アニメキャラを呼び出して戦わせるマスターに選ばれた件   作:100¥ライター

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一昨日FGO第二部をクリアした作者です。フリクエを消化しなくては…

とうとうお隣のマスターと遭遇した隼人!一体何が起こるのか!?

今回も見てくださると嬉しいです


72話 私とゲームしなさい!

「津島…隼人…?」

 

 

「おい、俺はお前に名乗った覚えはないぞ。そして何故名前を知っている。泉美と香澄が俺の名前を知ってたっつーことは前々から知っていたんだろう?」

 

 

こいつは確かに俺の家に来たらしいが、もちろん表札は出していないから表札でバレることはない。玄関付近にある名前が判明するものはもちろん撤去済み。そして昔はともかく今は戦闘中で名前を呼ばせないように徹底している。

 

 

「前に会ったこと覚えてないの?」

 

 

「そんなナンパや詐欺で使われるような常套句を言われても困る」

 

 

俺の知り合いにいたか?正直記憶がない。こうやって家に誘い込んでいくのか。最近の詐欺は怖いなー

 

 

「忘れたの!?私のこと!」

 

 

「あー、覚えてるよー。覚えてますとも」

 

 

マスターは覚えていないが所持キャラクターは組み合わせも含めて全員まとめているからそこから割り出せる。

 

 

「アスナ、お前マスター変わった?」

 

 

「え?変わってないけど…」

 

 

「あっ、お前か」

 

 

北海道にいたダクネスとかを一緒に連れているマスターだ。やっと少し思い出した。

 

 

「その見切り方は何なの!?人を識別する機能死んでるの!?」

 

 

「いや、マスターってさ。ぶっちゃけおまけじゃん。正直お前のルックスも性格も全く興味ないから全然分からなかったわ」

 

 

金髪碧眼だったんだな。よく見ていなかったから記憶から抹消されてた。

 

 

「あんだけのことしておいてよく興味ないで切り捨てられるわね…」

 

 

は?俺お前に何かしたか?

 

 

「は?俺お前に何かしたか?とでも言いたげな顔すんな!北海道でやったこと…忘れたとは言わせないわ」

 

 

お前はエスパーですか?もしかしてちょっと見ない間に超能力者にでもなったのか?俺も能力に関しては努力していた方だと思うんだが、中々やるな。

 

 

「ねぇ、マスターはあの子に何をしたの?」

 

 

「…さぁ?」

 

 

真由美が小声で質問してきたが、もちろんそんな昔の事は覚えていないので答えようがない。

 

 

「ほら、ついてきなさい」

 

 

「はいよ」

 

 

念の為ポケット内でスマホを起動してモモに知らせとくか。バレないように…

 

 

「座りなさい」

 

 

「分かった。話をしよう」

 

 

明らかに不機嫌だが、今すぐ事を構えるつもりはないみたいだ。なら普通にモモを呼んでも問題ないか。

 

 

 

 

結局話に参加したのは俺と相手マスターの如月。俺側からは真由美とモモ。如月からはアスナ、ダクネスが参加。

 

 

「まずお前の目的を聞こう」

 

 

「私は優秀な仲間を探しとあんたへの復讐が目的でこちらに来たわ。それだけ」

 

 

復讐に関しちゃちょっと穏やかじゃないが…優秀な仲間ねぇ。たしかにマスターは東京にいるのが大半。強いマスターやキャラを探すなら北海道より東京の方が効率がいいと考えるのは妥当だろう。だが…

 

 

「はい、嘘。もちろんそれも嘘ではないがお前はもっと重要なことを隠している」

 

 

とりあえずこれで様子見。ただのブラフだが、どこまで引き出せるか。

 

 

「やっぱりここまで生き残っているだけあって勘が冴えている…正直に話した方が…」

 

 

「えぇ、隠し事は無理そうね。私、魔王軍にケンカを売ったの…厳密にはそれに加担した」

 

 

魔王軍に!?俺が知る限り現在一人のマスターによるチームなら最強と名高い…

 

 

「あるマスターがやつらを倒すって言い出したから止めようとしたんだけど…止めきれなかったから共犯者になることにした」

 

 

暗躍…如月は言葉を濁したが、具体的は敵マスターの暗殺だろうか。穏やかではないがよくある話だ。そりゃあ、マスターであろうと能力を得ているケースもいくつかあるが、基本的にアニメキャラより倒しやすい。だから圧倒的な実力差を感じているならそっちの方が得策。

 

 

暗殺にも2パターンあり、戦闘中アニメキャラに闇討ちさせるか戦闘外で殺しに行くか。前者はアニメキャラに妨害される可能性が高いが、こちらも暗殺者としてアニメキャラを出せるので優秀な殺し屋がいるなら圧倒的にこちらの方が成功率高め。

 

 

後者はアニメキャラがほぼ干渉不可能なのでそれぞれのマスターのスキルが問われる。しかし、前者ならいかなる方法で殺しても罪は問われないが、後者は上手く隠蔽しなければ警察に捕まる。どちらも一長一短ではある。

 

 

「それは戦闘内の暗殺か?」

 

 

「当たり前じゃない。私が直々に暗殺しに行く人間に見える?」

 

 

確かにこいつはいいとこの令嬢らしいからな。金銭面を気にせず日本中を回れるメリットがあるんだからそれがなくなる可能性のあることをわざわざやるわけないよな。

 

 

「…まさか。そんで結果は?」

 

 

ある程度は見える。マスター一人の問題なら仲間が手柄を取ろうとして焦ったところをやられたとか。複数人のマスターによる問題ならカズマの取り合いでまた揉めた…とか?

 

 

「結果は…盛大に失敗した。連携は決して悪くなかったのに一人のマスターはリタイアまで追い込まれた。最後に私にあるキャラを託してね。あいつらちょっと目を離していた隙に男鹿とヒルダまで仲間に入れていたし、カズマの手にまんまと踊らされたわ…」

 

 

ふざけんな、殺すぞ。一人のマスターが今現在ラスボス枠も含めて10人しかいない主人公枠を3人も取るな。ますます勝てなくなるだろう。

 

 

「そして…リタイアしたマスターがダクネスのマスターへ所有権を譲渡したキャラっていうのがあたし」

 

 

出てきたのは銀髪碧眼でラフな格好をした華奢な少女。ダクネスと同作品であるクリスか。職業は盗賊で搦め手が得意。ダクネスと組んでいた時は彼女の敵をバインドで動けなくするなど彼女のお膳立てをするような立ち回りがメインだったな。

 

 

マスターはリタイアしたという言葉の言い方からして恐らく一番最後にクリスが倒されて退場した。という意味だろう。あいつらが無意味な人殺しをするとは思えない。

 

 

ん?魔王軍にケンカを売りに行った理由…クリス。そうか、読めたぞ。

 

 

「だから魔王軍を下せるような仲間を探しに来たと?」

 

 

「えぇ、そー」

 

 

「断る」

 

 

「まだ何も言ってないわよ」

 

 

「断る。魔王軍にケンカを売る気は露ほどもない。勝てないケンカに無理にでも勝とうとして、複数人のマスターと組んだ結果無様に負けて空中分裂。そんなやつと組むほど俺は落ちぶれてない」

 

 

何故主人公枠全開放まで待てなかったかねぇ…悲しくなる。

そもそもあのチームはマスターがいなくても機能するんだわ。

 

 

佐藤和真は言うまでもなく、真奥は異世界の魔王である。両者共に統率力や観察力、洞察力が優れているので正確に味方と敵のスペックを判断し、最適解を出す。

次に所持キャラもウィズやバニル。アルシエルにルシフェルとそれぞれに馴染み深いキャラばかり揃っているのだから本当にケチの付けどころがない。

 

おまけにカズマは同じゲーマー仲間としてルシフェルと仲良くやっているらしく、作品同士の不和もない。

そんなチームに急造の烏合の集が勝てるわけないと考えるのが妥当な判断だろうに。

 

 

俺もいつか倒すつもりではいるが、それは今ではない。

 

 

「お隣同士で毎日争いたくはねーから不可侵条約で妥協しようぜ?俺達が争うメリットはない。俺と全面戦争がしたけりゃ勝手に起こせ。必ず俺が勝つけど」

 

 

俺の推理では事件の発端はめぐみんかクリス。あるいはその両方。

めぐみんならシンプルにカズマを手に入れるため。クリスなら悪魔の殲滅のために動いたのだろう。バニルやウィズのことはバレていないにせよ、真奥の正体が魔王サタンであることや男鹿が連れているベル坊が人類を滅ぼす目的で大魔王が寄越した悪魔であることを知っているはず。動機は充分。

 

 

そしていずれにせよ一緒に行かないかと誘われた時、戦力不足であると判断した如月はみすみす退場させるわけにはいかないということで手を貸した。と考えるのが妥当か。

 

 

「モモ、真由美。帰るぞ。これ以上話しても無意味だ」

 

 

そもそもアクシズ教徒だろうとエリス教徒であろうと悪魔滅殺が基本なので一定レベルの協調性があれば悪魔だろうとドラゴンであろうと構わないという俺のスタンスとは合わない。

 

 

「いいの?もう少し話を聞いても…」

 

 

「いや、今日はひとまず帰る」

 

 

「…マスターがそう仰るのであれば」

 

 

「…貴方達は分かっていない!あの組織がどれだけ危険か!魔王軍が本気で優勝を狙いに行けば全てが吹っ飛ぶ!私達じゃ絶対に勝てない!私が加担した理由は早いうちに芽を積みたかったからでもある!」

 

 

…正直勝つだけならそこまで難しくない。ルミアに《銀の鍵》を使わせればいい。《銀の鍵》は空間を支配し、自在に操る。まずはマスターの位置を把握。次に真由美がマスターの死角を割り出す。そうしたらルミアの力でそこまでワープして不意を突き、敵マスターの存在する空間を捻って殺すなり空間ごと引き裂くなりすれば俺達の勝ちだ。

しかし、《銀の鍵》は使い続ければルミアの自我はどんどん侵食され、最終的にはルミアの存在は消えてなくなるとのこと。

 

 

この戦いは余程の例外でなければキャラのフルパワーを引き出させることが可能である。試合中なら時間切れで活動不可能にならないという特権があるオールマイトなどが良い例だ。だから戦闘に致命的な支障をきたすデメリットは無くなっている可能性が高く、1つの戦いを終えたら後遺症なんて残らないのは当たり前。

 

 

しかし、《銀の鍵》の記述はあまりにも少なく、いつでも使用可能なのは分かるが、デメリットがどこまで無くなっているのかは分からない。ルミアが例外ではないと保証することが出来ない以上、この《銀の鍵》は絶対に使わせられない。

 

 

ルミアはとても…いいや、底なしに優しいやつだ。もし俺のために自分がやるしかない。やれるのは自分しかいないと判断すれば迷わず力を使うことだろう。だからその気持ちを利用するような真似はしたくない。

 

 

先程システィーナにどうしてそこまで強さを求めるのかと問われたが、ルミアの力を開放させたくないからというのもある。

 

 

「お前は知らないのか。俺達にはいざって時の切り札があるんだ(絶対切らないけど)。だから今こうやってある程度は余裕でいられる」

 

 

俺が帰ろうとするとまだ話は終わっていないとでも言いたげな視線を如月が向けてきた。

 

 

「じゃあ、クリス。お前の願いを聞こう」

 

 

これが最後のチャンス。試すような真似をして申し訳ないが聞いておきたい。

 

 

「願い…?そんなの決まってるよ。全人類の幸福…」

 

 

おっ、もしかしてこの戦いで考えを改めて…

 

 

「…そして全世界の悪魔共を滅ぼす」

 

 

なかった。やはりマスターはキャラにある程度影響を与えられても根本は変えられないのな。

 

 

「お前とは組まない。じゃあな」

 

 

クリスは俺が悪魔のキャラをゲットしたら(そもそもモモの存在がグレーゾーン)間違いなく対立してくるだろう。こういう地雷は避けたい。

 

 

「…ゲーム、しなさい」

 

 

「はい?」

 

 

「私とゲームをしなさい!そして私が勝ったら貴方はこの戦いが終わるまで私の言いなりになりなさい」

 

 

…意味が分からない。何故こんなデメリットしかないゲームを受けてやらなきゃー

 

 

「貴方が勝ったら…私の家の財力で一生貴方を養ってあげるわ」

 

 

ん?こいつの家ってめちゃくちゃ金持ちだったよな?確かに今のこの家は一般的な一軒家であるが、周りのインテリアが放つ高級感が金持ちであることを裏付ける。

 

 

そして俺はこいつにシャドバで死ぬほど勝っている。というか負けてない。ならばまたそうやって軽く捻るだけで何不自由なく遊べる金が手に入るし、いざって時の足をゲット出来る。もしかしてこれはまたとないチャンスじゃないか?

 

 

いやいやいや…怪しいな。そんな美味しい話があるわけない。

 

 

「拒否すー」

 

 

「姉弟子はりゅうおうのおしごとの負けヒロイン。姉弟子は絶対に雛鶴あいには勝てない」

 

 

「…んだと?」

 

 

如月がボソッと小さな声で呟いた。普段なら絶対に応じない煽り。俺は煽り耐性に関しては高い方だと自負している。普通なら受けない。

 

 

「空銀子は敗北者よ!雛鶴あいに勝つどころか同じステージにすら立てずに終える。それこそがお誂えむきよ!!」

 

 

だが、受けてやろうじゃないか。ゲーマーの矜恃として…いや、違うな。空銀子推しの名にかけて。全国の姉弟子推しのためにも…やつを倒す。

 

 

「取り消せよ……!今の言葉……!ブチ殺すぞわれ!」

 

 

 

 

予め決めたルールはこう。

 

 

・先に10勝した方が勝ち。

・基本的に対戦者は俺と如月。必要に応じてそれぞれ1人ずつアニメキャラを呼ぶ。アニメキャラのみ戦わせるのは禁止。

・対戦内容を選ぶ権利は津島隼人にある。

・同じゲームを2戦するのは禁止

・公序良俗に反するゲームは禁止。

・勝利中にバレなきゃイカサマじゃあねぇんだぜ。

 

 

「じゃあ、まずは…」

 

 

黒ひげ危機一髪

 

・ルールは黒ひげが飛び出たら負け

・樽の回転・プレイヤーの移動は禁止

・一度剣を刺してから別の位置に変えるのは禁止

 

 

「こんなもんかな」

 

 

「いいの?そんな運ゲーを用意してきて…」

 

 

あっ、ふーん(察し)さてはこいつ必勝法を知らないんだな。

 

 

「俺のサポートは真由美だ。さぁ、やるぞ」

 

 

「こんなのクリスがいれば余裕よ。吠え面かいても知らないんだから」

 

 

〜数分後

 

 

「うぅぅぅぅぅ!」

 

 

真由美が最後の二択に勝ったのであとは如月が余った1つに刺すだけ。

如月が約束された敗北の剣を最後の穴に突き刺し、ゲームセット。

 

 

「弱いな」

 

 

「ふふっ、これで私達の1勝ね」

 

 

「あ、ありえない…みんな最後の最後まで当てなかった…」

 

 

黒ひげ危機一髪は運ゲーなどではない。ちゃんと仕組みがあるんだ。それを知らずに運ゲー呼ばわりするなど黒ひげ危機一髪に失礼だろう。

 

 

しかし、クリスは本当に運だけで黒ひげを当てなかったんだろうか。もしそうなら想定以上の爆運だな。これを利用されたらまず勝てない。

 

 

「…っ!次はもっと対等なゲームにしなさいよ!」

 

 

確かに対等ではなかった。今回は真由美に頼んでバレないようにゆっくり発動させたマルチ・スコープで黒ひげを全方向から確認してもらい、ハズレを割り出してもらった。

 

 

「対等だ?なんならお前が選んでもいいが」

 

 

「分かったわ。次からはゲームは全て私が選ぶわ」

 

 

…お前、プライドとかないわけ?くだらないプライドに縛られるよりはすぐに捨てられる方が良いとは思うけどここまで変わり身早いとは想定外だった。

 

 

〜2戦目

 

 

「次は荒野◯動よ!」

 

 

「…は?」

 

 

「荒野◯動よ?知らないの?」

 

 

建物から資源や銃を漁ったり、車を確保したり…そうしてゲットした即席装備で人を撃ち殺すゲームだ。

 

 

「いや、知ってるけどさ。嫌いなんだよね」

 

 

「さては苦手なゲーム?よし、これは勝ったわ」

 

 

〜数十分後

 

 

「はい、終わり。勝ちました」

 

 

「はぁ!?普通に強いじゃない!?どこが嫌いなの?」

 

 

「ソロ専門でやってたんだが、ボイチャで空気読めないクソカップルがHしながらやってた。気分悪くなって速攻射殺してやったがその試合の後辞めた」

 

 

全く…最低のゲームだった。

 

 

「それ荒野◯動何も悪くないよね!?」

 

 

「はい、次は何だ?俺はあと何回勝てばいい?」

 

 

「あと8回よ!なら…」

 

 

〜3戦目

 

 

「次はオセロよ!先手は私が貰うわ」

 

 

おい、当然のように先手を取るな。

 

 

「まぁ…いいだろう。来いよ」

 

 

「いざ、勝負!!」

 

 

 

 

黒0枚。俺の勝ちだな。

 

 

「すっげぇ白くなってる。はっきり分かんだね」

 

 

「死んで!?頼むから死んで!!」

 

 

盤面真っ白とか慣れてしまえば意外とやれるもんなんだよな。まっ、相手が弱かったのももちろんあるけど。

 

 

「見たか!これが浪速の白雪姫や!そろそろ白旗掲げた方がええんとちゃいますか!?」

 

 

「ふざけんな!」

 

 

〜4戦目 スピード

 

 

「スピードよ!貴方みたいな文系陰キャメガネがスピーディに動けるわけないわ!」

 

 

何か言い返してやろうかと思ったけど文系・陰キャ・メガネと全て事実なので否定出来ないのが悔しい。

実力で黙らせるだけだけど。

 

 

「…」

 

 

〜数秒後

 

 

「K!あがり!」

 

 

「…は?早…」

 

 

「この戦いで培われた反射神経舐めんな」

 

 

「普通の戦いしてたら絶対こんなに反射神経上がらないわよ!というかイカサマしたんでしょ!」

 

 

そもそもゲームが上手くなりたかったら反射神経は必須だ。何を言っているんだ。こいつは。

 

 

「疑われたくないからお前が用意したトランプでアスナ達にセッティングさせたんだろ。賭ケグルイで皇はイカサマトランプとか用意してたが、それでもないだろうし。シンプルに実力不足だろう」

 

 

というか完全にそっちが有利になるようにしたんだろうが。受けただけありがたく思え

 

 

「で、お前4連敗だけどまだやる気?」

 

 

「なら次は…ヴァイスシュバルツで勝負よ!」

 

 

「…は?」

 

 

「ふふん、ヴァイスシュバルツなんて持っていないでしょう?」

 

 

考えが卑怯だな。ルールを知らない初心者をボコるってか。勝つことしか頭にない感じだ。

 

 

「安心しなさい、デッキは用意してあげー」

 

 

「心配すんなよ。モモ!」

 

 

「はい、マスター」

 

 

モモに頼んでヴァイスシュバルツのデッキを持ってきてもらった。これでデッキ問題は解決。

 

 

「実は俺…ヴァイスシュバルツもやったことがあってな。本当にやるのか?今なら変えてもいい」

 

 

「スリーブはモモなのね…」

 

 

「あぁ、悪いか?」

 

 

「悪いけれど…今回はガチよ。ルールは公式の大会のそれ。それじゃあ、始め!」

 

 

曜ちゃんのスリーブから察するにラブライブサンシャインか。

…にしても対人戦は久々だなぁ。

 

 

〜数十分後

 

 

「モモでトドメ」

 

 

「また負けたっ!!」

 

 

「おしかったな。こいつは最初は耐えるデッキだから最初から強気で攻めて来られたらやばかったぞ」

 

 

「…とかなんとか言いながら余裕そうだった!というか反則したでしょ!」

 

 

「言いがかりはよせよ」

 

 

そもそも試合後に言われても無意味なんだが。

 

 

「だって!山札のバーン効果全部外してなかった!」

 

 

あぁ、山札の1番上をめくって、それが〇〇なら〜ってやつか。

 

 

「俺がデッキトップ操作をカードの効果でやっての見ただろ。そもそもこれはそうやってデッキトップを上手くコントロールして、そのカード効果でバーンしていくデッキなわけだし」

 

 

「っ!」

 

 

「イカサマを指摘するなら入れるなら3種類の中からどれか1種類に絞ることになっていた禁止カードを2種類ぶっ混んでたそっちだろう?反則負けにしてやっても良かったところを見逃してやったんだからありがたく思え」

 

 

「バ、バレていた上で見逃されていた…?」

 

 

もちろんフォールスシャッフルによるイカサマはしてたんだけど。悪いな。

 

 

「ほら、これでお前は5連敗…そろそろやめないか?」

 

 

「…だったら今度はスマブラで勝負よ!」

 

 

お、おう…スマブラとはまたあれだな。いいよね、スマブラ。面白いよな。俺もみんなとよくやるよ。今では念願の8人対戦が家で出来るし。

 

 

「1vs1で尚且つ俺の家でやるってんなら左にモモ、右に俺が座って1つのコントローラーを二人で操作する縛りで戦ってやってもいいぞ」

 

 

「分かったわ。それでやりなさい」

 

 

かかった!!

 

 

「よし、かかってこい」

 

 

宣言する。お前は絶対俺…いや、俺達に勝てない。


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