アニメキャラを呼び出して戦わせるマスターに選ばれた件   作:100¥ライター

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本当に今更な話ですが、ロクアカでジャスティスの能力について詳細が省かれていることが少し悲しかった作者です。

特にアニメでは最後ジャスティスが切り札をあっさり破られていますが、あれは相性の問題だったのです。

ジャスティスは技を発動させるのに疑似霊素粒子と呼ばれる特殊な粉を使って、自らイメージした神や悪魔、精霊などを人工的に投影させてます。 あの切り札であった【正義の女神ユースティア】は他の技よりも多くの疑似霊素粒子と時間がかかる大技だったのです。

そして完璧に顕現してない不安定な状態ではまだ粉の状態。そんなわけでジャスティスの切り札は広範囲に及ぶよう改変されたシスティーナの黒魔【ゲイル・ブロウ】によってあっさり吹き飛ばされてしまったのです。 相性って残酷ですね


そんなジャスティスとグレン達の戦いも交えて京都騒乱編は遂に終わりを迎えます!


68話 執行人

運を使い切らせるか自分のトリオン体が消し飛んで防衛手段が無くなったところを殺されるか。

 

 

二人のマスターの消耗戦が始まる少し前

 

 

〜システィーナside

 

 

ジャスティス。マスターやグレン先生から教えて貰ったデータによれば人工精霊(タルパ)召喚術という超高等錬金術を駆使して戦う。

 

 

その性質上グレン先生の【愚者の世界】では無効化不可能。おまけに固有魔術である【ユースティアの天秤】も駆使すれば最早敵なし。

 

 

あのマスターですら現状では撃破が難しいとまで言う程の強敵…

 

 

一体どうすれば…

 

 

「白猫、今お前のマスターは指揮する余裕がない状況だ。だからこの場は俺が指示を出す。いいな?」

 

 

「はい、グレン先生!」

 

 

「来い、ジャスティス!お前は今ここで退場させる!」

 

 

「そうだ!やはり君はそうでなくては!」

 

 

ジャスティスがまず最初に召喚したのは人工精霊【彼女の御使い(ハーズ・エンジェル)・銃刑】。マスケット銃を構えた6体の天使がこっちに向かってきている!

 

 

「《冴えよ風神・剣振るいて・天駆けよ》!」

 

 

黒魔【エア・ブレード】による巨大な風の刃が全てを切り裂き、ことなきを得たけれど…

 

 

「グレンには遠く及ばないが君の成長速度も大概だね…」

 

 

だけれどジャスティスの偽りの天使達は際限なく増え続ける。

 

 

「白猫!俺とお前で突破口を開く。そしてその隙にリィエルがジャスティスを叩け!」

 

 

「分かりました!」

 

 

「?よく分からないけどとりあえず突っ込めばいいの?」

 

 

「あ、あぁ…つまりはそういうこった!任せたぞ!」

 

 

「《集え暴風・戦鎚となりて・撃ち据えよ》ーーー《打て(ツヴァイ)》ッ!《叩け(ドライ)》ッ!」

 

 

迫ってきた【彼女の左手(ハーズ・レフト)】、【彼女の御使い(ハーズ・エンジェル)・火刑】の軍勢は三連続で放った黒魔【ブラスト・ブロウ】で全て撃ち落とせた。まだまだ魔力的にも余裕が…

 

 

「《猛き雷帝よ・極光の閃槍以って・刺し穿て》ッ!」

 

 

あれはグレン先生の【ライトニング・ピアス】!!しまった…あの時に死角に隠れていた撃ち漏らしがいたのね…

 

 

「グレン先生!すみません、ありがとうございます」

 

 

「白猫!一旦お前はペースを下げろ。少し飛ばしすぎている。だが…」

 

 

「そのおかげでリィエルの突破口は出来たがな」

 

 

「やぁぁああああっ!」

 

 

決まった!もうジャスティスには人工精霊(タルパ)はいない!確実に攻撃が入ー

 

 

「リィエル!?」

 

 

リィエルが…空中で静止している?違う、リィエルの剣から確かに火花が散っている。これは…

 

 

人工精霊(タルパ)見えざる神の剣(スコトーマ・セイバー)】その名の通り不可視の刃さ」

 

 

そしてリィエルとの鍔迫り合いの末、折れたのはリィエルの剣だった。

 

 

「僕が戦いたいのはリィエル、君じゃない。グレン!直接君が来てくれ!僕の心を満たせるのはグレン。君だけだ!!」

 

 

「ったく、ご指名されちゃ仕方ねぇ…俺が直接相手してやろうじゃねぇか。後悔すんなよ!」

 

 

〜隼人side

 

 

システィーナやルミア達は問題ないな。よし、こっちの戦いに集中だ。

 

 

「俺の運が尽きる?そんなこと不可能だ。何故なら…その前にお前は俺に倒されるんだからな!」

 

 

やつの狙いはトリオン体の急所…つまりトリオン供給機関である心臓。あるいはトリオン伝達脳である脳のどちらかを狙った一撃必殺…の線が大きい。もちろんそれを知っていればの話だが。しかし、知られていることを前提に動いた方が対処はしやすい。

 

 

だが、その前にやる事がある。

 

 

『アルベルト、こちらは大丈夫だ。スナイパー達全員連れてって構わないからここから1km圏内を探してくれないか?ジャスティスのマスターがいるはずだ』

 

 

『ジャスティスのマスターだと…?つまりあそこにいるやつはマスターではなかったのだな』

 

 

『あぁ、外に怪しいマスターらしき人物がいるはずだ』

 

 

『了解した。任せろ』

 

 

よし、これであちらは大丈夫。あとはあのマスターを倒すだけ。

 

 

「攻めるぞ、アイリス!」

 

 

「はい、マスター!」

 

 

「そらよっ!」

 

 

今度はナイフを投擲してきた。だが、ジャックやステインならいざ知らず。そんなトーシロが投げるナイフなんかに当たらなー

 

 

「きゃっ!」

 

 

えっ?ちょ、アイリス!?

 

 

バタッ!

 

 

「くっ!」

 

 

しまった!アイリスにのしかかられて回避出来ない…このままじゃあいつがどけるより先にナイフが当たってしまう!

 

 

「ハウンド!」

 

 

射程はほとんど必要ない!スピードと威力重視で!

 

 

「既にもう1本目のナイフが貴様を追っているぞ!」

 

 

「軌道がズレた!?」

 

 

1本目のナイフに当てて軌道を変えやがった…

 

 

だが、ターゲットとして定めた以上はばっちりとハウンドが追尾している。

 

 

「ふぅ…危なかった…」

 

 

なんとか目の前で止まってくれたから良かったが…もし防御手段として、シールドを使っていたら危うく脳を刺されてトリオン体が消し飛ぶところだったかもしれない。

 

 

 

「ごめんなさい。私があの時転んでいなければ…」

 

 

アイリスが踏んだあそこだけ床が抜けた…まさかあそこだけ都合良く老朽化していたとでも言いたいのか?

 

 

「さっきのはあいつの能力によるところが大きい上に今はバトル中。あんま気にするな。謝ったり、反省会だのは東京に戻る新幹線の中ででもやればいい」

 

 

「はい!」

 

 

だが、ちょっと気になることがある。何故ラッキーになるのに俺は生きているのか。もしもそのラッキーで何でも自分の都合良く事が運ぶのならあんな回りくどいことしなくても俺が心臓麻痺を起こした等のラッキーで一切手を下さずとも勝てる。

 

 

「それは出来ない…?」

 

 

今までに起きたラッキーはシャンデリアの落下の他に…

投げた小石にリィエルを転ばせ、その勢いで剣を投げさせた。

コイントスをしたらたまたまシノンが弾丸を撃ってきて、それがコインに当たったら俺に向かって反射してきてきた。

それを防ごうと弾丸を斬れば分裂した弾丸が命中。

投げたナイフを回避しようとしたらアイリスが転んできて、当たりそうになったのを防ごうとしたらもう1本目のナイフが当たり、軌道がズレてたまたま俺の脳に向かってきた。

 

 

 

シャンデリアの落下は例外に見えなくもないが…

 

 

そうだ。分かったぞ。やつの能力は完全に理解した。そして倒す方法も。だが…

 

 

「これはちょっと難しいかなぁ…」

 

 

俺が辿り着いたもう一つの答えは…『何もさせない』

 

 

俺の推測が正しければあいつのラッキーとはあくまで自分の行動において発動する延長線上なのだ。

 

 

例えばコインを投げればそのタイミングで上手くたまたまスナイパーが撃ってくれるし、予め傷を付けておくなりすれば俺達が油断したタイミングで都合よくシャンデリアを落とすように仕組めるし、俺の頭にナイフを当てようと思って投げればそのためにアイリスが転んでくれる。

 

 

しかし、相手が何もしていない状態じゃアイリスを都合よく動かして俺を倒したり、不利な状況にすることはない。まして俺がなんの前触れもなく心臓麻痺になるなんてこともない。

 

 

つまりあの能力は完全に受け身になってしまうか100%あり得ないこと。このどちらかか両方だと発動しない…と、俺は見ている。

 

 

だが、何もさせない状態にするには気絶でもさせなきゃいけない。そんなのははっきり言って至難の技だ。最初のように運を使い果たさせる作戦でいくのが一番か。

 

 

「タイムリミットが刻々と迫ってきている。そろそろ終わらせるか」

 

 

「随分余裕だな。俺に一撃も当てられていないくせに」

 

 

「そういうお前だって…その運を使ってチートキャラを召喚するそぶりすら見せない。その理由は召喚した瞬間、もしもそれが運の消費判定と被った上に運が使い果たされたら呼んだキャラが現界してくるタイムラグの間に倒されちまうからだろ?」

 

 

「ちっ…!!何もかもお見通しって顔しやがって!貴様ごとき何回でもぶっ殺せるんだよ!」

 

 

「いやぁ、悪いな。俺は戦闘能力があまりない方だから頭を働かせなきゃやってやれないんだわ」

 

 

俺の推理を聞いた後の表情からして当たっているのだろう。それに声色も動揺が隠せていない。

 

 

「ふん。だが、もうお前は終わりだ!初めから俺が直接手を下せば良かったんだ!死ねぇぇぇ!」

 

 

ぐふっ…やれやれ。その幸運でどこに当ててもラッキーパンチってか?本当にふざけてやがるな。まともにゃ戦えん。

 

 

「トリガーオフ」

 

 

「よし!お前のトリオン体は壊した!あとはお前を直せー」

 

 

ポチッ

 

 

「お前を直せ…何だって?」

 

 

「はぁ!?待て、お前何しやがった!?どうして俺のスタンドが消えているんだ!?」

 

 

「簡単な話だ。お前の指でソシャゲのガチャを引かせた。結果は最高レア5枚抜きと文句なしの大勝利さ」

 

 

「ちっ、スタンドなんざなくたってお前を刺すのは簡単にー」

 

 

「アイリス」

 

 

「これで終わりです!」

 

 

「ぐはっ!」

 

 

よし、峰打ちで動けなくはさせられれた。

 

 

「さて、まずは俺の情報を誰にリークしたか。他にも可能な限り情報を搾り取って…」

 

 

「殺せ。喋ることはなー」

 

 

「あぁ、殺すね。僕の正義の礎となってくれ。ステインのマスター…いや、三神照彦と呼ぶべきか」

 

 

「やめろジャスティス!!」

 

 

「ルミア!白猫!見るんじゃねぇ!!」

 

 

全てを察した俺はアイリスの目を塞いでから二人にも目を覆うように指示し、グレンはジャスティスを止めようとした。しかし、グレンの叫びも虚しく三神の全身に血の華が咲いた。ジャスティスは俺達の目の前でステインのマスターを串刺しにしたのだ。

 

 

俺の記憶が正しければあの技は【彼女の御使い(ハーズ・エンジェル)・磔刑】。あの技に拘束された以上、三神は抗うことも不可能。もう助からない。

 

 

「ジャ、ジャスティス…お前は…協力してくれるんじゃ…」

 

 

「君に与えられた組織の役割は僕達の組織のマスター全員をスタンド使いにする。それだけさ。役目を終えた君には何の価値もないし、おまけに能力が邪魔。そして僕はグレンと戦いたかっただけ。強いて仕事があるとしたらステインかジャックの回収を命令されてたけど…僕が見た未来通りならステインの回収に成功しているだろうし、ひとまずはどうでもいいか」

 

 

「くっ…くそ…」

 

 

「待てよ、そいつは死ぬ必要があったのか?」

 

 

確かにアニメキャラを使って、マスター殺しを繰り返した悪質なプレイヤー(殺したのもその悪質なプレイヤーのみだったのだが)だ。死んでいいものなのか?退場させるだけで充分だったはずだ。

 

 

「…見かけによらずに感情で物を言うんだね、君は。確か彼がマスターになったから人殺しを始めたとか彼の正義はステインの正義だろう。という希望的観測を織り交ぜた推理をしていたね」

 

 

「だけど実際は違う。既に彼は殺人鬼だったのさ。じゃなきゃあれだけの死体は手に入らないだろう?無論、その人殺しも彼なりの正義あってのものだった。僕の正義を抜きにしても彼が裁かれるのはこの国じゃ当然のことだろう?」

 

 

あぁ、なるほどね。だからこそステインを召喚可能な適性があったわけか。奴の言葉には嘘偽りなく自分も掲げた正義だったと。

 

 

「当たり前だろ。俺達の世界である日本は少なくともそうだし、恐らく万国共通で悪だっつーの」

 

 

「違うね、少なくとも僕達の世界では正義となる。僕の正義がグレン。君の正義を打ち倒して…ね」

 

 

「俺を倒す?なんならここで今テメーを倒してやってもいいんだぜ。時間はまだ残っているしな」

 

 

「いいや、時間切れだ。楽しい時間はあっという間だねぇ、グレン。残念なことにマスターからの撤退命令も出てしまった。仕方ないけど今回は帰らせてもらうよ」

 

 

「津島隼人。君は中々面白い未来が見えている。聞きたいかい?」

 

 

「何だ?」

 

 

「君はこの戦いで女のキャラしか手に入れることは出来ない。そういった呪いをかけられているんじゃないかってくらいのものだ。ついでに女難の相も出ているから気をつけたまえ」

 

 

 

「そうかい、なんなら診断書を一筆したためてくれるとなにかと助かるな」

 

 

なんとか表情には出さなかったが…これは結構まずくないか?女キャラだけど強いキャラはもちろん多いし、ユウキもその最たる例だろう。というか俺の所持キャラを弱いだなんて思ったことは一度もない。

 

 

だけど…こうは思わないだろうか?ラスボス、あるいは作中最強のキャラは大抵男である、と。

 

 

落第騎士はステラより一輝の方が強いし、劣等生はお兄様最強だし、とあるも学園都市の能力者に限れば最強は一方通行だった。果てには数多の女性サーヴァントがいるFGOですら1部のラストはソロモン。最強議論で名前が出てくるのも大抵は男。

 

 

 

正直現段階では中々強いキャラを所持してはいるが、チートじみた最強キャラは所持していない。(絶対にやるつもりはないが、ルミアに《銀の鍵》を使わせれば話は別)

 

 

そんなチート連中は中堅キャラ辺りならその存在意義を食いかねないスペックと汎用性の高さを持っており、生半可な策で挑めば策ごと容易くすっ飛ばしてくる。もうちょい頭捻らないとこの先厳しくなるかもな…

 

 

「そしてもちろん…君の情報は僕のマスターにも喋らないさ。信じてくれ(トラスト・ミー)

 

 

「これ以上奴の言葉に耳を貸すな、白猫のマスター」

 

 

「いいや?俺はお前を信じてやる」

 

 

100%信用出来ない人間だと分かっている時点でもう信用するに値する。そう言った対応が出来る。

 

 

「…そうかい。それじゃあ、また会おうか。津島隼人。そしてグレン。次は君と1対1で戦える日を楽しみにしておくよ」

 

 

「けっ、二度と来んな」

 

 

ジャスティスが1km圏内ルールにより、この場から消えたと同時にモモから。グレンにはアルベルトから連絡が来た。

 

 

『こちらモモ。ステインを逃がしてしまいました…恐らく他マスターに所有権が渡ったと思われます』

『すまない、グレン。ジャスティスのマスターに勘付かれて逃げられた』

 

 

「そうか、報告お疲れ様」

 

 

「了解だ。サンキュな」

 

 

こうして…後味の良くない終わり方をしながらも俺達の京都での戦いは終わった。

 

 

〜津島瑠璃

 

 

「兄ちゃん…」

 

 

「マスター、貴方の兄から伝言を預かっています」

 

 

「何?セイバー」

 

 

「愚かなる妹よ、セイバーを持っているぐらいで調子乗るな。何の力もないのに正義感だけで首突っ込むからそうなるんだよ。これに懲りたら二度と俺の前にその面見せるな」

 

 

「…」

 

 

「まぁ、もしどうしても会いたいならもっと強くなってから来い。とのことです」

 

 

「…ありがとう、セイバー。私、もっと強くなるから…その時はまた兄ちゃ…」

 

 

その時私はスマホの壁紙を見て、絶句した。

 

 

『何があっても京都に帰る気はさらさらないぞ。指紋認証なんかONにしている馬鹿な妹め。さっさとくたばって俺にアルペン寄越せ。貴様には宝の持ち腐れだ』

 

 

「っ!この馬鹿兄貴!!」

 

 

ぴろん!

 

 

『馬鹿はお前だ。おばかさん』

『馬鹿はお前だ。まぬけめ』

『馬鹿はお前だ。えさに騙されやがって』

『馬鹿はお前だ。はーつっかえ』

『馬鹿はお前だ。ばちがいなんだよ』

『馬鹿はお前だ。かんちがい野郎め』

 

 

「マスター!Twitterの通知が大量に来てます!」

 

 

捨てアカウントか!!姑息な真似をっ!!!…っていうか何かしらでこっちを見ているな!盗聴器!急いで見つけて壊さなきゃ!

 

 

〜東京行き新幹線

 

 

俺は結局…何をしてやれたのだろうか。俺の妹につきまとわれたせいでまともな旅行は楽しませてやれなかった。

 

 

俺が匙を投げずに止めようとすればステインのマスター三神を殺させない立ち回りもできたはずだ。

 

 

予め妹に忠告しとけば誘拐されることだって未然に防ぐことが出来たかもしれない。

 

 

いや、そもそも…

 

 

「全く…今回はいつにもましてダメダメだな。俺は」

 

 

与えられてばっかりだな。俺はいつもそうだ。

あいつらはこんな取るに足らない存在の俺に生きる意味を始め、俺が今まで何をしても手に入れることが叶わなかったものを沢山くれた。

 

 

みんなは俺に沢山のものをくれる。なのに俺は何一つ返せない。

 

 

「…」

 

 

「はい、隼人君。チョコレート…食べる?」

 

 

あ、そういや帰りの新幹線の時間が長いってのと少しだけ1人になりたかったからみんなにお菓子とか買ってくるように頼んだんだっけか。

 

 

今は気が滅入っていて、食欲があまりないけれど七草先輩の事を無下にも出来ない。

 

 

「食べます」

 

 

さて、甘いチョコでも食べて落ち着ー

 

 

「っ!?」

 

 

苦ッ!!おおよそ人が食べる味じゃないくらいの苦さ。まるでカカオをそのまま食っているみたいだ。ん?カカオをそのまま…

 

 

「あれか。お前が買ってきたのは結構前に話題にもなったカカオ99%のチョコか?」

 

 

「ご名答。流石ね、隼人君」

 

 

くそっ、一杯食わされたか。仕掛けた本人はいたずらが成功した子供みたいに微笑んでいる。

 

 

「貴方、そういった顔もするのね。ちょっとだけ安心したわ」

 

 

「大丈夫ですか?津島さん、お口直しです」

 

 

「あぁ、サンキューな。モモ」

 

 

そうしてモモは飲み物を持ってきてくれた。ありがとう、助かったよ。

 

 

「ねぇねぇ、マスター!せっかくだからトランプでもやらない?さっき買ってきたんだ!」

 

 

「おっ、そうか!実はここにもう1セットのトランプがあってだな…それじゃあ、4人ずつ戦ったら次は上位同士の決戦!そんでもって誰が一番強いか決めようぜ!」




京都騒乱編完結です。

色々長かった…そして色々迷走しました…ww

次回からはまたいつもの学校生活や東京での戦いに戻ります。
それでは!

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