佐倉杏子を仲間にしてから数日後、私はいつも通り転校生として見滝原中学校にやって来た。
授業が終わり、昼休みになった。
私はまどか達の元へ向かった。
「鹿目まどかさん、美樹さやかさん、あなた達に話が有るの」
「え?」
「は?」
不思議がる二人を私は屋上へと連れていった。
「それで?話って何?」
「美樹さやか、あなたに叶えたい願いって、有る?」
「?願いって、どういうこと?」
「そのままの意味よ。あなたに叶えたい願いが有るのか聞いているの」
「願いなら沢山あるよ。金銀財宝とか……」
「私が聞いているのはそういう願いじゃないわ。自分の命を懸けてでも叶えたい願いよ」
「………」
美樹さやかは黙り混んだ。
「暁美さん?えっと…」
「ほむらでいいわ」
「…ほむらちゃんは何でさやかちゃんにこんな質問をするの?」
「それは後で話すわ。取り合えず今は美樹さやかの願いが先よ」
「う、うん…」
「……あたしの願いは、恭介の腕を治すこと」
「恭介は凄いバイオリンを弾くのが上手くて、将来有望なバイオリニストだったんだ…」
「でもこの前、事故に遭って腕が動かなくなったんだ……」
「それは…つらいわね……」
相槌をうつ私。美樹さやかは語り続けた。
そして数分後。
「…だからあたしの願いは、恭介の腕を治すことなんだよ」
「もし、その願いが叶うとしたら、どうする?」
「そりゃ勿論叶えるよ」
「そう……キュゥべえ、来なさい」
私はキュゥべえを呼んだ。するとすぐさま奴は来た。
「どうしたんだい、ほむら」
「ぬ、ぬいぐるみが……」
「「シャベッタアアアアアアアア!」」
叫ぶ二人を無視してキュゥべえに呼んだ理由を話した。
「契約したい娘を見つけたわよ」
「ありがとう、ほむら!」
「……でそいつ、何?」
「僕はキュゥべえ!僕と契約したい娘がいると聞いたから来たんだ」
「契約?」
「うん、どういうものかと言うとね、僕は君達の願いを何でも叶えてあげる。その代わり魔法少女になって、悪い魔女と戦ってもらうんだ」
「魔法…少女?」
「待って、今何でも願いを叶えるって言った?」
「うん」
「もしかして、恭介の腕を治すことは……」
「造作も無いね」
「じゃあ私……契約する!」
「わかったよ」
キュゥべえが美樹さやかの胸に耳(?)を伸ばす。すると美樹さやかの胸から、青い光が溢れ出してきた。それは青い宝石になった。
「これで契約完了だよ」
「恭介の腕は本当に治ったの?」
「うん。僕は嘘をつかないからね」
「ありがとう。キュゥべえ」
「こちらこそ。ところで、鹿目まどか。」
「?」
「君も僕と契約して魔法少j…」
「黙りなさい」
私は奴の頭を鷲掴みにした。
「ほむら、苦しいよ」
「願いが無い人を勧誘しちゃダメよ」
「苦し……wかっあkらはにゃして……」
手を開く。奴はそのまま床に落ちた。
「やっぱりいつもの君とあまり変わっていないじゃないか」
「まどかを勧誘するのが悪いのよ」
「?何の話してんの?」
「何でもないわ。あなたのこれからの事についてよ」
「魔法少女になったみたいだけど……」
「あなたにお願いがあるの」
「ん、何?」
「私達の仲間になってほしいの」
「仲間?」
「魔法少女の……同盟みたいなものね」
「同盟……」
「3週間後、この街に最強の魔女が現れる。そいつを倒す為の同盟よ」
「最強の魔女……」
「奴を倒さなければ、この街はほぼ壊滅するわ」
「街が………」
「街を守るためにも仲間になってほしいの。どう?」
「……わかった。まだよくわからない事だらけだけどあたしでよければ、仲間になる!」
「ありがとう。この街を一緒に守りましょう」
「よーし!この魔法少女さやかちゃんが、見滝原を守っちゃうぞー!」
美樹さやかが仲間になった。
「君は契約を阻止したいんじゃ無いのかい?」
「私が契約してほしくないのはまどかだけよ」
「でも美樹さやかが契約したらまどかも契約したくなるというふうには考えなかったのかい?」
「今はそんなこといっていられないわ。戦力が一人でも多く必要なのよ……」
「ワルプルギスの夜を倒す為にかい?」
「いいや違うわ。私は赤い巨人を倒す為に戦力を集めているのよ」
「……赤い巨人?」
「ええ。ナイフや槍を使って敵を虐殺する巨人よ」
「そいつはまずい……」
「…え?」
「そいつは……」
「何なの?」
「奴の名は………」
レッドマン。凶悪な快楽殺人鬼さ。