しかない本来の宇宙と同じく、爆炎に彩られていた。

 

 

 方や機械と金属板、方や機械と肉によって構成された武装飛翔体……すなわち、戦闘機がぐるぐると追いかけ合う。

 めまぐるしく飛び交い、交差する戦闘機達は、その度、盛んに質量、ビーム、レーザー、そしてミサイルを撃ち合っていく。

 そして、それらが命中する度に機体は噴煙、あるいは爆炎を上げ……。

 

 

 「艦載機隊、敵戦闘機群と接触!」

 

 「戦況はどうか!」

 

 「数では勝っていますが……これでは……!」

 

 戦闘力において、その両者には格差があった、機械と肉の戦闘機は縦横無尽に空間(そら)を駆け回り敵を追うが、機械と金属板の戦闘機は慣性の法則に縛られ、数を頼みに攻めかかるも、その攻撃の多くは躱され、攻めあぐねている。

 そして、ダメージを受けたときの姿を見れば、その差は更に歴然としたものとして理解できるだろう。

 肉と機械の戦闘機、バイドが操るR戦闘機達は音を立てるような速度で傷を癒やし戦線復帰。

 機械と金属板の戦闘機、ガミラス人が乗り込む戦闘機───空間格闘戦闘機・ツヴァルケは被弾によって崩壊、あるいは誘爆、引火を引き起こしては亜空間の狭間に消えていく。

 

 実にその戦力差15対60、フォースを含めたとしても30対60の格闘戦の内容が、これだ。

 

 この宙域、大マゼラン雲を支配する大帝国ガミラスと、突如現れた凶悪な戦闘生命体バイドの幾度目かの空戦は、それまでと変わらず、数量に対して圧倒的な格闘戦能力を誇るバイドの有利に進む。

 超強力な慣性制御装置により自由な機動をとるバイドのR戦闘機に対して、ガミラスの各種戦闘機は完全に翻弄されている。

 

 「このままでは埒が明かん!航海班、この空間からの離脱はまだ進まんのか!」

 

 「不可能です!敵陣奥に存在する『次元断層発生装置』を破壊しないことには……」

 

 「艦載機での攻撃は────」

 

 「……攻撃に十分な数を回せば、敵戦闘機のこちらへの侵入を許すことになります」

 

 「畜生!……いや、失礼、陣形を整え、敵陣の次元断層発生装置を破壊する準備を整える」

 

 「ザー・ベルク!」

 

 

 「絶対的な不利にも関わらず、彼らは我々との空戦を拒むことはできません」

 

 「それはなぜだ、武本」

 

 「彼らはR戦闘機に搭載された波動砲の脅威から母艦を守らねばならないからです」

 

 俺の問いかけに対して武本が明瞭な答えを返した。

 これは俺がベルメイトの初陣で、敵に波動砲を突きつけ回避させることで隙を作った時の言葉の応用だろう。

 『優れた武器の真価はただ使うことだけではなく、相手に脅威を与えることにある』……と、そんな言葉だったはずだ。

 

 そう、我々が相手をしているガミラスの空母艦隊は現在この空間に囚われ、決戦を強いられている。

 拘束され撤退が不可能になった艦隊は、差し向けられたRの脅威から身を守るため、自らも艦載機を放出し応戦することを強いられ、戦力を消耗しつつある。

 

 「だがこのままではこちらも突破力が足りないな、敵の戦闘艦が犠牲覚悟で突入してくれば本隊にも攻撃が及ぶだろう」

 

 バイド識別コードB-GrR(末尾のRはレッドの意)もしくはB-GrB(同じく、ブルー)。

 デジタル生命体『グリッドロック』はレッド、ブルーの二種の原色によって彩られた雌雄の大型バイド体だ。

 レッドがオス、ブルーがメスだが、艦隊の制御下では特に生殖行動を行うこともなく、僅かな性能の差異があるのみにとどまっている。

 グリッドロックには強力な特徴があり────

 

 「ええ、恐らくあちらもグリッドロックがこの異層次元、『デジタル空間』を生み出していることは理解しているでしょうから」

 

 「ならばどうする?」

 

 「先にこちらが突撃を行います」

 

 武本がそう言ってコンソールを操作すると、画面には鈍い金属光沢を放つラグビーボール状の塊……艦艇が現れた。

 4つの切れ目と無数のひび割れが刻まれた艦体は、アレがあくまで生命体であるということをこちらにわかりやすく伝えてくる。

 

 「『ファインモーション』か」

 

 「はい、ファインモーションの速力、突撃力を以って敵艦隊を撹乱します」

 

 識別コードB-Fmt、高速移動要塞ファインモーションは亜空間を主な活動範囲とするバイド体であり、その名の通り、高速でよどみのない動きを行いつつ、高度に艦載機を運用する能力を持っている。

 

 「ファインモーションに例の新兵器を搭載しろ」

 

 「よろしいのですか?」

 

 「流石にファインモーションだけの打撃力では足りないだろうからな」

 

 旗艦として置かれたグリッドロックレッドの内部から、いくつかの機体がファインモーションに移動すると、そのままファインモーションは本陣から飛び出した。

 

 「あとはファインモーションがどれだけやってくれるか、ですね……!」

 

 「祈るしかあるまい、敵があれをうまく攻撃できないようにな」

 

 

 今尚その激しさを保ち続ける艦載機の戦闘宙域を避けた弾道軌道で飛び出したファインモーションは、戦闘機に近い加速度で敵陣に突入しつつある。

 

 「敵小型艦接近、主砲射程距離まで40秒!」

 

 「迎撃しろ、ミサイル発射だ!」

 

 空母艦隊の護衛にあたっていたクリピテラ級航宙駆逐艦数隻から次々とミサイルが発射され、一直線にファインモーションに向かってゆく。

 

 だが、ファインモーションがただそれを受け入れるだけというはずもない。

 

 「『ゲインズ』一番機、発艦してください!」

 

 『了解、ゲインズ行きます!』

 

 蕾のように貼り合わされたファインモーションの『花弁』が少し開くと、そこから巨大な人影が姿を表した。

 タブロックよりは小ぶりだが、R戦闘機よりは幾分大柄なその人影……人型機はBhw-Gns『ゲインズ』だ。

 

 「目標、敵ミサイル!」

 

 武本の命令とともに、ゲインズがその手に掴んだ身の丈ほどもある『ロケットランチャー』を肩に構える。

 

 『了解、発射まで、3、2、1……』

 

 カウントダウンとともに、『ロケットランチャー』前方にエネルギーが収束し───

 

 『発射!』

 

 放たれた光弾がミサイルを次々に飲み込んでゆく。

 

 「ゲインズは波動砲の運用に特化した人型バイドだ、武装という形で保持することにより、5機分に迫る威力かつ、長射程の波動砲を運用できる」

 

 「ですが、現段階ではただのR戦闘機を放出したのとそう変わりません」

 

 提督の解説にそう補足する武本だが、その口調にこもる熱は、ゲインズが何をできるのかを知り、それに自信を持っていることを隠しきれないものだった。

 

 「ファインモーションは更に加速し、二番機、三番機を発進、一番機はそれに追随し指定した座標に待機してください」

 

 次々に発艦したゲインズはガミラス艦隊の前方で三角の陣を作り、ファインモーションはガミラス艦隊の周囲を周回し始めた。

 それを見た『提督』は我が意を得たりとばかりにうなずき、ガミラスの司令は、敵新兵器が取った意味深な陣形を前に警戒心を顕にする。

 

 「ゲインズの特性を活かすにはいい陣形だな、武本」

 

 「お褒めに預かり光栄です……が、これだけではありませんよ!」

 

 ゲインズから次々に3つの波動砲がガミラス艦隊に突き刺さると、艦隊はそれに対抗すべく前進を始めた。

 

 「全艦前進しつつ攻撃!特殊ビーム砲のチャージ前に人型機を撃破せよ!」

 

 「敵兵器の砲身にエネルギー再び集中!!」

 

 「何!?」

 

 発射されたミサイルを砕きながら波動砲がガミラス艦隊を貫く。

 

 「ゲインズ最大の特徴は波動砲の射程ではない、チャージ速度だ」

 

 いやぁ、俺もゲーム時代はお世話になったものだよ、と提督が仮想空間の中で呟く。

 R-TYPE TACTICSシリーズのバイド軍編において最強の兵器の一つがゲインズシリーズのチャージ兵器だ。

 通常3ターンチャージの波動砲が無印では1ターン、弱体化措置がなされた『Ⅱ』ですら2ターンで安定した攻撃力と射程を保証する最強兵器の一つであり続けた。

 

 「敵兵器、後退しつつチャージ兵器を連射しています!」

 

 「決して追えない速度ではないが……!」

 

 「強引に追尾すれば、控えたあの機動母艦の攻撃を受けます」

 

 「……艦隊を散開し、敵機動母艦の突入に備えつつ、人型兵器を攻撃せよ、撃破後、艦載機隊と共に敵本隊に攻撃を行う!」

 

 波動砲の的を絞らせぬよう広がりながら迫り、ゲインズを包み込もうとするガミラス艦隊。

 

 

 「さて、ここまでの戦闘は全て、戦闘機隊同士の戦闘がそれなりに長く続くことを前提としているな?」

 

 「はい、ですがそうは行きません」

 

 続けて私が『グリッドロック前進』の命令を伝えると、本陣で控えていた二色のグリッドロックが激しい空戦が演じられる戦闘中域に飛び込んで行くのがレーダーに表示されます。

 もちろん、手を出せず歯がゆい思いをしていたであろうガミラス軍にとっては、敵の本丸がそのまま迫ってくる自体に驚きながらも、反射的にミサイル攻撃を放ちます────しかし。

 

 『敵艦載機よりミサイルの発射を確認、迎撃及び反撃を開始します』

 

 その宣言とともに、各グリッドロックの四方に配置された『目』と呼ばれる鉱石状の器官から、幾何学的形状に結晶したエネルギー『ダリス弾』、グリッドロック中央からは光学兵器『ダーマレーザー』が一斉に放たれ……敵のミサイルと敵戦闘機をなぎ払いました。

 更に、敵の攻撃を吸収しながらも艦載機を回収・再放出し、自らが負った傷も生命体系バイドとしての能力によって回復させていきます。

 

 「グリッドロックがボルドよりも恐れられる理由が、これだ」

 

 小さいボディに5つの砲台が備わったその圧倒的と呼べる手数と打たれ強さは、その威力の低さを差し引いても脅威の一言、うかつな攻撃は死を招きます。

 『母艦』の名を冠するにふさわしい艦載機運用能力と圧倒的な肉薄時の殲滅力を持ったグリッドロックが夫婦揃っているのですから─────

 

 「敵戦闘機はもはや風前の灯火、敵艦船はこちらに近寄れもせん」

 

 「……提督だったら、どうしますか?」

 

 「こうならないのが私の戦闘だ……と言いたいところだが、そうだな」

 

 提督は少し考え込むような素振りを見せ、『最も攻撃能力が高い艦種に合わせた速度で突撃、然る後指揮能力任せ(うでずく)で敵戦闘機隊及び敵艦隊を撃破、返す刀でゲインズとグリッドロックを殲滅、といったところだな』と。

 ……智将の答えではありません。

 ましてや、猛将でも、闘将でもない。武力でも知力ではなく、自らの指揮能力こそに信を置き、それを思うがままに振るうことで敵を抹殺する、それが出来ることを信じて疑わない。

 それが、別次元における太陽系最強の指揮官の姿でした。

 

 「むちゃくちゃですね、とても真似できそうにありません」

 

 「出来るだけ教えてやるとも、出来るだけな」

 

 はっきり『お前にはムリだ』と言われてしまいましたが、それは仕方ないことでしょう、一番を狙ったって意味はありません、私の立ち位置は遺伝子と健康状態、清廉潔白な経歴で選ばれた『方舟の動物(クルー)』から、まだ一歩も動いていないわけですから。

 ですが、地球のために、あの青い星のために、やるだけのことは、やらせていただくつもりですよ、提督。

 

 

 敵の空母(以前見た円盤状のものではなく、地球における20~21世紀の空母を思わせる、数枚の甲板を積み重ねて装甲とエンジンで束ねたようなフォルムの奇妙な形の空母だ)が爆煙を上げて沈むのが見える。

 下手人は青い閃光、ゲインズの波動砲だ。

 波動砲の凝縮された波動粒子が敵空母中央に突き刺さると、敵艦の内外で急速にエネルギーを開放し、閃光が敵艦に浸透してゆく。莫大なエネルギーが、隔壁を張る暇も与えない速度で艦の装甲されていない柔らかい内部を舐めるように食い散らし、クルー一人、その遺伝子の一欠片も残さず根こそぎに破壊した。

 そして、散々敵艦内にエネルギーを撒き散らしてもなおその勢いを保ち進み続ける波動砲は、その射線上を進行していた重巡の右舷を削り取り、しばらく進んで虚空に溶けた。

 これら全てが、ゲインズから波動砲が放たれてから、一秒以内の出来事である。

 人類が生み出した『対バイド兵器』の執拗なまでの殺意は、全く波動エネルギー対策の施されぬ戦闘艦とその乗員である異種族を、仕様通りに抹殺した。

 

 俺は今、ゲインズの視界(実際には光学センサーは情報の一部でしかないが)を間借りし、武本の戦いぶりを観戦している。

 ゲインズが放つ集中砲火が敵艦隊を貫き、グリッドロックが敵戦闘機隊を殲滅し、そこから逃れようとする敵をファインモーションが体当たりやビームで消し飛ばしていく。

 

 (十分な指揮だ、私なら戦力を集中し、艦艇と艦載機の合同で敵に突撃し、撃破するところだが……これは武本の身の丈に合ったよい策だろう)

 

 他人に聞かれたら少し傲慢と思われるかもしれない考察だが、しかしこれは事実だ。

 この戦力なら、そのポテンシャルを全開に活かす指揮を行うことで、目の前の敵艦隊程度なら艦載機ごと踏み潰すことが出来る……が、それは人間の処理能力では到底及ばない大量の情報を処理しなければ実現できないし、それが処理出来るコンピューターはとても戦闘に耐えうるだけの判断能力を持たない。

 (いや、正確に言うと、持たせてはならないとも言えるのだが)

 

 ではバイド生命体はどうだろうか、バイドは思考力を持ち、かつ莫大な処理能力も兼ね備える事ができる……だが、これも駄目だ。バイド生命体は常に激しい飢えや破壊衝動に駆られており、一部の個体……すなわち、俺やジェイド・ロス提督のようなバイド生命体に取り込まれた人間でなくては、理性的な活動を行うことができない。

 超高速で行われる『R』の戦闘を完全に指揮、掌握する能力を持つのは、凄まじい情報処理能力か直感的な判断力に加え、高度な戦術的能力を保持したものに限る。

 言い換えるのならば、ポーズ機能もない巨大なリアルタイムストラテジーゲームを、まるでターン制の戦闘シミュレーションであるかのように指揮運用出来る才能の持ち主だ。

 

 それが完全に出来たと言えるのは、広い太陽系の、Rが登場してから十数年の歴史の中でたった二人しかいない。

 私と、かのジェイド・ロス提督だけだ。

 

 それが出来ない指揮官は、戦場の流れを部下に委任することで自分の負担を軽減し、その代わりに戦いをカオスに任せた混戦にするか、戦いの形を制御可能な遠距離砲撃戦などに限定することで、自らの戦術能力を活かそうとする。

 この宇宙における主流な戦術はその両者の中間だ。

 砲雷撃戦能力と対空能力を持った艦艇を中心戦力におき、駆逐艦や航空機を機動戦用ユニットとして、敵への突撃と敵の機動戦力への抑えとするのが、地球でも、ガミラスでも主流の戦術らしい。

 

 長々と語ったが、言うべきことは一つだ。

 この世には、世の多くの将にとっては偶然でしか扱えない物事の推移を、自らの能力でねじ伏せる事ができる才能の持ち主が居るのだ。

 ───そうだ、居るはずだ、『それ』は、どこの世界にも。 

 

 

 ガミラス艦隊旗艦、ガイデロール級はデブリと化した味方の衝突によって艦橋部のエレベーターシャフト及び非常通路が破断し、孤立した状態にあった。

 漏れ出た酸素を補給する手段はなく、艦橋のクルーは発生した火災と抉り取られた断面が己の命を食い尽くすのをただ待つ他なかった。

 

 「予想される艦隊損耗率、80バーゼル……壊滅です」

 

 「了解した……全艦へ告ぐ!全力で奮闘し、敵に報いることに専念せよ!!」

 

 ガミラス司令官は覚悟を決め、残されたすべての力での抗戦を指示した。

 あるいは、それは敵へ報いるためではなく、彼ら自身による種族への、母星への、国家への愛に報いるための指令だったのかもしれない。

 火災で有害物質が出ているのだろう、煙に包まれた艦隊の中心で、司令官は大声で采配を振るいながらも、冷静にその事実を直視していた。

 

 (……結局、敵の撃破はおろか、碌な損害すら与えることも出来ずじまい……か)

 

 司令官は回想する。

 『奴ら』が現れた当初、奴らの戦法は通常空間での遭遇戦や、待ち伏せ、襲撃といった常識内の戦法だけだった。

 しかし、()()()()()()()()に近づくにつれ、次元断層に引きずり込んでの虐殺という新たな手段が現れた。

 

 『間違いなく、『奴ら』は成長、あるいは進化している』

 

 彼の上官にあたる、ガミラスで最も尊敬を浴びる司令官の一人は、奴らの振る舞いをそう評した。

 事実、提督の戦闘力は初めてガミラスと遭遇した時とは比べ物にならないほどの大規模、かつ複雑なものになっている。

 その司令官は更にこう続けた。

 

 『この戦力と能力の上昇ペースがいつまで続くのかは不明だが、仮にこのペースでの成長が続けば、一年後には────』

 

 奴らの戦力がガミラスの動員可能兵力数を上回る。

 つまり、最早ガミラス軍では『奴ら』、を撃破することが出来なくなる可能性がある。

 

 (これは、私が志願した任務だ……、クルーを巻き込んでしまったのはすまないが……義務は……果たした……)

 

 立ち込める熱気の中、薄れていく意識と共に、彼の、偉大なる上官の名を呼ぶ。

 

 「後は……頼みましたよ……、ドメル……指……令」

 

 彼ならば。

 

 

 

 

 「────このエリアの完全な鎮圧を確認した、よくやったな、武本」

 

 「ありがとうございます、提督」

 

 

 英雄たちが出会う日は、近い。

 

 

 →帰還する




君を──から救いに来たんだ。


あけましておめでとう、お久しぶりです。
長らくおまたせしましたが、やっと投稿することが出来ました。
難産の割に特に素晴らしいクォリティでもないのは……まあ、いつものことです。

次回は……まあ、多分今年中には。


【タイトルの由来】

書いてた時はちょうど流行ってたんです、はい。
すいません。


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