アニメキャラを呼び出して戦わせるマスターに選ばれた件   作:100¥ライター

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遅れてすみません!
季節の変わり目に風邪を移されましたw
まぁ、それだけではないのですが…
ちなみに昨日からこのすばの小説も新しく書き始めました!
興味があればそちらも見ていただけると嬉しいです
…と、宣伝はこの辺にして…31話スタートです!

うっかり新作の方にこっちを書いてて焦って消しましたw


31話 取り引きをしよう

まず最初の意見では魔王軍に入る…か。こっから先はどうやってこっちに軌道修正するかだ。…でもそれどころじゃないな。

 

 

「カズマ!女神の従者が魔王軍に入っていいと本気で思ってるの!?今一度考え直しなさいな。…あれ、カズマさーん?」

 

 

「お、おい…冗談はよせ、その冗談は笑えないぞカズマ…」

 

 

「そ、そうですよ!私たちは冒険者ですよ!安易な考えで魔王軍の軍門に下っていいわけがありません!」

 

 

「お兄様…?」

 

 

「冗談でも安易な考えでもなく熟慮した結果です。とりあえずいかに魔王軍の方が強いかを説明しよう。まずお前、ダクネス!攻撃力はあるのに全く当たらないせいで取り柄がその硬さしかない!だが、ここにいる魔王軍のアルシエルはな!ダクネス以上の硬さを誇る上、念動力という極めて応用力に長けた能力に秀でる!これだけでお前はアルシエルの下位互換でしかない!!」

 

 

「下位互換だと!?」

 

 

…残念だがカズマの計算はほぼ正しい。そもそも悪魔と人間で身体能力も違うし、今でこそどうなっているかは分からないが恐らく戦いの間は人間の負の感情など関係なく、本来の悪魔の力を引き出せている。

 

 

俺は遊佐が今まで出し惜しみをした場面を見たことがない。なら魔界にいる時と同じ力を出せると判断していいはずだ。

 

 

強いてダクネスとアルシエルの差別化点を挙げるならダクネスはモンスターのヘイトを集めるデコイが使えることと悪魔特攻のスペルが効かないぐらいか?

 

 

前者はモンスターなんてこの前見たナナとかモンスターを手なずけているようなやつが使うくらいでしか見ないからあまり使えない

 

 

後者は…人間だから当たり前だよなぁ…?あ、これダメなやつだわ。

 

 

「次にめぐみん!確かに爆裂魔法はウィズより強いが、それだけだ!アークウィザード時代の強力な魔法とリッチーのスキル!おまけに手がかからない!よってめぐみんはウィズで良い!」

 

 

「はうっ!!」

 

 

確かにドレインタッチ一つ取っても便利な上、ライト・オブ・セイバーなどのシンプルに強い技から氷結魔法や泥沼魔法などの絡め手も使える。最悪劣勢時にエクスプロージョンなんて芸当も可能だし、魔力にゆとりがあるやつからウィズが魔力を拝借すればその後の心配もないし、微力ながら他の魔法でアシストも可能だ。

 

 

そもそも敵がいくらいるか分からないこの戦いで1回しか魔法を撃てない魔法使いは手に余ると判断した結果だろうな。

 

 

「へへーん!この中で回復が可能なのは私だけ!だから私は二人みたいに代わりは効かなー」

 

 

「俺の運が最大限発揮出来る。論ずるまでもない。というかその気になれば魔王が回復可能だしな。」

 

 

「なんでよー!!もしかして恐れ多くも麗しいこの女神アクアさー」

 

 

「ないです」

 

 

「ちょっとカズマ!最後まで言わせなさいよー!!ねぇ!ねぇってば!!」

 

 

見事に全員乗り換えられた理由を告げられ、めぐみんとダクネスは意気消沈している。

 

 

「そうして残るアイリス達と魔王軍で悩んだんだが…確かに同作品メンバーが一切いないとは思えない程連携などはアイリス達の方が優れているんだが、やはり総合的な戦闘力では魔王軍の方が高い。そして連携などが完成しきっているからこそ俺は入れない。」

 

 

そうか…俺達は完成しすぎていたのかもしれない。だから新参者が入れないと。まぁ、それらしい理由を付けられただけな気がするが…

 

 

「そ、そん…な…」

 

 

アイリスも酷く落ち込んでいる。やはり魔王軍は倒す敵である世界のやつからしたら自分の好きなやつが敵側に寝返るのは辛いことなのかもしれない。

 

 

 

「ハヤト…貴方はカズマ程ではありませんが、よく頭が回るのは分かっています。だからなんとかカズマを落とす策を考えてください。その策で私にできることがあれば協力しますよ」

 

 

 

まず取り引きにおいて重要なことはいかに信用できて安全か、どれだけ相手に有益な条件を提示できるかにかかっている。入手したキャラ次第では立場なんざ余裕で変わるため、この戦いにおいては取り引きをするという選択に至らせない脅迫などの手段は好ましくない。

 

 

だって脅されてた相手が悟空取りましたとかだけで形成逆転するもんな。この戦いは色々世知辛い。俺があまり積極的に敵対出来ないのはそのせいだ。

 

 

まず信用や安全云々だとバニルとウィズがいる時点でもう負けている。いや、別にアクア達が負けているわけではないが、バニルやウィズも十分信頼できる間柄だ。信頼は一定数あればそれ以上は更に有益なメリットで潰せる。

 

 

なら条件を擦り合わせるのは有益な条件!

 

 

「めぐみん、ダクネスを使うぞ。」

 

 

「えぇ!」

 

 

めぐみんは俺の言ったことを瞬時に理解したらしく、ダクネスの腕を掴んだ。

 

 

「え?お、お前ら!何をする!」

 

 

状況を把握できてないダクネスが困惑しているが、いいだろう。ダクネスがメリットとなれば…

 

 

「カズマ!今ならこのダクネスがお前のメイドになってくれるってよ!」

 

 

「何でも言うこと聞いてくれますよ!」

 

 

 

「ん?今何でもするって…バニル、実際はどうなんだ?」

 

 

あ、ヤバい…詰んだな。バニルがいるとブラフなんかが通用しないからこういう時めんどくさい。

 

 

「っ…相変わらず発光女神のせいで貴様らは見通しにくいな…うむ、あのまた腹筋が増えた女はいつもしているいやらしい妄想のようなことは出来ないらしいぞ」

 

 

「い、いやらしい妄想だと!?それに私の腹筋は増えていない!よくもそんなデタラメを…!!ぶっ殺してやる!」

 

 

「フハハハハ!!いくらでもかかってくるがいい!この戦いのルールで戦闘外では攻撃出来ないがな!フハハハハ!!」

 

 

「全く…俺がそんなんで動くとでも?これは勝ったら願いが叶う戦いだぞ?それに所属チームを選んだらもう基本的には選び直せない。だから無理だ」

 

 

そう、条件が軽すぎた…なら…

 

 

「ダクネスがお前の肉どーぶはっ!」

 

 

ダクネスから物凄い速さで口を塞がれた。

 

 

「ハ、ハヤト!いきなり何を言いだすんだ!!」

 

 

「いや、取引きのためにレートを上げたんだが。」

 

 

「だがではない!何故私の意思は無視されるんだ!」

 

 

「ダクネス!カズマは我々のチームに必要です!ダクネスの無駄にいやらしい身体は今使わずしていつ使うのですか!?」

 

 

「む、無駄にいやらしいなどと言うな!」

 

 

全く…相変わらずよく分からない。変態なのかピュアなのかどっちかにして欲しいものだ。

 

 

「あっ、この作戦なら…」

 

 

「ふむ、副指揮官兼サポート役を手に入れたから次はそこのサブタンクか自分が甘えられるようなお姉さんキャラを欲している男よ。」

 

 

「っ!?」

 

 

「なになに…今汝が欲しいキャラは魔法科高校の劣等生の『北山雫』、SAOの『シノン』、ノーゲームノーライフの『初瀬いずな』、ToLOVEるダークネスの『黒咲芽亜』、他には…FGOの『お…」

 

 

「もうやめろぉぉぉぉ!!おい、てめぇなにしてくれてんだコラァ!」

 

 

俺のこれから入手する予定のキャラの傾向をほぼ全て晒された上、おまけに俺の性癖まで晒された気がしてならない。やはりこいつは滅するべきか。いや、今魔王軍と事を構えるのは得策では…

 

 

「ふふ、これはまた大きな悪感情だ。美味である。もう少し晒してやっても良かったのだが…」

 

 

「抜粋しているキャラに悪意しか感じねぇんだが!!俺普通にアカシックコードのグレンとかハンタのキルアとかジョジョの仗助も普通に欲し…」

 

 

「ワンパンマン『フブキ』」

 

 

「もぉぉぉぉ!!黙れよお前!!」

 

 

悔しいがバニルのペースに完全に飲み込まれている。かなりまずいことになってんな…

 

 

「なぁ、魔法を使う美少女キャラを欲する男よ。汝に話がある。あちらで取り引きをしないか?」

 

 

バニルに呼ばれ、少し席を外したが他に誰が見ているとも知らぬ場所でいきなりバニルが取り引きを持ちかけてきた。

 

 

「あぁ?話だ?」

 

 

「貴様…お金に困っているのだろう?なら貴様の策を奴らに話すな。そうすればこれは貴様にくれてやろう。」

 

 

念のため解説するがこのすばの世界の悪魔は約束…というか契約は守る。悪魔に対する不信感とは元はと言えば人間が先に悪魔との約束を破ったからに他ならないらしい。

 

 

バニルもご多分に漏れず悪魔である。だから俺が黙ればあの金はくれるはずだ。

 

 

「ほ、本当に金はくれるんだな?」

 

 

「あぁ、約束しよう。貴様はただ黙っていればいい。」

 

 

「…」

 

 

人間は基本的には正しい行動を取る。だが、正しい行動を取らない時がある。それは…

 

 

「だが断る」

 

 

「…何?」

 

 

「この津島隼人の最も好きなことの1つは…明らかに自分にメリットがある取り引きをしてきた相手に対してだろうと仲間のため『NO』と断ってやることだ!」

 

 

あぁー、損した。ただ俺の策を黙るだけで宝くじの高額当選ぐらいの金が手に入ったのに…

 

 

昔の俺なら明らかに金の方に動いた。だが、今は仲間のために動いている…そんな自分の心境の変化にかなり驚いている。

 

 

「そして見ているんだろ?結城明日奈。」

 

 

「嘘…バレちゃった…?いつから分かってたの?」

 

 

「最初からだよ」

 

 

…と、見栄を張ったが実際には違う。俺はダクネスのマスターが俺に対して不信感を抱いている事を知っている。だからアスナがこの場にいるのではないかと読んだ。ただそれだけだ。

 

 

「まぁ、やるだけやってみるさ。」

 

 

「フハハハハ!ならやってみろ。我輩達からサトウカズマを引き抜いてみろ!」

 

 

さて、こっからが本番だ。サトウカズマを引き抜く…魔王軍に入れたら俺達の負け。こちらの誰かに引き入れたら俺の勝ち。頑張るか。




最後まで見てくださり、ありがとうございます!
次回でサトウカズマ争奪戦完結です!
お楽しみに!それでは!

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