アニメキャラを呼び出して戦わせるマスターに選ばれた件   作:100¥ライター

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バカテス編スタートです!!
最近ちょっと勢いが落ちたように感じるのでこれからは更に頑張ります。
応援してくださるととても嬉しいです。
バカテス編では他作品のアニメは一切出ないのでその点に関してはご了承願います。
※作者は原作を全て持っているわけではないのでアニメ2期の少し後ぐらいの時系列で書きます


バカテス編
13話 隼人と優子と作戦会議


相手のことを理解してあげることはとても大切なことである。

 

 

周りから理解されないというのは厨二病の人以外にとってはかなり悲しいことである。その厨二病も相反する願いとして理解されたいと思うのだから相当辛いことだ。

 

 

だから極力相手をすぐに判断せず、まず相手のことを理解することに努めるべきだと思う。

 

 

某元ネトゲランカーはどんなに手のかかるやつでも何処かへ捨てようとせずに相手を理解してやることが大事だと言った。

 

 

すると一見使えないやつでも1つぐらい長所が見つかるからそれを生かせる役割を与えれば案外使えると。更に相手の意外な一面も見えてくるかもしれないぞとのことらしい。

 

 

俺も基本的にそうしてはいる…だが、俺には遠く及ばない領域にいる人間のことを理解することは…はたして可能なのだろうか。

 

 

 

 

※主人公の隼人は形から入るので語りの方の一人称も全て変わっています。ただし、オタク知識やネタが入るのは変わりません。

 

 

木下優子。パッと見ればAクラスの良心とも言えるぐらい欠点が見えない女だと思う。

だけれど彼女の明るく社交的な面は全て演技である。彼女は優等生で模範的な生徒を演じているに過ぎない。

 

 

だからこそ困る。アタシも文月学園では完璧な優等生を演じなければならない。アタシはお世辞にも優等生とは言えない。テストの点はむしろ良い方だ。でも態度が良くない。おまけにコミュニケーション能力も高くはない。アタシの学校では昼寝しようがどうでもいい。

成績に少し響く程度だ。

 

 

でも今は違う。彼女の風評にかすり傷一つ…いや、塵一つすら付けてはならない。付いた瞬間敵マスターに即バレする。そんな神経をすり減らすぐらい注意を払わなければいけないのに更に明るく振舞わなければならない。休憩時間を寝て過ごすのは論外。

アタシにはそんなパーフェクトな人間を演じるのは不可能だ。

 

 

「優子、考え事?」

 

 

工藤愛子。AクラスにいるBクラスに毛が生えたようなやつとは次元が違う。ザクとシャア専用ザクぐらい違う。全体的に高水準な点に加えて得意な保健体育は代表すら上回るだろう。保健体育勝負ならアタシでも勝てない。この子ももしかしてマスターが憑依している…?

 

 

「あ、愛子…えぇ、今度開催されるバトルロイヤルの戦略をちょっとね。」

 

 

このセリフは全くおかしくはない。試験召喚戦争では木下優子が指揮を執る場面はいくつもあったし。

 

 

「バトルロイヤルねぇ…あのルール表によると撃墜王には可能な範囲内でお願いができるみたいだけれど…優子は何をお願いするの?」

 

 

焦った…こちらのバカテスメンバーサイドにもフツーにご褒美が貰えるのね。マスターだけの戦いではないから当然っちゃ当然か。

 

 

「ん…アタシはまだ考え中かな?愛子は?」

 

 

「まぁ、急に何かどうぞって言われても困るよね…私もまだ考え中…」

 

 

決まりだ。こいつは黒。万が一手に余るような抜け目ないマスターであれば保健体育のフィールドへ土屋君をけしかけて消す。Aクラス以外で愛子を消せるのは彼しかいない。

 

 

あちらで徒党を組まれている可能性は…いえ、ないわね。

クラスが違うだけで優勝した際、どちらかは商品は貰えない。

おまけに撃墜王は1人しかもらえないし、相手が誰か分からない以上無闇に同盟は組めないと思う。

 

 

それに無闇に話せば土屋君から情報が漏れる可能性がある。安易には話せないはず。

 

 

「では、これより各組バトルロイヤルの作戦会議だ。」

 

 

久保利光。学年の序列では霧島翔子、姫路瑞希に続いて3位。

まぁ、姫路さんに関しては振り分け試験で0点扱いになったので彼は実質学年次席だけれど。

 

 

 

そして今更だけどAクラスの机はシステムデスクで個人用にノートパソコンやリクライニングシートなんかがある。まぁ、他のクラスからしたら憎たらしいこと極まりないわね。

 

 

 

「まずリーダーが誰になるかだ。従来の場合は決まったクラス代表を倒せば決着だが、今回のバトルロイヤルではそうはいかない。では、リーダーとして名乗り出てくれるものはいないか?」

 

 

 

なるほどね。代表ではなく、予め決めたリーダーを落とせば勝ち。というルールにすることでリーダーを探すことにもなり、更に戦略性が求められる。奥が深くなるわね。

 

 

 

「はい。アタシがやるわ。 代表は集中狙いされるだろうから安易にリーダーにするのは危険だと思う。代表に護衛を付ければある程度はフェイクにできそうだし」

 

 

Aクラスとなればその分敵は増えるし、狙ってくる相手は多くいるはず。まずは代表を囲み、相手に代表をリーダーだと勘違いさせる。 ウチのクラスの場合代表は首席だから=リーダーだと勘違いするクラスも多いはずよ。そして防戦一方になっていると見せかけ、あえて隙を作ったら、そこを攻めに来た相手をアタシ達で倒す。

 

 

それに早く召喚獣の扱いは慣らしておきたい。

そう考えるなら無茶できる時に無茶したい。

 

 

「木下さんか。リーダーが彼女ということに異論は?」

 

 

うん、ないわね。我ながら中々にいい作戦だと思うわ。

 

 

「優子がリーダーなのは構わないけど作戦にはちょっと異議ありかな」

 

 

愛子…?マスター確定だからもう勘繰る必要がないから楽だけれど…

 

 

「相手は沢山攻めてくる。だからと言って防戦一方になればこちらの兵力が持たないと思うな。」

 

 

確かにそれは一理ある。数を捌ききる過程でどうしても点は減る。

防御に回り過ぎれば点数補給のテストも受けにくくなる。

バトルはある程度避けられない。もしもBクラス相手に手負いなら一部のメンバーは戦死する。

観察処分者の吉井君は召喚獣の扱いが上手いからダメージは与えられにくいが、ウチではそうというわけにはいかない。

アタッカーはただ浮いた駒を狩り取るだけだから問題はないが、守り手はキツくなってしまう。

 

 

「それは他のクラスでやった場合よ。でも私達Aクラスは違う。突破口さえ開いてしまえばあとは容易に相手を倒せるだけの力を持っているわ」

 

 

アタシや代表の点数であればBクラス面々だろうと平均点程度の相手なら確定1発だ。でも他のメンバーが四方八方から囲まれ、袋叩きにされたら終わる。

 

 

「では、戦う時は集団戦警戒で極力メンバーと離れすぎないように立ち回るスタイルでいこう。防戦一方にならないよう大きくまとまりすぎず、極力3人くらいで行動するようにすれば囲まれても問題ないはずだ。」

 

 

間を取った感じね。優勝はAクラスが取ると思う連中が多いだろうから集中狙いされやすい。まぁ、悪くはないと思う。

 

 

「代表はどう思う?」

 

 

「…構わない」

 

 

「では、今日はひとまずこれで終わるとしよう。明日はもう少し具体的に考えようか。」

 

 

 

 

 

「はぁ…」

 

 

さて、ようやく終わって家に帰ってきた…やれやれ…

ちょうどあの時が放課後だったから良かったものを…

疲れる…が、気を抜いてはいけない。というか本来なら溜息すら許されない。なにせこの家には秀吉がいる。

だからアタシは床に就くまで木下優子を演じなければいけない。

 

 

「さて、とりあえずはジャージに着替えようか…」

 

 

ここからは別パターンだ。家では本来の木下優子を演じる。

普段着はジャージか下着姿。でも下着姿はやっているこちらが持たない。普段秀吉しかいないからってやめてよ。

裸を見るのは何だか悪い気がするので目を瞑り、順調に着替えていく。女性用の服はボタンが男性のそれと違うから慣れるまで着替えにくい… これも慣らしていかなければ…

 

 

「そして手にはBL小説…」

 

 

彼女の実態はかなりズボラで美少年が絡み合うようなBL小説を読みながら頰を染めるような人だ。だが、もちろん到底理解できない。

 

 

どこが面白いのよ。この小説…

よくみたらこの手の小説が通販のダンボールに何冊も入っているし…

何があったら自分の愛を受け入れてくれない彼を鈍器で襲いかかるのよ。

 

 

「姉上ー、今帰ったぞい」

 

 

「んー、秀吉。おかえりー」

 

 

秀吉は一体どっち?マスターが憑依しているパターンかそうではないパターンか。分からない… まぁ、その内分かるからひとまずはいいとしよう。

 

 

「秀吉。ちょっとトイレ行くね」

 

 

「うむ」

 

 

「…」

 

 

トイレに座り込み、やっと少しの間一人になれた。

 

 

秀吉が家にいるから声なんて出せないが…

せめて今は心の中くらい素で言わせてくれ。

ふざけんな!BL小説とかさっぱり理解できない!

なんなの!マジなんなの!こいつのこと微塵も分かんねぇ!

そしてこれから彼女そっくりに字を書けるようにしなきゃいけないし、彼女が崇高だと言うBL小説もちゃんと読まなければならない。

他にもなりきるために沢山のことを…

やはり小説は純愛ものに限る!ケータイの小説サイトで何か面白そうな純愛小説でも読もう。

さて、これなんかいいんじゃ…

 

 

「全く…ようやく戻ってこれたわ…誰かは知らないけど人の身体で好き勝手して…」




最後まで見てくださり、ありがとうございます!
バカテス編では基本Aクラス軸にしていきます。
さて、次回!隼人に何が起こったのか!お楽しみに!
それでは!

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